この章で学ぶこと
- 英検準1級がどれくらいのレベルなのか(2級との違い)
- 一次試験の出題形式(リーディング・ライティング・リスニング、2024年の整理で問題数が31に)
- 2024年のリニューアルで整理されたライティング2題(英文要約・意見論述)
- 約8分の二次試験(面接・4コマイラストのナレーション)の流れ
- 合否がどう決まるのか(CSEスコア)
- 大学入試・就職・留学での評価と、合格までの学習の進め方
英検準1級は、レベルの目安が「大学中級〜上級程度」とされる級です。ヨーロッパの語学力指標であるCEFRではB2にあたり、社会生活で求められる英語を理解し、運用できる上級の入口とされています。2級と1級のあいだに位置し、就職活動・大学院・海外勤務などで評価されることが多い、実務的にも価値の高い級です。
ポイント: 準1級の核は、語彙(難単語)・長文読解・ライティングです。2級までと枠組み(一次+二次)は同じですが、語彙が一段と高度になり、英文が長く抽象的になり、二次試験が4コマイラストのナレーションに変わるのが大きな違いです。この教材は、語彙 → 熟語 → 文法 → 長文 → ライティング → 面接 → リスニング → 背景知識の順で進めます。
英検準1級はどれくらいのレベル?
英検(実用英語技能検定)は5級から1級まであり、準1級は2級の一段上、1級の一段下に位置します。レベルの目安は「大学中級〜上級程度」、CEFRではB2です。
2級が「高校で学ぶ英語を仕上げる」段階だとすれば、準1級は「社会的・学術的な英文を、抽象的な内容まで含めて4技能で運用できる」段階です。必要とされる語彙は約7,500〜9,000語とされ、2級(約5,000語以上)から大きく増えます。新聞・雑誌記事の論調を理解し、自分の意見を理由づけて述べる力が求められます。
準1級でとくに重視されるのは、次の3つです。
- 語彙力: 抽象・学術・時事の難単語、派生語、コロケーション、句動詞・イディオムが大量に問われる
- 読解力: 社会・科学・環境・歴史・心理・経済などの論説文を、段落の要旨やパラフレーズまで含めて読み解く
- 発信力: 200語程度の英文を60〜70語に縮める英文要約と、120〜150語の意見論述を書く
ポイント: 準1級では、独立した文法問題(discrete な文法単独問題)は多くありません。文法は仮定法・倒置・分詞構文・関係詞・無生物主語などを「運用レベル」で、語彙・読解・作文の中で使えるかが問われます。だからこそ、語彙と読解とライティングに学習時間を厚く配分するのが合格への近道です。
2級との大きな違い
準1級と2級は試験の枠組み(一次+二次)は同じですが、難しさが明確に一段上がります。
| くらべるところ | 2級 | 準1級 |
|---|
| レベルの目安 | 高校卒業程度(CEFR B1) | 大学中級〜上級程度(CEFR B2) |
| 語彙(目安) | 約5,000語以上 | 約7,500〜9,000語 |
| 長文 | 説明文・評論(社会的・論理的) | 論説文(抽象・学術・時事まで) |
| ライティング | 要約(短め)・意見論述(80〜100語) | 英文要約(200語→60〜70語)・意見論述(120〜150語) |
| 二次試験 | 約7分(音読・イラストの描写・意見) | 約8分(4コマのナレーション・Q&A・意見) |
| 文法 | 仮定法・倒置・強調構文の基礎 | 同範囲を運用レベルで(単独問題は少ない) |
つまり準1級では、「より長く・より抽象的で論理的な内容を、4技能で運用できるか」が問われます。
ポイント: 「語彙が難しくなる」「英文が抽象的になる」「ライティングと二次の負荷が上がる」——この3点が準1級の山場です。どれもこの教材で1つずつ対策していきます。
一次試験の出題形式(2024年の整理で問題数31に)
2024年のリニューアルで、一次試験の問題構成が整理され、全体の問題数が31問になりました(従来より整理)。リーディング・ライティング・リスニングの3技能が試されます。
リーディング(読む)
| 大問 | 問題のタイプ | どんな問題? |
|---|
| 1 | 短文の語句空所補充 | 短い文の空所に合う単語・語句を選ぶ(語彙中心) |
| 2 | 長文の語句空所補充 | 論説文の空所に、文脈に合う語句を選ぶ |
| 3 | 長文の内容一致選択 | 長めの文章を読み、内容に合うものを選ぶ |
大問1は語彙力がそのまま得点になる「語彙問題の宝庫」です。第2章・第3章で対策する難語・句動詞がここで問われます。大問2・3の長文読解は第5章で対策します。
ポイント: 大問1は知識問題です。難単語と句動詞・コロケーションを単語帳と本教材で固めれば、安定して得点できます。ここを落とすと合格が一気に遠のくので、語彙は最優先で投資しましょう。
ライティング(書く・2題)
2024年のリニューアル以降、準1級のライティングは2題です。第1題が英文要約である点が大きな特徴です。
| 種類 | どんな問題? | 語数の目安 |
|---|
| 英文要約 | 200語程度の英文を読み、要点をまとめて要約する | 60〜70語 |
| 意見論述 | TOPICに対して、自分の意見と理由を書く | 120〜150語 |
それぞれに決まった「型」があり、型を身につければ安定して得点できます。英文要約は第6章、意見論述は第7章でくわしく学びます。
注意: 語数の目安や問題形式は見直されることがあります。最新の正確な情報は、必ず英検の公式サイトで確認してください。 本サイトの説明は、全体の流れと書き方のコツをつかむためのものです。
リスニング(聞く)
| 部 | 問題のタイプ | どんな問題? |
|---|
| 第1部 | 会話の内容一致選択 | やや長い会話を聞き、質問に答える |
| 第2部 | 文の内容一致選択 | 説明・論説の英文を聞き、内容に合うものを選ぶ |
| 第3部 | Real-Life形式 | アナウンスや状況説明を聞き、目的に沿って答える |
くわしいコツは第9章で学びます。
二次試験(面接・約8分)
一次試験に合格すると、面接形式の二次試験(スピーキング)に進みます。試験官と1対1で、約8分のやりとりをします。準1級の最大の特徴は、4コマイラストのナレーションです。流れはおおよそ次のとおりです。
- あいさつをして、問題カードを受け取る
- カードの4コマイラストを見て、指示文に沿って物語のように描写(ナレーション)する(準備時間ののち約2分)
- イラストの内容に関連した質問に答える
- あなた自身の意見を問う質問に答える(2024年の改訂で話題導入文が示される)
声の大きさ・アイコンタクト・反応の速さといった態度も評価の対象です。くわしくは第8章で対策します。
ポイント: 準1級の二次は「4コマの展開を、時制と接続表現を使って物語る」のが核心です。第8章で、ナレーションの組み立て方とQ&Aの答え方を練習しましょう。
合否はどう決まるのか(CSEスコア)
英検の合否は、各技能のCSEスコア(Common Scale for English の略で、英検が技能を共通の尺度に換算したスコア)で決まります。
- 一次試験はリーディング・ライティング・リスニングの3技能のCSEスコアの合計で判定
- 二次試験はスピーキングのCSEスコアで判定
- 1つの技能が極端に低いと合格が難しくなるため、技能のバランスが大切
注意: 合格に必要なスコアの基準は流動的で、回によって変わり得ます。具体的な合格スコアは断定せず、必ず公式サイトで最新の情報を確認してください。 本教材は基準値の提示ではなく、各技能をバランスよく伸ばす学習法を示すものです。
大学入試・就職・留学での評価
準1級は、英語力の客観的な証明として高く評価されます。
- 大学入試: 出願資格・加点・試験免除などで優遇する大学が多い(上位校でも評価されやすい)
- 就職・転職: 履歴書で「高い英語運用力」をアピールできる級
- 留学・海外: CEFR B2 相当として、英語での学習・業務に対応できる目安になる
ポイント: 準1級は「英語を使って学び・働ける」ことの分かりやすい証明です。スコアは履歴書や出願に長く使えるので、取得しておく価値が大きい級です。
合格までの学習の進め方
この教材は、準1級の出題の重みに合わせて、次の順で進めるのがおすすめです。
- 第2章・第3章(語彙・熟語)——最優先。大問1とライティングの土台
- 第4章(文法・語法)——運用レベルで整理し、読解・作文に活かす
- 第5章(長文読解)——パラフレーズ・段落要旨の読み方
- 第6章・第7章(ライティング)——英文要約と意見論述の型
- 第8章(二次試験)——ナレーションとQ&A
- 第9章(リスニング)——3部の形式別対策
- 第10章(頻出テーマの背景知識)——読解とエッセイの両方に効く
ポイント: 準1級は語彙が合否を分けます。毎日少しずつでも単語・熟語に触れ続けることが、すべての技能を底上げします。本教材と単語帳・一問一答・問題集を組み合わせて、4技能をバランスよく仕上げましょう。
まとめ
- 準1級は大学中級〜上級程度(CEFR B2)。2級と1級のあいだの、実務でも評価される級。
- 一次はリーディング・ライティング(英文要約+意見論述)・リスニング。2024年の整理で問題数は31。
- 二次(約8分)は4コマイラストのナレーション+Q&A+意見。
- 合否は技能ごとのCSEスコアで決まる。バランスが大切。合格スコアは公式で要確認。
- 学習は語彙最優先。語彙 → 文法 → 読解 → 作文 → 面接 → リスニング → 背景知識の順で。