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国際こくさい社会しゃかいのしくみ

最終確認日:

この章しょうで学まなぶこと

ここから 2 章しょうは 国際こくさい社会しゃかい の学習がくしゅうです。 第だい 9 章しょうでは、 国家こっかどうしのつながりと、 平和へいわのためのしくみを学まなびます。

  • 主権国家しゅけんこっか とは — 国家こっかの 3 要素ようそ・主権しゅけんの意味いみ
  • 国際法こくさいほう — 条約じょうやくと国際慣習法こくさいかんしゅうほう
  • 国際連合こくさいれんごう (国連こくれん) のしくみ — 総会そうかい・安全保障理事会あんぜんほしょうりじかい・常任理事国じょうにんりじこく・拒否権きょひけん
  • 国連の専門機関こくれんのせんもんきかん — UNESCO・WHO・UNICEF・UNHCR など
  • 地域統合ちいきとうごう — EU・ASEAN・USMCA・APEC
  • 自由貿易じゆうぼうえきと保護ほご貿易ぼうえき — WTO・FTA・EPA・TPP
  • 平和へいわへの課題かだい — 軍縮ぐんしゅく・核兵器かくへいき禁止きんし・国際こくさい協力きょうりょく

ポイント: 国際こくさい社会しゃかいには世界せかい全体ぜんたいを治おさめる政府せいふはありません。 だからこそ 国家こっかどうしの話し合いはなしあい と 国際こくさい機関きかん が重要じゅうようになります。 この章しょうでは特定とくていの国くにを 「正ただしい / 間違まちがっている」 と評価ひょうかするのではなく、 国際こくさい社会しゃかいのしくみを多角たかく的てきに理解りかいすることを目指めざします。

1. 主権しゅけん国家こっかと国際こくさい社会しゃかい

世界せかいには現在げんざい、 約やく 200 の国くに があります。 これらの国くにはおたがいに独立どくりつした存在そんざいとして、 国際社会こくさいしゃかいを構成こうせいしています。

主権しゅけん国家こっかの 3 要素ようそ

主権国家しゅけんこっかとは、 ほかの国くにに支配しはいされない独立どくりつした国家こっかのことです。 国家こっかであるためには、 つぎの 3 要素ようそ が必要ひつようとされています。

要素ようそ意味いみ
主権しゅけん国くにを治おさめる最高さいこうの権力けんりょく (内政ないせいでは最高さいこう、 外そとには独立どくりつ)
領域りょういき国くにの範囲はんい (領土りょうど・領海りょうかい・領空りょうくう)
国民こくみんその国くにの国籍こくせきを持もつ人々ひとびと

領域りょういきのひろがり

国家こっかの領域りょういきは、 つぎの 3 つから成なります。

名称めいしょう範囲はんい
領土りょうど国くにの陸地りくちと内水うすい
領海りょうかい沿岸えんがんから 12 海里かいり (約やく 22 km) までの海うみ
領空りょうくう領土りょうど・領海りょうかいの上空じょうくう

さらに、 沿岸えんがんから 200 海里かいり (約やく 370 km) までの 排他的経済水域はいたてきけいざいすいいき (EEZ) で、 その国くには水産すいさん資源しげん・地下ちか資源しげんを独占どくせん的てきに利用りようできます。

国家こっか平等びょうどうの原則げんそく

国際こくさい社会しゃかいでは、 領土りょうどが広ひろい国くにも小ちいさい国くにも、 経済けいざい力りょくが大おおきい国くにも小ちいさい国くにも、 法的ほうてきには 対等たいとう とされます。 これが 主権平等の原則しゅけんびょうどうのげんそく (国家こっか平等びょうどうの原則げんそく) です。

国連こくれん総会そうかいでは、 加盟かめい国こくが 1 国くに 1 票ひょう を持もっているのも、 この原則げんそくに基もとづいています。

大事だいじ: 国内こくないの政治せいじは政府せいふが法律ほうりつをつくり警察けいさつが守まもらせますが、 国際こくさい社会しゃかいには世界せかい政府せいふも世界せかい警察けいさつもありません。 国家こっかどうしが話し合いはなしあい、 条約じょうやくを結むすび、 国際機関こくさいきかんで協力きょうりょくする。 これが国際こくさい社会しゃかいの基本きほんのかたちです。

2. 国際法こくさいほう — 国家こっか間かんのルール

国家こっかどうしの関係かんけいを定さだめたルールを 国際法こくさいほう と言いいます。 国内こくない法ほうと違ちがい、 違反いはんしたからといって自動的じどうてきに強制きょうせい執行しっこうされるしくみは弱よわいのですが、 国際こくさい社会しゃかいの秩序ちつじょを保たもつ大切たいせつな土台どだいです。

国際法こくさいほうの 2 つの種類しゅるい

種類しゅるい意味いみ例れい
条約じょうやく国家こっかどうしが文書ぶんしょで結むすぶ約束やくそく平和へいわ条約じょうやく・通商つうしょう条約じょうやく・国連こくれん憲章けんしょう
国際慣習法こくさいかんしゅうほう長ながい間まの慣行かんこうが国家こっか間かんで 「ルール」 と認みとめられたもの公海自由の原則こうかいじゆうのげんそく・内政不干渉の原則ないせいふかんしょうのげんそく

重要じゅうような国際法こくさいほうの原則げんそく

原則げんそく意味いみ
内政不干渉の原則ないせいふかんしょうのげんそく他国たこくの内政ないせいには干渉かんしょうしない
民族自決の原則みんぞくじけつのげんそく各かく民族みんぞくが自分じぶんたちの国くにの形かたちを自分じぶんで決きめる
公海自由の原則こうかいじゆうのげんそくどの国くにの領海りょうかいでもない海うみ (公海こうかい) では、 すべての国くにが自由じゆうに航行こうこう・漁業ぎょぎょうできる
戦争違法化せんそういほうかの原則げんそく国際法こくさいほうで侵略しんりゃく戦争せんそうは禁止きんし (1928 年ねん不戦条約ふせんじょうやく、 国連憲章こくれんけんしょう)

国際こくさい司法しほうの仕組しくみ

国家こっか間かんの紛争ふんそうを裁判さいばんで解決かいけつする場ばとして、 オランダのハーグに 国際司法裁判所こくさいしほうさいばんしょ (ICJ) があります。 国連こくれんの主要しゅよう機関きかんの 1 つで、 国家こっか間かんの紛争ふんそうを国際法こくさいほうに基もとづいて裁さばきます。

ただし、 当事とうじ国こくの 両方りょうほうの同意どうい が必要ひつよう (一方いっぽうだけが訴うったえても審理しんりされない) という限界げんかいがあります。

また、 大量たいりょう虐殺ぎゃくさつなどの個人こじんの重大じゅうだい犯罪はんざいを裁さばく 国際刑事裁判所こくさいけいじさいばんしょ (ICC) もあります (2002 年ねん設立せつりつ)。

3. 国際こくさい連合れんごう (国連こくれん) のしくみ

第だい二に次じ世界せかい大戦たいせんの反省はんせいから、 1945 年ねんに 国際連合こくさいれんごう (国連こくれん、 UN) が設立せつりつされました。 本部ほんぶはアメリカの ニューヨーク にあります。 加盟かめい国こくは約やく 193 カ国こく (2026 年ねん時点じてん) で、 ほぼすべての主権しゅけん国家こっかが加盟かめいしています。

ニューヨークにある国際連合本部の高層ビル
アメリカ・ニューヨークにある国際こくさい連合れんごう(国連こくれん)の本部ほんぶ。世界せかいの平和へいわと協力きょうりょくについて話はなし合あう場ば。

国連こくれんの目的もくてき

国連憲章こくれんけんしょうが定さだめる国連こくれんの目的もくてきは、 大おおきく 4 つです。

  1. 国際こくさいの平和へいわと安全あんぜんの維持いじ
  2. 諸国しょこく間かんの 友好ゆうこう関係かんけいの発展はってん
  3. 経済けいざい・社会しゃかい・文化ぶんか・人権じんけんにおける 国際こくさい協力きょうりょくの達成たっせい
  4. 各国かっこくの行動こうどうを調和ちょうわさせる 中心ちゅうしんとなる

国連こくれんの主要しゅよう機関きかん

機関きかん役割やくわり
総会そうかい全ぜん加盟かめい国こくが参加さんか、 1 国くに 1 票ひょう。 重要じゅうよう事項じこうは 3 分ぶんの 2 以上いじょうの賛成さんせい
安全保障理事会あんぜんほしょうりじかい (安保理あんぽり)国際こくさい平和へいわと安全あんぜんに 第だい一いちの責任せきにん。 制裁せいさい・平和維持活動へいわいじかつどう (PKO) を決定けってい
経済社会理事会けいざいしゃかいりじかい経済けいざい・社会しゃかい・人権じんけんなど幅広はばひろい分野ぶんやを担当たんとう
国際司法裁判所こくさいしほうさいばんしょ (ICJ)国家こっか間かんの紛争ふんそうを裁さばく
事務局じむきょく事務じむ総長そうちょうを中心ちゅうしんに運営うんえい
信託統治理事会しんたくとうちりじかい旧きゅう植民しょくみん地ちの独立どくりつを支援しえん (現在げんざいは活動かつどう停止ていし)

安全あんぜん保障ほしょう理事りじ会かいと拒否権きょひけん

国連こくれんで最もっとも大おおきな権限けんげんを持もつのが 安全保障理事会あんぜんほしょうりじかい です。 加盟かめい国こくは 15 カ国こく。

区分くぶん数かず任期にんき
常任理事国じょうにんりじこく5 カ国こく (アメリカ・ロシア・イギリス・フランス・中国ちゅうごく)任期にんきなし
非常任理事国ひじょうにんりじこく10 カ国こく2 年ねん、 改選かいせん

重要じゅうような決定けっていには、 15 カ国こく中ちゅう 9 カ国こく以上いじょうの賛成さんせい が必要ひつようで、 さらに 常任理事国じょうにんりじこくが 1 カ国こくでも反対はんたいする と否決ひけつされます。 これを 拒否権きょひけん と言いいます。

拒否権きょひけんをめぐる議論ぎろん

拒否権きょひけんは、 大国たいこくの意見いけんを一致いっちさせて世界せかいの安定あんていを保たもつ、 という第だい二に次じ大戦たいせん後ごの構想こうそうで生うまれました。 しかし現実げんじつには、 大国たいこくどうしの対立たいりつで安保理あんぽりが 「機能きのう不全ふぜん」 に陥おちいる場面ばめんもあります。

このため、 安保理あんぽり改革かいかく (常任じょうにん理事りじ国こくを増ふやす、 拒否権きょひけんを制限せいげんするなど) が長ながく議論ぎろんされています。 日本にほんもインド・ブラジル・ドイツとともに、 常任じょうにん理事りじ国こく入いりを目指めざしてきました (G4 諸国しょこく)。 ただ、 利害りがいが複雑ふくざつで改革かいかくはなかなか進すすんでいません。

ポイント: 国連こくれんは完璧かんぺきではありませんが、 戦争せんそうを防ふせぐ唯一ゆいいつの世界せかい規模きぼの枠組わくぐみ であり、 加盟かめい国こくがほぼすべての主権しゅけん国家こっかにわたっていることは大おおきな価値かちです。 「うまく機能きのうしていない場面ばめんがある」 と 「不要ふようだ」 はまったく別べつの話はなしです。

4. 国連こくれんの専門せんもん機関きかんと PKO

国連こくれんには、 平和へいわ維持いじ以外いがいにも幅広はばひろい活動かつどうがあります。 国連の専門機関こくれんのせんもんきかん や 国連諸機関こくれんしょきかん がそれぞれの分野ぶんやで活動かつどうしています。

主おもな専門せんもん機関きかんと関連かんれん機関きかん

略称りゃくしょう名称めいしょう役割やくわり
UNESCO国連こくれん教育きょういく科学かがく文化ぶんか機関きかん教育きょういく・科学かがく・文化ぶんかの協力きょうりょく、 世界遺産せかいいさん
WHO世界せかい保健ほけん機関きかん保健ほけん衛生えいせい、 感染かんせん症しょう対策たいさく
UNICEF国連こくれん児童じどう基金ききん子こどもの権利けんり、 子こども支援しえん
UNHCR国連こくれん難民なんみん高等こうとう弁務べんむ官かん事務所じむしょ難民なんみんの保護ほごと支援しえん
ILO国際こくさい労働ろうどう機関きかん労働ろうどう条件じょうけんの改善かいぜん
FAO国連こくれん食糧しょくりょう農業のうぎょう機関きかん食料しょくりょう・農業のうぎょう
IMF国際こくさい通貨つうか基金ききん国際こくさい金融きんゆうの安定あんてい
IAEA国際こくさい原子力げんしりょく機関きかん原子力げんしりょくの平和へいわ利用りようと核かく不ふ拡散かくさん
WTO世界せかい貿易ぼうえき機関きかん (国連こくれんの専門せんもん機関きかんではないが関連かんれん)自由じゆう貿易ぼうえきの促進そくしん

平和へいわ維持いじ活動かつどう (PKO)

国連こくれんが紛争ふんそう地ちに派遣はけんする 平和維持活動へいわいじかつどう (PKO、 Peace Keeping Operations) も重要じゅうような役割やくわりです。 停戦ていせん監視かんしや人道じんどう支援しえんを行おこないます。

日本にほんは 1992 年ねんに PKO 協力法PKO きょうりょくほう を成立せいりつさせ、 自衛隊じえいたいをカンボジアや南スーダンみなみスーダンなどに派遣はけんしてきました。 これは日本国憲法にほんこくけんぽう 9 条じょうとの関係かんけいで、 当時とうじ (今いまでも) 国内こくないで大おおきな議論ぎろんとなりました。

5. 地域ちいき統合とうごう — 国家こっかを超こえた協力きょうりょく

国家こっかどうしの協力きょうりょくは、 国連こくれんのような世界せかい規模きぼだけでなく、 地域ちいき単位たんいでも進すすんでいます。 これを 地域統合ちいきとうごう と呼よびます。

EU — もっとも進すすんだ地域ちいき統合とうごう

EU (欧州おうしゅう連合れんごう) は、 1993 年ねんに発足ほっそくしたヨーロッパの地域ちいき統合とうごう体たいです。 加盟かめい国こくは約やく 27 カ国こく (2020 年ねんにイギリスが脱退だったい = ブレグジット)。

EU の特徴とくちょう内容ないよう
共通きょうつう通貨つうかユーロゆーろ多おおくの加盟かめい国こくが共通きょうつう通貨つうかを使用しよう
人じん・モノ・お金かねの移動いどうが自由じゆう国境こっきょう検査けんさなしで移動いどう (シェンゲン協定しぇんげんきょうてい)
共通きょうつう政策せいさく農業のうぎょう・環境かんきょう・貿易ぼうえきなど共通きょうつうの政策せいさく
欧州おうしゅう議会ぎかい加盟かめい国こく市民しみんの直接ちょくせつ選挙せんきょ

長所ちょうしょは経済けいざいの活性かっせい化かと平和へいわの維持いじ。 短所たんしょは、 加盟かめい国こくどうしの経済けいざい格差かくさや、 主権しゅけんの制約せいやくへの反発はんぱつです。

ASEAN — 東南とうなんアジアの協力きょうりょく

ASEAN (東南とうなんアジア諸国しょこく連合れんごう) は、 1967 年ねんに結成けっせいされた東南とうなんアジア 11 カ国こく (2025 年ねん東ひがしティモール加盟かめい)の地域ちいき協力きょうりょく組織そしきです (インドネシア・タイ・マレーシア・シンガポール・フィリピン・ベトナム・ミャンマー・カンボジア・ラオス・ブルネイ・東ひがしティモール)。

経済けいざい協力きょうりょく (AFTA = ASEAN 自由じゆう貿易ぼうえき地域ちいき) や安全あんぜん保障ほしょう対話たいわ (ARF) を進すすめています。 EU ほど深ふかい統合とうごうではなく、 各国かっこくの主権しゅけんを尊重そんちょうする 「ゆるやかな協力きょうりょく」 が特徴とくちょうです。

その他たの地域ちいき協力きょうりょく

略称りゃくしょう内容ないよう
USMCAアメリカ・メキシコ・カナダ協定きょうてい (旧きゅう NAFTA を改定かいてい、 2020 〜)
APECアジア太平洋たいへいよう経済けいざい協力きょうりょく (環太平洋かんたいへいようの 21 カ国こく・地域ちいき、 1989 〜)
AUアフリカ連合れんごう (アフリカ 55 カ国こく・地域ちいき、 2002 〜)
MERCOSUR南米なんべい南部なんぶ共同きょうどう市場しじょう

6. 国際こくさい経済けいざい — 自由じゆう貿易ぼうえきと保護ほご貿易ぼうえき

国際こくさい経済けいざいでは、 自由じゆうに貿易ぼうえきを進すすめる 自由貿易じゆうぼうえき と、 国内こくない産業さんぎょうを守まもるために輸入ゆにゅうを制限せいげんする 保護貿易ほごぼうえき という 2 つの考かんがえ方かたがあります。

自由じゆう貿易ぼうえきの利点りてんと問題もんだい

利点りてん問題もんだい
安やすく品質ひんしつのよい商品しょうひんが手てに入はいる競争きょうそうに負まけた国内こくない産業さんぎょうが衰退すいたい
比較ひかく優位ゆういを活いかして効率こうりつがよい雇用こようが失うしなわれる
国際こくさい協力きょうりょくが進すすむ食料しょくりょう・エネルギーの自給じきゅう率りつが下さがる

保護ほご貿易ぼうえきの利点りてんと問題もんだい

利点りてん問題もんだい
国内こくない産業さんぎょう (特とくに農業のうぎょう) を守まもれる消費しょうひ者しゃが高たかい商品しょうひんを買かわされる
雇用こようが守まもられる国際こくさい協力きょうりょくが進すすまず、 経済けいざいが活性かっせい化かしにくい
食料しょくりょう・エネルギーの自給じきゅうを維持いじ報復ほうふく関税かんぜいで貿易ぼうえき戦争せんそうに発展はってんする恐おそれ

WTO と FTA・EPA

第だい二に次じ大戦たいせん後ご、 自由じゆう貿易ぼうえきを推進すいしんするために GATT (関税かんぜいと貿易ぼうえきに関かんする一般いっぱん協定きょうてい) が結むすばれ、 1995 年ねんに WTO (世界せかい貿易ぼうえき機関きかん) に発展はってんしました。 WTO は世界中せかいじゅうの国くにの間まで 多角たかく的てきな貿易ぼうえき交渉こうしょう を進すすめています。

しかし、 加盟かめい国こくが多おおくなり交渉こうしょうがまとまりにくくなったため、 最近さいきんは 特定とくていの国くにどうし で結むすぶ FTA (自由じゆう貿易ぼうえき協定きょうてい) や EPA (経済けいざい連携れんけい協定きょうてい) が増ふえています。

協定きょうてい内容ないよう
FTA関税かんぜいの撤廃てっぱいや引ひき下さげを中心ちゅうしん
EPAFTA に加くわえ、 投資とうし・労働ろうどう・知的ちてき財産ざいさんまで広ひろく対象たいしょうに

TPP — 大だい規模きぼな経済けいざい連携れんけい

TPP (環太平洋かんたいへいようパートナーシップ協定きょうてい) は、 太平洋たいへいようを囲かこむ 11 カ国こく (日本にほん・オーストラリア・カナダなど) が結むすんだ大だい規模きぼな経済けいざい連携れんけいです。 関税かんぜい撤廃てっぱいや投資とうしルールの統一とういつなど、 幅広はばひろい内容ないようを含ふくみます。

日本にほんは他たにも 日 EU・EPAにち EU・EPA や RCEP (東ひがしアジア地域ちいき包括ほうかつ的てき経済けいざい連携れんけい、 アジア 15 カ国こく) などを結むすんでいます。

ポイント: 自由じゆう貿易ぼうえきと保護ほご貿易ぼうえきは 「どちらが正解せいかい」 ではなく、 バランス の問題もんだいです。 工業こうぎょう製品せいひんでは自由じゆう貿易ぼうえきを進すすめても、 主食しゅしょくである米べいや生乳せいにゅうのように 「自給じきゅう率りつを保たもちたい」 分野ぶんやには保護ほご的てきな政策せいさくをとる、 というように使つかい分わけるのが一般いっぱん的てきです。

7. 平和へいわへの課題かだいと国際こくさい協力きょうりょく

国際こくさい社会しゃかいには、 1 つの国くにだけでは解決かいけつできないさまざまな課題かだいがあります。

軍縮ぐんしゅくと核兵器かくへいき禁止きんし

第だい二に次じ大戦たいせん後ごの最大さいだいの課題かだいのひとつは 核兵器かくへいき です。

条約じょうやく年ねん内容ないよう
部分的核実験禁止条約ぶぶんてきかくじっけんきんしじょうやく (PTBT)1963大気圏たいきけん内ない・水中すいちゅう・宇宙うちゅうでの核かく実験じっけんを禁止きんし
核拡散防止条約かくかくさんぼうしじょうやく (NPT)1968核兵器かくへいきの保有ほゆうを 5 カ国こくに限定げんてい
包括的核実験禁止条約ほうかつてきかくじっけんきんしじょうやく (CTBT)1996あらゆる核かく実験じっけんを禁止きんし (未み発効はっこう)
核兵器禁止条約かくへいききんしじょうやく2017核兵器かくへいきの開発かいはつ・保有ほゆう・使用しようを禁止きんし

核兵器禁止条約かくへいききんしじょうやくには核兵器かくへいき保有ほゆう国こくは参加さんかしていません。 日本にほんもアメリカの核の傘かくのかさのもとにあるため、 現在げんざいは参加さんかしていません。 一方いっぽうで 唯一ゆいいつの被爆ひばく国こく として核軍縮かくぐんしゅくの重要じゅうよう性せいを訴うったえ続つづけています。

通常つうじょう兵器へいきと紛争ふんそう

対人地雷禁止条約たいじんじらいきんしじょうやくやクラスター爆弾禁止条約クラスターばくだんきんしじょうやくのように、 通常つうじょう兵器へいきの使用しようを制限せいげんする国際こくさい条約じょうやくも結むすばれています。

地域ちいき紛争ふんそうでは、 国連こくれんPKOや、 NGO (非ひ政府せいふ組織そしき)、 赤十字国際委員会せきじゅうじこくさいいいんかいなどが人道じんどう支援しえんを行おこなっています。

グローバル化かと相互そうご依存いぞん

経済けいざいの グローバル化ぐろーばるか で、 世界せかいはますますつながっています。

  • 1 つの国くにの経済けいざい危機ききが世界せかい全体ぜんたいに広ひろがる (リーマンショック・コロナショック)
  • 1 つの国くにの感染かんせん症しょうが瞬まばたく間まに世界せかいに広ひろがる (新型しんがたコロナウイルス)
  • サプライチェーン (供給きょうきゅう網もう) が複雑ふくざつになり、 1 か所しょが止とまると世界せかいに影響えいきょう

このような相互そうご依存いぞんのなかで、 「自分じぶんの国くにだけ」 で解決かいけつできる問題もんだいは減へっています。

8. 国際こくさい社会しゃかいを多角たかく的てきに見みる — 主権しゅけん者しゃとして

最後さいごに、 国際こくさい社会しゃかいを考かんがえるときの心構こころがまえをまとめます。

多角たかく的てきに見みる — 一いち面めん的てきな評価ひょうかを避さける

国際こくさい問題もんだいを考かんがえるときに、 一番いちばん気きをつけたいのは 「特定とくていの国くにを 100 % 善ぜん / 悪あくと決きめつけない」 ことです。

ありがちな単純たんじゅん化かより深ふかい見方みかた
「○○国くには悪わるい、 だから何なにをしてもいい」国くににも歴史れきしがあり、 国民こくみんにも事情じじょうがある
「日本にほんは被害ひがい者しゃだ / 加害かがい者しゃだ」立場たちばや時代じだいによって両方りょうほうの側面そくめんがある
「一方いっぽうが完全かんぜんに正ただしい」両方りょうほうに言いい分ぶんがあり、 妥協だきょう点てんを探さぐるのが外交がいこう

国際こくさい関係かんけいは、 1 つの国くにの利益りえきと他国たこくの利益りえき、 過去かこの歴史れきしと現在げんざいの関係かんけい、 政治せいじと経済けいざいと文化ぶんか、 さまざまな要素ようそが絡からみます。 複数ふくすうの視点してんから考かんがえる 姿勢しせいが大切たいせつです。

情報じょうほうの出所しゅっしょに注意ちゅういする

国際こくさいニュースは、 報道ほうどうする側がわの国くに・メディアによって 見みえ方かたが違ちがいます。 同おなじ出来事できごとでも、 日本にほんのメディアと海外かいがいのメディア、 さらには紛争ふんそう当事とうじ国こくのメディアでは伝つたえ方かたが異ことなります。

複数ふくすうのソース (できれば複数ふくすうの国くにのメディア) を見みて、 自分じぶんの頭あたまで考かんがえることが大切たいせつです。 これもメディアリテラシーめでぃありてらしーのひとつです。

国際こくさい協力きょうりょくに参加さんかする

国際こくさい社会しゃかいの課題かだいに取とり組くむ手段しゅだんは、 国家こっかだけではありません。

  • NGO (非ひ政府せいふ組織そしき): 国境こっきょうなき医師いし団だん、 アムネスティ・インターナショナルなど
  • NPO (非ひ営利えいり組織そしき): 国内外こくないがいの社会しゃかい課題かだいに取とり組くむ
  • ボランティア や寄付きふ
  • フェアトレードふぇあとれーど 商品しょうひんを選えらぶ
  • 海外かいがいの文化ぶんかを学まなぶ、 友好ゆうこう関係かんけいを築きずく

将来しょうらい、 青年海外協力隊せいねんかいがいきょうりょくたいや国際こくさい NGO で働はたらくことも選択肢せんたくしのひとつです。

大事だいじ: 国際こくさい社会しゃかいには絶対ぜったいの正解せいかいがありません。 それぞれの国くにに立場たちばがあり、 歴史れきしがあり、 国民こくみんの願ねがいがあります。 だからこそ 「自分じぶんの意見いけんを持もつこと」 と 「他国たこくの立場たちばも理解りかいしようとすること」 の両方りょうほうが必要ひつようです。 これは特定とくていの国くにを批判ひはんすることではなく、 国際こくさい社会しゃかいを 「公正こうせいに見みる目め」 を育そだてることです。

まとめ

  • 主権国家しゅけんこっか の 3 要素ようそ: 主権しゅけん・領域りょういき・国民こくみん
  • 国際法こくさいほう: 条約じょうやくと国際慣習法こくさいかんしゅうほう
  • 国連こくれん は 1945 年ねん設立せつりつ、 約やく 193 カ国こく加盟かめい
  • 安全保障理事会あんぜんほしょうりじかい の常任理事国じょうにんりじこく 5 カ国こくは 拒否権きょひけん を持もつ
  • 国連の専門機関こくれんのせんもんきかん: UNESCO・WHO・UNICEF・UNHCR など
  • 地域統合ちいきとうごう: EU・ASEAN・USMCA・APEC
  • 自由貿易じゆうぼうえき (WTO・FTA・EPA・TPP) と保護ほご貿易ぼうえきのバランス
  • 平和へいわへの課題かだい: 核軍縮かくぐんしゅく、 紛争ふんそう、 グローバル化か
  • 国際こくさい問題もんだいは 多角たかく的てき・多面ためん的てき に見みることが大切たいせつ
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