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第 6 章 で は、 波動 の 基本 を 学び ます。 水面 の 波 や 音、 光 など、 自然界 に は さま ざま な 波 が あり、 共通 の 法則 で 説明 でき ます。
ポイント: 中学 で は 「波 と は 何 か」 を 定性的 に 学び ました。 高校 で は 数式 で 波 を 扱い、 反射・屈折・干渉 の 計算 が でき る よう に なり ます。
波 と は、 ある 場所 で 起き た 振動 (ゆれ) が、 周囲 の 媒質 (ばい しつ) を 伝わって 広がって いく 現象 です。 波 が 伝わる と き、 媒質 そ の もの は 移動 せ ず、 その 場 で 振動 す る だけ です。
| 量 | 記号 | 単位 | 意味 |
|---|---|---|---|
| [[波長 | はちょう]] | λ | m |
| [[周期 | しゅうき]] | T | s |
| [[振動数 | しんどうすう]] | f | Hz (ヘルツ) |
| [[速さ | はやさ]] | v | m/s |
| 関係式 | 説明 |
|---|---|
| v = f × λ | 波 の 速 さ = [[振動数|しんどうすう]] × [[波長|はちょう]] |
| T = 1 / f | [[周期|しゅうき]] と [[振動数|しんどうすう]] は [[逆数|ぎゃくすう]] の 関係 |
| λ = v × T | [[波長|はちょう]] = 速 さ × [[周期|しゅうき]] |
振動数 f = 50 Hz、 波長 λ = 4 m の 波 の 速 さ を 求 め よ。
解: v = f × λ = 50 × 4 = 200 m/s
大事: 波 の 速 さ v は 媒質 で 決まる (空気中 の 音 は 約 340 m/s、 水中 で は 約 1500 m/s)。 振動数 f は 波 を 出す 物 で 決まる (音源・光源等)。
波 は、 媒質 の 振動方向 と 波 の 進行方向 の 関係 で 2 種類 に 分け られ ます。
| 種類 | 振動方向 と 進行方向 | 例 |
|---|---|---|
| [[横波 | よこなみ]] | 垂直 (直角 に 振動) |
| [[縦波 | たては]] | 平行 (進行方向 と 同 じ 向 き に 振動) |
横波 は 山 (媒質 が 上 に ふれる 部分) と 谷 (下 に ふれる 部分) が 交互 に 並 び ます。 弦 を 弾いじ いた と き や、 水面 に 石 を 投 げ 入れ た と き の 波 が 例 で す。
縦波 は 媒質 が 進行方向 に 押 し 寄せ た 密 の 部分 と 広 がっ た 疎 の 部分 が 交互 に 並 び ます。 これ を 疎密波 と も 呼 び ます。 音波 が 代表例 で、 空気 の 圧力 の 高低 が 進行方向 に 沿って 伝わ り ます。
ポイント: 音波 は 縦波 で す。 図 に 描く と き は 疎密 の しま 模様 で 表 す か、 便宜上横波 と 同 じ 山谷 の 形 で 表 し ます (波 を 計算 する 上 で は 同 じ 扱い が でき る)。
光 (可視光・紫外線・赤外線) は 電磁波 で あり、 電場 と 磁場 が 直角 に 振動 し ながら 進む 横波 で す。 真空中 で の 速 さ は c = 3.0 × 10⁸ m/s で、 全 て の 電磁波 で 共通 で す。
波 が 境界面 (異 な る 媒質 の さ か い) に ぶつ かる と、 一部 は 反射 し、 一部 は 屈折 (折 れ 曲 がって 進 む) し ます。
| 法則 | 内容 |
|---|---|
| [[入射角 | にゅうしゃかく]] = [[反射角 |
| [[入射波 | にゅうしゃは]]・[[反射波 |
異 な る 媒質 へ 波 が 入る と、 速 さ が 変 わる の で 進 む 向 き が 変 わ り ます。
| 関係式 | 説明 |
|---|---|
| sin i / sin r = v₁ / v₂ = n₁₂ | [[入射角|にゅうしゃかく]] i・[[屈折角|くっせつかく]] r・速 さ v・[[屈折率|くっせつりつ]] n の 関係 |
| n = c / v | [[絶対屈折率|ぜったいくっせつりつ]] n = 真空中 の 光速 ÷ 媒質中 の 光速 |
水中 で ストロー が 折 れ て 見え る、 プール の 底 が 浅 く 見え る な ど は 全 て 屈折 が 原因 で す。 光 が 水 ↔ 空気 の 境界 で 速 さ を 変 え る た め、 進路 が 折 れ 曲 が り ます。
ポイント: 振動数 f は 媒質 が 変 わって も 変 わ ら な い。 変 わる の は 速 さ v と 波長 λ。 これ は 光 で も 音 で も 同 じ で す。
「波面上 の 各点 か ら 二次素元波 (small wavelet) が 出 て、 そ の 共通接線 が 次 の 瞬間 の 波面 に な る」 と い う 原理 で、 反射・屈折・回折 の すべ て を 説明 でき ます。 高校 で は 結論 (例: スネル の 法則 の 導出) を 知 れ ば 十分 で す。
2 つ の 波 が 同 じ 場所 で 出会う と、 その 点 で の 変位 は 2 つ の 波 の 変位 の 和 に なり ます。 これ を 重ね合わせの原理 と 言 い ます。
| 場合 | 結果 |
|---|---|
| 山 と 山 が 重 な る | 強 め 合 う ([[強め合い |
| 山 と 谷 が 重 な る | 打 ち 消 し 合 う ([[弱め合い |
2 つ の 波源 か ら の 距離 の 差 (経路差) を Δl、 波長 を λ と す る と:
| 条件 | 結果 |
|---|---|
| Δl = m × λ (m = 0, 1, 2, ...) | **強 め 合 う** (山 と 山 が 重 な る) |
| Δl = (m + 1/2) × λ | **弱 め 合 う** (山 と 谷 が 重 な る) |
波 が 障害物 や 隙間 の 後 ろ に 回 り 込む 現象 を 回折 と 言 い ます。 隙間 の 幅 が 波長 と 同 じ く ら い に 狭 い ほ ど 回折 が 強 く 起 き ます。
例: 部屋 の ドア の 隙間 か ら 廊下 の 音 が 聞 こえ る (音 の 回折)。 光 の 場合 は 波長 が と て も 短 い (約 500 nm) た め、 隙間 が 大 き い と 回折 し に く い。
同 じ 振動数・振幅 の 2 つ の 波 が 逆向 き に 進 ん で 重 な る と、 進 ま な い で そ の 場 で ゆ れ る だ け の 定常波 が で き ます。 弦楽器・気柱・笛 の 音 が こ れ で 説明 でき ます。 節 (動 か な い 点) と 腹 (大 き く 振動 す る 点) が 交互 に 並 び ます。
音源 と 観測者 の どち ら か (ま た は 両方) が 動 い て い る と、 観測 さ れ る 振動数 が 変 わ る 現象 を ドップラー効果 と 言 い ます。 救急車 の サ イレン が 近 づ く と 高 く、 遠 ざ か る と 低 く 聞 こ え る の が 例 で す。
音速 を V、 音源 の 速 さ を vS、 観測者 の 速 さ を vO、 元 の 振動数 を f、 観測者 が 聞 く 振動数 を f' と す る:
| 状況 | 公式 |
|---|---|
| 音源 が 観測者 に 近 づ く | f' = V / (V − vS) × f (高 く 聞 こ え る) |
| 音源 が 観測者 か ら 遠 ざ か る | f' = V / (V + vS) × f (低 く 聞 こ え る) |
| 観測者 が 音源 に 近 づ く | f' = (V + vO) / V × f |
| 観測者 が 音源 か ら 遠 ざ か る | f' = (V − vO) / V × f |
| 両方動 く 一般式 | f' = (V ± vO) / (V ∓ vS) × f |
一般式 で の 符号 は、 音源 → 観測者 の 向 き を 正 と す る と 覚 え や す い:
サ イレン (f = 600 Hz) を 鳴 ら す 救急車 が 静止 し た 観測者 に 音速 V = 340 m/s に 対 し て vS = 20 m/s で 近 づ く と き、 観測者 が 聞 く 振動数 f' は?
解: f' = V / (V − vS) × f = 340 / (340 − 20) × 600 = 340 / 320 × 600 = 637.5 Hz
ポイント: 光 で も ドップラー効果 は 起 き ます (赤方偏移 = 銀河 が 遠 ざ か る と 光 の 振動数 が 下 が り 赤寄 り に 見 え る)。 ハッブル の 法則 や 宇宙 の 膨張観測 の 基礎 で す。
波動 の 実験 で は、 大 き な 音 や 機材 の 落下 に 注意 が 必要 で す。
| 実験 | 危険 | 対策 |
|---|---|---|
| 音叉 (おん さ)・スピーカー で の [[共鳴 | きょうめい]]実験 | 大音量 で の **[[聴覚障害 |
| [[弦 | つる]] の [[定常波 | ていじょうは]]実験 |
| ウォーター タ ン ク で の [[水波 | みずは]]実験 | 水 こ ぼ し → [[感電 |
次 の 章: 第 7 章 で は、 こ の 章 で 学 ん だ 波動 の 法則 を 音 と 光 に 具体化 し ま す。 うなり、 弦 や 気柱 の 共鳴、 レンズ と ヤング の 干渉実験 な ど、 身近 な 現象 が 公式 で 解 け る よ う に な り ま す。