長文読解は、リーディングで配点が大きく、合否を左右します。準1級の英文は、社会・科学・環境・歴史・心理・経済などの論説文で、抽象度が高く長めです。この章では、長文の語句空所補充・内容一致選択を、段落の論理とパラフレーズを軸に解く手順を学びます。
この章で学ぶこと
- 長文の語句空所補充(つなぎ語と論理関係)
- 内容一致選択の解き方(設問先読み)
- 選択肢と本文の言いかえ(パラフレーズ)を見抜く
- 段落の主題をつかむ(パラグラフリーディング)
- 指示語・代名詞の処理
ポイント: 準1級の長文は「全文を完璧に訳す」より、段落ごとの主題と論理の流れをつかむのが先決です。空所補充は前後の論理関係(順接・逆接・因果)を、内容一致は本文と選択肢のパラフレーズを見抜けば解けます。
長文の語句空所補充——つなぎ語と論理
長文の語句空所補充(大問2)では、空所の前後の論理関係に合う語句を選びます。とくにカギになるのがつなぎ語(接続表現)です。
| 論理関係 | つなぎ語 |
|---|
| 逆接・対比 | however / nevertheless / on the contrary / in contrast |
| 因果 | therefore / consequently / as a result / hence |
| 追加 | moreover / furthermore / in addition |
| 例示・言いかえ | for instance / in other words / namely |
- 例題(オリジナル): Many people assumed the project would fail. ( ), it turned out to be a remarkable success.
- 選択肢の方向性: However(しかし)/ Therefore(したがって)/ Similarly(同様に)/ For example(たとえば)
- 正解の考え方: 前後が「失敗すると思われた ⇄ 大成功だった」と逆の内容なので、逆接の However。
ポイント: 空所が文頭にあるときは、まず前の文と後ろの文の関係(同じ方向か・逆か・原因結果か)を見極めましょう。論理関係さえつかめば、つなぎ語の選択は一気に絞れます。
内容一致選択——設問を先読みする
内容一致選択(大問3)は、長い文章を読んで設問に答えます。効率よく解く手順は次のとおりです。
- 設問(質問文)を先に読む——何を探すかを決める
- 設問は本文の段落順に並ぶことが多いので、対応する段落を探す
- 該当箇所を精読し、本文の根拠を確認する
- 選択肢を本文と照合する(言いかえに注意)
ポイント: 「本文を全部読んでから設問」ではなく、「設問を読んでから、答えのある段落をねらい撃ち」する方が速く正確です。設問はおおむね本文の登場順なので、1問ずつ段落を進みながら解きましょう。
パラフレーズを見抜く
内容一致では、正解の選択肢は本文の表現をそのまま使わず言いかえ(パラフレーズ)ています。同じ内容を別の言葉で言っていると見抜けるかが勝負です。
| 本文 | 言いかえた選択肢 |
|---|
| reduce the amount of waste | cut down on garbage |
| people living in cities | urban residents |
| the plan did not work as expected | the project failed to achieve its goal |
- 本文(例): The new system significantly reduced the time needed to process applications.
- 正解の選択肢(例): The new system made the application process much faster.(言いかえ: reduced the time → made ... faster)
ポイント: 本文とまったく同じ単語が並ぶ選択肢は、ひっかけのことがあります(本文と意味がずれていたり、言い過ぎていたり)。逆に、正解はパラフレーズされていることが多い。「単語の一致」ではなく「意味の一致」で選びましょう。
ひっかけ選択肢の型
内容一致では、もっともらしいが誤りの選択肢に注意します。
| ひっかけの型 | 中身 |
|---|
| 言い過ぎ | always / never / all / only など極端な語で断定 |
| すり替え | 本文の語を使うが、主語や対象が違う |
| 本文にない情報 | もっともらしいが本文に根拠がない |
| 部分的に正しい | 一部は合うが、別の部分が本文と矛盾 |
注意: all / always / never / the only といった極端な語を含む選択肢は要注意です。本文がそこまで断定していないことが多いからです。選択肢は必ず本文に根拠を見つけてから選び、推測で選ばないようにしましょう。
段落の主題をつかむ(パラグラフリーディング)
論説文の各段落には、1つの主題(言いたいこと)があり、多くは第1文(トピックセンテンス)に表れます。段落ごとに主題を一言でメモしながら読むと、文章全体の流れと段落要旨がつかめます。
段落(例): Remote work has become increasingly common in recent years. Many companies have found that allowing employees to work from home can lower office costs and improve job satisfaction. However, some managers worry that it may weaken communication among team members.
- この段落の主題: 「リモートワークの広がりと、その利点(コスト減・満足度)/懸念(連携の弱まり)」
- トピックセンテンス: 第1文 "Remote work has become increasingly common ..."
ポイント: 段落の主題は第1文に出やすいですが、However や In contrast の後ろに本当に言いたいことが来ることもあります。逆接のつなぎ語が出たら、その後ろを段落の核と見て読みましょう。これは第6章の英文要約にも直結します。
指示語・代名詞の処理
長文では、it / they / this / such などの指示語が何を指すかを正確につかむことが、内容理解のカギになります。
- 例文: Some species can adapt quickly to new environments. This ability helps them survive when conditions change suddenly.
- This ability が指すもの = 直前の "adapt quickly to new environments"(新しい環境にすばやく適応する能力)
ポイント: this / these / such が出てきたら、「直前の何を指すか」を必ず確認しましょう。指示語の中身を取り違えると、内容一致を丸ごと外します。指示語=直前の名詞や内容のまとめ、と意識して読みます。
まとめ
- 準1級の長文は論説文。段落ごとの主題と論理の流れをつかむのが先決。
- 語句空所補充は、空所前後の論理関係(逆接・因果・追加)からつなぎ語を選ぶ。
- 内容一致は設問先読みで、答えのある段落をねらい撃ちする。
- 正解は本文のパラフレーズ。単語の一致ではなく意味の一致で選ぶ。
- 極端な語(all / always / never)のひっかけに注意し、必ず本文に根拠を見つける。
- 指示語(this / such)は直前の中身を確認して読む。