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理科 3年

力ちからと運動うんどう

最終確認日:

この章しょうで学まなぶこと

第だい 2 章しょうは、 中なか 3 物ぶつ理りの中心ちゅうしんテーマ 「力りょくと運うん動どう」 です。 物ものがどう動うごくかを数すう式しきで表あらわす 力学りきがく の入いり口くちで、 ニュートンの 3 法ほう則そくを学まなびます。

  • 物体ぶったいの 速さはやさ と 速度そくど のちがいを知しる
  • 等速直線運動とうそくちょくせんうんどう と 加速度かそくど を理り解かいする
  • 慣性の法則かんせいのほうそく (ニュートン第だい 1 法ほう則そく) を知しる
  • F = ma (運動方程式うんどうほうていしき、 ニュートン第だい 2 法ほう則そく) を学まなぶ
  • 作用反作用の法則さようはんさようのほうそく (ニュートン第だい 3 法ほう則そく) を理り解かいする
  • 力学りきがく実験じっけんの 安全あんぜん なやり方かたを身みにつける

ポイント: 中なか 1 で 「力ちからは物ものを動うごかす・止とめる・形かたちを変かえる」 と学まなびました。 中なか 3 では 「力りょくと運うん動どうの関かん係けい」 を 数すう式しき で表あらわす力ちからをつけます。

1. 速はやさと速度そくど

速はやさの求もとめ方かた

物体ぶったいの動うごきのはやさを表あらわすのが 速さはやさ です。 単位たんい時じ間かんあたりに進すすむ距きょ離りで求もとめます。

公こう式しき単たん位い
速さはやさ[v] = 距きょ離り[s] ÷ 時じ間かん[t]m/s (メートル毎まい秒びょう) または km/h (キロメートル毎まい時じ)
距きょ離り[s] = 速さはやさ[v] × 時じ間かん[t]—
時じ間かん[t] = 距きょ離り[s] ÷ 速さはやさ[v]—

速はやさの例れい

物体ぶったい速はやさの目安めやす
歩あるく人ひと約やく 1.5 m/s (5 km/h)
走はしる人ひと (長ちょう距きょ離り)約やく 5 m/s (18 km/h)
自じ転てん車しゃ約やく 5 m/s (18 km/h)
自じ動どう車しゃ (一いっ般ぱん道)約やく 17 m/s (60 km/h)
新しん幹線かんせん (のぞみ)約やく 80 m/s (285 km/h)
音おと (空くう気き中ちゅう)約やく 340 m/s
光ひかり約やく 3 億おく m/s (3.0 × 10⁸ m/s)

平均へいきんの速はやさと瞬間しゅんかんの速はやさ

種しゅ類るい意い味み例れい
平均の速さへいきんのはやさ全体ぜんたいの距きょ離り ÷ 全体ぜんたいの時じ間かん100 m を 12 秒びょうで走はしった → 8.3 m/s
瞬間の速さしゅんかんのはやさある瞬しゅん間かんの速はやさスピードメーターが示しめす値あたい

速はやさと速度そくどのちがい

用よう語ご意い味み表あらわし方かた
速さはやさ大おおきさだけ「5 m/s」
速度そくど大おおきさ + 向むき「東ひがしへ 5 m/s」

ポイント: 中学ちゅうがくでは 「速さはやさ」 と 「速度そくど」 をほぼ同おなじように使つかいますが、 高校こうこう物ぶつ理りでは 「速度そくど」 は必かならず ベクトルべくとる (向むき付つき) として扱あつかいます。 中なか 3 のうちに 「向むきが大事だいじ」 と意い識しきしましょう。

2. 等速直線運動とうそくちょくせんうんどうと加速度かそくど

ガリレオが行った斜面を転がる球の実験図
ガリレオの斜面しゃめん実じっ験けん (Ernst Mach 著ちょ 『力学りきがく』 より) — 球きゅうを斜面しゃめんで転ころがし、 速さはやさがどう変かわるかを調しらべた古こ典てん的実験けん。 ニュートンの運うん動どうの法ほう則そくにつながった。

等速直線運動とうそくちょくせんうんどう

等速直線運動とうそくちょくせんうんどう とは、 「速さはやさが一いっ定てい で、 まっすぐ進すすむ 運うん動どう」 です。

等速直線運動とうそくちょくせんうんどうのグラフ

横よこ軸じくたて軸じくグラフの形かたち
時じ間かん速さはやさ横よこまっすぐの線せん (一いっ定てい)
時じ間かん距きょ離り右みぎ上あがりの直線ちょくせん (傾きかたむき = 速さはやさ)

加速度かそくど

速さはやさが時じ間かんとともに 変かわる 運うん動どうでは、 単位たんい時じ間かんあたりの速さはやさの変へん化かを 加速度かそくど と言いいます。

公こう式しき単たん位い
加速度かそくど[a] = (終おわりの速さはやさ − 始はじめの速さはやさ) ÷ かかった時じ間かんm/s² (メートル毎まい秒びょう毎まい秒びょう)

加速度かそくどの例れい

場ば面めん加速度かそくど意い味み
自由じゆう落下らっか (空気くうき抵てい抗こう無む視し)約やく 9.8 m/s²1 秒びょうごとに速さはやさが 9.8 m/s 増ふえる
自じ動どう車しゃの急きゅう加速かそく約やく 3〜5 m/s²1 秒びょうで 3〜5 m/s 増ふえる
急きゅうブレーキ約やく −7 m/s²1 秒びょうで 7 m/s 減へる

等とう加速度かそくど直線ちょくせん運動うんどうのグラフ

加速度かそくどが一いっ定ていの運うん動どうを 等加速度直線運動とうかそくどちょくせんうんどう と言いいます。

横よこ軸じくたて軸じくグラフの形かたち
時じ間かん速さはやさ右みぎ上あがりの直線ちょくせん (傾きかたむき = 加速度かそくど)
時じ間かん距きょ離り右みぎ上あがりの 曲線きょくせん (放物線ほうぶつせん状じょう)

大事だいじ: 「速さはやさが一いっ定てい」 ↔ 「加速度かそくどが 0」、 「速さはやさが増ふえる」 ↔ 「加速度かそくどがプラス」、 「速さはやさが減へる」 ↔ 「加速度かそくどがマイナス」 と整理せいりすると分わかりやすい。

3. 慣性かんせいの法則ほうそく (ニュートン第だい 1 法則ほうそく)

ニュートンの運うん動どうの法ほう則そくは 3 つ あります。 1 つずつ学まなんでいきましょう。 まずは 第だい 1 法ほう則そく = 慣性の法則かんせいのほうそく です。

慣性かんせいの法則ほうそく

物体ぶったいにはたらく力ちからが 0 (つり合あっている) なら、 物体ぶったいはそのままの状じょう態たいを保たもつ。 ・止とまっている物もの → そのまま止とまる ・動うごいている物もの → そのまま 等速直線運動とうそくちょくせんうんどう を続つづける

慣性かんせいとは

物体ぶったいが 「今いまの運うん動どう状じょう態たいを保たもとうとする性せい質しつ」 を 慣性かんせい と言いいます。

慣性かんせいの例れい

場ば面めん慣かん性せいのはたらき
バスが急きゅうブレーキ体からだが 前ぜん につんのめる (動うごき続つづけようとする)
バスが急きゅう発進はっしん体からだが 後うしろ にかたむく (止とまり続つづけようとする)
テーブルクロスを引ひく手て品じな上うえの食器しょっきは動うごかずテーブルクロスだけ抜ぬける
ハンマーの柄えを床ゆかに打うちつける鉄てつの部分ぶぶんが動うごき続つづけようとして柄えにはまる

慣性かんせいの大おおきさと質量しつりょう

物体ぶったいが持もつ慣性かんせいの大おおきさは、 質量しつりょう に比例ひれいします。 重おもい物ものほど動うごかしにくく、 止とめにくい。

ポイント: 慣性かんせいは中なか 1 ではなかった概がい念ねんです。 「力ちからがなくても動うごき続つづける」 ことがピンと来こない人ひとが多おおいので、 「動うごき続つづけるのが自し然ぜんな状じょう態たい」 と思おもい直なおしましょう。

4. 運動うんどうの第だい 2 法則ほうそく (F = ma)

ニュートン第だい 2 法ほう則そくは、 力ちからと運うん動どうをつなぐ 最もっとも重じゅう要ような式しき です。

運動うんどう方程式ほうていしき (ニュートン第だい 2 法則ほうそく)

力りょく[F] = 質量しつりょう[m] × 加速度かそくど[a]

運動うんどう方程式ほうていしきの単位たんい

量りょう記き号ごう単たん位い
力ちからFN (ニュートン)
質しつ量りょうmkg (キログラム)
加速度かそくどam/s² (メートル毎まい秒びょう毎まい秒びょう)

大事だいじ: 1 N (ニュートン) とは、 「1 kg の物ものに 1 m/s² の加速度かそくどを与あたえる力ちから」 と定てい義ぎされます。 つまり 1 N = 1 kg・m/s² です。

計算けいさん例れい

例れい質しつ量りょう加速度かそくど必ひつ要ような力りょく
1 kg の物ものを 2 m/s² で加か速そく1 kg2 m/s²2 N
5 kg の物ものを 3 m/s² で加か速そく5 kg3 m/s²15 N
10 kg の物ものを 0.5 m/s² で加か速そく10 kg0.5 m/s²5 N

運動うんどう方程式ほうていしきの意味いみ

ことば意い味み
力ちからを大おおきくするほど加か速そくが大おおきくなる
質しつ量りょうが大おおきいほど同おなじ力ちからでも加か速そくしにくい
力ちからを加くわえ続つづけると速はやさは 増ふえ続つづける (等加速度とうかそくど)

重力じゅうりょくと質量しつりょう・重おもさ

地ち球きゅう上で物体ぶったいにはたらく重力じゅうりょくは、 F = mg で表あらわされます。 g は 重力加速度じゅうりょくかそくど で、 約やく 9.8 m/s²。

用よう語ご意い味み単たん位い
質量しつりょう物体ぶったいそのものの量りょう (場所ばしょによらず一いっ定てい)kg
重さおもさ物体ぶったいにはたらく重力じゅうりょくの大おおきさN

地ち球きゅう上で 1 kg の物体ぶったいの重さおもさは約やく 9.8 N。 月つきでは重力じゅうりょくが 6 分ぶんの 1 なので、 質しつ量りょうは同おなじ 1 kg でも重さおもさは約やく 1.6 N になります。

5. 作用さよう反作用はんさようの法則ほうそく (ニュートン第だい 3 法則ほうそく)

5つの金属球が糸でつるされたニュートンのゆりかご
ニュートンのゆりかご — 端はじの球きゅうを引ひいて離はなすと、 反対はんたい端たんの球きゅうだけが同おなじ高たかさまではね上あがる。 作用反作用の法則さようはんさようのほうそくと力学的エネルギーりきがくてきえねるぎーの保ほ存ぞんが同時どうじに観察かんさつできる装そう置ち。

ニュートン第だい 3 法ほう則そく = 作用反作用の法則さようはんさようのほうそく です。

作用さよう反作用はんさようの法則ほうそく

A が B に力ちからを加くわえると、 同時どうじに B は A に、 同おなじ大おおきさで反対はんたい向むきの力ちからを返かえす。

作用さよう反作用はんさようの例れい

場ば面めん作さ用よう反作さ用よう
壁かべを手てで押おす手て → 壁かべ (10 N)壁かべ → 手て (10 N、 反対はんたい向むき)
ロケットが噴射ふんしゃロケット → ガス (下向したむき)ガス → ロケット (上向うわむき)
歩あるくとき足あし → 地じ面めん (後うしろ向むき)地じ面めん → 足あし (前向まえむき)
ボートを漕こぐオール → 水みず (後うしろ向むき)水みず → オール (前向まえむき)

つり合いつりあいとのちがい

「2 つの力ちからが同おなじ大おおきさで反対はんたい向むき」 と聞きくと、 「力のつりあいちからのつりあい」 と似にていると思おもうかもしれません。 違ちがいを整理せいりしましょう。

比ひ較かく力のつりあいちからのつりあい作用反作用さようはんさよう
力ちからのはたらく物体ぶったい同おなじ 1 つの物体ぶったい にはたらく2 つの物体ぶったい の間までやりとり
例れい机つくえの上うえの本ほん (重力じゅうりょくと抗力こうりょく)手てで壁かべを押おす (手しゅと壁かべ)
力ちからの大おおきさ同おなじ同おなじ
力ちからの向むき反対はんたい反対はんたい

大事だいじ: 「1 つの物体ぶったいにかかる力ちからのつり合いつりあい」 と 「2 つの物体ぶったいが互たがいにやりとりする力ちから」 を区く別べつすることが、 中なか 3 物ぶつ理りの山場やまばです。

6. 力学りきがく実験じっけんの安全あんぜんと振ふり返かえり

力学りきがく実験じっけんで注意ちゅういすべきこと

中なか 3 の力学りきがく実じっ験けんでは、 力学りきがく台車だいしゃ や 斜面しゃめん、 おもり を使つかいます。 重おもい物ものが動うごくので、 けが に注ちゅう意いが必ひつ要ようです。

場ば面めん危き険けん対たい策さく
力学りきがく台車だいしゃが落下らっか足あしに当あたる床ゆかにマットを敷しく、 進行しんこう方向ほうこうに立たたない
斜面しゃめんから物体ぶったいが飛とぶ顔かお・足あしに当あたる斜しゃ面めんの先さきに立たたない、 ストッパーを置おく
おもりが落下らっか足あしを強打きょうだ慎重しんちょうに持もち、 落おとさない
物ものが高たかい所ところから落おちる (自由落下じゆうらっか)落下らっか物ぶつの飛沫まつ真下ましたに立たたない、 軽かるい物もので実じっ験けん

全ちょん章しょう共通きょうつうルール

  • 保護メガネほごめがね をつける (バネやゴムが飛とぶことがある)
  • 進行しんこう方向ほうこうに立たたない (台車だいしゃやボールが飛とぶ)
  • 高たかい所ところからの 落下らっか実じっ験けん は必かならず先生せんせいと
  • 終おわったら 台車だいしゃ・おもりを元もとの位い置ち に戻もどす

7. ふりかえり

この章しょうで学まなんだことをふりかえりましょう。

  • 速さはやさ = 距きょ離り ÷ 時じ間かん が言いえる、 計けい算さんできる
  • 速さはやさと速度そくど のちがい (大おおきさ vs 大おおきさ + 向むき) が言いえる
  • 等速直線運動とうそくちょくせんうんどう のグラフ (時じ間かん vs 速さはやさ) を書かける
  • 加速度かそくど = 速はやさの変へん化か ÷ 時じ間かん が言いえる
  • 慣性の法則かんせいのほうそく (ニュートン第だい 1 法ほう則そく) を言いえる
  • F = ma (運動方程式うんどうほうていしき、 ニュートン第だい 2 法ほう則そく) を言いえる、 計けい算さんできる
  • 作用反作用の法則さようはんさようのほうそく (ニュートン第だい 3 法ほう則そく) を言いえる
  • [ ]力のつりあいちからのつりあいと作用反作用さようはんさようのちがいが言いえる
  • [ ]質量しつりょうと重さおもさのちがいが言いえる
  • [ ]力学りきがく実験じっけんの安全あんぜんルール (マット・進行しんこう方向ほうこうに立たたない) を言いえる

この章しょうの安全あんぜん配慮はいりょ

  • 力学りきがく実験じっけんでは 進行しんこう方向ほうこうに立たたない、 床ゆかにマットを敷しく
  • 斜面しゃめんや自由落下じゆうらっかの実じっ験けんでは 真下ましたに立たたない
  • 保護メガネほごめがね を必かならずつける (バネやゴムの飛散ひさん防ぼう止し)
  • おもりの落下らっかで足あしを打うたないよう慎重しんちょうに持もつ
  • 終おわったら台車だいしゃ・おもりを必かならず元もとの位い置ちに戻もどす

次じの章しょう: 第だい 3 章しょうでは、 力ちからと運うん動どうを 「エネルギーえねるぎーのやりとり」 としてとらえ直なおします。 「仕事しごと」 と 「力学的エネルギーりきがくてきえねるぎーの保ほ存ぞん」 を学まなび、 物ぶつ理りの大黒柱だいこくばしらの 1 つである エネルギー保存則えねるぎーほぞんそく に出会であいます。

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