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5 年生で 「水溶液」 (ものが水に溶けたもの) を学びました。 6 年生ではそこからもう一歩 すすんで、 「水溶液には性質 のちがいがある」 ことを学びます。
水溶液はおおきく 酸性・中性・アルカリ性 の 3 つに分けられます。 また、 塩酸 のように 金属を溶かして別の物に変える はたらきをもつものもあります。 これは 6 年生で初めて学ぶ 「化学変化」 です。
大事: 水溶液の学習は 目や皮膚 に入ると危険 なものが多いので、 保護メガネ・換気・先生の指示 を必ず守ること。 安全が一番です。
身のまわりの水溶液は見た目だけでは区別がむずかしいものが多いです。 まずは 5 つの水溶液 を例に、 どう見分けるかを学びます。
| 水溶液 | おもに何が溶けているか | 性質 |
|---|---|---|
| 食塩水 | 食塩 (固体) | 中性 |
| 炭酸水 | 二酸化炭素 (気体) | 酸性 |
| 塩酸 | 塩化水素 (気体) | 酸性 |
| アンモニア水 | アンモニア (気体) | アルカリ性 |
| 水酸化ナトリウム水溶液 | 水酸化ナトリウム (固体) | アルカリ性 |
| 方法 | やること | わかること |
|---|---|---|
| 見る | 色・にごりを観察 | 大きくちがうものは区別できる |
| におい | 手であおいで鼻に送る (直接嗅がない) | 塩酸・アンモニア水 は強いにおい |
| 蒸発残り | 少量を蒸発皿に入れて加熱、 残ったものを見る | 固体 が溶けているか、 気体 が溶けているか わかる |
| 水溶液 | 蒸発残り | 何がわかるか |
|---|---|---|
| 食塩水 | 白い 食塩 が残る | 固体 が溶けていた |
| 炭酸水 | 何も残らない | 気体 が溶けていた |
| 塩酸 | 何も残らない | 気体 (塩化水素) が溶けていた |
| アンモニア水 | 何も残らない | 気体 (アンモニア) が溶けていた |
| 水酸化ナトリウム水溶液 | 白い 水酸化ナトリウム が残る | 固体 が溶けていた |
大事: においを嗅ぐときは、 直接鼻をつけず、 手であおいで 少しずつ。 塩酸・アンモニア のにおいは強くて、 直接嗅ぐと鼻をいためます。
水溶液を性質 で分ける道具が リトマス紙 と BTB液 です。
リトマス紙 は 青と赤 の 2 色がある試験紙です。 つけた水溶液で色が変わることで、 性質 がわかります。
| 性質 | 青リトマス | 赤リトマス | おぼえ方 |
|---|---|---|---|
| 酸性 | 青 → 赤 に変わる | 変わらない (赤のまま) | 「酸性で青が赤」 |
| 中性 | 変わらない (青のまま) | 変わらない (赤のまま) | 「中性で変わらない」 |
| アルカリ性 | 変わらない (青のまま) | 赤 → 青 に変わる | 「アルカリで赤が青」 |
BTB液 (ビーティービーえき) は 1 つの液で 3 つの性質 が同時にわかる便利な試薬です。
| 性質 | BTB 液の色 |
|---|---|
| 酸性 | 黄色 |
| 中性 | 緑色 |
| アルカリ性 | 青色 |
ポイント: 「酸 ⇒ 黄、 中 ⇒ 緑、 アルカリ ⇒ 青」。 信号をイメージすると覚えやすい (危険 な酸が黄、 安全な中性が緑、 アルカリも強いので青)。
| 水溶液 | リトマス | BTB | 性質 |
|---|---|---|---|
| 食塩水 | 変わらない | 緑 | 中性 |
| 炭酸水 | 青 → 赤 | 黄 | 酸性 |
| 塩酸 | 青 → 赤 | 黄 | 酸性 (強い) |
| アンモニア水 | 赤 → 青 | 青 | アルカリ性 |
| 水酸化ナトリウム水溶液 | 赤 → 青 | 青 | アルカリ性 (強い) |
大事: リトマス紙を水溶液につけるときは、 ピンセット を使い、 直接手で触らないこと。 塩酸 や 水酸化ナトリウム は皮膚 をいためます。
理科室だけでなく、 家の中にも酸性・アルカリ性のものはたくさんあります。
| 物 | 性質 | 用と |
|---|---|---|
| お酢・レモン汁 | 酸性 | 料理 |
| ヨーグルト | 酸性 | 食品 |
| 雨水 (普通) | 弱い 酸性 | (空気の二酸化炭素が溶けている) |
| 牛乳・水道水 | 中性 かやや | 飲料 |
| 海水 | やや アルカリ性 | |
| 重そう (ベーキングパウダー) | 弱い アルカリ性 | おかし作り・そうじ |
| 石けん水 | アルカリ性 | そうじ・洗たく |
| 排水口用洗ざい | 強い アルカリ性 | (取扱い注意) |
| トイレ用洗ざい (一部) | 強い 酸性 | (取扱い注意) |
大事: 家の洗ざいには 「混ぜるな危険」 と書いてあるものがあります。 酸性 と アルカリ性 (とくに 塩素系) を混ぜると 有毒なガス が発生します。 絶対に自分で試さないこと。
水溶液の中でとくにふしぎなのは、 塩酸 が金属を溶かす ことです。
| ステップ | やること |
|---|---|
| ① | 試験管に うすい 塩酸 を入れる |
| ② | 鉄 (スチールウール) を少し入れる |
| ③ 観察 | あわ (気体) が出て、 鉄が少しずつ溶けていく |
| ④ | 全部溶けたら、 液を蒸発皿に入れて加熱 |
| ⑤ 結果 | 黄色っぽい粉 が残る |
ここが大事なポイントです。 残った粉は 元の鉄とは別の物 です。
| くらべ | 元の鉄 | 蒸発残りの粉 |
|---|---|---|
| 色 | 灰色 (光っている) | 黄色っぽい |
| じしゃくにつくか | つく | つかない |
| 塩酸をかけると | あわが出て溶ける | あわが出ない で溶ける |
→ 元の鉄とは ちがう物 (別のもの) に変わっている!
| ステップ | やること |
|---|---|
| ① | うすい 塩酸 に アルミはく を入れる |
| ② 観察 | あわが出て溶ける |
| ③ 蒸発残り | 白い粉 が残る (元のアルミとはちがう) |
大事: これは 5 年生で学んだ 「水に物が 溶ける」 (砂糖や塩が水に溶ける) とは まったくちがう現象 です。 5 年生の 「溶ける」 は物が形を変えずちいさく散らばるだけで、 蒸発させれば 元通り に戻りました。 6 年生で学ぶこの 「溶ける」 は 元の物とはちがう別の物に変わる = 化学変化。
アルミニウム は 水酸化ナトリウム水溶液 にも溶けます (鉄は溶けない)。 つまりアルミは酸とアルカリの両方に溶けるふしぎな金属です。
| 金属 | 塩酸 (酸性) | 水酸化ナトリウム水溶液 (アルカリ性) |
|---|---|---|
| 鉄 | 溶ける | 溶けない |
| アルミニウム | 溶ける | 溶ける |
| 銅 | 溶けない | 溶けない |
炭酸水 はジュースやラムネでよく知っている 「シュワシュワ」 する水。 これも立派な 水溶液 です。
| ステップ | やること |
|---|---|
| ① | ペットボトルに炭酸水を入れて、 ふたをゆるめに閉める |
| ② | 強くふる |
| ③ 観察 | あわがたくさん出て来る |
| ④ | 出てきた気体を試験管に集める |
| ⑤ | 石灰水 を入れてふる |
| ⑥ 結果 | 石灰水が白くにごる → これは 二酸化炭素 |
| ステップ | やること |
|---|---|
| ① | ペットボトルに水を半分ぐらい入れる |
| ② | 二酸化炭素 をボンベからボトルに入れる |
| ③ | ふたをしめて強くふる |
| ④ 観察 | ボトルがへこむ (二酸化炭素が水に溶けて体積がへる) |
| ⑤ | 中の水に BTB液 を入れる |
| ⑥ 結果 | 黄色 (酸性) になる → 炭酸水ができた |
ポイント: 炭酸水 = 二酸化炭素 + 水。 二酸化炭素は圧力 がある (ふたがしまっている) と水に多く溶け、 圧力 が下がる (ふたを開ける) と出てきます。 ジュースのシュワシュワはこのしくみ。
水溶液の学習で一番大切なのは 安全 です。 塩酸・水酸化ナトリウム・アンモニア水 は 皮膚 や目をいためる強い 薬品 です。
| きまり | せつめい |
|---|---|
| 保護 メガネ を必ずかける | 目に入ると失明 の危険 |
| 換気 を良くする | まどを開け、 換気扇をまわす |
| においは直接嗅がない | 手であおいで鼻に送る |
| 薬品を直接手で触らない | 必ずピンセットやスポイトを使う |
| 薬品を口に入れない | 味見はぜったい禁止 |
| 濃い塩酸をうすめるときは 「水 → 薬」 の順 | 「薬 → 水」 は禁止 (急に熱くなって飛び散る) |
| 試験管をのぞき込まない | 急に反応して飛び出ることがある |
| 加熱するときは沸騰石 を入れる | 突沸 (急に沸騰) を防ぐ |
| 手についたらすぐ大量の水で洗う | 5 分以上流水で |
| 目に入ったらすぐ流水で洗い先生に | 自己判断 せず |
| やること | せつめい |
|---|---|
| 余った薬品は ボトルに戻さない | 変質するので専用の廃液容器へ |
| 試験管は 流水でよく洗う | 中と外を |
| 手をよく洗う | せっけんで |
| 机をふく | こぼしがないか確認 |
大事: 「安全」 は楽しい実験 の大前提。 危険 なことを知ってこそ、 化学を学ぶことができる。 ふざけて薬品を混ぜることはぜったいにしない。
次の章: 第 9 章では、 化学から物理の世界に戻り、 「てこ」 を学びます。 小さな力で大きなものを動かすしくみ、 そして算数の 比例・反比例 とどうつながるかを見ていきます。