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公民

政府せいふと財政ざいせい・社会しゃかい保障ほしょう

最終確認日:

この章しょうで学まなぶこと

日本銀行本店の建物
日本銀行にっぽんぎんこう (本店ほんてん、 東京とうきょう日本橋にほんばし) — 日本にほんの中央ちゅうおう銀行ぎんこう。 紙幣しへい (日本銀行にっぽんぎんこう券けん) の発行はっこう、 政策金利せいさくきんりの決定けってい、 「銀行ぎんこうの銀行ぎんこう」 としての役割やくわり。

第 7 章しょうでは 「市場しじょう」 を中心ちゅうしんに経済けいざいを見みました。 第だい 8 章しょうでは、 もう一ひとつの主役しゅやくである 「政府せいふ」 の働はたらきを学まなびます。

  • 財政ざいせい とは — 政府せいふの収入しゅうにゅう (歳入さいにゅう) と支出ししゅつ (歳出さいしゅつ)
  • 税金ぜいきんのしくみ — 直接税ちょくせつぜいと間接税かんせつぜい、 累進課税るいしんかぜいと消費しょうひ税ぜい
  • 公債こうさい (国こくの借金しゃっきん) と財政ざいせいの課題かだい
  • 金融きんゆうと日本銀行にっぽんぎんこう — 金融政策きんゆうせいさく・物価ぶっか・通貨つうか
  • インフレいんふれとデフレでふれ — 景気けいき変動へんどうとのかかわり
  • 社会保障しゃかいほしょうの 4 本ほん柱はしら — 社会保険しゃかいほけん・公的扶助こうてきふじょ・社会福祉しゃかいふくし・公衆衛生こうしゅうえいせい
  • 公害こうがいと環境かんきょう問題もんだい — 政府せいふの規制きせいと国民こくみんの役割やくわり

ポイント: 政府せいふの役割やくわりをどこまで広ひろげるかは、 国くにによって・時代じだいによって違ちがいます。 「小ちいさな政府せいふ」 (政府せいふの役割やくわりを最小限さいしょうげんに) と 「大おおきな政府せいふ」 (政府せいふが社会しゃかい保障ほしょうを手厚てあつく) という考かんがえ方かたがあります。 どちらが正解せいかい、 ではなく、 メリットとデメリットを両面りょうめんから学まなびましょう。

1. 政府せいふの役割やくわりと財政ざいせい

政府せいふの経済けいざい活動かつどうを 財政ざいせい と言いいます。 一いち年間ねんかんの収入しゅうにゅうと支出ししゅつをまとめたものが 予算よさん です。

財政ざいせいの 3 つの役割やくわり

財政ざいせいには主おもに 3 つの役割やくわりがあります。

役割やくわり内容ないよう
資源しげん配分はいぶんの調整ちょうせい市場しじょうでは供給きょうきゅうされにくい公共財こうきょうざい (道路どうろ・公園こうえん・警察けいさつ・消防しょうぼう) を提供ていきょう
所得しょとくの再さい分配ぶんぱい税金ぜいきんと社会しゃかい保障ほしょうで、 高こう所得しょとく者しゃから低てい所得しょとく者しゃへの所得しょとく移転いてんを行おこなう
景気けいきの安定あんてい不景気ふけいきのときは公共こうきょう投資とうしを増ふやし、 好景気こうけいきのときは抑おさえる

予算よさんとは

国会こっかいは毎年まいとし、 政府せいふが提出ていしゅつする 予算よさん案 を審議しんぎ・議決ぎけつします。 一いち年間ねんかんの予算よさんは 一般会計予算いっぱんかいけいよさん と呼よばれ、 近年きんねんは約やく 100 兆ちょう円えん (国こくの場合ばあい) を超こえています。

区分くぶん内容ないよう
歳入さいにゅう政府せいふの収入しゅうにゅう (税金ぜいきん・公債こうさい金きんなど)
歳出さいしゅつ政府せいふの支出ししゅつ (社会しゃかい保障ほしょう・教育きょういく・公共こうきょう事業じぎょう・防衛ぼうえいなど)

歳出さいしゅつのうちもっとも大おおきいのは 社会保障関係費しゃかいほしょうかんけいひ (約やく 3 分ぶんの 1)、 次ついで 国債費こくさいひ (借金しゃっきんの返済へんさい)、 地方交付税交付金ちほうこうふぜいこうふきん が続つづきます。

大事だいじ: 予算よさんは私わたしたちの税金ぜいきんの使つかい道みちです。 「どこに、 いくら使つかうか」 が、 政府せいふの優先ゆうせん順位じゅんいを表あらわします。 だからこそ、 国民こくみんが予算よさんに関心かんしんを持もつことが民主主義みんしゅしゅぎには欠かかせません。

2. 税金ぜいきんのしくみ

歳入さいにゅうの中心ちゅうしんは 税金ぜいきん です。 税金ぜいきんにはたくさんの種類しゅるいがあり、 集あつめる主体しゅたいや課税かぜいのしかたで分類ぶんるいできます。

国税こくぜいと地方ちほう税ぜい

区分くぶん例れい
国税こくぜい所得税しょとくぜい・法人税ほうじんぜい・消費税しょうひぜい・相続税そうぞくぜいなど (国こくに納おさめる)
地方税ちほうぜい住民税じゅうみんぜい・固定資産税こていしさんぜい・自動車じどうしゃ税ぜいなど (地方ちほう公共こうきょう団体だんたいに納おさめる)

直接ちょくせつ税ぜいと間接かんせつ税ぜい

区分くぶん意味いみ例れい
直接税ちょくせつぜい税ぜいを納おさめる人ひとと負担ふたんする人ひとが同おなじ所得税しょとくぜい・法人税ほうじんぜい・相続税そうぞくぜい・住民税じゅうみんぜい
間接税かんせつぜい税ぜいを納おさめる人ひとと負担ふたんする人ひとが違ちがう消費税しょうひぜい・酒税しゅぜい・たばこ税ぜい・揮発きはつ油ゆ税ぜい

たとえば消費しょうひ税ぜいは、 商品しょうひんを買かった消費しょうひ者しゃが負担ふたんしますが、 国くにに納おさめるのはお店みせです。 だから 「間接かんせつ税ぜい」 です。

累進るいしん課税かぜいと公平こうへい性せい

所得税しょとくぜいは 累進課税るいしんかぜい という仕組しくみです。 所得しょとくが多おおくなるほど 税率ぜいりつが高たかく なります (例れい: 5 % 〜 45 %)。 これは 垂直的公平すいちょくてきこうへい (能力のうりょくに応おうじた負担ふたん) を実現じつげんするためです。

公平こうへい性せい意味いみ
垂直的公平すいちょくてきこうへい所得しょとくが多おおい人ひとほど多おおく負担ふたんする (累進るいしん課税かぜい)
水平的公平すいへいてきこうへい同おなじ所得しょとくの人ひとは同おなじ負担ふたん

消費しょうひ税ぜいの特徴とくちょう

消費税しょうひぜいは、 商品しょうひんやサービスの消費しょうひにかかる間接かんせつ税ぜいです。 1989 年ねんに 3 % で導入どうにゅうされ、 現在げんざいは 10 % (食料しょくりょう品ひんなど一部いちぶは軽減けいげん税率ぜいりつ 8 %)。

長所ちょうしょ短所たんしょ
税収ぜいしゅうが安定あんていする (景気けいきに左右さゆうされにくい)逆進性ぎゃくしんせいがある (低てい所得しょとく者しゃほど負担ふたんが重おもい)
多おおくの人ひとが広ひろく負担ふたんする (公平こうへい感かん)物価ぶっか上昇じょうしょうにつながりやすい
高齢こうれい者しゃからも徴収ちょうしゅうできる消費しょうひを冷ひやす可能かのう性せい

ポイント: どの税ぜいが 「正ただしい」 かは決きまっていません。 直接税ちょくせつぜい中心ちゅうしんは 「能力のうりょくに応おうじた負担ふたん」 を実現じつげんしやすく、 間接税かんせつぜい中心ちゅうしんは税収ぜいしゅうが安定あんていします。 多おおくの国くには両方りょうほうを組み合わせくみあわせて 税ぜいのバランス を取とっています。

3. 公債こうさいと財政ざいせいの課題かだい

歳入さいにゅうが歳出さいしゅつに足たりないとき、 政府せいふは 公債こうさい (国こくの場合ばあいは国債こくさい、 地方ちほうの場合ばあいは地方債ちほうさい) を発行はっこうして、 国民こくみんや金融きんゆう機関きかんからお金かねを借かります。

国債こくさいが増ふえている

日本にほんの 国債こくさい残高ざんだか は近年きんねん急速きゅうそくに増ふえ、 約やく 1,000 兆ちょう円えんを超こえています。 これは GDP (国こくの経済けいざい規模きぼ) の 2 倍ばい以上いじょうで、 主要しゅよう国こくのなかでもとても高たかい水準すいじゅんです。

なぜ増ふえ続つづけているのか。 主おもな原因げんいんは、

  • 少子高齢化しょうしこうれいか で社会しゃかい保障ほしょう費ひが増ふえ続つづけている
  • 不景気ふけいき で税収ぜいしゅうが伸のび悩なやんでいる
  • 大だい規模きぼな災害さいがいや感染かんせん症しょう対応たいおうで支出ししゅつが増ふえた

国債こくさいのメリットとデメリット

メリットデメリット
大おおきな事業じぎょう (公共こうきょう投資とうし・災害さいがい対応たいおう) を一いち度どにできる利息りそくを払はらい続つづける必要ひつようがある
不景気ふけいきのとき景気けいきを支ささえられる将来しょうらいの世代せだいに 借金しゃっきんのツケ を残のこす
民間みんかん貯蓄ちょちくを活用かつようできる財政ざいせいの自由じゆう度どが下さがる (硬直こうちょく化か)

大事だいじ: 国債こくさいは 「悪あく」 ではありません。 必要ひつようなときに使つかえば景気けいきを支ささえます。 ただ、 借かりたら返かえす のが原則げんそくであり、 際限さいげんなく増ふやせば、 やがて将来しょうらい世代せだいの負担ふたんとなります。 ここに 「世代せだい間かんの公平こうへい」 という難むずかしい問題もんだいがあります。

財政ざいせい再建さいけんの議論ぎろん

財政ざいせいを健全けんぜんにする道筋みちすじには、 大おおきく 2 つの方向ほうこうがあります。

方向ほうこう内容ないよう
歳入さいにゅうを増ふやす増税ぞうぜい、 経済けいざい成長せいちょうで税収ぜいしゅうを増ふやす
歳出さいしゅつを減へらす社会しゃかい保障ほしょうの見直みなおし、 公共こうきょう事業じぎょうの削減さくげん

どちらも痛いたみが伴ともなうので、 政治せいじのなかで激はげしく議論ぎろんされます。

4. 金融きんゆうと日本銀行にっぽんぎんこう

経済けいざいをスムーズに回まわすために、 お金かね (通貨つうか) の流ながれを管理かんりするしくみが 金融きんゆう です。

通貨つうかと金融きんゆう機関きかん

通貨つうかには、 紙幣しへい (日本銀行券にっぽんぎんこうけん) と硬貨こうかがあります。 紙幣しへいを発行はっこうできるのは 日本銀行にっぽんぎんこう (日銀にちぎん) だけです。

金融機関きんゆうきかんには、 銀行ぎんこう・信用金庫しんようきんこ・郵便ゆうびん貯金ちょきん (ゆうちょ銀行ぎんこう)・保険ほけん会社かいしゃ・証券しょうけん会社かいしゃなどがあり、 預金よきん・貸かし付つけ・投資とうしなどを行おこなっています。

用語ようご意味いみ
直接金融ちょくせつきんゆう企業きぎょうが株式かぶしきや社債しゃさいを発行はっこうして、 投資とうし家かから直接ちょくせつ資金しきんを集あつめる
間接金融かんせつきんゆう銀行ぎんこうなどが家計かけいの預金よきんを集あつめて、 企業きぎょうに貸かし付つける

日本銀行にっぽんぎんこうの 3 つの役割やくわり

日本銀行にっぽんぎんこうは日本にほんの 中央銀行ちゅうおうぎんこう です。 一般いっぱんの銀行ぎんこうとは違ちがい、 個人こじんや企業きぎょうを顧客こきゃくにしません。 役割やくわりは 3 つ。

役割やくわり内容ないよう
発券銀行はっけんぎんこう紙幣しへい (日本銀行券にっぽんぎんこうけん) を発行はっこうする
銀行の銀行ぎんこうのぎんこう一般いっぱんの銀行ぎんこうから預金よきんを受うけ、 貸かし付つけも行おこなう
政府の銀行せいふのぎんこう国くにの資金しきんを管理かんりする

金融きんゆう政策せいさく

日本銀行にっぽんぎんこうは、 物価ぶっかの安定あんていと経済けいざい成長せいちょうを目指めざして 金融政策きんゆうせいさく を行おこないます。 主おもな手段しゅだんは 公開市場操作こうかいしじょうそうさ (オペレーション) です。

局面きょくめん政策せいさく効果こうか
不景気ふけいきのとき国債こくさいを買かって市場しじょうにお金かねを流ながす (買いオペかいおぺ)金利きんりが下さがる → お金かねを借かりやすく → 投資とうし・消費しょうひが増ふえる
好景気こうけいきのとき国債こくさいを売うって市場しじょうのお金かねを吸収きゅうしゅう (売りオペうりおぺ)金利きんりが上あがる → お金かねを借かりにくく → 過熱かねつを抑おさえる

インフレとデフレ

物価ぶっかの動うごきには 2 つの方向ほうこうがあります。

用語ようご意味いみ主おもな原因げんいん
インフレーションいんふれーしょん (インフレいんふれ)物価ぶっかが継続けいぞく的てきに上あがる、 通貨つうかの価値かちが下さがる需要じゅようが供給きょうきゅうを上回うわまわる、 通貨つうか量りょうの増加ぞうか
デフレーションでふれーしょん (デフレでふれ)物価ぶっかが継続けいぞく的てきに下さがる、 通貨つうかの価値かちが上あがる需要じゅよう不足ふそく、 不景気ふけいき

どちらも極端きょくたんだと困こまります。 インフレが進すすむと貯金ちょきんの価値かちが下さがり、 デフレが進すすむと企業きぎょうの利益りえきが減へって雇用こようが悪化あっかする デフレスパイラルでふれすぱいらる に陥おちいります。

日本銀行にっぽんぎんこうは 物価ぶっか上昇じょうしょう率りつ 2 % を目標もくひょうに金融きんゆう政策せいさくを行おこなっています。 緩ゆるやかなインフレが景気けいきにとって望のぞましい、 という考かんがえ方かたです。

5. 社会しゃかい保障ほしょうの 4 本ほん柱はしら

社会保障しゃかいほしょうとは、 病気びょうき・けが・失業しつぎょう・老後ろうごなど、 生活せいかつが苦くるしくなったときに国くにが支ささえるしくみです。 日本国憲法にほんこくけんぽう第 25 条じょうの 生存権せいぞんけん (健康けんこうで文化ぶんか的てきな最低さいてい限度げんどの生活せいかつを営いとなむ権利けんり) が根拠こんきょです。

社会しゃかい保障ほしょうの 4 本ほん柱はしら

日本にほんの社会しゃかい保障ほしょう制度せいどは、 大おおきく 4 つの柱はしらからなります。

柱はしら内容ないよう例れい
社会保険しゃかいほけんみんなで保険ほけん料りょうを出だし合あい、 困こまったときに給付きゅうふを受うける年金ねんきん・医療保険いりょうほけん・介護保険かいごほけん・雇用こよう保険ほけん・労災ろうさい保険ほけん
公的扶助こうてきふじょ生活せいかつが困窮こんきゅうした人ひとに税金ぜいきんで生活せいかつ費ひを支給しきゅう生活保護せいかつほご
社会福祉しゃかいふくし高齢こうれい者しゃ・障害しょうがい者しゃ・児童じどう・母子ぼし家庭かていなどへの支援しえん保育ほいく所しょ・特別とくべつ養護ようご老人ろうじんホーム・福祉ふくしサービス
公衆衛生こうしゅうえいせい病気びょうき予防よぼう・環境かんきょう整備せいび・上下水道じょうげすいどう予防よぼう接種せっしゅ・感染かんせん症しょう対策たいさく・保健所ほけんじょ

社会しゃかい保険ほけんの中身なかみ

社会しゃかい保険ほけんのなかでも、 中学ちゅうがく公民こうみんで重要じゅうようなのは次つぎの 4 つです。

保険ほけん内容ないよう
年金ねんきん保険ほけん65 歳としから支給しきゅう (国民年金こくみんねんきん + 厚生年金こうせいねんきんの 2 階かい建だて)
医療保険いりょうほけん病院びょういんでかかる医療いりょう費ひを 7 割わり負担ふたんしてくれる (国民健康保険こくみんけんこうほけん・健康けんこう保険ほけん)
介護保険かいごほけん (2000 〜)40 歳とし以上いじょうが加入かにゅう、 介護かいごが必要ひつような高齢こうれい者しゃを支援しえん
雇用保険こようほけん失業しつぎょうしたときに失業しつぎょう手当てあてが支給しきゅうされる

少子しょうし高齢化こうれいかと社会しゃかい保障ほしょうの課題かだい

日本にほんの社会しゃかい保障ほしょう費ひは 約やく 130 兆ちょう円えん (国こく + 地方ちほう) を超こえ、 国家こっか予算よさんの中なかで最大さいだいの項目こうもくになりました。

課題かだい背景はいけい
支出ししゅつの増大ぞうだい高齢こうれい者しゃ人口じんこうの増加ぞうかで、 年金ねんきん・医療いりょう・介護かいご費ひがふくらみ続つづける
支ささえ手しゅの減少げんしょう少子化しょうしかで、 支ささえる現役げんえき世代せだいが減へっている
世代せだい間かんの不公平ふこうへい若わかい世代せだいの負担ふたんが重おもく、 将来しょうらい受うけ取とる年金ねんきん額がくが不安ふあん

解決かいけつの方向ほうこう

これに対たいする解決かいけつ策さくには、 つぎのような議論ぎろんがあります。

  • 保険ほけん料りょう・税ぜい負担ふたんを増ふやす (現役げんえき世代せだいがより多おおく負担ふたんする)
  • 給付きゅうふを見直みなおす (受給じゅきゅう開始かいし年齢ねんれいの引ひき上あげ、 給付きゅうふ額がくの調整ちょうせい)
  • 健康けんこう寿命じゅみょうを伸のばす (働はたらき続つづけられる人ひとを増ふやす)
  • 少子化しょうしか対策たいさくを強化きょうか (子育こそだて支援しえん、 教育きょういく支援しえん)

どれも痛いたみを伴ともなう議論ぎろんで、 簡単かんたんには決きまりません。

大事だいじ: 社会しゃかい保障ほしょうは 「おたがいに支ささえ合あう」 仕組しくみです。 自分じぶんが元気げんきなときに保険ほけん料りょうを払はらい、 病気びょうきや老後ろうごにはお世話せわになる。 そして将来しょうらいの世代せだいへ、 同おなじ仕組しくみを引ひき継ついでいく。 これは 「自分じぶんのため」 でもあり 「みんなのため」 でもあります。

6. 公害こうがいと環境かんきょう問題もんだい

経済けいざいが発展はってんする裏うらで、 環境かんきょうが破壊はかいされる問題もんだいが起おきてきました。

高度こうど経済けいざい成長せいちょうと四よん大だい公害こうがい

戦後せんご日本にほんの高度こうど経済けいざい成長せいちょう (1955 〜 1973 ごろ) のなかで、 各地かくちで深刻しんこくな 公害こうがい が発生はっせいしました。 代表だいひょう的てきなのが 四よん大だい公害こうがい です。

公害こうがい病びょう場所ばしょ原因げんいん
水俣病みなまたびょう熊本くまもと県けん (水俣みなまた湾わん)工場こうじょう排水はいすい中ちゅうの有機ゆうき水銀すいぎん
新潟水俣病にいがたみなまたびょう (第だい二に水俣病みなまたびょう)新潟にいがた県けん (阿賀野川あがのがわ)工場こうじょう排水はいすい中ちゅうの有機ゆうき水銀すいぎん
イタイイタイ病いたいいたいびょう富山とやま県けん (神通川じんづうがわ)鉱山こうざん排水はいすい中ちゅうのカドミウム
四日市ぜんそくよっかいちぜんそく三重みえ県けん (四日市よっかいち市し)石油せきゆ化学かがくコンビナートの煙けむり (亜硫酸ありゅうさんガス)

四よん大だい公害こうがい訴訟そしょうではいずれも被害ひがい者しゃが勝訴しょうそし、 環境かんきょう政策せいさくの出発しゅっぱつ点てんとなりました。

環境かんきょう保護ほごの歩あゆみ

年ねんできごと
1967公害対策基本法こうがいたいさくきほんほう制定せいてい
1971環境庁かんきょうちょう設置せっち (現げん環境省かんきょうしょう)
1993環境基本法かんきょうきほんほう制定せいてい
1997京都議定書きょうとぎていしょ (温室おんしつ効果こうかガス削減さくげんの国際こくさい枠組わくぐみ)
2015パリ協定ぱりきょうてい (世界せかい全体ぜんたいで温暖おんだん化か対策たいさく)

循環じゅんかん型がた社会しゃかいへの転換てんかん

最近さいきんは 循環型社会じゅんかんがたしゃかい (大量たいりょう生産せいさん・大量たいりょう消費しょうひ・大量たいりょう廃棄はいきを見直みなおし、 資源しげんを循環じゅんかんさせる社会しゃかい) を目指めざす動うごきが広ひろがっています。

用語ようご意味いみ
3Rリデュースりでゅーす (減へらす)・リユースりゆーす (再さい使用しよう)・リサイクルりさいくる (再生さいせい利用りよう)
カーボンニュートラルかーぼんにゅーとらる温室おんしつ効果こうかガスの排出はいしゅつを実質じっしつゼロに
再生可能エネルギーさいせいかのうえねるぎー太陽光たいようこう・風力ふうりょく・水力すいりょく・地熱ちねつ・バイオマスなど

ポイント: 環境かんきょう問題もんだいは、 政府せいふの規制きせいと企業きぎょうの技術ぎじゅつ革新かくしんと、 そしてわたしたち一いち人にん一いち人にんの消費しょうひ行動こうどうの 3 つが組くみ合あわさって 解決かいけつしていくものです。 エシカル消費えしかるしょうひやフェアトレードふぇあとれーども、 第だい 10 章しょうで改あらためて学まなびます。

7. 税金ぜいきんと社会しゃかい保障ほしょうの大切たいせつさ — 主権しゅけん者しゃとして

第だい 8 章しょうのしめくくりとして、 税金ぜいきんと社会しゃかい保障ほしょうについて身みにつけておきたい姿勢しせいをまとめます。

税金ぜいきんは 「みんなのため」 のお金かね

税金ぜいきんは、 自分じぶんのためだけでなく 社会しゃかい全体ぜんたいのため に使つかわれるお金かねです。

税金ぜいきんで支ささえられているもの例れい
教育きょういく公立こうりつ小中学校しょうちゅうがっこうの運営うんえい・教科書きょうかしょ (中学校ちゅうがっこうまでは無料むりょう)
医療いりょう国民こくみん健康けんこう保険ほけん・公立こうりつ病院びょういんの運営うんえい
治安ちあん警察けいさつ・消防しょうぼう・自衛隊じえいたい
道路どうろ・橋きょう・公園こうえん公共こうきょう施設しせつの建設けんせつと維持いじ
災害さいがい対策たいさく災害さいがい発生はっせい時じの救援きゅうえん・復旧ふっきゅう
社会しゃかい保障ほしょう年金ねんきん・生活せいかつ保護ほご・福祉ふくしサービス

大事だいじ: あなたが今いま、 中学校ちゅうがっこうに通かよえているのは、 親おやが払はらった税金ぜいきん + 全国ぜんこくの人ひとが払はらった税金ぜいきんで 公立こうりつ中学校ちゅうがっこうが運営うんえいされている からです。 「税金ぜいきん」 は誰だれかほかの人ひとのものではなく、 あなた自身じしんが日々ひび受うけ取とっている 公共こうきょうサービスの裏付うらづけ なのです。

社会しゃかい保障ほしょうは 「おたがい様さま」 の仕組しくみ

社会しゃかい保障ほしょうは、 自分じぶんや家族かぞくが困こまったときに支ささえてもらえる仕組しくみです。

  • 病気びょうきになっても、 医療保険いりょうほけんがあれば 3 割わり負担ふたんで病院びょういんに行いけます
  • 親おやや祖父母そふぼが高齢こうれいになっても、 介護保険かいごほけんや年金ねんきんが支ささえになります
  • 万一まんいち、 親おやが失業しつぎょうしても、 雇用保険こようほけんや生活保護せいかつほごが生活せいかつを守まもります

これは 「人じんは誰だれでも弱よわくなることがある」 という前提ぜんていに立たった、 文明ぶんめい社会しゃかいの知恵ちえです。

主権しゅけん者しゃとして — 税ぜいと社会しゃかい保障ほしょうを考かんがえる

税金ぜいきんと社会しゃかい保障ほしょうは、 政治せいじの中なかでも もっとも難むずかしく、 もっとも大切たいせつな議題ぎだい です。

  • 「税金ぜいきんが高たかい」 と言いうときは、 「何なにのサービスを減へらすか」 もセットで考かんがえる
  • 「サービスを増ふやしたい」 と言いうときは、 「どこから財源ざいげんを取とるか」 もセットで考かんがえる
  • 「自分じぶんは払はらいたくないが、 サービスは欲ほしい」 は通用つうようしない

このようなトレードオフ (あちらを立たてればこちらが立たたず) の議論ぎろんこそが、 民主主義みんしゅしゅぎの本質ほんしつです。

ポイント: 18 歳としになって選挙せんきょに行いくとき、 候補こうほ者しゃや政党せいとうの 税ぜいと社会しゃかい保障ほしょうの政策せいさく にぜひ注目ちゅうもくしてください。 「減税げんぜい」 「福祉ふくし拡大かくだい」 と書かかれていても、 「ではその財源ざいげんは?」 と考かんがえる。 これが主権者しゅけんしゃとして一番いちばん大切たいせつな姿勢しせいです。

まとめ

  • 財政ざいせい の役割やくわり: 公共こうきょう財ざいの供給きょうきゅう・所得しょとく再さい分配ぶんぱい・景気けいきの安定あんてい
  • 歳入さいにゅう の中心ちゅうしんは税金ぜいきん (直接税ちょくせつぜい・間接税かんせつぜい、 累進課税るいしんかぜいと消費税しょうひぜい)
  • 公債こうさい (国債こくさい) は便利べんりだが、 将来しょうらい世代せだいの負担ふたんになる
  • 日本銀行にっぽんぎんこう は中央銀行ちゅうおうぎんこうとして、 金融政策きんゆうせいさくで物価ぶっか安定あんていと景気けいきを調整ちょうせい
  • インフレいんふれとデフレでふれ はどちらも極端きょくたんだと困こまる
  • 社会保障しゃかいほしょうの 4 本ほん柱はしら: 社会保険しゃかいほけん・公的扶助こうてきふじょ・社会福祉しゃかいふくし・公衆衛生こうしゅうえいせい
  • 少子高齢化しょうしこうれいか で社会しゃかい保障ほしょう費ひが増大ぞうだい、 持続じぞく可能かのう性せいが課題かだい
  • 公害こうがい の歴史れきしと循環型社会じゅんかんがたしゃかい・再生可能エネルギーさいせいかのうえねるぎーへの転換てんかん
  • 税ぜいと社会しゃかい保障ほしょうは 「おたがい様さま」 の仕組しくみ、 主権しゅけん者しゃとして両面りょうめんを考かんがえよう
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