物語を よむ(場面の様子と気持ち)
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はじめに
この章では、 物語を読む力をのばします。 ただ字を追うだけでなく、
- いつ・ どこで・ だれの話か(場面)
- 登場人物 が何を考えているか、 どんな気持ちか
- 話のはじめからおわりまででどう変わっていったか
を読みとる練習をします。
ポイント:物語は 頭の中で絵を思いうかべる ように読むとたのしくなります。 文の中の うごきや様子をあらわすことば に注目しましょう。
注: この章の物語は、 ぜんぶ Studia オリジナルです。 教科書や本にある話とはちがう、 このサイトだけの自作のお話を楽しんでください。
1. 物語を読む 3 つの目じるし
物語を読むときに、 さがすといい 3 つのことがあります。
- いつ(朝・夕方・春・むかしむかし)
- どこで(家・公園・川・森)
- だれが(登場人物)
この 3 つがセットになってひとつの 場面 を作ります。 場面がかわるとき、 たいていこの 3 つのどれかが変わります。
場面がかわる目じるし
文のはじめにつぎのようなことばが出てきたら、 場面がかわったしるしです。
- 「つぎの日」「あくる朝」「夕方になって」(時が変わる)
- 「公園につくと」「家に帰ると」「森のおくで」(場所が変わる)
- 「そこへねこがやってきた」(人が変わる)
やってみよう: お気に入りの絵本を読みかえして、 場面がいくつあるか数えてみよう。
2. 物語を読んでみよう ①
「ねこのたまのたんけん」
ある春の朝、 ねこのたまはふと思いました。「家のそとには、 ぼくの知らない世界があるのかな。」
たまはそっと玄関を出て、 はじめての道をあるきはじめました。
しばらくすると、 大きな公園に出ました。 すべりだいがきらきら光って、 子どもたちが元気にあそんでいます。 たまはベンチの下からそっと見ていました。「人間の子は、 こんなふうにあそぶんだなあ。」
つぎにたまは細い道をぬけて、 川のそばに来ました。 川の水はキラキラ光って、 小さな魚がすいすいおよいでいます。 たまは思わず「うわあ、 きれいだ。」 とつぶやきました。
日がしずみかけたころ、 たまはおなかがへって来ました。「そろそろ家に帰ろう。」
家につくと、 大すきなごはんのにおいがしました。 お母さんが玄関で「おかえり、 たま。」 とやさしく言ってくれました。
たまはごはんを食べながら、 きょう見たものを思い出してにっこり笑いました。
※ Studia オリジナル
場面を整理してみよう
| 場面 | いつ | どこで | だれが | 何があったか |
|---|---|---|---|---|
| 1 | 春の朝 | 家の玄関 | たま | たんけんに出かけることを思いついた |
| 2 | 朝 | 公園 | たま、 子どもたち | 子どもがあそぶのを見た |
| 3 | 昼 | 川のそば | たま、 魚 | きれいな川と魚を見た |
| 4 | 夕方 | 家 | たま、 お母さん | 家に帰り、 ごはんを食べた |
4 つの場面があることがわかります。
「たま」 の気持ちはどう変わったか
| 場面 | 気持ち |
|---|---|
| 1 | わくわく(知らない世界が見たい) |
| 2 | おもしろい・おどろき(人間の子を見て) |
| 3 | きれい・かんどう(川の美しさに) |
| 4 | あんしん・うれしい(家に帰れて) |
物語のはじめとおわりで、 主人公 の気持ちが 「わくわく」 → 「あんしん」 へと変わっています。 この 気持ちの変化 をつかむことが、 物語を深く読むこつです。
ポイント:気持ちを表す言葉は、 直接書いてあることもあれば(「わくわくした」)、 行動からわかることもあります(「にっこり笑った」 = うれしい)。 両方を見つけましょう。
3. 物語を読んでみよう ②
「もりのおんがくかい」
むかし、 大きな森のまんなかに、 動物たちのおんがくかいが開かれることになりました。
くまは太こをドンドンとたたき、 リズムをきざみます。 きつねは小さなふえをピーヒョロロとふきました。 うさぎは鈴をチリンチリンとならし、 とりたちは高いこえでうたをうたいます。
森中の動物があつまってきて、 楽しい音がひびきわたりました。
でも、 ねずみだけははずかしくて、 木のかげにかくれていました。「ぼくは楽器が弾けない。 みんなの前に出るのはこわい。」
その様子を見たふくろうが、 やさしく声をかけました。「ねずみさん、 君の小さな足音もりっぱな音楽だよ。」
ねずみは思いきって木のかげから出ました。 そして、 リズムに合わせてトトトトと走ってみせました。
みんなは大よろこび。「ねずみさんの足音が、 音楽をもっと楽しくしてくれた。」
森のおんがくかいは、 こうして大せいこうにおわりました。
※ Studia オリジナル
場面が変わるところを見つけよう
この物語では、 場面が 3 回変わります。
- 動物たちが楽器を鳴らす(楽しい場面)
- ねずみが木のかげにかくれる(さびしい場面)
- ねずみもみんなと一緒に音楽を作る(うれしい場面)
ねずみの気持ちは 「はずかしい・こわい」 → 「思いきった」 → 「うれしい」 と変わります。
ふくろうのやさしい言葉が、 ねずみの気持ちを動かす 大きなきっかけ になっています。
やってみよう: あなたがねずみだったら、 ふくろうの言葉を聞いてどう思いますか? 自分の気持ちを 1 つの文で書いてみよう。
4. 物語を読むときに気をつけること
物語を読むとき、 つぎのことを心に留めておきましょう。
| ポイント | 何をさがすか |
|---|---|
| 場面をつかむ | いつ・どこで・だれが |
| 気持ちを読みとる | 「うれしい」「悲しい」 などのことば、 行動や顔の様子 |
| 場面の変化 | 「つぎの日」「家につくと」 などの つなぎ言葉 |
| お気に入りの一文 | 心にのこった文を書きとめる |
物語を読んだあと、 だれかに 「どんな話だった?」 と聞かれたら、 場面ごとに短く説明できるとすばらしいです。 これを あらすじ といいます。
ポイント:物語を読んで、 自分と似た気持ちを見つけたり、 自分とちがう考えに出会ったりするのが読書のたのしさです。 たくさんの本を読んでみましょう。
5. 物語を読んだあとのおすすめ
学校の図書室や町の図書館には、 たくさんの物語があります。 つぎのようなテーマでさがしてみると、 きっと好きな本が見つかります。
- 動物が主人公の話
- 友だちとの出来事
- ふしぎな体験をする話
- 昔話・民話
読みおわったあと、 おうちの人や友だちと 感想を話す と、 もっとたのしくなります。
まとめ
この章で学んだことをふりかえりましょう。
- 物語を読むときは いつ・どこで・だれが をまずさがす
- 場面 が変わるところに気をつける(つなぎ言葉が目じるし)
- 登場人物 の気持ちを、 ことばと行動から読みとる
- 気持ちの変化をつかむと、 物語が深く味わえる
- あらすじ を短くまとめる練習をする
6. 読んで思ったことを友だちと伝え合おう
物語を読んだあと、 自分が感じたことを 友だちに 伝えると、 読みがもっと深くなります。 おなじおはなしでも、 ひとによって感じ方がちがうからです。
伝える内容の 3 つ
- どの場面が心にのこったか
- なぜそう思ったか (理由)
- 自分だったらどうするか (もしもの想像)
れい (友だちへの感想)
「ぼくは、 主人公がともだちのためにがまんした場面がいちばんこころにのこったよ。 だって、 自分だったらすぐに 「ずるい!」 って言ってしまうと思うから。 主人公みたいなやさしい人になりたいな。」
友だちの感想をきく
おなじおはなしでも、 友だちは ちがう場面 をえらぶかもしれません。 ちがう感じ方をきくと、 物語のあたらしい見方が見つかります。
- 「わたしはあの場面で泣いたよ。 ともだちはどこが心にのこった?」
- 「同じところをえらんだね! なぜ?」
- 「えっ、 そこの場面がすきなの? わたしはぜんぜん気付かなかった!」
おすすめの本をつたえる
すきな本を友だちに すすめる のもたのしい活動です。
- 「この本、 ○○ な話で、 ぜったいおもしろいよ!」
- 「○○ がすきなら、 きっとこの本も気に入ると思うよ」
やってみよう:今までに読んだ本で、 友だちにいちばんすすめたい本を一冊えらんでみよう。 すすめる理由を 3 つ考えて伝えてみよう。
つぎの章では、 物語とはちがう 説明文 の読み方を学びます。
まとめ — 物語をよむを 3 行で
- 物語を読むときは、まず「いつ・どこで・だれが」 という 場面 をつかむ。つなぎ言葉が場面の変わり目のしるし。
- 登場人物 の気持ちは、口に出したことばだけでなく、行動や顔のようすにもかくれている。
- 読み終わったら、おはなしのすじを短くまとめた あらすじ を言葉にしてみよう。話がもっとたのしく思える。