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砂糖を水に入れてかき混ぜると、砂糖が見えなくなります。これは砂糖が「消えた」のではなく、目に見えない小さな粒となって水の中に**広がったからです。このような液を水溶液**といいます。
ポイント: 水溶液は**透明** (向こうが透けて見える) ですが、必ずしも**無色**とはかぎりません。硫酸銅水溶液は青色、過マンガン酸カリウム水溶液はうすい紫色をしています。「透明 = 無色」と思いこまないようにしましょう。
| 言葉 | 意味 | 例 (砂糖水のとき) |
|---|---|---|
| **[[溶質 | ようしつ]]** | とけているもの |
| **[[溶媒 | ようばい]]** | とかしているもの |
| **[[溶液 | ようえき]]** | 全体 (溶質 + 溶媒) |
溶媒が水のとき、特に**水溶液**といいます。エタノールや油などをとかす場合、それぞれ「エタノール溶液」「油溶液」と呼びます。
| 性質 | 説明 |
|---|---|
| 透明 | 向こうが透けて見える |
| 均一 | どの部分をとっても同じ濃さ |
| 時間がたっても分かれない | 上下に放置しても上澄みと下に分かれない |
| ろ紙を通り抜ける | ろ過しても溶質が残らない |
大事: 牛乳やコーヒー牛乳は**白くにごっていて向こうが見えません。これらは水溶液ではなく、小さな粒が水の中に浮かんでいるだけの懸濁液 (けんだくえき)** です。「透明」という条件は水溶液の最重要ポイントです。
砂糖が水にとけるとき、砂糖の小さな粒 (実は分子) が水の粒の間に**入り込んで**広がっていきます。これを**粒子モデル**で表すと、次のようになります。
| 状態 | 粒子のようす |
|---|---|
| とかす前 | 砂糖の粒がかたまって沈んでいる |
| かき混ぜ中 | 砂糖の粒がほどけて散らばり始める |
| とけきった | 砂糖の粒が水全体に**均一**に広がっている |
ポイント: 「とけた」状態は、砂糖が**消えたわけではなく、目に見えないくらい小さな粒に分かれて広がった**状態です。質量はそのまま保たれます (砂糖 10 g + 水 100 g = 砂糖水 110 g)。
水溶液の濃さを表すとき、中学校では**質量パーセント濃度**を使います。
「溶液全体」= 溶質 + 溶媒、 です。「水の質量」と間違えないようにしましょう。
砂糖 20 g を水 80 g にとかしました。砂糖水の濃度は何 % ですか。
| ステップ | 計算 |
|---|---|
| ① 全体の質量 | 20 + 80 = 100 g |
| ② 公式に入れる | 20 ÷ 100 × 100 = 20 % |
10 % の食塩水 200 g を作るには、食塩は何 g 必要ですか。
| ステップ | 計算 |
|---|---|
| ① 必要な食塩の質量を x g とする | x ÷ 200 × 100 = 10 |
| ② 式を解く | x = 200 × 10 ÷ 100 = 20 g |
水は 200 - 20 = 180 g 必要、ということになります。
| 求めるもの | 公式 |
|---|---|
| 濃度 (%) | 溶質 ÷ 溶液全体 × 100 |
| 溶質の質量 (g) | 溶液全体 × 濃度 ÷ 100 |
| 溶液の質量 (g) | 溶質 ÷ 濃度 × 100 |
大事: 「溶液全体 = 溶質 + 溶媒」を必ず意識しましょう。問題文に「水 100 g に食塩 25 g をとかした」と書かれていたら、溶液全体は 125 g です。100 g ではありません。これを間違えると 5 % ほど濃度がずれます。
水にとける物質の量には**限界があります。水 100 g にとかすことができる物質の最大量を溶解度**といいます (単位: g)。
| 物質 | 0 ℃ | 20 ℃ | 40 ℃ | 60 ℃ | 80 ℃ |
|---|---|---|---|---|---|
| 食塩 | 35.7 | 35.8 | 36.3 | 37.1 | 38.0 |
| 硝酸カリウム | 13.3 | 31.6 | 63.9 | 109.2 | 168.8 |
| ホウ酸 | 2.8 | 4.9 | 8.9 | 14.9 | 23.5 |
| ミョウバン | 5.7 | 11.4 | 23.8 | 57.4 | 321.6 |
ポイント: 硝酸カリウム と ミョウバン は、温度が上がると劇的にとける量が増えます。一方、食塩 は温度を上げてもほとんど変わりません。この**温度による違い**が、次に学ぶ「再結晶」のカギになります。
横軸に温度、縦軸に溶解度を取ったグラフを**溶解度曲線**といいます。
| 物質 | 曲線の形 |
|---|---|
| 硝酸カリウム | 急な右上がり |
| ミョウバン | 急な右上がり |
| ホウ酸 | ゆるやかな右上がり |
| 食塩 | ほぼ水平 |
大事: 溶解度曲線を見れば、「ある温度の水 100 g に何 g までとけるか」が一目で分かります。たとえば 60 ℃ の水 100 g に硝酸カリウムは 109.2 g まで、ホウ酸は 14.9 g までとけます。
水にとけている物質を、もう一度**結晶として取り出す方法を再結晶**といいます。中学校では 2 つの方法を学びます。
温度が高いほどよくとける物質は、冷やすととけきれなくなった分が結晶として出てきます。
例: 60 ℃ の水 100 g に硝酸カリウムを 100 g とかし、20 ℃ まで冷やすと?
| ステップ | 計算 |
|---|---|
| 60 ℃ で溶解 | 100 g とけている |
| 20 ℃ の溶解度 | 31.6 g |
| 出てくる結晶の質量 | 100 - 31.6 = 68.4 g |
食塩のように温度の影響をあまり受けない物質は、冷やしても結晶があまり出てきません。この場合は**水を蒸発させて**水の量を減らすと、とけきれなくなった分が結晶として出てきます。
| 物質 | おすすめの方法 |
|---|---|
| 硝酸カリウム・ミョウバン | 冷やす |
| 食塩 | 水を蒸発させる |
| ホウ酸 | どちらでも (主に冷やす) |
ポイント: 再結晶を使うと、**不純物を取り除いた純粋な結晶**を得ることができます。これは化学の基本的な「物質の精製」の方法です。料理で塩を作るときも、海水を蒸発させて塩の結晶を取り出します。
物質ごとに結晶の形は決まっています。
| 物質 | 結晶の形 |
|---|---|
| 食塩 (塩化ナトリウム) | 立方体 (サイコロ型) |
| 硝酸カリウム | 針のような細長い形 |
| ミョウバン | 正八面体 |
| ホウ酸 | うろこ状の薄い板 |
ルーペで観察すると、結晶のきれいな形がよく分かります。
液体の中に固体が混ざっているとき、**ろ紙を使って固体だけを分ける操作をろ過**といいます。再結晶で出てきた結晶を取り出すときに使います。
| ステップ | 操作 | 注意点 |
|---|---|---|
| ① | ろ紙を 4 つに折る | 円すい形に開く |
| ② | ろうとに入れる | 水で湿らせて密着させる |
| ③ | ろうとを**ろうと台**に立てる | ろうとの先がビーカーの**壁につく**ように |
| ④ | **ガラス棒**を使って液を注ぐ | ろ紙の重なった**3 枚側**にあてる |
| ⑤ | ガラス棒を伝わせる | 液をろうとから飛び散らせない |
| ポイント | 理由 |
|---|---|
| ろうとの先をビーカーの壁につける | 液が飛び散らない・ゆっくり流れる |
| ガラス棒を使う | 液の方向を制御できる |
| ろ紙の 3 枚側にあてる | ろ紙が破れにくい |
| 一度にたくさん入れない | 液があふれない |
大事: ろ紙の目より大きな粒は通れずろ紙の上に残り (これを残留物という)、小さな粒や水溶液はろ紙を通り抜けて下のビーカーに集まります (これを**ろ液**という)。
| 水溶液 | におい |
|---|---|
| 食塩水 | 無臭 |
| 砂糖水 | わずかに甘い香り |
| 塩酸 | 刺激臭 (つんとする) |
| 食酢 | 酸っぱいにおい |
| アンモニア水 | 強い刺激臭 |
注意: においをかぐときは、手であおいで少量をかぎます。直接吸い込んではいけません。塩酸やアンモニア水は**強い刺激**があるので特に注意します。
水溶液を蒸発皿に少量取って加熱し、水を蒸発させます。
| 結果 | 溶質の種類 |
|---|---|
| 白い固体が残る | 食塩・砂糖など (固体が溶質) |
| 何も残らない | 塩酸・アンモニア水・炭酸水など (気体が溶質) |
ポイント: 「気体がとけている水溶液」は、加熱すると気体が空気中に出ていくので、何も残りません。塩酸 (塩化水素)、アンモニア水 (アンモニア)、炭酸水 (二酸化炭素) がこのタイプです。
| ルール | 理由 |
|---|---|
| 絶対に飲まない | 体内に入ると有害なものが多い |
| 直接吸わない | 気管支を傷める |
| 直接触らない | 皮ふへのダメージ |
| 保護めがねを着用 | 飛び散り・突沸から目を守る |
| 手についたら大量の水で洗う | 反応をうすめる |
| 使用後は手をよく洗う | 残った薬品を落とす |
大事: 中学校で扱う薬品 (塩酸・水酸化ナトリウム水溶液など) は**強い刺激や腐食性があります。「溶質を飲まない・吸わない・触らない**」を必ず守りましょう。「水溶液 = 安全な水」ではありません。
| 状況 | 対応 |
|---|---|
| 薬品が目に入った | すぐに大量の水で 15 分以上洗い続ける |
| 皮ふに付いた | すぐに水で洗い流す |
| 飲んでしまった | 口をすすぎ、無理に吐かせず大量の水を飲んで先生へ |
| 気分が悪くなった | 換気のよい場所で休む |
この章で学んだことを確かめましょう。
次の章: 第 8 章では、生物の世界に話題を移して、植物の生活と種類 を学びます。光合成・呼吸・植物の分類など、生物分野の基本を身につけます。