人の 体の つくりと はたらき
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この章で学ぶこと
第 3 章は、 6 年生の 「多面的 に考える」 がもっとも活躍 する章です。 わたしたちの 体 は、 4 つのしくみが 同時にはたらいて 命を保っています。
- 呼吸 のしくみ — 肺 で 酸素 を取り入れ、 二酸化炭素 を出す
- 消化 のしくみ — 口・胃・小腸・大腸 で 養分 を取り入れる
- 血液 の 循環 — 心臓 がポンプとなり、 動脈・静脈 で全身 をめぐる
- 排出 のしくみ — じん臓 で不要物 を 尿 にする
- 4 つのしくみの 連携 (多面的 につなげる)
- 健康 な体を保つための 運動・食事・休養
ポイント: 5 年生までに学んだ 「動物 の誕生」 (メダカ・ヒト) では、 体の 誕生 に注目 しました。 6 年生では、 体の はたらき (つねに動いているしくみ) を学びます。 命は 「4 つのしくみのチームワーク」 で保たれています。
1. 呼吸のしくみ — 肺
息を吸うと、 空気 は 鼻や口 から入り、 気管 を通って 肺 に入ります。
呼吸の道筋
| 順番 | 通り道 | はたらき |
|---|---|---|
| ① | 鼻や口 | 空気 が入る入り口 |
| ② | 気管 | のどから 肺 につづく 1 本の管 |
| ③ | 気管支 | 気管 が左右に分かれたもの |
| ④ | 肺胞 | 気管支 の先の小さなふくろ。 ここでガス交換 |
肺で何がおきているか
| 入ってくる気体 | 出ていく気体 |
|---|---|
| 吸う息: 酸素 約 21 % | はく息: 酸素 約 17 % |
| 吸う息: 二酸化炭素 約 0.04 % | はく息: 二酸化炭素 約 4 % |
読み取り: わたしたちは 酸素 を約 4 % 体の中に取り入れて、 二酸化炭素 を約 4 % 出している。 これを 1 日中ずっとくりかえしています。
肺胞のしくみ — なぜ小さなふくろなのか
肺 の中は、 肺胞 という小さなふくろが 数億個 あつまったつくりになっています。
| 項目 | くわしく |
|---|---|
| 1 つの 肺胞 の大きさ | 直径 0.1 〜 0.3 mm |
| 全体 の表面積 (両肺) | テニスコート約半面分 |
大事: 表面積 が 広いほど 酸素 と 二酸化炭素 のやりとりが 早くたくさんできる。 だから 肺胞 は 小さなふくろの集まり になっているのです。 これも 多面的 な視点 (構造 とはたらきのつながり)。
2. 消化のしくみ — 口から大腸まで
食た物は、 体の中で 消化 されて、 養分 が 血液 に取りこまれます。
消化の通り道 (消化管)
| 順番 | 場しょ | はたらき |
|---|---|---|
| ① | 口 | はでかみくだく + だ液 と混ざる |
| ② | 食道 (しょくどう) | のどから胃へ 食物を送る管 |
| ③ | 胃 | 胃液 と混ぜてどろどろに |
| ④ | 小腸 | 消化液 で 養分 を細かくして 吸収 |
| ⑤ | 大腸 | 残った物から主に 水分 を吸収 |
| ⑥ | こう門 | 残りを 便 として体の外に出す |
消化液のはたらき
消化 とは、 食物を 消化液 で細かくすることです。 消化液 は 「養分 を体に取りこめる大きさにするはさみ」 のようなもの。
| 消化液 | 作られるところ | はたらくところ | 主にはたらく養分 |
|---|---|---|---|
| だ液 | 口 (だえきせん) | 口 | でんぷん |
| 胃液 | 胃 | 胃 | たんぱく質 |
| すい液 | すい臓 | 小腸 (十二指腸) | でんぷん・たんぱく質・しぼう |
| たん汁 (たんじゅう) | かん臓 | 小腸 (胆のうを経由して出る) | しぼう をこまかくする |
だ液ででんぷんが変わる — 実験
| 試験管 | 中身 | 体温 (約 37 ℃) で 10 分おく | ヨウ素液 を入れる |
|---|---|---|---|
| A | でんぷん のり + 水 | そのまま | 青紫色 (でんぷん あり) |
| B | でんぷん のり + だ液 | そのまま | 色が変わらない (でんぷん がなくなった) |
考察
- A は でんぷん がそのまま残っている
- B は だ液 が でんぷん を あまいもの (= 糖) に変えた
- → だ液 は でんぷん を 消化 するはたらきがある
ポイント: 体温 (約 37 ℃) で 消化液 がよくはたらく。 これも 6 年生で学ぶ 多面的 な視点 (温度とはたらきのつながり)。
小腸で養分が吸収 される
小腸 の内側 には、 じゅう毛 という小さな突起 が 無数 に 並んでいます。
| 項目 | くわしく |
|---|---|
| じゅう毛 の高さ | 約 1 mm |
| 小腸 の長さ | 約 6 〜 7 m (大人) |
| 内側 の表面積 | テニスコート半面分 |
大事: 肺 と同じで、 小腸 も 表面積 を広くする つくりになっています。 「広いほどたくさん吸収 できる」 というしくみは、 体のあちこちで共通 です。
3. 血液の循環 — 心臓と血管
肺 で取り入れた 酸素 と、 小腸 で吸収 した 養分 は、 血液 にのって全身 に運ばれます。 血液 を動かすポンプが 心臓 です。
心臓のはたらき
| 項目 | くわしく |
|---|---|
| 大きさ | 自分のこぶしぐらい |
| 場しょ | むねの中央から少し左 |
| 1 分間 の 拍動数 | 約 60 〜 90 回 (子どもは多め) |
| 1 日の 拍動数 | 約 10 万回 |
| 1 日に送り出す 血液量 | 約 7000 リットル |
ポイント: 心臓 は 休むことなく 24 時間動きつづけます。 1 日で 10 万回もポンプする計算です。 これがずっと続くから、 全身 に 酸素 と 養分 がとどくのです。
血管の種類
| 種類 | はたらき | 流れる 血液 |
|---|---|---|
| 動脈 | 心臓 から出る 血管 | 酸素 の多い 血液 (鮮やかな赤) |
| 静脈 | 心臓 にもどる 血管 | 酸素 の少ない 血液 (くすんだ赤) |
| 毛細血管 | 全身 の 細かい部分 | 体の 細胞 とやりとり |
血液の循環 — 2 つのルート
血液 は体の中を 2 つのルート でめぐっています。
| ルート | 道筋 | 役割 |
|---|---|---|
| 肺循環 | 心臓 → 肺 → 心臓 | 肺 で 酸素 をもらう |
| 体循環 | 心臓 → 全身 → 心臓 | 全身 に 酸素 と 養分 を配る |
拍動をはかってみよう
心臓 の 拍動 は、 手首 や首の 脈 で感じることができます。 これを 脈拍 と言います。
| はかる場しょ | やり方 |
|---|---|
| 手首 の内側 | 親指 の付け根から少し下、 反対 の手の人さし指 と中指 で軽く当てる |
| 首 (耳の下) | あごの下から少し後ろ、 軽く押す |
15 秒数えて 4 倍すると、 1 分間 の 拍動数がわかります。
大事: 友だちの 拍動 をはかるときは、 強く押さない。 また 「速いね」 「おそいね」 と言わない。 個人 さがあるので、 はずかしくないように配慮 しましょう。
4. 排出のしくみ — じん臓
体の中で使われなかったものや、 不要 になったものは、 血液 に取りこまれて じん臓 に運ばれます。 じん臓 がこれをこし取って、 尿 として体の外に出します。
じん臓のつくり
| 項目 | くわしく |
|---|---|
| 場しょ | せ中の下の方、 左右に 1 つずつ |
| 形 | そら豆 (そらまめ) の形 |
| 大きさ | こぶしぐらい |
尿ができる流れ
| 順番 | 通り道 | はたらき |
|---|---|---|
| ① | 血液 (不要物 を含む) | じん臓 に入る |
| ② | じん臓 | こし取って 尿 をつくる |
| ③ | 輸尿管 | 尿 を ぼうこう へ送る |
| ④ | ぼうこう | 尿 をためる |
| ⑤ | 尿道 | 体の外へ出す |
排出されている不要物
| 種類 | くわしく |
|---|---|
| にょうそ | たんぱく質 が体の中で使われて出る |
| 余った水分 | 飲んだ水や 食物の水分 |
| 余った塩分 | 食物からの塩分 |
1 日の尿の量と色
| 項目 | くわしく |
|---|---|
| 1 日の 尿量 | 約 1.5 リットル (大人) |
| ふつうの色 | うす黄色 |
| 色がこいとき | 水分が足りない (もう少し水を飲む) |
ポイント: あせ も 排出 の一つです。 暑い日や運動 のあとは、 体の中の 余った水分や塩分があせとなって出ます。 だから運動 のあとは水と塩分をとるようにしましょう。
5. 4 つのしくみの連携 — 多面的に見る
ここまで学んだ 呼吸・消化・循環・排出 の 4 つのしくみは、 ばらばらにはたらいているのではありません。 同時に、 つながって、 命を保っている のです。
1 つの 細胞 (体をつくる小さなつぶ) を例に
| 必要 なもの | 運んでくるしくみ |
|---|---|
| 酸素 | 呼吸 (肺) → 循環 (血液) |
| 養分 | 消化 (小腸) → 循環 (血液) |
| いらなくなった 二酸化炭素 | 循環 (血液) → 呼吸 (肺) で出す |
| いらなくなった 不要物 | 循環 (血液) → 排出 (じん臓) で出す |
つながりの図
| 場しょ | 何をやりとりするか |
|---|---|
| 肺 | 血液 が 酸素 を受け取る、 二酸化炭素 を出す |
| 小腸 | 血液 が 養分 を受け取る |
| 全身 の 細胞 | 血液 が 酸素・養分 を配る、 二酸化炭素・不要物 を受け取る |
| じん臓 | 血液 が不要物 を出す (尿 になる) |
大事: 血液 が 4 つのしくみをつなぐ 「運送トラック」 の役割 をしています。 心臓 がポンプ、 血管 が道、 血液 が中身。 1 つでも止まると命が危ないのは、 このつながりがあるから。
6. 健康な体を保つ
4 つのしくみがずっと元気 ではたらくためには、 ふだんの生活 が大事です。
体を元気 に保つ 3 つの柱
| 柱 | くわしく |
|---|---|
| ① 運動 | 体を動かすと 心臓・肺 がきたえられ、 血液 のめぐりもよくなる |
| ② 食事 | バランスよく 食る (たんぱく質・しぼう・炭水化物・ビタミン・ミネラル) |
| ③ 休養 | 寝ることで、 体のあちこちが 修復される |
1 日のリズム
| 時間帯 | やること |
|---|---|
| 朝 (起きてから) | 朝ごはんをしっかり 食る、 トイレ |
| 昼 | 昼ごはんを 食る、 体を動かす |
| 夕方 | 友だちと遊ぶ、 軽い運動 |
| 夜 | 夜ごはん、 おふろ、 早めに 寝る (9 〜 10 時間) |
体をこわす ?
- 食事 をぬく → 小腸 で吸収 する 養分 が足りない
- 寝不足 → 体の 修復が進まない
- 運動不足 → 心臓・肺 が弱る
ポイント: 命は 「4 つのしくみのチーム + 3 つの生活 の柱」 で守られています。 自分の体を大切にすることは、 友だちの体を大切にすることにもつながります。
7. ふりかえりと安全配慮
この章のチェックリスト
- 呼吸 のしくみ (肺・気管・肺胞) が言える
- [ ]肺 で 酸素 を取り入れ、 二酸化炭素 を出す ことがわかる
- 消化 の通り道 (口 → 食道 → 胃 → 小腸 → 大腸) が言える
- だ液 が でんぷん を 消化 する ことを ヨウ素液 の 実験 でたしかめた
- 心臓 がポンプ で、 動脈・静脈・毛細血管 で 血液 が流れる
- じん臓 が不要物 を 尿 にする ことがわかる
- 4 つのしくみが つながって いる (多面的) と言える
- [ ]健康 な体 = 運動・食事・休養 の 3 つの柱
この章の安全配慮
- 友だちの 拍動 をはかるときは 強く押さない、 はずかしがる子に配慮
- 個人 さ (拍動数や体のつくり) をからかわない (命はみんな同じように大切)
- 消化 の 実験 で ヨウ素液 を服につけない (色が落ちない)
- ヨウ素液 を 口に入れない、 手に付いたらすぐ洗う
- 学習中に 気分が悪くなったらすぐ先生に言う (むねの 拍動 を強く意識 しすぎない)
- 生命尊重 — 自分の体も友だちの体も、 動物 の体も同じように大切。 むやみに 比べたりからかったりしない
次の章: 第 4 章では、 「植物 の 養分 と水の通り道」 を学びます。 動物 の体と同じように、 植物 にも 養分 をつくるしくみ と 水を運ぶしくみ があります。 多面的 に 比べて見ましょう。