メインコンテンツへスキップ
‹ 教材一覧に戻る
公民

国会こっかい・内閣ないかく・裁判所さいばんしょのしくみ (三権分立さんけんぶんりつ)

最終確認日:

この章しょうで学まなぶこと

前まえの章しょうで学まなんだ 日本国にっぽんこく憲法けんぽう の 3 大だい原則げんそくを、 実際じっさいに動うごかすしくみが 政治せいじのしくみ です。 中心ちゅうしんとなるのが 国会こっかい・内閣ないかく・裁判所さいばんしょ の 3 つ。 互たがいに力ちからを抑おさえ合あう 三権分立さんけんぶんりつ の考かんがえ方かたを軸じくに学まなびましょう。

  • 三権分立さんけんぶんりつ とは何なにか、 なぜ必要ひつようかを知しる
  • 国会こっかい の役割やくわりと二院にいん制せい (衆議院しゅうぎいん・参議院さんぎいん) を学まなぶ
  • 内閣ないかく の役割やくわりと 議院内閣制ぎいんないかくせい を知しる
  • 裁判所さいばんしょ の役割やくわり、 三さん審しん制せい、 違憲審査いけんしんさを学まなぶ
  • 裁判員制度さいばんいんせいど を知しる (18 歳とし以上いじょうが候補こうほ)
  • 三権さんけんが互たがいを抑おさえ合あうしくみをつかむ

ポイント: 「権力けんりょくを一ひとつのところに集あつめると暴ぼう走そうする」 — モンテスキュー (Ch3) の警けい告こくを形かたちにしたのが三権分立さんけんぶんりつです。

1. 三権分立さんけんぶんりつ — 権力けんりょくを分わけるしくみ

三権分立さんけんぶんりつ とは、 国家こっかの権力けんりょくを 立法ほう権けん (法律ほうりつをつくる)・行政権ぎょうせいけん (法律ほうりつを実行じっこうする)・司し法ほう権けん (法ほうを守まもらせる) の 3 つに分わけ、 別々べつべつの機関きかんが担になうしくみ です。

三みっつの権力けんりょくと機関きかん

権力けんりょく役割やくわり担になう機関きかん
立法ほう権けん法律ほうりつをつくる国会こっかい
行政権ぎょうせいけん法律ほうりつに基もとづき政策せいさくを実行じっこうする内閣ないかく (中央ちゅうおう省庁しょうちょう)
司し法ほう権けん法律ほうりつに基もとづき争あらそいを裁さばく裁判所さいばんしょ

なぜ三権さんけんを分わけるのか

理由りゆう内容ないよう
① 権力けんりょく集中しゅうちゅうの防止ぼうし一いち人にん・一いち機関きかんが全権ぜんけんを持もつと暴ぼう政せいになりやすい
② 抑よく制せいと均きん衡こう互たがいに監かん視し・牽けん制せいし合あい、 行いき過すぎを防ふせぐ
③ 国民こくみんの自由じゆうを守まもる権力けんりょくが暴走ぼうそうすると真まっ先さきに失うしなわれるのが国民こくみんの自由じゆう

三権さんけんの相互そうご関係かんけい (主おもなもの)

動うごき内容ないよう
国会こっかい → 内閣ないかく内閣ないかく総理そうり大臣だいじんの 指し名めい、 内閣ないかく不ふ信しん任にん決議けつぎ
内閣ないかく → 国会こっかい衆議院しゅうぎいんの 解かい散さん
国会こっかい → 裁判所さいばんしょ裁判官さいばんかんの 弾だん劾がい (だんがい) 裁判さいばん
裁判所さいばんしょ → 国会こっかい法律ほうりつの 違憲審査いけんしんさ
内閣ないかく → 裁判所さいばんしょ最高さいこう裁判所さいばんしょ長官ちょうかんの 指し名めい (任命にんめいは天皇てんのう)、 その他た裁判官さいばんかんの 任にん命めい
裁判所さいばんしょ → 内閣ないかく命令めいれい・処分しょぶんの 違憲審査いけんしんさ
国民こくみん → 国会こっかい選挙せんきょ
国民こくみん → 内閣ないかく(世論よろん)
国民こくみん → 裁判所さいばんしょ国民こくみん審査しんさ (最高裁さいこうさい裁判官さいばんかん)

大事だいじ: 三権さんけんの中心ちゅうしんに 「国民こくみん」 が位置いちします。 これが 国民こくみん主権しゅけん の表あらわれです。

2. 国会こっかい — 立法りっぽう機き関かん

国会こっかい は 「国権の最高機関こっけんのさいこうきかん」 であり、 「国こくの唯ゆい一いつの立法りっぽう機関きかん」 です (41 条じょう)。

東京・永田町の国会議事堂の建物
国会こっかい議事堂ぎじどう (東京とうきょう・永田町ながたちょう)。国くにの唯一ゆいいつの立法りっぽう機関きかんである国会こっかいが開ひらかれる。中央ちゅうおう・左ひだりに衆議院しゅうぎいん、 右みぎに参議院さんぎいん。

二院にいん制せい (両院りょういん制せい)

日本にほんの国会こっかいは 衆議院しゅうぎいん と 参議院さんぎいん の 二院にいん制せい を採用さいようしています。

項目こうもく衆議院しゅうぎいん参議院さんぎいん
議員ぎいん数すう465 人ひと248 人ひと
任にん期き4 年ねん (解散かいさんあり)6 年ねん (3 年ねんごとに半数はんすう改選かいせん)
被ひ選挙せんきょ権けん25 歳とし以上いじょう30 歳とし以上いじょう
選挙せんきょ区く小しょう選挙せんきょ区く + 比例ひれい代表だいひょう選挙せんきょ区く + 比例ひれい代表だいひょう
解かい散さんありなし

なぜ二院にいん制せいか

  • 慎しん重ちょうな審しん議ぎ: 1 つの法律ほうりつを 2 回かい検討けんとう、 誤あやまりを防ふせぐ
  • 多様たような民意みんい: 任期にんきや選出せんしゅつ方法ほうほうが違ちがい、 多様たような意見いけんを反はん映えい
  • チェック機能きのう: 一方いっぽうが行いき過すぎた時ときに他方たほうが抑よくえる

衆議院しゅうぎいんの優ゆう越えつ

衆議院しゅうぎいんは任期にんきが短みじかく解散かいさんもあるため、 より新あたらしい民意みんい を反映はんえいしやすいとされ、 いくつかの場面ばめんで 優ゆう越えつ が認みとめられます。

場面ばめん衆議院しゅうぎいんの優越ゆうえつ
法律ほうりつ案あん衆しゅうが可決かけつ、 参さんが否決ひけつ → 衆しゅうが 3 分ぶんの 2 以上いじょうで再さい可決かけつすれば成立せいりつ
予算よさん衆しゅうが先議せんぎ。 不一致ふいっち時じは衆しゅうの議決ぎけつが国会こっかいの議決ぎけつ
条約じょうやく同上どうじょう
内閣ないかく総理そうり大臣だいじんの指名しめい同上どうじょう

国会こっかいの主おもな仕事しごと

仕事しごと内容ないよう
法律ほうりつの制定せいてい法律ほうりつ案あんを審議しんぎし議決ぎけつ (年間ねんかん 100 本ほん前後ぜんごが成立せいりつ)
予算よさんの議決ぎけつ1 年間ねんかんの国くにの収入しゅうにゅう・支出ししゅつを決きめる
条約じょうやくの承しょう認にん内閣ないかくが結むすんだ条約じょうやくを承認しょうにんする
内閣ないかく総理そうり大臣だいじんの指名しめい国会こっかい議員ぎいんの中なかから選えらぶ
憲法けんぽう改正かいせいの発ほつ議ぎ各かく院いん 3 分ぶんの 2 以上いじょうで国民こくみん投票とうひょうへ
国政こくせい調査ちょうさ権けん政府せいふを監視かんしするため証人しょうにんを呼よぶ
弾劾だんがい裁判さいばん不ふ適任てきにんな裁判官さいばんかんをやめさせる

国会こっかいの種類しゅるい

種類しゅるい内容ないよう
常じょう会かい (通常つうじょう国会こっかい)毎年まいとし 1 月つき召集しょうしゅう、 会期かいき 150 日にち
臨りん時とき会かい内閣ないかくや議員ぎいんが必要ひつようと認みとめた時とき
特とく別べつ会かい衆議院しゅうぎいん解散かいさん → 総そう選挙せんきょ後ご 30 日にち以内いない
緊きん急きゅう集会しゅうかい (参さんのみ)衆議院しゅうぎいん解散かいさん中ちゅうの緊急きんきゅう時じ

法律ほうりつができるまで

ステップ内容ないよう
① 法律ほうりつ案あん提出ていしゅつ内閣ないかくまたは国会こっかい議員ぎいんが提出ていしゅつ
② 委い員いん会かい審査しんさ各かく院いんの専門せんもん委員いいん会かいで詳くわしく検討けんとう
③ 本ほん会議かいぎ各かく院いんの全ぜん議員ぎいんで議決ぎけつ
④ 他た院いんへ送付そうふもう一方いっぽうの院いんで同おなじ流ながれ
⑤ 両院りょういん一致いっち で 成立せいりつ(不一致ふいっちなら両院りょういん協議きょうぎ会かいや衆しゅうの再さい議決ぎけつ)
⑥ 天皇てんのうが公布こうふ形式けいしき的てきな公布こうふ

ポイント: 法律ほうりつ案あんの多おおくは 内閣ないかく が提出ていしゅつします (約やく 7-8 割わり)。 しかし国会こっかい議員ぎいんが提出ていしゅつする 議員ぎいん立法りっぽう も重要じゅうようです。

3. 内閣ないかく — 行政ぎょうせい機き関かん

内閣ないかく は行政ぎょうせい (法律ほうりつや予算よさんに基もとづき政策せいさくを実行じっこうする仕事しごと) の最高さいこう機関きかんです。

内閣ないかくの構こう成せい

役職やくしょく役割やくわり
内閣ないかく総理そうり大臣だいじん (首相しゅしょう)内閣ないかくの長ちょう、 国務大臣こくむだいじんを任命にんめい・罷ひ免めん
国務大臣こくむだいじん各省かくしょうの長ちょう (財務ざいむ大臣だいじん・外務がいむ大臣だいじんなど)
  • 内閣ないかく総理そうり大臣だいじんは 国会こっかい議員ぎいん であることが必要ひつよう (67 条じょう)
  • 国務大臣こくむだいじんの 過半数かはんすう は国会こっかい議員ぎいんであることが必要ひつよう (68 条じょう)
  • 内閣ないかく総理そうり大臣だいじんと国務大臣こくむだいじんは 文ぶん民みん (軍人ぐんじんでない人ひと) であること (66 条じょう)

議院ぎいん内閣ないかく制せい

日本にほんは 議院内閣制ぎいんないかくせい を採用さいようしています。 これは 国会こっかいと内閣ないかくが強つよく結むすびついたしくみ です。

特ちょう内容ないよう
総理そうり大臣だいじんを国会こっかいが指名しめい衆議院しゅうぎいんで多た数すうを占しめる政党せいとうの党首とうしゅが普ふ通つう
内閣ないかくは国会こっかいに連れん帯責任にん内閣ないかく全体ぜんたいで国会こっかいに責任せきにんを負おう
内閣ないかく不信任ふしんにん決議けつぎ衆議院しゅうぎいんが不信任ふしんにんを決議けつぎすると、 10 日にち以内いないに衆しゅうを 解散かいさん するか 総そう辞じ職しょく

大統領だいとうりょう制せいとの違ちがい

項目こうもく議院ぎいん内閣ないかく制せい (日び・英えい)大統領だいとうりょう制せい (米まい)
行政ぎょうせいの長ちょうの選出せんしゅつ議会ぎかいが指名しめい国民こくみんが直接ちょくせつ選挙せんきょ (米まいは選挙せんきょ人じん)
議会ぎかいと行政ぎょうせい結むすびつき強つよい厳げん格かくに分離ぶんり
解散かいさん権けんありなし

内閣ないかくの主おもな仕事しごと

仕事しごと内容ないよう
法律ほうりつの執しっ行こう国会こっかいがつくった法律ほうりつを実行じっこう
外交がいこう条約じょうやくの締てい結けつ、 大使たいしの派は遣けん
予算よさん案あんの作成さくせい国会こっかいに提出ていしゅつ
政せい令れいの制定せいてい法律ほうりつを実施じっしするための詳細しょうさいなルール
天皇てんのうの国事こくじ行為こういの助言じょげん・承認しょうにん天皇てんのうの行為こういを補佐ほさ
最高さいこう裁判所さいばんしょ長官ちょうかんの指名しめい任命にんめいは天皇てんのう

中央ちゅうおう省庁しょうちょう

内閣ないかくの下したで実際じっさいの仕事しごとをするのが 中央ちゅうおう省庁しょうちょう (1 府ふ 11 省しょう + 庁ちょう・委員いいん会かい) です。

主おもな省しょう担当たんとう
財務省ざいむしょう予算よさん・税ぜい
外務省がいむしょう外交がいこう
法務省ほうむしょう法律ほうりつ・人権じんけん・出入国しゅつにゅうこく
防衛ぼうえい省しょう自衛隊じえいたい
文部もんぶ科学かがく省しょう学校がっこう・大学だいがく・科学かがく
厚こう生なま労働省ろうどうしょう医療いりょう・年金ねんきん・労働ろうどう
経済けいざい産業さんぎょう省しょう産業さんぎょう・貿易ぼうえき・エネルギー
国土こくど交通省こうつうしょう道路どうろ・鉄道てつどう・港みなと・住宅じゅうたく
環境省かんきょうしょう環境かんきょう・気候きこう変動へんどう
デジタル庁ちょう(2021 年ねん設置せっち) IT・行政ぎょうせいデジタル化か

ポイント: 政府せいふの仕事しごとを実際じっさいに動うごかすのは 公務員こうむいん (約やく 330 万まん人にん、 うち国家こっか公務員こうむいん約やく 60 万まん人にん) です。

4. 裁判所さいばんしょ — 司法しほう機き関かん

最高裁判所の建物
最高裁判所さいこうさいばんしょ (東京とうきょう千代田ちよだ区く) — 日本にほんの司法しほうの最高さいこう機関きかん。 三審制さんしんせいの頂点ちょうてん。 違憲審査権いけんしんさけんを持もち、 「憲法けんぽうの番人ばんにん」 ともよばれる。

裁判所さいばんしょ は 法ほうに基もとづき争あらそいを裁さばく 機関きかんです。 公平こうへい・中立ちゅうりつであるために、 国会こっかいや内閣ないかくから 独立どくりつ しています。

司法しほう権けんの独立どくりつ

  • 裁判所さいばんしょは国会こっかい・内閣ないかくから独立どくりつ (76 条じょう)
  • 裁判官さいばんかんは 「自己じこの良心りょうしんに従したがい、 独立どくりつしてその職権しょっけんを行おこなう」 (76 条じょう 3 項こう)
  • 裁判官さいばんかんは簡単かんたんに罷免ひめんできない (心身しんしんの故障こしょう・弾劾だんがい裁判さいばん以外いがい)

裁判所さいばんしょの種類しゅるいと三さん審しん制せい

日本にほんの裁判所さいばんしょは 5 種類しゅるい、 同おなじ事件じけんを最大さいだい 3 回かい 裁判さいばんできる 三さん審しん制せい を採用さいようしています。

種類しゅるい役割やくわり
最高裁判所さいこうさいばんしょ唯一ゆいいつの最高裁さいこうさい。 15 人ひとの裁判官さいばんかん
高等こうとう裁判所さいばんしょ全国ぜんこく 8 か所しょ。 主おもに控訴こうそ審しん
地方裁判所ちほうさいばんしょ全国ぜんこく 50 か所しょ。 主おもに一般いっぱん事件じけんの第だい一いち審しん
家庭かてい裁判所さいばんしょ家族かぞく・少年しょうねん事件じけん
簡かん易えき裁判所さいばんしょ全国ぜんこく 438 か所しょ。 軽かるい事件じけん

三さん審しん制せいの流ながれ

ステップ名称めいしょう内容ないよう
① 第だい一いち審しん地方ちほう (簡易かんい・家庭かてい) 裁判所さいばんしょ最初さいしょの裁判さいばん
② 控こう訴そ高等こうとう裁判所さいばんしょ第だい一いち審しんの判決はんけつに不服ふふく
③ 上じょう告こく最高さいこう裁判所さいばんしょ控訴こうそ審しんの判決はんけつに不服ふふく

ポイント: 三さん審しん制せいは 誤判ごはん (えん罪ざい) を防ふせぐ ためのしくみです。

裁判さいばんの種類しゅるい

種類しゅるい内容ないよう
民みん事こと裁判さいばん個人こじんや企業きぎょうの間まの争あらそい (お金かね・契約けいやく・離婚りこんなど)
行政ぎょうせい裁判さいばん国くにや自治体じちたいと個人こじんの争あらそい (民事みんじの一種いっしゅとして行おこなう)
刑けい事こと裁判さいばん犯罪はんざいかどうか、 どんな刑罰けいばつかを決きめる

違憲いけん審査しんさと 「憲法けんぽうの番人ばんにん」

裁判所さいばんしょは 法律ほうりつ・命令めいれい・処分しょぶんが憲法けんぽうに違反いはんしていないかを判断はんだん できます (違憲審査いけんしんさ、 81 条じょう)。 最終さいしゅう判断はんだんは 最高さいこう裁判所さいばんしょ が行おこない、 「憲法けんぽうの番人ばんにん」 と呼よばれます。

過去かこの主おもな違憲いけん判決はんけつの例れい

年ねん内容ないよう
1973尊そん属ぞく殺や重罰じゅうばつ規定きてい (刑法けいほう 200 条じょう) を違憲いけん
1985衆議院しゅうぎいん議員ぎいん定数ていすう不ふ均衡きんこう (1 票ひょうの格差かくさ) を違憲いけん
2008国籍こくせき法ほう (婚こん外子そとこの国籍こくせき) を違憲いけん
2015女性じょせいの再婚さいこん禁止きんし期間きかん (100 日にち超ちょうの部分ぶぶん) を違憲いけん

推すい定てい無む罪ざいと適正てきせい手続てつづき

刑事けいじ裁判さいばんでは 「疑うたがわしきは被ひ告つげ人じんの利益りえきに」 が原則げんそく。 有罪ゆうざいが証明しょうめいされるまでは 無罪むざいと推定すいてい されます。 また 適正てきせいな手続てつづき で行おこなうこと (31 条じょう) も大切たいせつです。

5. 裁判さいばん員いん制度せいど

裁判員制度さいばんいんせいど は、 国民こくみんが重じゅう大だいな刑事けいじ裁判さいばんに参加さんかする しくみで、 2009 年ねん 5 月つき から始はじまりました。

基本きほんのしくみ

項目こうもく内容ないよう
対象たいしょう事件じけん殺人さつじんなどの重大じゅうだいな刑事けいじ事件じけん (地方裁判所ちほうさいばんしょの第だい一いち審しんのみ)
構成こうせい裁判官さいばんかん 3 人ひと + 裁判さいばん員いん 6 人ひと
役割やくわり有罪ゆうざいか無罪むざいか、 有罪ゆうざいなら どんな刑罰けいばつか を決きめる
裁判さいばん員いんの選えらばれ方かた18 歳とし以上いじょう の有権者ゆうけんしゃから 抽ちゅう選せん (くじ引びき)

メモ: 2022 年ねんの法ほう改正かいせいで、 2023 年ねんから裁判さいばん員いん候補こうほが 18・19 歳としにも拡大かくだいされました。 大学だいがく 1 年ねん生せいで候補こうほになる可能かのう性せいがあります。

なぜ裁判さいばん員いん制度せいどか

理由りゆう内容ないよう
市民しみん感かん覚かく裁判さいばんに一般いっぱん市民しみんの感覚かんかくを反映はんえい
司法しほうへの理解りかい国民こくみんが司法しほうを身近みぢかに感かんじる
司法しほうの信しん頼らい「裁判さいばんは国民こくみんのもの」 という意識いしきを育そだてる

裁判さいばん員いんの義務ぎむ

  • 守しゅ秘ひ義務ぎむ: 評ひょう議ぎの内容ないようを一生いっしょう話はなしてはいけない
  • 出頭しゅっとう 義務ぎむ: 正当せいとうな理由りゆうなく欠席けっせきすると過料かりょう

裁判さいばん員いん制度せいどの課題かだい

  • 心しん理り的てきな負担ふたん (残酷ざんこくな証拠しょうこを見みることも)
  • 守秘しゅひ義務ぎむと 「裁判さいばん員いん経験けいけんの共有きょうゆう」 のバランス
  • 仕事しごと・育児いくじと両立りょうりつできるか

その他たの司法しほう参加さんか

  • 検けん察さっ審査しんさ会かい (1948 年ねん 〜): 検察官けんさつかんの不ふ起訴きそ処分しょぶんを審査しんさ
  • 少しょう年ねん審しん判ぱん への民間みんかん参加さんか (家庭かてい裁判所さいばんしょ調停ちょうてい委員いいんなど)

ポイント: 裁判さいばん員いん制度せいどは 「主権しゅけん者しゃとして司法しほうに関かかわる」 大切たいせつな機会きかいです。 数すう年ねん後ご、 あなたたちも候補こうほになるかもしれません。

6. 司法しほうを支ささえる専門せんもん家か

裁判さいばんを公正こうせいに進すすめるために、 多おおくの専門せんもん家かが関かかわります。

法律ほうりつの専門せんもん家か

職業しょくぎょう役割やくわり
裁判官さいばんかん中立ちゅうりつの立場たちばで判決はんけつを下くだす
検察官けんさつかん公益こうえきの代表だいひょうとして起訴きそし、 立証りっしょうする
弁べん護まもる士し当事者とうじしゃの立場たちばで主張しゅちょうする (民事みんじ)・被告ひこく人じんを弁護べんご (刑事けいじ)
司法しほう書士しょし登とう記きや簡易かんい訴そ訟しょうの補助ほじょ

法ほうテラス

「日本にほん司法しほう支援しえんセンター」 (法ほうテラス) が 2006 年ねんに設立せつりつされ、 お金かねがなくても法律ほうりつ相談そうだんを受うけられる仕組しくみが整ととのえられました。

国民こくみん審査しんさ

最高さいこう裁判所さいばんしょの裁判官さいばんかんは、 任命にんめい後ご最初さいしょの衆議院しゅうぎいん議員ぎいん総そう選挙せんきょと 10 年ねんごとに 国民こくみん審査しんさ を受うけます (79 条じょう)。 罷免ひめんを可かとする票ひょうが過半数かはんすうの場合ばあい、 罷免ひめんされます。 これも主権しゅけん者しゃの重要じゅうような権利けんりです。

7. 三権分立さんけんぶんりつをまとめる

最後さいごに、 三権さんけんが互たがいをどう抑おさえ合あうかを表ひょうで整理せいりしましょう。

三権さんけん相互そうごの抑制よくせいと均衡きんこう

矢印やじるし内容ないよう
国会こっかい → 内閣ないかく内閣ないかく不信任ふしんにん決議けつぎ、 総理そうり大臣だいじん指名しめい
内閣ないかく → 国会こっかい衆議院しゅうぎいん解散かいさん
国会こっかい → 裁判所さいばんしょ弾劾だんがい裁判さいばん
裁判所さいばんしょ → 国会こっかい違憲いけん審査しんさ (法律ほうりつ)
内閣ないかく → 裁判所さいばんしょ最高裁さいこうさい長官ちょうかん指名しめい・裁判官さいばんかん任命にんめい
裁判所さいばんしょ → 内閣ないかく違憲いけん審査しんさ (命令めいれい・処分しょぶん)
国民こくみん → 国会こっかい選挙せんきょ (衆しゅう・参さん)
国民こくみん → 裁判所さいばんしょ国民こくみん審査しんさ (最高裁さいこうさい)
国民こくみん → 内閣ないかく世論よろん (間かん接せつ的)

なぜ国民こくみんから内閣ないかくへの直接ちょくせつ矢や印じるしがないのか

日本にほんは 議院ぎいん内閣ないかく制せい であり、 国民こくみんは国会こっかい議員ぎいんを選えらび、 国会こっかいが総理そうり大臣だいじんを指名しめいします。 つまり国民こくみんと内閣ないかくは 国会こっかいを介かいして つながります。 一方いっぽう、 大統領だいとうりょう制せい (米国べいこく) では国民こくみんが大統領だいとうりょうを 直接ちょくせつ選挙せんきょ で選えらびます。

ポイント: 三権分立さんけんぶんりつは 「完璧かんぺきなしくみ」 ではなく、 常つねに国民こくみんが監かん視しし、 改善かいぜんしていく動的どうてきなしくみ です。

まとめと安全あんぜん配はい慮りょ

この章しょうのまとめ

三権さんけん機関きかん主おもな役割やくわり
立法りっぽう国会こっかい (衆しゅう・参さん)法律ほうりつをつくる
行政ぎょうせい内閣ないかく法律ほうりつを実行じっこうする (議院ぎいん内閣ないかく制せい)
司法しほう裁判所さいばんしょ (5 種たね、 三さん審しん制せい)法ほうを守まもらせる、 違憲いけん審査しんさ

安全あんぜん配はい慮りょ — 政治せいじへの関心かんしんと 18 歳とし選挙せんきょ権けん

中学生ちゅうがくせいからすると 「政治せいじ」 は遠とおいものに感かんじるかもしれません。 でも、 数すう年ねんであなたたちは

  • 18 歳とし で 選挙権せんきょけん (国政こくせい選挙せんきょ・地方ちほう選挙せんきょ)
  • 18 歳とし で 裁判さいばん員いん 候補こうほ (2023 年ねん 〜)
  • 18 歳とし で 憲法けんぽう改正かいせい国民こくみん投票とうひょう
  • 20 歳とし で 検察けんさつ審査しんさ員いん 候補こうほ

を持もつ主権しゅけん者しゃになります。 その準備じゅんびを中学ちゅうがく・高校こうこうで始はじめましょう。

政治せいじと関かかわる 5 つのヒント

  1. ニュースを見みる習慣しゅうかん — テレビ・新聞しんぶん・ネットを複数ふくすう比ひ較かく
  2. 複数ふくすうの立場たちばを知しる — 一ひとつの情報じょうほう源げんだけに偏かたよらない
  3. 「なぜそう思おもうか」 を話はなす練習れんしゅう — 家族かぞくや友達ともだちと議論ぎろん
  4. 選挙せんきょ公約こうやくを読よむ習慣しゅうかん — 18 歳としまでの練習れんしゅう
  5. 特定とくていの政党せいとう・政治せいじ家かのファンにならず、 政策せいさくで比ひ較かく

政治せいじ的てき中立ちゅうりつの大切たいせつさ

公民こうみんでは 特定とくていの政党せいとうや政治せいじ家かを評価ひょうかしません。 各党かくとうにはそれぞれの立場たちばがあり、 どれが 「正解せいかい」 かは主権しゅけん者しゃのあなたが自分じぶんで判断はんだんする問題もんだいです。 学校がっこうの教員きょういんも政治せいじ的てき中立ちゅうりつを守まもることが求もとめられます。

18 歳とし選挙せんきょ権けんの意味いみ

2016 年ねんの選挙せんきょ権けん年齢ねんれい引ひき下さげは、 70 年ねんぶりの歴史れきし的てき改正かいせい でした (1945 年ねんに男女だんじょ普通ふつう選挙せんきょ、 それまで 20 歳とし)。 これは 「若わかい世代せだいの声こえを政治せいじに」 という期待きたいと、 「18 歳としを大人おとなとして信頼しんらいする」 という社会しゃかいからのメッセージです。

次じの章しょうでは, 三権分立さんけんぶんりつを補おぎなう 地方ちほう自治じち と、 主権しゅけん者しゃの直接ちょくせつの武器ぶきである 選挙せんきょ のしくみを学まなびます。

この教材きょうざいは役やくに立たちましたか?