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私たちは自然の中で、 ほかの生き物とどう関わって生きているのでしょうか。 そして、 人間の活動は地球にどんな影響を与えているのでしょうか。 この章では、 生命のつながりと、 私たちが直面する環境問題を学びます。
キーワード: 生態系・食物連鎖・食物網・生産者・消費者・分解者・物質の循環・地球温暖化・外来種・生物多様性
ある場所で暮らす 生物 と、 それを取り巻く 環境 (光・空気・水・土) を一体としてとらえたものを 生態系 といいます。
| 例 | 含まれるもの |
|---|---|
| 森の生態系 | 木・草・キノコ・昆虫・鳥・けもの・微生物・土・水・光 |
| 海の生態系 | 海そう・プランクトン・魚・カニ・海水・潮の流れ |
| 川の生態系 | 水草・水生昆虫・カワエビ・魚・水・流れ |
| 校庭の生態系 | 雑草・アリ・ハチ・ダンゴムシ・微生物・土 |
生態系の中の生物は、 はたらきで 3 グループに分けられます。
| グループ | はたらき | 例 |
|---|---|---|
| 生産者 | 光合成で自分で養分をつくる | 植物・植物プランクトン |
| 消費者 | ほかの生物を食べて養分を得る | 動物 (草食・肉食とも) |
| 分解者 | 死がいや排出物を分解して無機物にもどす | 菌類・細菌類・ミミズ・ダンゴムシ |
大事: 「生産者・消費者・分解者」 のどれが 1 つでも欠けると、 生態系はバランスを失います。 とくに 分解者 は目立たないけれど、 死がいが積もり続けることを防ぐ重要な役わりをしています。
「食べる・食べられる」 の関係で生物がつながることを 食物連鎖 といいます。
| 段階 | 生物 |
|---|---|
| 生産者 | 草 |
| 1 次消費者 (草食) | バッタ |
| 2 次消費者 (小型肉食) | カエル |
| 3 次消費者 (中型肉食) | ヘビ |
| 4 次消費者 (大型肉食) | ワシ |
| 段階 | 生物 |
|---|---|
| 生産者 | 植物プランクトン |
| 1 次消費者 | 動物プランクトン |
| 2 次消費者 | イワシ |
| 3 次消費者 | サバ |
| 4 次消費者 | マグロ |
| 5 次消費者 | サメ |
実際の自然では、 1 種類の生物が 1 種類だけを食べることはありません。 たとえばカエルはバッタもトンボも食べるし、 カエルを食べる動物もヘビ・サギ・キツネなど複数います。
この、 複雑に網目状につながった関係を 食物網 といいます。
大事: 食物網 はたくさんのつながりがあるので、 1 つの種が減っても別の種が補える強さをもっています。 これを 生物多様性 の価値といいます。 多様な種類がいるほど、 生態系は安定します。
食物連鎖の各段階にいる生物の数を並べると、 ピラミッド (三角) 形になります。
| 段階 | 数 (相対) |
|---|---|
| 4 次消費者 (大型肉食) | わずか |
| 3 次消費者 | 少ない |
| 2 次消費者 | やや多い |
| 1 次消費者 (草食) | 多い |
| 生産者 (植物) | 非常に多い |
| なぜピラミッド形か |
|---|
| 上にいくほど、 食べられる側 (下) を何個体も食べないと生きていけないから |
| 例 | 結果 |
|---|---|
| 何かの原因でカエルが急に減る | バッタが増える → 草が食いつくされる → バッタも減る |
| 何かの原因でヘビが全滅 | カエルが増える → バッタが減る → カエルも食料不足で減る |
時間がたてば、 生態系はふたたびバランスをとりもどします (= 自然の復元力)。 ただし、 大規模な破壊 (森の全伐採など) では復元に数十 〜 数百年かかります。
炭素 (C) は、 空気中の 二酸化炭素 (CO₂) と生物の体をつくる 有機物 の間をぐるぐるめぐっています。
| 流れ | はたらき |
|---|---|
| 大気中の CO₂ → 植物 | 光合成で取り込む |
| 植物 → 動物 | 動物が植物を食べる |
| 動物・植物 → 大気 | 呼吸で CO₂ を出す |
| 死がい・排出物 → 大気 | 分解者が分解して CO₂ を出す |
| 死がいが化石燃料に | 何百万年かかって石炭・石油・天然ガスに |
| 化石燃料を燃やす → 大気 | 産業革命以降、 急増 |
大事: 自然の炭素循環は長い時間をかけてバランスをとってきました。 しかし人間が化石燃料を大量に燃やすようになってから、 大気中の CO₂ が急速に増え、 地球温暖化 の原因となっています。
| 流れ | はたらき |
|---|---|
| 大気中の O₂ → 動物・植物 | 呼吸に使う |
| 植物 → 大気 | 光合成で O₂ を出す |
光合成と呼吸はちょうど逆の反応で、 全体としてはバランスがとれています。
| 流れ | はたらき |
|---|---|
| 海・川・湖 → 大気 | 蒸発 |
| 植物 → 大気 | 蒸散 |
| 大気 → 地上 | 雨・雪 |
| 地上 → 川 → 海 | 流れる |
物質 (炭素・酸素・水) は 循環 するのに対して、 エネルギーは 一方通行 で流れます。
| 出発点 | 流れ | 終点 |
|---|---|---|
| 太陽光 | → 光合成 → 食べる → 体温や動く力 | 最後は熱として宇宙に出ていく |
ポイント: だから 「エネルギーは循環する」 とは言わないのです。 物質は何度も使えるけれど、 エネルギーは使うたびに質が落ち (低い温度の熱になり)、 もう一度使うことはできません。
土の中や水の中には、 目に見えない多数の 微生物 (菌類・細菌類) がいて、 死がいや落ち葉、 動物の排出物を分解しています。 もし分解者がいなかったら、 地球は死がいだらけになってしまいます。
| 分解者 | 例 |
|---|---|
| 菌類 (きのこ・カビ) | シイタケ・アオカビ・コウジカビ |
| 細菌類 (バクテリア) | 乳酸菌・大腸菌・納豆菌 |
| 土壌動物 | ミミズ・ダンゴムシ・トビムシ |
微生物は 「分解者」 として自然ではたらくだけでなく、 食品や医療でも大活躍です。
| 利用例 | はたらく微生物 |
|---|---|
| パン (ふくらます) | 酵母菌 |
| ヨーグルト・チーズ | 乳酸菌 |
| 納豆 | 納豆菌 |
| みそ・しょうゆ・酒 | コウジカビ・酵母 |
| 抗生物質 (薬) | アオカビからペニシリン |
| 下水処理 | 微生物が汚れを分解 |
| バイオガス | 家畜のふんからメタンを取る |
微生物の中には、 人の体に害を与えるもの (病原菌) もいます。 だから食品の保存や手洗いが大切です。
| 危険 | 対策 |
|---|---|
| 食中毒 | 加熱、 冷蔵、 早く食べる |
| 感染症 | 手洗い、 マスク、 ワクチン |
| 問題 | 主な原因 | 影響 |
|---|---|---|
| 地球温暖化 | CO₂ など温室効果ガスの増加 | 気温上昇、 海面上昇、 異常気象 |
| 酸性雨 | 工場・自動車の排ガス (SOx, NOx) | 森林枯死、 湖の魚が死ぬ、 建物が溶ける |
| オゾン層の破壊 | フロンガス | 紫外線増加、 皮膚がん・白内障 |
| 大気汚染 | PM2.5、 排ガス | 呼吸器疾患 |
| 水質汚染 | 工場廃水、 生活排水 | 川や海の生物が死ぬ |
| 海洋プラスチック | レジ袋・ペットボトル | 魚・海鳥が飲み込む、 マイクロプラスチック |
| 森林伐採 | 焼き畑、 木材切り出し | CO₂ 増加、 砂漠化 |
| 砂漠化 | 過放牧、 気候変動 | 食料不足 |
| 外来種 問題 | 人が持ち込んだ生物 | 在来種が追いやられる |
| 生物多様性 の喪失 | 上記すべての結果 | 絶滅種増加、 食物網がこわれる |
| 段階 | 説明 |
|---|---|
| ① | 太陽光が地表をあたためる |
| ② | あたたまった地表が熱 (赤外線) を出す |
| ③ | 大気中の CO₂ やメタンが赤外線を吸収し大気をあたためる |
| ④ | CO₂ が増えると ③ が強まり、 気温が上がる |
| 温室効果ガス | 主な発生源 |
|---|---|
| 二酸化炭素 (CO₂) | 化石燃料の燃焼、 森林伐採 |
| メタン (CH₄) | 家畜のげっぷ、 水田、 ゴミ処分場 |
| 一酸化二窒素 (N₂O) | 化学肥料、 工業排ガス |
| フロン | 冷蔵庫・エアコン |
| 名前 | もとの場所 | 影響 |
|---|---|---|
| アメリカザリガニ | 北米 | 在来の水生昆虫・魚を食べる |
| ブラックバス (オオクチバス) | 北米 | 在来の魚を食べる |
| アライグマ | 北米 | 農作物被害、 文化財をこわす |
| セアカゴケグモ | 豪州 | 毒をもつ |
| ヒアリ | 南米 | 強い毒 |
| マングース | 南アジア | 沖縄のアマミノクロウサギを食べる |
| セイヨウタンポポ | 欧州 | 在来タンポポと競合 |
大事: 外来種そのものに罪はありません。 持ち込んだのは人間です。 「ペットを逃さない」 「外国から動植物を勝手に持ち込まない」 が一番の対策です。
SDGs (持続可能な開発目標) は、 2015 年に国連が採択した、 2030 年までに世界が達成するべき 17 の目標です。 環境だけでなく、 貧困・教育・平等など幅広い目標があります。
| 番号 | 目標 (一部) |
|---|---|
| 6 | 安全な水とトイレを世界中に |
| 7 | エネルギーをみんなに、 そしてクリーンに |
| 11 | 住み続けられる街づくり |
| 12 | つくる責任、 つかう責任 |
| 13 | 気候変動に具体的な対策を |
| 14 | 海の豊かさを守ろう |
| 15 | 陸の豊かさも守ろう |
| 場面 | 行動 |
|---|---|
| 買い物 | エコバッグ、 マイボトル、 過剰な包装を断る |
| 食事 | 食べ残しをしない、 旬のものを選ぶ、 地元の食材 |
| 移動 | 短い距離は歩く・自転車、 公共交通を使う |
| 電気 | 使わない部屋の電気を消す、 待機電力を減らす |
| 水 | 歯みがきで水を出しっぱなしにしない |
| 生き物 | ペットを最後まで飼う、 川や山のゴミを拾う |
| 学ぶ | 環境ニュースを読む、 友だちと話し合う |
| 言葉 | 意味 | 例 |
|---|---|---|
| リデュース (Reduce) | 減らす | レジ袋を断る |
| リユース (Reuse) | 再使用 | フリマ、 おさがり |
| リサイクル (Recycle) | 資源化 | 古紙回収、 ペットボトル回収 |
| リフューズ (Refuse) | 断る | 不必要なおまけ・試供品 |
考えてみよう: 「自分 1 人の行動では地球は変わらない」 と思ってしまいがちです。 でも、 7 0 億人が同じことをすれば、 7 0 億倍の力になります。 「1 人の 1 歩」 が 「みんなの 1 歩」 になります。
| 場面 | 注意 |
|---|---|
| 山・川・海での観察 | 1 人で行かない、 必ず大人と一緒 |
| 服装 | 長そで・長ズボン、 帽子、 運動靴 |
| 持ち物 | 水分、 タオル、 救急用品、 笛 (緊急時) |
| 危険 な生物 | スズメバチ、 マムシ、 セアカゴケグモに注意 |
| 危険 な場所 | 急な川の流れ、 がけ、 すべりやすい岩 |
| 天気 | 雨の後の増水、 雷 |
| 連絡 | 出かける前に行先と帰宅時間を家族に伝える |
| やってはいけないこと | 理由 |
|---|---|
| 生き物を採り過ぎる | 個体数が減る |
| 持って帰った生き物を後で別の場所に放す | 外来種化、 病気を広げる |
| ゴミを捨てる | 動物が飲み込む、 環境汚染 |
| 草花を必要以上に抜く | 生態系がこわれる |
| 大声を出す、 走り回る | 動物が逃げる、 観察ができなくなる |
| 巣やヒナに近づく | 親鳥が巣を放棄する |
次の章へ: 自然と私たちの関係を学んだので、 最後の章では 「科学技術」 が私たちの生活をどう変え、 これからどう使っていくかを考えます。