はじめに
この章では、 「読む・書く」 とはちがう 「話す・聞く」力をのばします。
学校や家で毎日やっていることですが、 ちょっと気をつけるだけで もっと上手に なります。
学ぶことはつぎの 3 つ。
- 順序立てて話す — 聞く人にわかりやすい話し方
- ていねいに聞く — 最後まで集中して聞くこと
- 話し合いに参加する — みんなで意見を出し合う
ポイント:話すことは、 書くこととにています。 「だれに」「何を」「どんな順番で」 が大切。 でも、 話はすぐに消えてしまうので、 聞いてすぐわかるように工夫します。
1. 順序よく話す
話を聞く人が 「あれ、 何のこと?」 とならないように、 順序を考えて話しましょう。
話す順序の基本
- はじめ: 何の話をするか(話題)
- なか: くわしい内容(できごと・理由・例)
- おわり: 一番言いたいこと
例: 「きのうのこと」 を話す
はじめ:「きのう、 公園に行った話をします。」
なか:「お父さんと妹と、 大きな公園へ行きました。 すべりだいやぶらんこであそびました。 帰りにアイスクリームを買ってもらいました。」
おわり:「とてもたのしかったです。」
聞く人は、「公園の話だな」「だれと行ったのか」「どうだったか」 が 順番に わかります。
やってみよう: 「きのうの給食」「すきなテレビ番組」「家でのおてつだい」 のどれかを、 はじめ・なか・おわり で 1 分で話す練習をしよう。
つなぎ言葉を使うともっとわかりやすい
書くときと同じように、 話すときも つなぎ言葉 が役に立ちます。
- 「まず、 公園であそびました。」
- 「つぎに、 アイスを食べました。」
- 「そして、 家に帰りました。」
- 「でも、 雨がふってきて大変でした。」
- 「なぜなら、 朝ごはんがおいしかったからです。」
2. 声の大きさと速さを工夫しよう
同じことを話しても、 声の大きさ や 話す速さ で伝わり方が変わります。
場面ごとの工夫
| 場面 | 声の大きさ | 速さ |
|---|
| 教室でみんなに発表 | 大きく、 はっきり | ふつうより少しゆっくり |
| 友だちとおしゃべり | ふつう | ふつう |
| 図書館や静かな場所 | 小さく | ふつう |
| 体育館で大勢に話す | とても大きく | ゆっくり |
| 大事な お知らせ | 大きく | ゆっくり、 はっきり |
「だれに」「どこで」 を考えて、 声を調整しましょう。
大切なところはゆっくり
聞く人に 「ここが大事だよ!」 と知らせたいときは、
- 一度立ち止まって(少し間をおく)
- 大きめに
- ゆっくり
話します。 こうすると、 聞く人の頭にのこります。
注意:早口で話すと、 聞いている人がついていけません。 とくに緊張しているときは、 自然と速くなってしまうので、 「ゆっくり、 ゆっくり」 と心で言いながら話しましょう。
3. ていねいに聞く
話すことと同じくらい大切なのが、 聞くこと です。 聞く力がある人は、 たくさんのことを学べます。
聞くときの 5 つのこと
- 話す人を見る — 顔や目を見ると、 「ちゃんと聞いているよ」 と伝わる
- 最後まで聞く — とちゅうで口をはさまない
- うなずく — 「はい」「うん」 で反応すると、 話す人が安心する
- 大事なことを覚えておく — 5 W 1 H(いつ・どこで・だれが・何を・なぜ・どう)
- わからないときは聞き返す — 「もう一度言ってください」「○○ ってどういうこと?」
聞いたあとに「感想を伝える」 ことも大切
ただ聞くだけでなく、 「○○ がおもしろかったよ」「もっとくわしく聞きたいな」 と感想を言うと、 話がもっと広がります。
やってみよう:家で、 家族の 1 人に「きょう何があった?」 と聞いて、 5 分間ちゃんと聞いてみよう。 終わったら、 聞いたことを 1 つ自分の言葉で言ってみよう。
4. 話し合いに参加する
クラスや家族で話し合いをすることがあるでしょう。 話し合いは、 みんなで意見を出し合って 1 つの 答え や決まりにたどり着く ためのものです。
話し合いのルール
- ひとりずつ話す(同時にみんなで話さない)
- 友だちの話を最後まで聞く
- 反対の意見でも、 まずは受けとめる
- 自分の意見を言うときは理由も言う
自分の意見を言う言い方
- 「ぼくは ○○ がいいと思います。 なぜなら、 △△ だからです。」
- 「○○ ちゃんの意見に賛成です。 わたしも同じことを思っていました。」
- 「すこし心配があります。 もし ○○ ならどうしようかな、 と。」
反対の意見を言うとき
ただ「ちがう」「いやだ」 と言うのではなく、 つぎのように言いましょう。
- 「○○ さんの意見もいいと思いますが、 △△ のときはどうしましょうか。」
- 「他の考え方もあって、 ぼくは □□ のほうがいいと思います。」
ポイント:話し合いでは、 勝つ・負けるではなく、 みんなで良い答えを見つけることがゴールです。 友だちの意見もよく聞いて、 自分の考えと比べてみましょう。
5. 発音・口形・姿勢
話すときには、 言葉が相手にきちんと届くように、 つぎのことにも気をつけます。
口をしっかり動かす
「あ・い・う・え・お」 と、 大きな口で練習すると、 はっきり話せるようになります。 早口言葉 で練習するのも楽しいです。
姿勢を正しく
- せなかをまっすぐ
- 顔を上げて、 聞く人のほうを見る
- ぐにゃぐにゃしない
姿勢がよいと、 声も大きく出やすくなります。
口形と発声の練習
毎朝の 音読 で、 つぎを心がけましょう。
- ゆっくり、 はっきり言う
- 一文ごとに少し間をおく
- 句点「。」 で立ち止まる
やってみよう:早口言葉「なまむぎなまごめなまたまご」 を、 ゆっくり 5 回・速く 5 回言ってみよう。 速く言ってもはっきり聞こえるようになれば発音が上手になっているしょうこです。
6. 家庭での練習
「話す・聞く」 は、 家でも毎日練習できます。
おすすめの練習
- 夕食のときに 「きょうのできごと」 を 1 分ずつ話す
- 絵本を家族に読み聞かせる(ゆっくり、 はっきり)
- 「いつ・どこで・何を」 を明らかにした報告をする(「学校で友だちとけんかした」 → 「いつ・どこで・何でけんかしたか」 を順序よく)
- 家族の話を集中して聞いて、 あとで「○○ だったね」 と確かめる
ポイント: 「家で話すこと」 が、 学校や大勢の前で話すときの練習になります。 家族とたくさん話しましょう。
まとめ
この章で学んだことをふりかえりましょう。
- 話すときは はじめ・なか・おわり の順序で
- 声の大きさと速さを 場面で変える
- 聞くときは話す人を見て、 最後まで聞く
- 話し合いではひとりずつ、 理由をつけて意見を言う
- 反対の意見でも、 まず受けとめてから自分の考えを言う
- 姿勢・発音を整えるともっと伝わる
つぎの章では、 むかしからつたわるお話と、 ことばのあそびにふれます。
まとめ — 話す・聞くを 3 行で
- 話すときは「はじめ・なか・おわり」 の順序で組み立てる。声の大きさや速さも、場面にあわせて変えると伝わりやすい。
- 聞くときは話す人の目を見て、口をはさまずさい後まで聞く。あいづちはうなずくだけでもじゅうぶん。
- 話し合いでは理由をつけて意見を言い、反対の意見でも一度受けとめてから自分の考えを言うとやさしい話し合いになる。