››
この章では、ライティング第1題の英文要約を学びます。2024年のリニューアル以降の準1級で問われる問題で、200語程度の英文を読み、要点を60〜70語にまとめます。読む力と書く力の両方が必要ですが、手順と型を身につければ、安定した得点源になります。
ポイント: 英文要約でやることは「要点だけを残し、自分の言葉でまとめる」ことです。①各段落の主題(言いたいこと)をつかむ、②具体例・細かい数字は捨てる、③本文の表現をそのまま写さず言いかえる、④自分の意見は入れない——この4つが核心です。
200語程度の英文(多くは数段落の論説・説明)が示されます。あなたは、その英文の要点を60〜70語にまとめて書きます。意見を述べる問題ではなく、書かれている内容を正確に縮める問題です。
注意: 問題形式や語数は見直されることがあります。最新の正確な情報は必ず英検の公式サイトで確認してください。 本章は書き方の手順と型を身につけるための説明です。
採点は、内容・構成・語彙・文法の4観点(各0〜4点・合計16点満点)とされています。
| 観点 | 見られること |
|---|---|
| 内容 | 本文の要点を過不足なくとらえているか(細部より主題) |
| 構成 | 要点が論理的につながっているか(つなぎ語の活用) |
| 語彙 | 本文をそのまま写さず、適切に言いかえているか |
| 文法 | 文の形・時制・スペルが正しいか |
ポイント: 4観点は独立して評価されます。内容が良くても丸写しなら語彙で減点、要点がそろっていても文法ミスが多ければ文法で減点。4つすべてに目を配るのが満点への道です。
要約は、次の手順で作ると型どおりにまとまります。
ポイント: カギは「捨てる勇気」です。200語を65語前後にするには、本文の3分の2以上を捨てる必要があります。各段落のいちばん言いたいことだけを残し、例や数字は思い切って省きましょう。
要約では、本文の文をそのまま写すのは避け、自分の言葉に言いかえます。主な方法は次のとおりです。
| 方法 | 例 |
|---|---|
| 類義語に置きかえる | important → significant / many → numerous |
| 品詞を変える | decide(動詞)→ decision(名詞)/ analyze → analysis |
| 文の形を変える | 能動 ⇄ 受動、長い文を短く分ける、分詞構文でまとめる |
| まとめ言葉を使う | cars, buses, and trains → various forms of transport |
注意: 本文の文をそのまま写すと、語彙の観点で評価が大きく下がります。長い丸写しは避け、類義語・品詞の変換・まとめ言葉で言いかえましょう。ただし、専門的な固有名詞など、言いかえにくい語は無理に変えなくてかまいません。
次は、本章のためのオリジナルの例です(英検の実際の問題ではありません)。
本文(例・約200語): In recent years, many cities around the world have introduced bicycle-sharing systems. These systems allow people to rent a bicycle at one station and return it at another, often using a smartphone app. Supporters argue that such systems bring several benefits. They reduce traffic congestion, lower air pollution, and encourage people to exercise. In some cities, the number of car trips has noticeably decreased since the systems were introduced. However, bicycle-sharing is not without problems. Bicycles are sometimes left in inconvenient places, blocking sidewalks and annoying pedestrians. Maintaining the bicycles and the stations also costs a great deal of money, and not all systems are financially sustainable. In addition, in cities without proper cycling lanes, riders may face a higher risk of accidents. Experts say that for bicycle-sharing to succeed, cities need to invest in safe cycling infrastructure and clear rules. With careful planning, these systems can become a valuable part of urban transport.
この本文は「①利点 → ②問題点 → ③成功の条件・結論」という構成です。各段落の主題だけを残すと、次のような要約になります。
模範要約(例・約66語): Many cities have introduced bicycle-sharing systems, which can ease traffic, cut pollution, and promote exercise. However, they also cause problems: badly parked bicycles, high maintenance costs, and accident risks where cycling lanes are lacking. Experts argue that with investment in safe infrastructure and clear rules, such systems can become a useful part of city transport.
ポイント: 具体例(rent at one station / number of car trips decreased)は「ease traffic」のようにまとめ言葉にし、つなぎ語(However, ...)で論理の流れを示しています。本文の構成(利点 → 問題 → 結論)をそのまま縮めるのが、要約の基本形です。
要約でいちばん多い失敗の1つが、自分の意見や感想を書いてしまうことです。要約は「本文に何が書かれているか」を伝えるものなので、I think ... や In my opinion ... は不要です。
注意: 本文が「賛成派はこう言う/反対派はこう言う」と両論を述べているなら、要約でも両方を公平に書きます。どちらか一方に肩入れしたり、自分の判断を加えたりしないこと。
| 良い要約 | 悪い要約 | |
|---|---|---|
| 内容 | 各段落の要点を押さえている | 具体例ばかりで主題がない |
| 自分の意見 | 入れない(要約なので) | 自分の意見や感想を書いてしまう |
| 語彙 | 本文を言いかえている | 本文をそのまま長く丸写し |
| 構成 | つなぎ語で流れがある | 文がばらばらに並ぶ |
| 語数 | 60〜70語に収まる | 短すぎる/長すぎる |
注意: いちばん多い失点は、①本文の丸写し、②具体例を入れて要点を落とす、③自分の意見を加えてしまう、の3つです。要約は「本文の内容だけを、自分の言葉で、過不足なく縮める」と心得ましょう。