この章で学ぶこと
第 3 学年で「電気の通り道 (回路)」 を学びました。 4 年生ではそれを一歩進めて、 乾電池のつなぎ方を変えると電気の強さがどう変わるか をしらべます。 ものづくりで 電気自動車 を作り、 自分の手で動かしてみましょう。
- 乾電池の数やつなぎ方で電流が変わる ことを知る
- 直列つなぎ (たてにならべる) と 並列つなぎ (よこにならべる) を区別できる
- 簡易検流計 で電流の向きと大きさを測れる
- 発光ダイオード (LED) は電流の向きで 「光る・光らない」 があることを知る
- 回路図記号 で回路を表せる
- ものづくり: 電気自動車 を作って、 つなぎ方で速さが変わることを体感
最重要安全: 一つの回路でちがう種類 の電池をまぜない (指導要領明記、 液漏れ・破裂 の危険)。 + きょくと - きょくを直接導線 でつなぐショート は ぜったい禁止 (大量の電流が流れて電池が 発し、 やけど・破裂 の危険)。 使い終わったら必ず 電池を外す こと。
1. 乾電池 1 個と 2 個 — どうちがう?
豆電球 やモーターを動かすとき、 乾電池 1 個と 2 個でどうちがうでしょうか?
乾電池。 + きょくと − きょくがある。 直接導線でつなぐショートはきん止。
電球 (豆電球)。 中のフィラメントに電気が流れて光る。
観察 のしかた
回路 (= 電池 + 導線 + 豆電球 の一周の道) を作って、 乾電池の数を変えて比べます。
| 乾電池の数 | 豆電球 の明るさ | モーターの速さ |
|---|
| 0 個 (なし) | 光らない | まわらない |
| 1 個 | ふつう | ふつう |
| 2 個 (直列) | 明るい | 速い |
わかったこと
- 乾電池の数を増やす と、 電気が強くなる (電流が大きくなる)
- ただし、 「つなぎ方」 でも結果が変わる (次のセクション)
ポイント: 「電流」 とは 回路を流れる電気 のこと。 4 年生では 「電流」 という言葉を使い始める (大きさのくわしいきまりは中学校で学ぶ)。
2. 直列つなぎ — 電池をたてにならべる
乾電池 2 個を たてに一列にならべる つなぎ方を 直列つなぎ と呼びます。
直列の図解
+ 電池 1 - + 電池 2 - → 豆電球 → もどる
電池の +きょくと反対の -きょくがくっつく ように並べます。
結果
- 電流の大きさ = 乾電池 1 個のときの約 2 倍
- 豆電球 の明るさ = 明るい
- モーターの速さ = 速い
大切なきまり
「直列 つなぎで電池を増やすと、 電流が大きくなる」
3. 並列つなぎ — 電池をよこにならべる
もう一つのつなぎ方が 並列つなぎ。 乾電池 2 個を よこに並べて、 +きょくどうしと -きょくどうしをつなぐ。
並列の図解
+---- 電池 1 ----+
| |
+ → ---+ +--- - → 豆電球 → もどる
| |
+---- 電池 2 ----+
結果
- 電流の大きさ = 乾電池 1 個のときとほぼ同じ
- 豆電球 の明るさ = 1 個のときと同じふつうの明るさ
- モーターの速さ = 1 個のときと同じ
- ただし、 電池が長持ちする (2 個で仕事を分担するから)
大切なきまり
「並列 つなぎで電池を増やしても、 電流の大きさは 1 個のときと同じ。 ただし電池が長持ちする」
4. 直列と並列 — くらべてまとめる
| くらべ点 | 直列つなぎ | 並列つなぎ |
|---|
| ならべ方 | たて一列 | よこに横並び |
| 電流の大きさ | 大きい (1 個の約 2 倍) | 1 個と同じ |
| 豆電球 の明るさ | 明るい | ふつう |
| モーターの速さ | 速い | ふつう |
| 電池のもち | 早く切れる | 長持ちする |
| よくつかう場面 | 速さ・明るさがほしい | 長く使いたい |
ポイント: 「明るくしたい / 速くしたい → 直列」、 「長く使いたい → 並列」 とおぼえるとわかりやすい。
5. 簡易検流計 で電流をしらべる
電流の 大きさ や 向き を測る道具が 簡易検流計。 4 年生で初めて出会う道具です。
検流計の使い方
| 操作 | 結果 |
|---|
| 検流計を回路の一部につなぐ | 針が動く |
| 針が 右へふれる | 電流が + → − の向きに流れている |
| 針が 左へふれる | 電流が − → + の向きに流れている (電池が反対) |
| 針の 目盛り を読む | 電流の 大きさ がわかる |
観察 のれい
| 回路 | 検流計の針 |
|---|
| 乾電池 1 個 | 1 目盛り右 |
| 乾電池 2 個直列 | 約 2 目盛り右 (大きい) |
| 乾電池 2 個並列 | 1 目盛り右 (1 個と同じ) |
| 乾電池を反対につなぐ | 左へふれる (向きが逆) |
注意
- 検流計は 回路の一部として直接 つなぐ 道具。 電池だけにつなぐと大きな電流で 針が 壊れる ので注意
- 必ず 豆電球 やモーターと一緒 に回路に組み込む
6. 発光ダイオード (LED) — 電流の向きが大事
近頃の信号機や家電で多く使われている LED (発光ダイオード)。 これは豆電球 とはちがう性質 があります。
発光ダイオード (LED)。 電流の向きが正しいときだけ光る。 長い足が +、 短い足が −。 省エネで信号機やライトで広く使われる。
LED のとくちょう
- 電流の向きが正しいときだけ光る
- 反対向きにつなぐと 光らない (電流が流れない)
- 豆電球 はどちら向きでも光る (電流の向きが関係ない)
確かめるじっけん
| つなぎ方 | LED |
|---|
| 正しい向き (+ → 長い足、 − → 短い足) | 光る |
| 反対 (− → 長い足、 + → 短い足) | 光らない |
LED の見分け方
LED には 長い足 (+ 側) と 短い足 (− 側) があります。 必ず 長い足を + につなぐ こと。 (中学校で 「アノード (+)・カソード (−)」 という名前で学ぶ)
省エネ: LED は同じ明るさで 電池のもちが豆電球 の数倍 になるほど 効率 がよい。 だから街の信号機や自転車 のライトでどんどん LED が増えているのです。
7. 回路図記号 — 回路を図で表す
回路を絵で描くより、 記号 で描いたほうが速くて正確です。 4 年生では主な回路図記号をおぼえます。
主な回路図記号
| 部品 | 記号 (文字で表す) | 説明 |
|---|
| 乾電池 | 長い線 (+) と短い線 (−) を組み合わせ | 長い方が +きょく |
| 豆電球 | 丸の中に × | 光る部分 |
| モーター | 丸の中に M の字 | 回転 する |
| スイッチ | レバーの絵 (開 / 閉) | 回路をつなぐ・切る |
| 導線 | 直線 | 電気が流れる道 |
| 検流計 | 丸の中に G の字 | 電流の向きと大きさ |
| LED | 矢印 + 三角 | 向きがあることを表す |
回路図のれい (乾電池 1 個 + 豆電球 + スイッチ)
電池 ── スイッチ ── 豆電球 ── (戻る)
ポイント: 教科書や中学ではこうした記号を使った 回路図 で設計する。 4 年生では 「読める」 「単純なものは描ける」 を目指す。
8. ものづくり: 電気自動車 を作ろう
学んだことを使って、 電気自動車 (モーターで走る車) を作ってみます。
ひつようなもの
| もの | やくわり |
|---|
| 乾電池 (単 3 形を 2 個) | 電源 |
| 電池ボックス (2 個用) | 電池をしっかり持つ |
| モーター (タミヤ等の工作用) | 動力 |
| プロペラまたはタイヤ | モーターの軸につける |
| 段ボールやプラ板 | 車体 |
| わりばし、 つまようじ、 セロハンテープ | 補強 と組み立て |
| 導線 (赤・黒) | 電池とモーターをつなぐ |
| スイッチ (任意) | ON / OFF を切り替え |
作り方の流れ
- 段ボールを車体の形に切る (4 cm × 8 cm くらい)
- タイヤ を軸 (わりばし) につけて、 車体の下に取り付ける
- モーター を車体の後ろにテープでとめる
- 電池ボックスに電池を入れて、 導線 を モーターとスイッチにつなぐ
- スイッチを入れるとモーターが回る → 車が進む!
直列 vs 並列でくらべよう
| つなぎ方 | 走り方 |
|---|
| 乾電池 1 個 | ゆっくり走る |
| 乾電池 2 個 直列 | 速い! |
| 乾電池 2 個 並列 | 1 個のときと同じ速さ、 でも 長く走れる |
実際につなぎ替えて、 走り方のちがい を体感してみよう。
工夫 のアイデア
- LED を車体につけると、 ヘッドライトっぽくてかっこいい
- スイッチをつけないで、 「電池を入れたら走り出す」 シンプル設計も OK
- 段ボールの形を工夫 (流線型等) でデザインにこだわる
9. ふりかえり
この章の安全配慮 (最重要)
- ちがう種類 の電池を一つの回路で混ぜない (指導要領明記、 液漏れ・破裂)
- + きょくと − きょくを直接導線 でつなぐショートは禁止 (急に大量の電流が流れて、 電池が熱くなる、 やけどの危険)
- 古い電池と新しい電池を混ぜない (古い方が 過放電 して液漏れする)
- 使い終わったら必ず電池を外す (放っておくと液漏れする)
- モーターが急に熱くなったらすぐに止める (回路のどこかがショートしている可能性)
- LED の足を曲げすぎない (折れやすい)
- 電池を口に入れない、 子犬・小さい弟妹に触らせない (誤飲 の危険、 ボタン電池はとくに)
- 自転車 の動くタイヤや回るモーターの軸に 指を入れない
次へ: 4 年生の理科はこれですべて 終了 です! 次は 5 年生の理科 で、 流れる水のはたらき、 てこ、 植物の発芽と成長、 人のたんじょう など、 もっと深い内容が待っています。 4 年生で身に付けた 「根拠 のある予想を立てる」 力を、 5 年生でも大いに活かしてください。