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数学B

漸ぜん化か式しき — 等差とうさ型がた・等比とうひ型がた・特性とくせい方程式ほうていしき・階かい差さ型がた

最終確認日:

この章しょうで学まなぶこと

漸化式ぜんかしき とは、 「となり合あう項こうの関かん係けい式」 で数列すうれつを定てい義ぎする方法ほうほう。 一般項いっぱんこうが直ちょく接せつ与あたえられなくても、 漸ぜん化か式しきから 一般いっぱん項こうana_n を求もとめるのがこの章しょうの目もく標ひょうです。

  • 漸ぜん化か式しきと初しょ期き条じょう件けんの役やく割わりを理り解かいする
  • 等差とうさ型がた an+1=an+da_{n+1} = a_n + d を扱あつかう
  • 等比とうひ型がた an+1=rana_{n+1} = r a_n を扱あつかう
  • an+1=pan+qa_{n+1} = p a_n + q型 を 特性方程式とくせいほうていしき で解とく
  • 階かい差さ型がた an+1=an+f(n)a_{n+1} = a_n + f(n) を解とく

ポイント: 漸ぜん化か式しきは 「漸ぜん化か = だんだん化かしていく」 の文字通もじどおり、 1 ステップずつ数列すうれつを作つくるルール。 入試にゅうしでは 形がたを見みてパターンに分類ぶんるい できるかが鍵かぎです。

1. 漸ぜん化か式しきとは

定義ていぎ

数列すうれつ{an}\{a_n\} について、 隣りん接せつする項こう (例れい: ana_n と an+1a_{n+1}) の関かん係けいを表あらわす式しき を 漸ぜん化か式しき と呼よぶ。 通つう常じょう 初項しょこう a1a_1 も一いっ緒しょに与あたえる。

例れい: a1=1a_1 = 1、 an+1=an+3a_{n+1} = a_n + 3 → 1, 4, 7, 10, 13, … (公差こうさ 3 の等差とうさ数列すうれつ)

なぜ漸ぜん化か式しきを学まなぶか

  • 自し然ぜん現げん象しょうの多おおくは 「前まえの状じょう態たいから次つぎが決きまる」 仕組くみを持もつ (人口モデルじんこうもでる・利息りそく・遺伝いでんなど)
  • コンピュータプログラムの 再帰さいき と同おなじ考かんがえ方かた
  • 一般いっぱん項こうを直ちょく接せつ求もとめにくい数列すうれつを系けい統とう的に扱あつかえる

2. 等差とうさ型がたan+1=an+da_{n+1} = a_n + d

差が一いっ定ていなので 等差数列とうさすうれつ。 公差こうさdd で

an=a1+(n−1)da_n = a_1 + (n-1)d

例題れいだい 1

a1=5a_1 = 5、 an+1=an+4a_{n+1} = a_n + 4 の一般いっぱん項こうを求もとめよ。

解かい: 公差こうさ 4 の等差とうさ数列すうれつ → an=5+(n−1)⋅4=4n+1a_n = 5 + (n-1) \cdot 4 = 4n + 1

3. 等比とうひ型がたan+1=rana_{n+1} = r a_n

比が一いっ定ていなので 等比数列とうひすうれつ。 公比こうひ rr で

an=a1⋅rn−1a_n = a_1 \cdot r^{n-1}

例題れいだい 2

a1=3a_1 = 3、 an+1=2ana_{n+1} = 2 a_n の一般いっぱん項こうを求もとめよ。

解かい: 公おおやけ比ひ 2 の等比とうひ数列すうれつ → an=3⋅2n−1a_n = 3 \cdot 2^{n-1}

4. an+1=pan+qa_{n+1} = pa_n + q型 (特性とくせい方程式ほうていしき)

形

p≠1p \neq 1 のとき

an+1=pan+qa_{n+1} = p a_n + q

の形かたちは 等比とうひでも等差とうさでもない。 これを解とくカギが 特性方程式とくせいほうていしき です。

解とき方かた (定番ていばん手順てじゅん)

  1. 特性方程式とくせいほうていしき α=pα+q\alpha = p \alpha + q を解といて α=q1−p\alpha = \dfrac{q}{1 - p} を求もとめる (α\alpha は 不ふ動どう点てん)

  2. 与あたえられた式しきから α=pα+q\alpha = p \alpha + q を引ひく

    an+1−α=p(an−α)a_{n+1} - \alpha = p (a_n - \alpha)
  3. つまり {an−α}\{a_n - \alpha\} は公おおやけ比ひpp の等比数列とうひすうれつ になる

  4. an−α=(a1−α)pn−1a_n - \alpha = (a_1 - \alpha) p^{n-1} より

    an=α+(a1−α)pn−1a_n = \alpha + (a_1 - \alpha) p^{n-1}

例題れいだい 3

a1=2a_1 = 2、 an+1=3an+4a_{n+1} = 3 a_n + 4 の一般いっぱん項こうを求もとめよ。

解かい:

  1. 特性とくせい方程式ほうていしき: α=3α+4\alpha = 3\alpha + 4 → α=−2\alpha = -2
  2. an+1+2=3(an+2)a_{n+1} + 2 = 3 (a_n + 2)
  3. {an+2}\{a_n + 2\} は公おおやけ比ひ 3、 初はつ項こうa1+2=4a_1 + 2 = 4 の等比とうひ数列すうれつ
  4. an+2=4⋅3n−1a_n + 2 = 4 \cdot 3^{n-1} より an=4⋅3n−1−2a_n = 4 \cdot 3^{n-1} - 2

検算けんざん: a1=4−2=2a_1 = 4 - 2 = 2 ✓、 a2=12−2=10a_2 = 12 - 2 = 10、 与あたえられた式しきで a2=3⋅2+4=10a_2 = 3 \cdot 2 + 4 = 10 ✓

大事だいじ: 特性とくせい方程式ほうていしきの直ちょっ感かん: 「漸ぜん化か式しきがどこか 1 点てんで動うごかなくなる値あたい (α\alpha) を引ひくと、 ピュアな等比とうひになる」。 この 「ずらし・」 がテクニックの核かくです。

5. 階かい差さ型がたan+1=an+f(n)a_{n+1} = a_n + f(n)

解とき方かた

階かい差さbn=an+1−an=f(n)b_n = a_{n+1} - a_n = f(n) が nn の式しきになるタイプ。 階差数列かいさすうれつ の和わ公式こうしきで解とく。

n≥2n \geq 2 で

an=a1+∑k=1n−1f(k)a_n = a_1 + \sum_{k=1}^{n-1} f(k)

例題れいだい 4

a1=1a_1 = 1、 an+1=an+2na_{n+1} = a_n + 2n の一般いっぱん項こうを求もとめよ。

解かい: n≥2n \geq 2 で

an=1+∑k=1n−12k=1+2⋅(n−1)n2=1+n(n−1)=n2−n+1a_n = 1 + \sum_{k=1}^{n-1} 2k = 1 + 2 \cdot \frac{(n-1)n}{2} = 1 + n(n-1) = n^2 - n + 1

n=1n = 1 でも 1=11 = 1 ✓。 → an=n2−n+1a_n = n^2 - n + 1

6. その他たの頻出ひんしゅつパターン (発展はってん)

形かたち解とき方かたの概がい要よう
an+1=pan+f(n)a_{n+1} = p a_n + f(n)両りょう辺へんを pn+1p^{n+1} で割わって bn=an/pnb_n = a_n / p^n と置おく
an+2=pan+1+qana_{n+2} = p a_{n+1} + q a_n隣接三項間りんせつさんこうかん 漸ぜん化か式しき。 特性とくせい方程式ほうていしきx2=px+qx^2 = px + q を解といて等比とうひ 2 つの和わ
連れん立りつ漸ぜん化か式しきan+1=⋯ ,bn+1=⋯a_{n+1} = \cdots, b_{n+1} = \cdotsan+bna_n + b_n、 an−bna_n - b_n などの和わ差さを取とる

7. まとめ

漸ぜん化か式しきの形かたち戦せん略りゃく
an+1=an+da_{n+1} = a_n + d等差とうさ (公差こうさdd)
an+1=rana_{n+1} = r a_n等比とうひ (公おおやけ比ひrr)
an+1=pan+qa_{n+1} = p a_n + q (p≠1p \neq 1)特性とくせい方程式ほうていしき で α\alpha を引ひいて等比とうひ化か
an+1=an+f(n)a_{n+1} = a_n + f(n)階かい差さ数列すうれつ の和わで復ふく元げん

8. 例題れいだい (総合そうごう演習えんしゅう)

例題れいだい 5: 等差とうさ・等比とうひを区別くべつ

次つぎの漸ぜん化か式しきを解とけ。

(1) a1=7, an+1=an−3a_1 = 7, \ a_{n+1} = a_n - 3

(2) b1=2, bn+1=12bnb_1 = 2, \ b_{n+1} = \dfrac{1}{2} b_n

解かい:

(1) 公差こうさ−3-3 の等差とうさ数列すうれつ → an=7+(n−1)(−3)=10−3na_n = 7 + (n-1)(-3) = 10 - 3n

(2) 公おおやけ比ひ1/21/2 の等比とうひ数列すうれつ → bn=2⋅(1/2)n−1=22−nb_n = 2 \cdot (1/2)^{n-1} = 2^{2-n}

例題れいだい 6: 特性とくせい方程式ほうていしきの練習れんしゅう

a1=1,an+1=12an+3a_1 = 1, a_{n+1} = \dfrac{1}{2} a_n + 3 の一般いっぱん項こうを求もとめよ。

解かい:

  1. 特性とくせい方程式ほうていしきα=12α+3\alpha = \dfrac{1}{2}\alpha + 3 → α=6\alpha = 6
  2. an+1−6=12(an−6)a_{n+1} - 6 = \dfrac{1}{2}(a_n - 6)
  3. {an−6}\{a_n - 6\} は初はつ項こう1−6=−51 - 6 = -5、 公おおやけ比ひ1/21/2 の等比とうひ数列すうれつ
  4. an−6=−5⋅(1/2)n−1a_n - 6 = -5 \cdot (1/2)^{n-1} より an=6−5⋅(1/2)n−1a_n = 6 - 5 \cdot (1/2)^{n-1}

検算けんざん: a1=6−5=1a_1 = 6 - 5 = 1 ✓、 a2=6−5/2=7/2a_2 = 6 - 5/2 = 7/2、 与あずか式しきで 12⋅1+3=7/2\dfrac{1}{2} \cdot 1 + 3 = 7/2 ✓。

例題れいだい 7: 階かい差さ型がたの練習れんしゅう

a1=2,an+1=an+3na_1 = 2, a_{n+1} = a_n + 3^n の一般いっぱん項こうを求もとめよ。

解かい: 階かい差さ3k3^k を k=1k = 1 から n−1n-1 まで足たす。 n≥2n \geq 2 で

an=2+∑k=1n−13k=2+3(3n−1−1)3−1=2+3n−32=3n+12a_n = 2 + \sum_{k=1}^{n-1} 3^k = 2 + \frac{3(3^{n-1} - 1)}{3 - 1} = 2 + \frac{3^n - 3}{2} = \frac{3^n + 1}{2}

n=1n = 1 でも (3+1)/2=2(3 + 1)/2 = 2 ✓。 → an=3n+12a_n = \dfrac{3^n + 1}{2}

解とけないときの戦略せんりゃく

漸ぜん化か式しきの形かたちが 4 パターンのどれにも一いっ致ちしないときは、

  • 両りょう辺へんを anan+1a_n a_{n+1} で割われる → 1an\dfrac{1}{a_n} を新あたらしい数列すうれつとして扱あつかう
  • 両りょう辺へんの 対数たいすうを取とる → 積せきが和わに変かわる
  • an+pa_n + p や an/qna_n / q^n などの 置き換えおきかえ を試こころみる

いずれも 「既き知ちの 4 パターンに帰着きちゃくさせる」 のが戦せん略りゃくの基き本ほんです。

次じの章しょう: 第だい 4 章しょうでは 数学的帰納法すうがくてききのうほう を学まなび、 漸ぜん化か式しきで推すい測そくした一般いっぱん項こうが 「すべての nn で正ただしい」 ことを厳密みつに証しょう明めいする方法ほうほうを身みにつけます。

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