この章で学ぶこと
第 2 章は、 6 年生で初めて出会う 「化学変化」 の入り口、 燃焼 を学びます。
- 「燃焼」 とはどういう現象 かを知る
- 空気 の 組成 (窒素 78 % / 酸素 21 % / その他 1 %) を知る
- 物が燃えるには 酸素 が必要 で、 燃えると 二酸化炭素 が増える ことを確かめる
- 石灰水 と 気体検知管 の使い方を覚える
- ろうそくの 炎 の三層 (炎心・内炎・外炎) のちがいを知る
- 燃焼 の 実験 の 安全 なやり方を身につける
ポイント: 5 年生までに学んだ 「物の形が変わる」 (例: 水 → 氷) は 物理変化 でした。 6 年生で学ぶ 「物が燃える」 は、 元にもどせない 変化 = 化学変化 です。
1. 物が燃えるとは
ろうそくに火をつけると、 ろうがとけて、 炎 が上がります。 これが 「燃える」 という現象、 = 燃焼 です。
燃焼の 3 つの条件
物が燃えるには、 つぎの 3 つが 同時に そろう必要 があります。
| 条件 | くわしく |
|---|
| ① 燃える物 | ろうそくのろう、 木、 紙、 ガスなど |
| ② 酸素 | 空気 の中の酸素 |
| ③ 発火点以上 の温度 | ろうそくの場合約 240 ℃ |
大事: 3 つのどれか 1 つでも欠けると、 火は消えます。 これを 「燃焼 の三要素」 と言います。 消火 (火を消す) は、 この 3 つのどれかを取り除くことです。
消火のしくみ — 三要素のどれを取り除くか
| 消火の方法 | 取り除くもの |
|---|
| ふたをかぶせる | 酸素 をしゃ断 |
| 水をかける | 温度 を下げる |
| 燃える物を取り除く | 燃える物 |
| 消火器 (粉) | 酸素 をしゃ断 + 温度も下げる |
2. 空気の組成
物を燃やすときに必要 な 「酸素」 は、 ふだんわたしたちが吸っている 空気 の中にあります。 空気の中には、 酸素 のほかにもいくつかの 気体 がふくまれています。
空気の組成 (体積 のわり合い)
| 気体 | わり合い | はたらき |
|---|
| 窒素 | 約 78 % | 反応 しにくい。 燃焼 には関係 しない |
| 酸素 | 約 21 % | 物を燃やすはたらき がある |
| 二酸化炭素 | 約 0.04 % | 物が燃えたり動物 が呼吸 すると増える |
| アルゴン・水蒸気 など | 残り 1 % ぐらい | (くわしくは中学で) |
イメージでつかむ — 100 個の風船 でたとえる
もし空気 を 100 個の風船 で表すなら、
- 78 個が 窒素 の風船 (青)
- 21 個が 酸素 の風船 (赤)
- 1 個がその他の風船
ポイント: いちばん多いのは 窒素 で、 酸素 は だいたい 5 分の 1 ぐらい。 「空気 = 酸素」 と思いがちですが、 8 わり近くは 窒素 とおぼえましょう。
3. 物が燃えるには酸素が必要
「燃焼 に 酸素 が必要 かどうか」 を、 条件制御 でたしかめます。
実験 1: 集気びんの中のろうそく
集気びん (ガラスのびん) の中にろうそくを入れて、 ふたをします。
実験計画
| 条件 | A (ふたあり) | B (ふたなし) |
|---|
| 空気 の出入り ← 変える | ふさぐ | 開けておく |
| そろえる: ろうそく | 同じサイズ | 同じサイズ |
| そろえる: 集気びん | 同じ大きさ | 同じ大きさ |
| そろえる: 部屋 の温度 | 室内 | 室内 |
結果
| A (ふたあり) | B (ふたなし) |
|---|
| ろうそくの火 | しばらくすると消える | 燃え続ける |
考察
- A はしばらく燃えてから消えた → びんの中の 酸素 がなくなった から
- B はずっと燃えた → 外から 酸素 が入ってくる から
- → 燃焼 には 酸素 が必要
びんの大きさを変えてしらべる
| びんの大きさ | 燃える時間 |
|---|
| 250 mL | 約 8 秒 |
| 500 mL | 約 18 秒 |
| 1000 mL | 約 38 秒 |
読み取り: びんが大きいほど 長く燃える = 「びんの中の 酸素 の量」 が多いほど長く燃える。 → 燃焼 には 酸素 の量が関係 することがわかる。
4. 燃えると二酸化炭素が増える
物が燃えたあと、 集気びんの中の空気 をしらべると、 「二酸化炭素 が増えている」 ことがわかります。
石灰水でたしかめる
石灰水 は、 二酸化炭素 と反応 して 白くにごる とうめいな液です。
| 操作 | 結果 |
|---|
| ろうそくを燃やす前の集気びんに 石灰水 を入れてふる | にごらない |
| ろうそくを燃やしたあとの集気びんに 石灰水 を入れてふる | 白くにごる |
大事: 石灰水 が白くにごる = 二酸化炭素 がある のしるし。 6 年生の理科で何度も出てきます。 必ずおぼえましょう。
気体検知管でたしかめる
気体検知管 は、 空気中の 酸素・二酸化炭素 のわり合い (%) を測れる道具 です。 細いガラス管の中に薬品 が入っていて、 ポンプで空気 を吸い込むと、 色が変わったところの目盛 を読みます。
ろうそくが燃える前と後の比較
| 気体 | 燃える前 | 燃えた後 |
|---|
| 酸素 | 約 21 % | 約 16 % (減る) |
| 二酸化炭素 | 約 0.04 % | 約 4 % (増える) |
| 窒素 | 約 78 % | 約 78 % (変わらない) |
大事なこと 3 つ
- 酸素 がぜんぶなくなるのではない (約 16 % で火が消える)
- 二酸化炭素 が 0.04 % → 4 % に大きく増える
- 窒素 は変わらない (燃焼 に関係 しない)
ポイント: 燃焼 とは 「酸素 が燃える物と結びついて、 二酸化炭素 や水に変わる」 現象 です。 ろう (炭素 と水素 でできている) が燃えると、 二酸化炭素 と水蒸気 ができます。
5. 石灰水と気体検知管の使い方
石灰水の使い方
- 集気びんのふたを開けて、 石灰水 を少量入れる (大さじ 1 ぐらい)
- ふたをしめて 5〜10 秒 よくふる
- 白くにごったら 二酸化炭素 あり
石灰水の注意
- アルカリ性 の 薬品 なので、 手や服につけない
- 目に入ったら 大量の水ですぐ洗う
- 古くなった 石灰水 は反応 しなくなるので、 実験直前に先生に出してもらう
気体検知管の使い方
| ステップ | やること |
|---|
| ① | 気体検知管 の 両端 を折り取る (チップホルダーで) |
| ② | 気体検知管 を 専用ポンプ にセット |
| ③ | はかりたい空気 の中に先端 を入れる |
| ④ | ポンプのハンドルを一気に引き、 1 分待つ |
| ⑤ | 色が変わったところの 目盛 を読む (% 表示) |
気体検知管の種類
| 種類 | はかれる範囲 | 色の変化 |
|---|
| 酸素用 (青色) | 約 6 〜 24 % | 薄い青 → こい青 |
| 二酸化炭素用 (低濃度) | 約 0.03 〜 1 % | 黄 → 紫 |
| 二酸化炭素用 (高濃度) | 約 0.5 〜 8 % | 黄 → 紫 |
大事: 気体検知管 は 使い切り (1 回だけ)。 折った先端 は 鋭いので、 すぐ専用容器 に捨てます。 手にささらないように注意。
6. ろうそくの炎の三層
ろうそくの 炎 をよく見ると、 3 つの部分 に分けて見えることがわかります。 これを 「炎 の三層」 と言います。
炎の三層
| 部分 | 場しょ | ようす | 温度 |
|---|
| 外炎 | 一番外がわ | 青みがかったうすい 炎 | 約 1400 ℃ (一番高い) |
| 内炎 | 真ん中 | 明るくかがやくオレンジ色 | 約 1200 ℃ |
| 炎心 | しんのすぐ上 | 暗い、 炎 の内側 | 約 600 〜 800 ℃ (一番低い) |
なぜ 3 つに分かれるのか
| 場しょ | しくみ |
|---|
| 炎心 | しんから気体 になったろうがあるが、 まだ 酸素 と出会っていない (燃えていない) |
| 内炎 | 酸素 が少なめで、 ろうが 不完全燃焼 → すす (炭素 の 粒) が出て、 高温で 明るくかがやく |
| 外炎 | 空気 とたっぷりふれあって、 すすも完全燃焼 → 青みがかった 炎、 一番高温 |
実験: ガラス棒を入れて確かめる
ガラス棒 (または割りばし) を 炎 の中に横から一瞬入れて見ると、
| 入れた場しょ | ガラス棒のようす |
|---|
| 炎心 | あまり 焦げない (温度が低い) |
| 内炎 | 黒くなる (すすがつく) |
| 外炎 | 早く 焦げる (温度が高い) |
ポイント: 一番明るい部分 (= 内炎) が一番熱いわけでは ありません。 一番熱いのは 外がわの青い 外炎。 これは中学で学ぶ 「ガスバーナー」 でも同じで、 「外炎 で加熱 する」 がきまりです。
ろうそくの炎。 中心の 炎心 (暗い)、 まわりの 内炎 (明るくかがやく)、 一番外の 外炎 (青く高温) の 3 層構造。
7. ふりかえりと安全配慮
この章のチェックリスト
この章の安全配慮
- 保護 めがねを必ずつける (ガラスが割れたとき、 薬品 がとんだとき)
- もえやすい物 (紙・髪・服) を 炎 に近づけない
- 長い髪は結ぶ、 ぼうえんきょう・マフラー ははずす
- 集気びん のふたを開けるときは顔を近づけない (熱い空気 が上がる)
- 石灰水 は アルカリ性、 目・口・服につけない
- 気体検知管 の折った先端 が手にささらないよう注意
- 火をつけた物は 必ず完全 に消えたことを確かめてから 実験 を終える
- 換気 をよくする (二酸化炭素 やすすがたまらないように)
次の章: 第 3 章では、 「人の体のつくりとはたらき」 を学びます。 第 2 章で学んだ 「酸素・二酸化炭素」 が、 こんどは わたしたちの体の中 でどう動いているかを多面的 に見ていきます。