リスニングは、1級の3技能(一次)の1つで、配点も大きい分野です。放送は基本的に一度しか流れず、速く自然な英語で進みます。この章では、第1部(会話)・第2部(文)・第3部(Real-Life形式)・第4部(インタビュー)の4部それぞれの特徴と解き方、そして日々の学習法を学びます。
この章で学ぶこと
- リスニング4部の構成(会話/文/Real-Life形式/インタビュー)
- 選択肢の先読みと聞きどころの絞り方
- 言いかえ(パラフレーズ)の聞き取り
- 長いインタビュー(第4部)への対応
- 日々のリスニング学習法
ポイント: リスニングは「聞く前の準備」で差がつきます。放送が始まる前に選択肢を先読みし、何が問われそうかを予測しておく。これだけで、聞きどころを絞れて正答率が大きく上がります。1級は1つの放送が長いので、メモを取りながら集中力を保つことも重要です。
リスニング4部の構成
1級のリスニングは、おおよそ次の4部構成です。
| 部 | 形式 | 内容 |
|---|
| 第1部 | 会話の内容一致選択 | やや長い会話を聞き、内容についての質問に答える |
| 第2部 | 文の内容一致選択 | 説明・論説の英文(パッセージ)を聞き、内容に合うものを選ぶ |
| 第3部 | Real-Life形式 | 実生活の状況(アナウンス等)を聞き、目的に沿って答える |
| 第4部 | インタビュー | やや長いインタビューを聞き、内容についての質問に答える |
注意: 構成や問題数は見直されることがあります。最新の正確な情報は必ず英検の公式サイトで確認してください。 本章は形式ごとの解き方のコツを示すものです。
選択肢の先読みと聞きどころ
放送は一度しか流れないため、選択肢を先に読むことが最重要です。
- 放送の前(または問題の合間)に、選択肢にざっと目を通す
- 選択肢から、質問の方向を予測する(理由・次の行動・話者の意見など)
- 放送中は、予測した情報に耳を集中させ、必要ならメモを取る
- 聞きながら、消去できる選択肢を消す
- 選択肢の例: ① It is too costly to implement. ② It lacks public support. ③ It may harm the environment. ④ It has no legal basis.
- 予測: 選択肢がすべて「批判・問題点」→ 質問は「ある案への反対理由」だろうと予測できる。
ポイント: 選択肢の内容の共通点から質問を読みます。すべて批判なら「反対理由」、すべて動作なら「次の行動」、すべて意見なら「話者の主張」が問われると予測できます。選択肢を読む段階で半分解くつもりで臨みましょう。
パラフレーズの聞き取り
リーディングと同じく、リスニングでも正解は放送の表現をそのまま使わず言いかえ(パラフレーズ)ています。1級では言いかえがより高度です。
- 放送(例): The proposal was met with considerable skepticism from the scientific community.
- 正解の選択肢(例): Many scientists doubted the proposal.(言いかえ: met with skepticism → doubted / scientific community → scientists)
ポイント: 放送と同じ単語が入った選択肢は、ひっかけのことがあります。正解はパラフレーズされていることが多いので、単語の一致ではなく意味の一致で選びましょう。リーディングの内容一致と同じ発想です。
第1部(会話)の対策
2人の会話を聞き、その内容について答えます。
- 話者の関係・場面(同僚か・専門家どうしかなど)を冒頭でつかむ
- 会話の流れの転換(But / Actually / However の後ろ)に注意——そこに答えが多い
- 最後のやりとりに「次の行動」「結論」のヒントが出やすい
ポイント: 会話では But / Actually の後ろに「本当に言いたいこと」が来ます。逆接の後ろが解答のカギになりやすいので、聞き逃さないようにしましょう。
第2部(文)の対策
説明・論説のパッセージ(モノローグ)を聞き、内容に合うものを選びます。リーディングの長文を「聞く版」と考えるとよいです。
- 冒頭の1〜2文でテーマをつかむ
- 具体例や数字より、主題と結論に集中する
- because / therefore / however などのつなぎ語で論理の流れを追う
ポイント: 第2部は長文読解の聞き取り版です。すべてを聞き取ろうとせず、「結局、何が言いたいか」という主題と結論に集中しましょう。第4章のパラグラフ読解の発想がそのまま使えます。
第3部(Real-Life形式)の対策
第3部は、実生活の状況を聞いて、与えられた目的(Situation)に沿って判断する形式です。問題用紙に、あなたの状況(Situation)と質問(Question)が先に書かれているのが特徴です。
-
放送の前に、用紙のSituation と Question を必ず読む(自分が何者で、何を知りたいかを把握)
-
放送(アナウンスや説明)を聞き、自分の状況に当てはまる情報だけを拾う
-
Situation(例): You want to attend a lecture on a weekday afternoon. You hear the following announcement.
-
Question(例): Which lecture should you attend?
- 解き方: 放送から「平日(weekday)」かつ「午後(afternoon)」の条件に合う講義だけを拾う。
ポイント: Real-Life形式は「全部聞く」のではなく「自分の条件に合う情報だけを探す」問題です。放送前にSituation(自分の立場・条件)を頭に入れ、条件に合わないものを聞きながら消していきましょう。
第4部(インタビュー)の対策
第4部は、1級ならではのやや長いインタビュー(専門家へのインタビューなど)を聞き、内容について答えます。1つの音声が長いため、集中力とメモが鍵になります。
- インタビューのテーマと、話し手が誰かを冒頭でつかむ
- 質問者の問いと、回答者の答えの要点をペアで追う
- 長いので、キーワードを短くメモしながら聞く(数字・固有名詞・転換語)
- 設問は放送の流れの順に並びやすい
ポイント: 第4部は長いので、すべてを覚えようとせず、「問い → 答えの要点」の流れをメモで追いましょう。回答者が However / The key point is ... と言ったら、その後ろが解答に直結しやすいので、印をつけて聞きます。
日々のリスニング学習法
リスニング力は、毎日の積み重ねで伸びます。
| 学習法 | ねらい |
|---|
| シャドーイング | 音声を追いかけて声に出す。音とリズムに慣れる |
| ディクテーション | 聞いた文を書き取る。聞き取れない箇所を可視化 |
| メモ取り練習 | 長い音声の要点を短く書き取る訓練(第4部対策) |
| 音読 | 自分で発音できる音は聞き取れる |
ポイント: 「聞き取れない音は、自分で発音できない音」であることが多いです。シャドーイングと音読で自分の口を動かすことが、結局いちばんの近道です。1級は長い音声が出るので、要点を短くメモする練習も日々取り入れましょう。
まとめ
- 1級のリスニングは、第1部(会話)・第2部(文)・第3部(Real-Life)・第4部(インタビュー)の4部。放送は一度だけ。
- 最重要は選択肢の先読み。選択肢の共通点から質問(反対理由・次の行動・主張)を予測する。
- 正解は放送のパラフレーズ。単語の一致ではなく意味の一致で選ぶ。
- 会話は逆接(But / Actually)の後ろ、文は主題と結論に集中する。
- 第3部はSituationを先読みし、自分の条件に合う情報だけを拾う。
- 第4部の長いインタビューは「問い→答えの要点」をメモで追う。日々のシャドーイング・音読で耳を鍛える。