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重いものを持ち上げるのは大変です。 でも、 長い棒と 1 つの支え があれば、 大人でも動かせない大きな石を子どもでも動かせることがあります。 これが てこ の力です。
てこ には 「力点」「支点」「作用点」 という 3 つの大切な点があり、 「重さ × 支点からの距離」 が左右で等しいときにつり合う という規則があります。 この規則は算数の 比例・反比例 ともつながっています。
大事: 6 年生の算数で学ぶ 比例・反比例 が、 そのまま てこ の規則になります。 「理科と算数はつながっている」 ということを体感 できる章です。
長い棒を 1 つの支えにかけて、 一端 に力を加えて反対側で重いものを動かすしくみ。 これが てこ です。
| 名前 | せつめい | 例: シーソーで言うと |
|---|---|---|
| 支点 | 棒を支えている点 (動かない) | シーソーのまん中の軸 |
| 力点 | 力を加える 点 (人が押す所) | 自分が座っている所 |
| 作用点 | 力がはたらく 点 (重いものに触れる所) | 反対側の友だちが座っている所 |
ポイント: 「支 = ささえる、 力 = ちからをかける、 作 = 作用 ・ ものを動かす」。 漢字の意味から役割 を思い出そう。
| 配置 (左から右へ) | せつめい |
|---|---|
| 力点 (人が押す) ←- 棒 -→ 支点 (台の上で支え) ←- 棒 -→ 作用点 (おもりを持ち上げる) | 力を 1 で入れて、 反対側でもっと大きなものを持ち上げる |
実際 に紙の上で描く場合: 三角の台をまん中に描いて棒をその上に乗せ、 左端を 「力点」、 右端を 「作用点」 とラベルをつけるとわかりやすいです。
てこ がすごいのは、 支点から力点までの距離を長くすると、 小さな力で大きなものを動かせる こと。 これを体感する実験 をしてみましょう。
棒を支点に乗せ、 作用点に 同じ重さのおもり (10 kg) を置き、 力点の位置を変えて必要な力を測ります。
| 力点の距離 (支点から) | 必要な力 |
|---|---|
| 10 cm | 100 N (= 10 kg 分) |
| 20 cm | 50 N (= 5 kg 分) |
| 50 cm | 20 N (= 2 kg 分) |
| 100 cm | 10 N (= 1 kg 分) |
(作用点までの距離 = 10 cm、 おもり 10 kg、 約 100 N と仮定)
大事: 力点の距離を 2 倍 にすると、 必要な力は 半分 になる。 これが 反比例 の関係です。
| やり方 | 結果 |
|---|---|
| 支点から力点までの距離を長くする | 力が小さくてすむ (楽になる) |
| 支点から作用点までの距離を短くする | 力が小さくてすむ (楽になる) |
| 支点から力点までを短くする | 大きな力が必要 (損する) |
ポイント: 「楽をするためには自分が動く距離が長くなる 」。 てこ は力を減らすかわりに、 動く距離が長くなります。
てこ の規則を数の上ではっきりさせるために、 理科室にある 実験用てこ (左右におもりをつりさげられるてんびん) を使います。
| 部分 | せつめい |
|---|---|
| 支点 | まん中の軸 |
| 左うで・右うで | 数字の印 (1, 2, 3, 4, 5, 6) がついている |
| おもり | 1 個 = 10 g など同じ重さのもの |
左うでの 「6 の位置」 におもり 1 個 (10 g) をつりさげたとき、 右うでのどこに何個つりさげればつり合うか。
| 左うで | 右うで | 計算 (重さ × 距離) |
|---|---|---|
| 6 の位置に 1 個 (10 g) | 6 の位置に 1 個 (10 g) | 左 60 = 右 60 ◯ |
| 6 の位置に 1 個 (10 g) | 3 の位置に 2 個 (20 g) | 左 60 = 右 60 ◯ |
| 6 の位置に 1 個 (10 g) | 2 の位置に 3 個 (30 g) | 左 60 = 右 60 ◯ |
| 6 の位置に 1 個 (10 g) | 1 の位置に 6 個 (60 g) | 左 60 = 右 60 ◯ |
てこ のつり合いの規則: 「重さ × 支点からの距離」 が左右で等しいとき、 てこ はつり合う。
てこ のつり合いの公式はつぎのように書けます。
(左の重さ) × (左の距離) = (右の重さ) × (右の距離)
大事: 「重さだけ」 を比べても、 「距離だけ」 を比べても、 てこ はつり合いません。 かけ算の答え が同じであることが大切。
第 3 節で見つけた規則は、 算数の 比例・反比例 とつながります。
左うでの 「6 の位置に 10 g」 が固定 (左 = 60) として、 右うでの 重さ と 距離 を変えると…
| 右うでの距離 | 必要な右うでの重さ | 計算 |
|---|---|---|
| 6 | 10 g | 6 × 10 = 60 |
| 3 | 20 g | 3 × 20 = 60 |
| 2 | 30 g | 2 × 30 = 60 |
| 1 | 60 g | 1 × 60 = 60 |
距離を 半分 にすると、 重さは 2 倍 になる → 反比例 の関係。
逆に、 距離を同じ (例: 右うでの 3 の位置) にそろえると、 つり合う重さは 「左の重さ」 と 比例 します。
| 左うで 6 の位置の重さ | 右うで 3 の位置の重さ |
|---|---|
| 10 g | 20 g |
| 20 g | 40 g |
| 30 g | 60 g |
左が 2 倍 になると、 右も 2 倍 になる → 比例 の関係。
ポイント: てこ は算数の 比例 と 反比例 の両方 が顔を出すしくみ。 算数で 「比例・反比例」 が出てきたら、 てこ を思い出すとイメージしやすい。
てこ の考え方は、 身の回りのさまざまな道具に使われています。 道具ごとに 3 点の位置関係 がちがうのがポイントです。
てこ は、 支点・力点・作用点 のならび順で 3 つのタイプに分けられます。
| 道具 | 力点 | 支点 | 作用点 |
|---|---|---|---|
| シーソー | 自分の端 | 真ん中の軸 | 友だちの端 |
| くぎ抜き (バール型) | 手で持つ端 | 板とあたる部分 | くぎをつかむ部分 |
| はさみ | 指で持つ部分 | ねじの軸 | 紙を切る刃 |
特ちょう: 力点が支点から遠ければ楽になる。 道具で一番多いタイプ。
| 道具 | 力点 | 支点 | 作用点 |
|---|---|---|---|
| せん抜き | 手で持つ端 | 反対側の端 | まん中のつめ |
| 空き缶つぶし | 手のハンドル | 軸 | 空き缶をつぶす所 |
| ホッチキス (一部) | 押す上 | 後ろのヒンジ | まん中の針が出る所 |
特ちょう: 必ず 小さい力で大きな力を出せる (作用点が支点に近い)。
| 道具 | 力点 | 支点 | 作用点 |
|---|---|---|---|
| ピンセット | 指で押すまん中 | 上の接続部 | 先端 |
| トング (パンばさみ) | 手で押すまん中 | 上の接続部 | 先端 |
| しゃもじ (すくう動作) | 持ち手 | 手首 | すくう先 |
特ちょう: 大きな力が必要だが、 細かく動かせる。 軽いものをつまむときに便利。
| タイプ | 道具例 | 利点 |
|---|---|---|
| ① 支点まん中 | はさみ・シーソー・くぎ抜き | バランス良く力を倍にできる |
| ② 作用点まん中 | せん抜き | 必ず力が倍になる |
| ③ 力点まん中 | ピンセット・トング | 細かい動きができる |
ポイント: 「てこ = 必ず楽になる」 ではありません。 ③ タイプは力が増えるかわりに 細かく動かせる。 道具の目的に合わせて 3 点の位置が決まっています。
次の章: 第 10 章では、 「電気」 の利用を学びます。 5 年生で学んだ 電磁石 からもう一歩すすんで、 「作る・ためる・使う」 という流れを理解し、 プログラミング と環境にも触れます。