生物と 環境
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この章で学ぶこと
第 5 章は、 6 年生の 「多面的 に考える」 が集大成 となる章です。 これまで学んだこと (燃焼・人の体・植物) を すべてつなげて、 「生物 と環境」 を考えます。
- 生物 は 食物連鎖 でつながっていることを知る
- 食物連鎖 の ピラミッド (生産者・消費者) を理解 する
- 空気 が 光合成 と 呼吸 で 循環 していることを知る
- 水 が 蒸発・雲・雨 で地球 をめぐることを知る
- 人の活動 が環境 (温暖化・水質汚染) に与える影響 を知る
- わたしたちに できること (節電・リサイクル) を考える
ポイント: 「多面的 に考える」 とは、 「ぜんぶつながっている」 と気づくこと。 1 ぴきのメダカも、 1 本の木も、 1 たいのあなたも、 空気 と水と 食物で地球 とつながっています。
1. 食物連鎖
生物 は 食る・食られる の関係 でつながっています。 これを 「食物連鎖」 (しょくもつれんさ) と言います。
食物連鎖のれい
| 場しょ | れい |
|---|---|
| 草原 | 草 → バッタ → カエル → ヘビ → タカ |
| 池 | アオミドロ → ミジンコ → メダカ → カイツブリ |
| 海 | 植物 プランクトン → 動物 プランクトン → イワシ → マグロ |
| 森 | 木の葉 → 毛虫 → 小鳥 → タカ |
食物連鎖のしくみ
| 種類 | 役割 | れい |
|---|---|---|
| 生産者 | 光合成 で 自分で 養分 をつくる | 植物、 植物プランクトン |
| 一次消費者 | 生産者 を 食る (草食) | バッタ、 ウシ、 ミジンコ |
| 二次消費者 | 一次消費者 を 食る (肉食) | カエル、 メダカ、 イワシ |
| 三次消費者 | 二次消費者 を 食る | ヘビ、 マグロ |
| 頂点消費者 | 食物連鎖の一番上 | タカ、 シャチ、 人 |
大事: すべての生物 の 「食物の元」 をたどると、 必ず植物 (生産者) につながります。 生産者 がないと、 消費者 は生きていけません。
2. 食物連鎖のピラミッド
食物連鎖 の数を 比べると、 下 (生産者) ほど多く、 上 (消費者) ほど少ない ピラミッドの形になります。
ピラミッドのしくみ
| 階層 | 数 (おおよその比) |
|---|---|
| 頂点消費者 (タカ) | 1 |
| 三次消費者 (ヘビ) | 10 |
| 二次消費者 (カエル) | 100 |
| 一次消費者 (バッタ) | 1000 |
| 生産者 (草) | 10000 |
なぜ上ほど少ないのか
- 上の生物 が 1 ぴき生きるには、 下の生物 が たくさん 必要 (例: タカ 1 羽が 1 年間 食るヘビは何十ぴき)
- だから下ほど数が多くなる
バランスがこわれるとどうなるか
| もしも... | おきること |
|---|---|
| 草が大量に 枯れたら | バッタが減る → カエルも減る → タカも減る |
| タカがぜんぶ消えたら | ヘビが増える → カエルが減る → バッタが増える → 草が減る |
| 1 つの生物 が増えすぎたり減りすぎたりすると | 全体 のバランスがくずれる |
ポイント: 食物連鎖 は チェーン (くさり) のようにつながっています。 1 つの輪が切れると、 つながり全体 に影響 が出ます。 「自分と関係 ない」 と思える生物 も、 どこかでつながっているのです。
3. 空気の循環 — 光合成と呼吸
空気 の中の 酸素 と 二酸化炭素 は、 生物 のはたらきで 循環 しています。 第 2 章・第 3 章・第 4 章で学んだことが、 ここで全部つながります。
空気をめぐるはたらき
| はたらき | 出すもの | 取り入れるもの | だれがやるか |
|---|---|---|---|
| 光合成 | 酸素 | 二酸化炭素 | 植物 (昼) |
| 呼吸 | 二酸化炭素 | 酸素 | 動物・植物 (1 日中) |
| 燃焼 | 二酸化炭素 | 酸素 | 火 (ろうそく・石油など) |
図でつかむ — 空気のやりとり
| 場 | 出す | 入れる |
|---|---|---|
| 植物 (昼) | → 空気 へ 酸素 | 空気 から 二酸化炭素 ← |
| 動物 | → 空気 へ 二酸化炭素 | 空気 から 酸素 ← |
| 工場・車・燃焼 | → 空気 へ 二酸化炭素 | 空気 から 酸素 ← |
大事なバランス
- 植物 の 光合成 が、 動物 が吸う 酸素 をつくり出しています
- 植物 が減る と、 空気中の 酸素 が減り、 二酸化炭素 が増え ます
- これが、 後で学ぶ 地球温暖化 につながります
大事: 第 4 章で学んだように、 植物 は 昼は 光合成 と 呼吸 を同時に やっていますが、 光合成 の量の方がずっと多いので、 結果 として 酸素 を出していることになります。 夜は 呼吸 だけ。
4. 水の循環 — 蒸発と雨
水も、 空気 と同じように、 地球 をめぐっています。
水がめぐる流れ
| 順番 | 場しょ | おきること |
|---|---|---|
| ① | 海・川・池 | 太陽 の熱で水が 蒸発 |
| ② | 空の上 | 水蒸気 が冷えて 雲 になる |
| ③ | 雲 の中 | 水のつぶが集まって重くなる |
| ④ | 雨 や 雪 になって落ちる | |
| ⑤ | 山・地面 | しみこんだり、 川を流れる |
| ⑥ | 川 | 海や湖へ流れこむ |
| ⑦ | また ① にもどる |
生物と水の関係
| 生物 | 水の使い方 |
|---|---|
| 植物 | 根 から吸って 光合成 につかう、 蒸散 で大気に返す |
| 動物 (人) | 飲む、 食物から取る、 尿・あせで出す |
| わたしたちの生活 | 料理・洗・おふろ・トイレ |
水は 限りがある
地球上の水のうち、 わたしたちが飲める水 (淡水) は わずか 0.01 % ぐらいです。
| 種類 | わり合い |
|---|---|
| 海水 (塩がある) | 約 97 % |
| こおり (南極・北極・氷河) | 約 2 % |
| 地下水・川・湖 (淡水) | 約 1 % |
| すぐ飲める水 | 約 0.01 % |
ポイント: 「水はどこにでもある」 と思いがちですが、 「飲める水」 はとても 少ない。 だから水をむだにしないことは、 環境 を守る大事な第一歩です。
5. 人と環境 — 温暖化と水質汚染
人が生活 を 便利にするための活動 は、 同時に 環境 に影響 を与えています。
地球温暖化
石油・石炭・ガス などを大量に燃やすと、 空気中の 二酸化炭素 が増えます。 二酸化炭素 は 熱をにがしにくくする はたらきがあるので、 地球 がだんだん 暖かく なります。 これを 「地球温暖化」 (ちきゅうおんだんか) と言います。
温暖化でおきること
| 影響 | くわしく |
|---|---|
| 気温の上昇 | 100 年で約 1 ℃ 上がった |
| 北極・南極の氷がとける | 海面 が上がる、 一部の島がしずむ心配 |
| 異常気象 | 大雨・台風の 強化、 干ばつ |
| 生物 の 住みかが変わる | サンゴがしろくなる、 動物 が 移動 |
水質汚染
| 原因 | おきること |
|---|---|
| 工場からのはい水 | 川・海がよごれる |
| 家庭からの油・洗 | プランクトンが死ぬ、 魚が 住めない |
| ごみのポイ捨て | プラスチックが海にたまる、 マイクロプラスチック |
| 農薬 の流出 | 川の生物 が減る |
影響は人にももどる
汚れた水を飲んだ魚を、 人が 食る → 体にも影響 が来ます。 食物連鎖 を通して、 自然 の 汚れは 人にももどってくる のです。
大事: 「環境 を守る」 ことは 「自分を守る」 こと。 食物連鎖 でつながっているから、 自然 がこわれると自分の 食物や飲み水も 失います。
6. わたしたちにできること
多面的 に考えたとき、 環境 を守る行動 は 「ふだんの生活 の中にたくさんある」 とわかります。
節電 — 電気を大切につかう
電気 は主に石油・石炭・ガスを燃やして作られています (火力発電)。 だから電気 を 節約することが、 二酸化炭素 を減らすことになります。
| ふだんできること | 効果 |
|---|---|
| つけたままの電気 を消す | 1 日で数円、 1 年で数百円の節約 |
| エアコンの設定温度を 1 ℃ 変える | 約 10 % の電気節約 |
| LED 電球を使う | 白熱電球の約 1/6 の電気 |
| テレビをつけっぱなしにしない | 待機電力 も節約 |
リサイクル — 物を大切につかう
| 種類 | リサイクルのしくみ |
|---|---|
| ペットボトル | 服・新しいペットボトルになる |
| アルミかん | 何度でもアルミかんにもどる |
| 紙 | 新聞やティッシュになる |
| ガラスびん | 細かく 砕いて新しいびんに |
水を大切につかう
| ふだんできること | 効果 |
|---|---|
| 歯みがきで水を出しっぱなしにしない | 1 回で約 6 リットルの節約 |
| シャワーの時間 を短くする | 1 分で約 12 リットルの節約 |
| 洗たくはまとめてする | 水と電気 の両方を節約 |
5 R で考える
| 5 R | 意味 |
|---|---|
| Refuse (リフューズ) | いらないものは もらわない (レジぶくろ・割りばし) |
| Reduce (リデュース) | ゴミを出さない (詰め替え商品) |
| Reuse (リユース) | くりかえしつかう (マイボトル・お下がり) |
| Recycle (リサイクル) | 資源にもどす (ペットボトル・かん) |
| Repair (リペア) | 直してつかう (服・道具) |
ポイント: 1 人がやることは小さくても、 日本だけで 1 億 2000 万人 がいます。 全員 がやれば大きな力になります。 そして、 大人 になってからではない。 6 年生の今から、 自分で選んで行動 できます。
7. ふりかえりと安全配慮
この章のチェックリスト
- 食物連鎖 のしくみ (生産者・消費者) を言える
- [ ]食物連鎖 が ピラミッド の形になる理由 がわかる
- [ ]空気 の 循環 (光合成 と 呼吸 と 燃焼) を図で説明できる
- [ ]水の 循環 (蒸発 → 雲 → 雨 → 川 → 海) を言える
- 地球温暖化 の 原因が 二酸化炭素 の増加 だと言える
- [ ]水質汚染 の 原因と影響 を知っている
- 節電・リサイクル・節水 のふだんの行動 を言える
- 1 章 〜 5 章の学習が すべてつながっている (多面的) とわかる
この章の安全配慮
- 野外で生物 を観察 するときは、 必ず大人 といっしょに
- 川・池・用水路 に 近づきすぎない、 落ちない ように気をつける
- 虫さされ・紫外線 対策 (長そで・ぼうし・虫よけ)
- 観察 した生物 は、 もとの場しょにもどす (持ち帰らない)
- ごみは 必ず持ち帰る、 落とした物を 拾う
- 生命 尊重 — 観察 のために生物 をきずつけない、 数多く取らない
- ハチ・ヘビ・ウルシなど 危険な生物 や植物 には 近づかない、 触らない
- 川の水を 飲まない (見た目がきれいでも 病気 のもとがあるかも)
次の章: 第 6 章では、 「月と太陽」 を学びます。 これまでの 「生物 の視点」 から、 こんどは 「地球 と 宇宙」 の大きな視点 に飛び出します。 月が形を変える理由 を、 太陽 との位置関係 で 多面的 に考えましょう。