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第 2 章は、 中 3 物理 の中心 テーマ 「力と運動」 です。 物がどう動くかを数式 で表す 力学 の入り口で、 ニュートンの 3 法則 を学びます。
ポイント: 中 1 で 「力は物を動かす・止める・形を変える」 と学びました。 中 3 では 「力と運動 の関係」 を 数式 で表す力をつけます。
物体の動きのはやさを表すのが 速さ です。 単位時間 あたりに進む距離 で求めます。
| 公式 | 単位 |
|---|---|
| 速さ [v] = 距離 [s] ÷ 時間 [t] | m/s (メートル毎秒) または km/h (キロメートル毎時) |
| 距離 [s] = 速さ [v] × 時間 [t] | — |
| 時間 [t] = 距離 [s] ÷ 速さ [v] | — |
| 物体 | 速さの目安 |
|---|---|
| 歩く人 | 約 1.5 m/s (5 km/h) |
| 走る人 (長距離) | 約 5 m/s (18 km/h) |
| 自転車 | 約 5 m/s (18 km/h) |
| 自動車 (一般道) | 約 17 m/s (60 km/h) |
| 新幹線 (のぞみ) | 約 80 m/s (285 km/h) |
| 音 (空気中) | 約 340 m/s |
| 光 | 約 3 億 m/s (3.0 × 10⁸ m/s) |
| 種類 | 意味 | 例 |
|---|---|---|
| 平均の速さ | 全体の距離 ÷ 全体の時間 | 100 m を 12 秒 で走った → 8.3 m/s |
| 瞬間の速さ | ある瞬間 の速さ | スピードメーターが示す値 |
| 用語 | 意味 | 表し方 |
|---|---|---|
| 速さ | 大きさだけ | 「5 m/s」 |
| 速度 | 大きさ + 向き | 「東へ 5 m/s」 |
ポイント: 中学では 「速さ」 と 「速度」 をほぼ同じように使いますが、 高校物理 では 「速度」 は必ず ベクトル (向き付き) として扱います。 中 3 のうちに 「向きが大事」 と意識 しましょう。
等速直線運動 とは、 「速さ が一定 で、 まっすぐ進む 運動」 です。
| 横軸 | たて軸 | グラフの形 |
|---|---|---|
| 時間 | 速さ | 横まっすぐの線 (一定) |
| 時間 | 距離 | 右上がりの直線 (傾き = 速さ) |
速さ が時間 とともに 変わる 運動 では、 単位時間 あたりの 速さ の変化 を 加速度 と言います。
| 公式 | 単位 |
|---|---|
| 加速度 [a] = (終わりの 速さ − 始めの 速さ) ÷ かかった時間 | m/s² (メートル毎秒毎秒) |
| 場面 | 加速度 | 意味 |
|---|---|---|
| 自由落下 (空気抵抗無視) | 約 9.8 m/s² | 1 秒 ごとに 速さ が 9.8 m/s 増える |
| 自動車の急加速 | 約 3〜5 m/s² | 1 秒 で 3〜5 m/s 増える |
| 急ブレーキ | 約 −7 m/s² | 1 秒 で 7 m/s 減る |
加速度 が一定 の運動 を 等加速度直線運動 と言います。
| 横軸 | たて軸 | グラフの形 |
|---|---|---|
| 時間 | 速さ | 右上がりの直線 (傾き = 加速度) |
| 時間 | 距離 | 右上がりの 曲線 (放物線状) |
大事: 「速さ が一定」 ↔ 「加速度 が 0」、 「速さ が増える」 ↔ 「加速度 がプラス」、 「速さ が減る」 ↔ 「加速度 がマイナス」 と整理すると分かりやすい。
ニュートンの運動 の法則 は 3 つ あります。 1 つずつ学んでいきましょう。 まずは 第 1 法則 = 慣性の法則 です。
物体にはたらく力が 0 (つり合っている) なら、 物体はそのままの状態 を保つ。 ・止まっている物 → そのまま止まる ・動いている物 → そのまま 等速直線運動 を続ける
物体が 「今の運動状態 を保とうとする性質」 を 慣性 と言います。
| 場面 | 慣性 のはたらき |
|---|---|
| バスが急ブレーキ | 体が 前 につんのめる (動き続けようとする) |
| バスが急発進 | 体が 後ろ にかたむく (止まり続けようとする) |
| テーブルクロスを引く手品 | 上の食器は動かずテーブルクロスだけ抜ける |
| ハンマーの柄を床に打ちつける | 鉄の部分が動き続けようとして柄にはまる |
物体が持つ 慣性 の大きさは、 質量 に比例します。 重い物ほど動かしにくく、 止めにくい。
ポイント: 慣性 は中 1 ではなかった概念 です。 「力がなくても動き続ける」 ことがピンと来ない人が多いので、 「動き続けるのが自然 な状態」 と思い直しましょう。
ニュートン第 2 法則 は、 力と運動 をつなぐ 最も重要 な式 です。
力 [F] = 質量 [m] × 加速度 [a]
| 量 | 記号 | 単位 |
|---|---|---|
| 力 | F | N (ニュートン) |
| 質量 | m | kg (キログラム) |
| 加速度 | a | m/s² (メートル毎秒毎秒) |
大事: 1 N (ニュートン) とは、 「1 kg の物に 1 m/s² の 加速度 を与える力」 と定義 されます。 つまり 1 N = 1 kg・m/s² です。
| 例 | 質量 | 加速度 | 必要 な力 |
|---|---|---|---|
| 1 kg の物を 2 m/s² で加速 | 1 kg | 2 m/s² | 2 N |
| 5 kg の物を 3 m/s² で加速 | 5 kg | 3 m/s² | 15 N |
| 10 kg の物を 0.5 m/s² で加速 | 10 kg | 0.5 m/s² | 5 N |
| ことば | 意味 |
|---|---|
| 力を大きくするほど | 加速 が大きくなる |
| 質量 が大きいほど | 同じ力でも加速 しにくい |
| 力を加え続けると | 速さは 増え続ける (等加速度) |
地球上で物体にはたらく 重力 は、 F = mg で表されます。 g は 重力加速度 で、 約 9.8 m/s²。
| 用語 | 意味 | 単位 |
|---|---|---|
| 質量 | 物体そのものの量 (場所によらず一定) | kg |
| 重さ | 物体にはたらく 重力 の大きさ | N |
地球上で 1 kg の物体の 重さ は約 9.8 N。 月では 重力 が 6 分の 1 なので、 質量 は同じ 1 kg でも 重さ は約 1.6 N になります。
ニュートン第 3 法則 = 作用反作用の法則 です。
A が B に力を加えると、 同時に B は A に、 同じ大きさで反対向きの力を返す。
| 場面 | 作用 | 反作用 |
|---|---|---|
| 壁を手で押す | 手 → 壁 (10 N) | 壁 → 手 (10 N、 反対向き) |
| ロケットが噴射 | ロケット → ガス (下向き) | ガス → ロケット (上向き) |
| 歩くとき | 足 → 地面 (後ろ向き) | 地面 → 足 (前向き) |
| ボートを漕ぐ | オール → 水 (後ろ向き) | 水 → オール (前向き) |
「2 つの力が同じ大きさで反対向き」 と聞くと、 「力のつりあい」 と似ていると思うかもしれません。 違いを整理しましょう。
| 比較 | 力のつりあい | 作用反作用 |
|---|---|---|
| 力のはたらく物体 | 同じ 1 つの物体 にはたらく | 2 つの物体 の間でやりとり |
| 例 | 机の上の本 (重力と抗力) | 手で壁を押す (手と壁) |
| 力の大きさ | 同じ | 同じ |
| 力の向き | 反対 | 反対 |
大事: 「1 つの物体にかかる力のつり合い」 と 「2 つの物体が互いにやりとりする力」 を区別 することが、 中 3 物理 の山場です。
中 3 の力学実験 では、 力学台車 や 斜面、 おもり を使います。 重い物が動くので、 けが に注意 が必要 です。
| 場面 | 危険 | 対策 |
|---|---|---|
| 力学台車 が落下 | 足に当たる | 床に マット を敷く、 進行方向に立たない |
| 斜面 から物体が飛ぶ | 顔・足に当たる | 斜面 の先に立たない、 ストッパー を置く |
| おもり が落下 | 足を強打 | 慎重に持ち、 落とさない |
| 物が高い所から落ちる (自由落下) | 落下物の飛沫 | 真下に立たない、 軽い物で実験 |
この章で学んだことをふりかえりましょう。
次の章: 第 3 章では、 力と運動 を 「エネルギー のやりとり」 としてとらえ直します。 「仕事」 と 「力学的エネルギー の保存」 を学び、 物理 の大黒柱の 1 つである エネルギー保存則 に出会います。