››
第 5 章 は、 第 4 章 「水溶液 と イオン」 を 受 け、 「化学変化 と 電池」 を 学 び ます。 イオン が や り と り す る 電子 が、 電気エネルギー を 生 み 出 す しく み を 知 り ます。
ポイント: 「電池」 と は、 「化学変化 (酸化還元) を 利用 し て 電気エネルギー を 取 り 出 す 装置」 で す。 中 2 で 学 ん だ 「電流」 が、 化学 と つ な が り ます。
物質 が 酸素 と 結 び つ く 反応、 ま た は 電子 を 失 う 反応 を 酸化 と 言 い ます。
物質 か ら 酸素 が 取 り 除 か れ る 反応、 ま た は 電子 を 受 け 取 る 反応 を 還元 と 言 い ます。
酸化 が 起 こ る と き、 必 ず 還元 も 同時 に 起 こ り ます。 こ れ を 酸化還元反応 と 言 い ます。
| 反応例 | 酸化 さ れ た 物 | 還元 さ れ た 物 | |---|---|---| | 2CuO + C → 2Cu + CO₂ | C (酸素 と 結合) | CuO (酸素 を 失 う) | | 2Mg + O₂ → 2MgO | Mg (酸素 と 結合) | — (O₂ も 還元 と 見 る) | | Fe + S → FeS | Fe (電子 を 失 う) | S (電子 を 受 け 取 る) | | Zn + CuSO₄ → ZnSO₄ + Cu | Zn (電子 を 失 う) | Cu²⁺ (電子 を 受 け 取 る) |
酸化 と 還元 を 電子 で 見 る と、 と て も 分 か り や す く な り ます。
| 反応 | 電子 の 動 き | |---|---| | 酸化 | 電子 を 失 う (e⁻ を 出 す) | | 還元 | 電子 を 受 け 取 る (e⁻ を も ら う) |
例: Zn → Zn²⁺ + 2e⁻ (亜鉛 が 酸化 さ れ て 電子 を 出 す) 例: Cu²⁺ + 2e⁻ → Cu (銅 イオン が 還元 さ れ て 電子 を 受 け 取 る)
大事: 中学 で は 「酸素 の 出入 り」 で 説明 さ れ る こ と が 多 い で す が、 高校 で は 「電子 の 出入 り」 で 統一 し ま す。 中 3 か ら 電子 で 考 え る 癖 を つ け ま し ょう。
金属 が 陽イオン に な り や す さ を イオン化傾向 と 言 い ます。
| 順位 | 金属 | 反応性 |
|---|---|---|
| 1 | K (カリウム) | 非常 に 強 い |
| 2 | Ca (カルシウム) | 強 い |
| 3 | Na (ナトリウム) | 強 い |
| 4 | Mg (マグネシウム) | や や 強 い |
| 5 | Al (アルミニウム) | や や 強 い |
| 6 | Zn (亜鉛) | 中 |
| 7 | Fe (鉄) | 中 |
| 8 | Ni (ニッケル) | 弱 め |
| 9 | Sn (ス ズ) | 弱 め |
| 10 | Pb (鉛) | 弱 め |
| 11 | (H) (水素) | 基準 |
| 12 | Cu (銅) | 弱 い |
| 13 | Hg (水銀) | 弱 い |
| 14 | Ag (銀) | 弱 い |
| 15 | Au (金) | ほ ぼ 反応 し な い |
| 比較 | 結果 |
|---|---|
| Zn と Cu²⁺ (硫酸銅水溶液) | Zn の 方 が [[イオン化傾向 |
| Cu と Ag⁺ (硝酸銀水溶液) | Cu の 方 が [[イオン化傾向 |
| Au と HCl | Au の [[イオン化傾向 |
ポイント: イオン化傾向 が 大 き い 金属 ほ ど 「陽イオン に な り や す く = 酸化 さ れ や す い」。 こ の 性質 を 利用 し て 電池 が 作 れ ます。
電池 と は、 「化学変化 (酸化還元) を 利用 し て 電気エネルギー を 取 り 出 す 装置」 で す。
| 要素 | 役割 |
|---|---|
| **[[負極 | ふきょく]]** (マ イ ナ ス 極) |
| **[[正極 | せいきょく]]** (プ ラ ス 極) |
| **[[電解液 | でんかいえき]]** |
| **[[導線 | どうせん]]** |
大事: 電子 と 電流 は 逆向 き で す。 こ れ は 中 2 で も 出 て き ま し た。 中 3 で は 「負極 で 酸化、 正極 で 還元」 が 起 こ る と セ ッ ト で 覚 え ま し ょう。
1800 年 に イタリア の ボルタ が 作 っ た 世界初 の 電池。
| 要素 | 内容 |
|---|---|
| [[負極 | ふきょく]] |
| [[正極 | せいきょく]] |
| [[電解液 | でんかいえき]] |
| [[負極 | ふきょく]] の 反応 |
| [[正極 | せいきょく]] の 反応 |
問題点: 正極 で 水素気体 が 銅板 に つ い て 電流 を 妨 げ る (分極)。 す ぐ 弱 く な る。
1836 年 に イギリス の ダニエル が ボルタ 電池 を 改良 し た 電池。
| 要素 | 内容 |
|---|---|
| [[負極 | ふきょく]] |
| [[正極 | せいきょく]] |
| [[負極 | ふきょく]]側[[電解液 |
| [[正極 | せいきょく]]側[[電解液 |
| セロハン や **[[素焼き板 | すやきいた]]** |
| [[負極 | ふきょく]] の 反応 |
| [[正極 | せいきょく]] の 反応 |
ポイント: ダニエル 電池 は 正極 で 銅 が 析出 す る だ け で 気体 が 発生 し な い た め、 ボルタ 電池 よ り も 安定 し て 長持 ち し ます。
| 比較項目 | ボルタ 電池 | ダニエル 電池 |
|---|---|---|
| 発明年 | 1800 年 | 1836 年 |
| [[電解液 | でんかいえき]] | 1 種 (う す い [[硫酸 |
| [[負極 | ふきょく]] の 物質 | 亜鉛 |
| [[正極 | せいきょく]] の 物質 | 銅 |
| [[正極 | せいきょく]] で の 反応 | 水素 が 発生 |
| 安定性 | 弱 い ([[分極 | ぶんきょく]]) |
| 種類 | 性質 | 例 |
|---|---|---|
| **[[一次電池 | いちじでんち]]** | 1 回使 い 切 り、 [[充電 |
| **[[二次電池 | にじでんち]]** ([[蓄電池 | ちくでんち]]) |
| 電池 | 種類 | 用途 | |---|:---:|---| | マンガン 乾電池 | 一次 | リモコン、 時計 | | アルカリ 乾電池 | 一次 | 強力機器 (ライト 等) | | リチウム 電池 (ボタン) | 一次 | 腕時計 | | 鉛蓄電池 | 二次 | 自動車バッテリー | | ニッケル水素電池 | 二次 | 充電式単三電池 | | リチウム イオン 電池 | 二次 | スマホ、 ノート PC、 EV (電気自動車) | | 燃料電池 | (連続供給) | 燃料電池自動車 (FCV) |
充電 と は、 電池 に 逆向 き の 電流 を 流 し て、 化学反応 を 逆戻 し す る こ と で す。
| 状態 | 化学反応 |
|---|---|
| 放電 (使 う) | 元 の 物質 → 反応後 の 物質 |
| 充電 | 反応後 の 物質 → 元 の 物質 |
燃料電池 は、 水素 (H₂) と 酸素 (O₂) を 化学反応 さ せ て 電気 を 作 る 装置。 反応後 に 出 る の は 水 だ け な の で、 環境 に や さ し い 電池 と し て 注目 さ れ て い ます。
| 場所 | 反応 |
|---|---|
| [[負極 | ふきょく]] (水素側) |
| [[正極 | せいきょく]] ([[酸素 |
| 全体 | 2H₂ + O₂ → 2H₂O |
| 特徴 | くわ し く |
|---|---|
| 反応後 の 排出物 | 水 (H₂O) だ け |
| 二酸化炭素排出 | 0 (走行時) |
| 効率 | 高 い (60 % 以上 の こ と も) |
| 燃料 | [[水素 |
| 課題 | [[水素 |
| 用途 | 例 |
|---|---|
| [[燃料電池 | ねんりょうでんち]]自動車 |
| 家庭用[[燃料電池 | ねんりょうでんち]] |
| 業務用[[電源 | でんげん]] |
| 宇宙開発 | アポロ 計画 で 採用 |
電池 は 化学反応 を 含 む た め、 取扱 い を 誤 る と 発熱・漏液・爆発 の 危険 が あ り ます。
| 場面 | 危険 | 対策 |
|---|---|---|
| [[電池 | でんち]] の **[[短絡 | たんらく]]** (シ ョ ー ト) |
| [[電池 | でんち]] を 逆向 き に 入 れ る | 発熱、 [[漏液 |
| 混在 (新 + 古、 種類違 い) | [[漏液 | もえき]]、 性能低下 |
| [[電池 | でんち]] を 火 に 入 れ る | **[[爆発 |
| [[電池 | でんち]] を 分解 す る | [[薬品 |
| 使用済 み を 普通 ご み に | 火災・環境汚染 | **[[電池 |
| 場面 | 危険 | 対策 |
|---|---|---|
| ボルタ・ダニエル 電池 の 製作 | う す い [[硫酸 | りゅうさん]]・銅 イ オ ン 水溶液 |
| 金属 と [[薬品 | やくひん]] の 反応 | 水素[[気体 |
| [[燃料電池 | ねんりょうでんち]] の 実験 | 水素 の 取扱 い |
| 電池 の 種類 | 廃棄方法 | |---|---| | 乾電池 (マンガン・アルカリ) | 電池回収 ボックス (ホームセンター・ス ー パ ー) | | ボタン 電池 | 電池回収 ボックス (販売店) | | リチウム イオン 電池 | 資源回収 (発火 の 危険 あ り、 専用 ル ー ト) | | 自動車バッテリー (鉛蓄電池) | カー シ ョップ・ガ ソ リ ン スタンド |
大事: 電池 を 普通 ご み に 出 す と、 ご み 収集車 や 処理場 で 発火 す る 事故 が 増 え て い ます。 必 ず 回収 ボックス に 出 し ま し ょう。
次の 章: 中 3 理科後半 で は、 化学 か ら 生物 (細胞分裂・遺伝) と 地学 (太陽系・宇宙) に 進 み ます。 中 1・中 2 で 学んだ 「身 の 回 り の 自然」 が、 「生命 の 連続性」 と 「宇宙 の 中 の 地球」 に つ な が る 章 で す。