この章で学ぶこと
ふだん、 私たちのまわりには 空気 と 水 があります。 「空気は軽い」「水はながれる」 ことは知っているでしょうが、 閉じ込めて 圧してみるとどうなるか は体験 したことが少ないはず。 この章では注射器型の容器と 空気でっぽう をつかって、 空気と水の 不思議なせいしつ をしらべます。
- 閉じ込めた空気を 圧すと 体積 が小さくなる ことを知る
- 圧せば 圧すほど、 圧し返す力 が大きくなる ことを体感 する
- 水は 圧しちぢめられない こと (体積がほとんど変わらない) を確かめる
- 4 年生の大事な学び 「根拠 のある予想を立てる」 を練習 する
- ものづくり: 空気でっぽう を作って玉が飛ぶしくみを体感
最重要安全: 容器 が われない ように、 強く 圧しすぎない (指導要領でも明記)。 空気でっぽうを人や動物に向けない。 玉が当たると目や顔をきずつける。
1. 空気を 圧すとどうなる?
注射器型の容器 (中がからのピストン付き 筒) を用意。 先を指でふさいで中に空気を閉じ込め、 ピストンを 圧してみます。
注射器型の容器。 ピストンを 圧して、 中に閉じ込めた空気や水の体積がどう変わるかをしらべる。
ヨット。 風 (= 動く空気) の力をほでうけて進む。 空気が 「ちゃんとそこにある」 ことの身近なれい。
観察 のしかた
- ピストンを いちばん上 まで引き上げる (空気がたくさん入る)
- 先を指で しっかりふさぐ (空気が出ないように)
- ピストンを 少しずつ 圧していく
- ピストンの位置と手の感覚 をきろくする
観察 の結果 (れい)
| 圧した量 | ピストンの位置 | 手の感じ |
|---|
| 圧す前 | 100 mL の目盛り | やわらかい |
| 少し 圧す | 80 mL くらい | 少しかたい |
| もっと 圧す | 60 mL くらい | かなりかたい |
| 強く 圧す | 40 mL くらい | とてもかたい (それ以上動かない) |
わかったこと
- 空気は閉じ込めて 圧すと、 体積 が小さくなる (圧しちぢめられる)
- 圧しちぢめられるにつれて、 手ごたえが大きくなる (= 圧し返す力が強くなる)
- ピストンを はなすと、 もとの位置までもどる (圧し返す力が強い)
ポイント: 空気は 目に見えない けれど、 ちゃんとそこに 存在 しています。 圧しちぢめると「あ、 たしかにここにある!」 と感じられるのがこの実験 のおもしろさ。
2. 圧し返す力 — 圧せば 圧すほど強くなる
ピストンを 圧したあと、 そっと手をゆるめると、 ピストンは 自分で戻っていきます。 これは、 中の空気が ピストンを押し返している からです。 この力を 圧し返す力 といいます。
圧し返す力の大きさ
| 圧した量 | 圧し返す力 |
|---|
| 少し 圧した | 少し 強い |
| もっと 圧した | もっと 強い |
| 強く 圧した | とても 強い |
つまり、 圧せば 圧すほど、 圧し返す力も大きくなる のです。 これも空気の大切なせいしつです。
大切なきまり
「閉じ込めた空気は 圧せば体積が小さくなり、 圧し返す力が大きくなる」
これは 4 年生の A(1) でいちばん大事なきまり。 言えるようになりましょう。
3. 水は 圧せばどうなる?
つぎは、 同じ注射器型の容器 に 水 を入れて同じことをやってみます。 さて、 結果はどうなるでしょうか?
根拠 のある予想を立てよう
実験 をする前に、 まず 予想 を立ててみましょう。 「こうなるはず、 なぜなら…」 の形で言えるのが 根拠 のある予想です。
| 予想れい | 根拠 れい |
|---|
| 空気と同じように 圧しちぢめられるはず | だって、 水も空気も 「物質」 だから |
| 空気とはちがって、 圧しちぢめられないはず | だって、 水は 「液体」 で形がきまっているから |
予想は どちらでも OK。 大切なのは 「なぜそう思ったか」 を言える こと。
観察 のしかた
- 注射器に 水をいっぱい に入れる (空気が入らないように注意)
- 先を指でしっかりふさぐ
- ピストンを 圧してみる
結果
| 圧した量 | ピストンの位置 |
|---|
| 圧す前 | 100 mL |
| 少し 圧す | 100 mL のまま (ほとんど動かない) |
| 強く 圧す | 100 mL のまま (まったく動かない) |
わかったこと
- 水は閉じ込めて 圧しても、 体積がほとんど変わらない (圧しちぢめられない)
- どんなに強く 圧しても、 ピストンはほとんど動かない
「水は 圧しちぢめられない」
これも大切なきまりです。
4. 空気と水 — くらべてまとめる
ここまでの結果を 1 つの表にまとめます。
| くらべ点 | 空気 | 水 |
|---|
| 閉じ込めたものを 圧したとき | 体積が小さくなる | 体積が変わらない |
| 強く 圧したとき | もっと体積が小さくなる | やはり変わらない |
| 圧し返す力 | 大きくなる | ほとんどない |
| ピストンをはなしたとき | もとにもどる | 動かない |
くらべのポイント
- 空気 = 圧しちぢめられる、 圧し返す力が大きくなる
- 水 = 圧しちぢめられない、 圧し返す力はほとんどない
- これは 気体 (空気) と液体 (水) の大きなちがい (くわしくは中学で学ぶ)
ポイント: 空気は 見えない ので 「ない」 ように思えますが、 実は 動かせる し、 力を出す こともできる。 この章でそれが体感できれば大成功。
5. ものづくり: 空気でっぽう を作ろう
学んだことを形にする ものづくり にちょうせん。 空気の圧し返す力をつかって、 玉が飛ぶおもちゃを作ります。
ひつようなもの
| もの | やくわり |
|---|
| 細いつつ (古いペンの軸など) | 玉を発射 する通り道 |
| つつの中を動くぼう (わりばしなど) | ピストンのやくわり |
| ティッシュや紙を丸めた玉 (2 こ) | 飛ぶ玉と、 反対がわのふた |
| テープ | 玉を少し大きくする調整 |
代わりに: ペットボトルのつつ + ぼう、 や、 売っている 「キット」 でも OK。
作り方
- ティッシュを丸めて玉を 2 こ作る (つつの内径 とぴったりになるように、 テープで大きさ調整)
- 玉をつつの 両端 につめる (1 つは発射用、 もう 1 つはふた)
- ぼうをつつの後ろから入れる
- 反対の手でつつを持ち、 ぼうを一気に 圧す
玉が飛ぶしくみ
| 段階 | 何が起こる |
|---|
| ① ぼうを 圧す前 | つつの中に 空気 が閉じ込められている |
| ② ぼうを 圧す | 中の空気がちぢんで、 圧し返す力が大きくなる |
| ③ さらに 圧す | 圧し返す力が 玉を押し出す力 に 勝る |
| ④ ポンッ! | 反対の玉が 空気の力で飛び出す |
発展 — 水でっぽうとくらべる
つつに 水 を入れて同じことをやると、 玉は すぐに押し出され、 ポンッという勢いはありません。 水はちぢまないから、 ぼうを 圧すとすぐに玉がおされて出ていくのです。
ポイント: 空気でっぽうがポンッと勢いよく飛ぶのは、 「圧しちぢめられた空気が一気に戻ろうとする力」 のおかげ。
6. ふりかえり
この章の安全配慮
- 容器 を強く 圧しすぎない (指導要領明記、 容器 がわれたりピストンが飛び出したりする危険)
- 空気でっぽうを人や動物に向けない (玉が目に当たると危険)
- 顔の前で 圧さない (急に飛び出すことあり)
- ガラスの注射器はこわれやすい ので、 プラスチック製をつかう
- 片付け でつつや玉を床に置きっぱなしにしない (踏むとすべる)
次の章: 第 8 章では、 同じく 〔A 物質・エネルギー〕 で 「ものの温度と体積」 を学びます。 金属・水・空気の 3 つを温めたり冷やしたりすると、 体積 がどう変わるか。 そして 「3 つのうちどれが一番体積変化が大きいか?」 を実験 で確かめましょう。