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準1級では、文法を問う単独問題は多くありません。しかし長文読解・ライティング・リスニングのすべてで、複雑な構文を正しく理解し・自分で使えることが前提になります。この章では、2級までに学んだ文法を「運用レベル」に引き上げます。読むときに構造を見抜き、書くときに使いこなせる状態を目指します。
ポイント: 準1級の文法は「読むとき構造を見抜き、書くとき使える」のが目標です。とくに仮定法・倒置・分詞構文は、論説文や意見論述に頻出します。例文を音読し、自分の文に取り込めるまで練習しましょう。
仮定法は「もし〜なら…だろうに」という、事実と異なる想定を表します。準1級では、現在の想定(仮定法過去)と過去の想定(仮定法過去完了)を正確に使い分けます。
| 種類 | 形 | 表す内容 |
|---|---|---|
| 仮定法過去 | If + 主語 + 過去形, 主語 + would/could + 動詞原形 | 現在の事実に反する想定 |
| 仮定法過去完了 | If + 主語 + had + 過去分詞, 主語 + would/could have + 過去分詞 | 過去の事実に反する想定 |
if を省いて主語と(助)動詞を倒置する形も頻出です。
ポイント: if 節の if を省くと、had / were / should が文頭に出て倒置になります。Had + 主語 + 過去分詞 … を見たら「仮定法過去完了の if 省略形」と即座に読み取れるようにしましょう。論説文や英作文で品よく使えます。
否定の副詞(句)を強調して文頭に出すと、その後ろは疑問文と同じ語順に倒置します。論説文で論点を強調するときによく使われます。
| 文頭の否定語句 | 例 |
|---|---|
| Never | Never had I seen such a chaotic situation. |
| Not only ... (but also) | Not only did the plan fail, but it also wasted resources. |
| Hardly ... when | Hardly had we left when it started to rain. |
| Under no circumstances | Under no circumstances should you reveal the password. |
ポイント: Not only で文を始めたら、その直後を疑問文の語順(does this approach save ...)にするのを忘れないこと。意見論述の本論で「Aだけでなくbも」と理由を厚くするとき、説得力が増します。
It is ... that ... の形で、文中の特定の要素(主語・目的語・副詞句)を強調できます。
ポイント: 強調構文は「It is と that のあいだを取り出して強調する」だけです。It is ... that ... の that を外しても文が成立すれば強調構文、成立しなければ形式主語(It ... that 節)です。読解で両者を見分け、作文では「強調したい一語」を It is と that で挟みましょう。
分詞構文は、接続詞+主語+動詞を分詞(-ing / -ed)にまとめ、文を簡潔にします。論説文と英文要約で多用されます。
| 種類 | 形 | 例 |
|---|---|---|
| 基本 | -ing / 過去分詞 | Seen from space, the Earth looks blue. |
| 完了形 | Having + 過去分詞 | Having finished the report, she left the office. |
| 独立分詞構文 | 主語 + 分詞(主語が異なる) | The weather being fine, we went hiking. |
| 付帯状況の with | with + 名詞 + 分詞 | He spoke with his arms folded. |
ポイント: 完了形の分詞構文(Having + 過去分詞)は「主文より前に起きたこと」を表します。「〜したうえで/〜してから」と訳します。英文要約や意見論述で、2つの動作の前後関係を簡潔に示せる便利な形です。
準1級では、関係詞の発展形が読解で頻出します。
| 形 | 例 |
|---|---|
| 前置詞+関係代名詞 | the city in which he was born(彼が生まれた街) |
| 非制限用法(, which) | The plan, which was costly, was rejected.(その計画は——費用がかさんだのだが——却下された) |
| 数量詞+of which/whom | He has three sisters, all of whom are doctors.(彼には姉妹が3人いて、全員医者だ) |
| 関係副詞 where/when/why | the reason why he resigned(彼が辞任した理由) |
ポイント: 非制限用法の , which は直前の名詞や文全体に補足説明を加えます。「, which=そしてそれは」とつなげて読むと意味がとれます。the results of which(その結果は)のような「前置詞・数量詞+of which」も、落ち着いて構造を分解しましょう。
英語では、人ではない「もの・こと」が主語になり、人を目的語にとる表現が好まれます。これを無生物主語といい、論説文や意見論述で英語らしい締まった文を作ります。
| 動詞 | 例 |
|---|---|
| enable | Technology enables us to work from anywhere.(技術のおかげで、どこでも働ける) |
| prevent | The heavy snow prevented us from leaving.(大雪のせいで出発できなかった) |
| remind | This song reminds me of my childhood.(この歌は子ども時代を思い出させる) |
| force | The crisis forced the government to act.(危機が政府に行動を迫った) |
ポイント: 「〜のおかげで/〜のせいで…する」と言いたいとき、日本語では人を主語にしがちですが、英語ではもの・ことを主語にすると自然で力強い文になります。enable / allow / prevent / force を使いこなすと、意見論述の表現が一段上がります。