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第 4 章では 「力」 を学びます。 ふだん何気なく 「力が強い」 「重い」 と言いますが、 理科では 「力」 を 数値と向きできちんと表す」 ことを学びます。
ポイント: 中学からは 「重い」 と 「質量が大きい」 を区別します。 g (グラム) は物の 質量 の単位、 N (ニュートン) は 重さ = 力 の単位。 月では 「質量は同じでも重さが 6 分の 1」 になるのです。
物に 「力がはたらく」 とはどういうことでしょうか。 つぎの 3 つのどれか (または同時に複数) を起こすことです。
| はたらき | れい |
|---|---|
| ① 動きを変える | 止まっていたボールをけると転がる、 走っている自転車にブレーキをかける |
| ② 形を変える | ねん土を押す、 ばねを引っ張る、 ゴムをのばす |
| ③ 物を支える | 机が本をささえる、 つりひもがブランコをささえる |
大事: 物が動かなくても、 形が変わらなくても、 「支えている」 だけで力ははたらいています。 立っているあなたの足には、 体重と同じ力が床から上にはたらいています。
中 1 で区別する力はつぎの 6 つです。
| 力 | しくみ | れい |
|---|---|---|
| 重力 | 地球が物を中心に引く力 | リンゴが落ちる、 自分が立っていられる |
| 弾性力 | 形が変わった物がもとに戻ろうとする力 | ばね・ゴム・トランポリン |
| 摩擦力 | 触れあう面で動きを妨げる力 | 床をすべらずに歩ける、 ブレーキ |
| 垂直抗力 | 床や壁が物を 押し返す 力 | 机の上の本が落ちない |
| 磁力 | 磁石が鉄を引きつける力 | 冷蔵庫のマグネット |
| 電気の力 | 静電気で髪がさからったりする力 | 下敷が髪を引きつける |
| 種別 | 例 |
|---|---|
| 触れて初めてはたらく 力 | 弾性力・摩擦力・垂直抗力 (押したり触れたり) |
| 離れていてもはたらく 力 | 重力・磁力・電気の力 |
大事: 重力と磁力と電気の力は 触れなくてもはたらく のが不思議な点。 第 2 学年以降や高校で 「場 (ば)」 としてくわしく学びます。
力の大きさは ニュートン (N) という単位で表します。 イギリスの科学者アイザック・ニュートンの名前にちなんでいます。
1 N = 約 100 g (= 0.1 kg) の物にはたらく重力の大きさ
| 物の質量 | はたらく重力 |
|---|---|
| 100 g | 約 1 N |
| 500 g | 約 5 N |
| 1 kg | 約 10 N |
| 10 kg | 約 100 N |
ポイント: きちんと言うと 「1 kg の物にはたらく重力 = 約 9.8 N」 ですが、 中 1 では 「100 g = 約 1 N」 で計算します。
力の大きさをはかる道具に ばねばかり があります。 ばねの のび が、 引いた力の大きさに比例するのを利用します。
ばねののびは、 加えた力の大きさに比例する
これを フックの法則 と言います。 イギリスの科学者ロバート・フックが 1676 年に発表したきまり。
あるばねにおもりをつけ、 のびを測ります。
| おもりの質量 | おもりの重さ | ばねののび |
|---|---|---|
| 100 g | 1 N | 2 cm |
| 200 g | 2 N | 4 cm |
| 300 g | 3 N | 6 cm |
| 400 g | 4 N | 8 cm |
| 500 g | 5 N | 10 cm |
グラフに書くと、 横軸・おもりの重さ、 たて軸・のびとして、 きれいに 原点を通る直線 になります。 これが 「比例」 の形です。
ばねを 引き伸ばし過ぎる と、 ばねが元に戻らなくなり、 比例のきまりがこわれます。 これを 「弾性の限界」 と言います。 普段の実験ではこの限界をこえない範囲で使います。
中 1 で 必ず区別すべき なのが、 質量と重さです。
| 性質 | くわしく |
|---|---|
| 何か | 物の 「物質の量」 |
| 単位 | g、 kg |
| 場所で変わるか | 変わらない (地球でも月でも同じ) |
| 何ではかるか | 上皿天秤 や電子てんびん |
| 性質 | くわしく |
|---|---|
| 何か | 物にはたらく重力の大きさ |
| 単位 | N |
| 場所で変わるか | 変わる (月では 6 分の 1) |
| 何ではかるか | ばねばかり |
| 地球 | 月 | |
|---|---|---|
| 質量 600 g の鉄の球 | 600 g | 600 g (変わらず) |
| その球の重さ | 約 6 N | 約 1 N (6 分の 1) |
| その球をばねばかりにつけると | 6 N をさす | 1 N をさす |
大事: 「質量 = 物そのもの」 「重さ = 引かれる力」。 太陽と月で強さがちがうから、 重さは場所で変わる。 でも 「物そのもの」 が変わらない質量はどこでも同じ。
力は 大きさ・向き・はたらく点 (作用点) の 3 つで決まります。 この 3 つを同時に表すには、 矢印 が便利です。
| 部分 | 表すもの |
|---|---|
| 矢印の 始まり | はたらく点 (作用点) |
| 矢印の 長さ | 力の大きさ (例: 1 N = 1 cm) |
| 矢印の 向き | 力がはたらく向き |
| 力 | 矢印の様子 |
|---|---|
| ① 重力 | 本の中心から 下向き |
| ② 垂直抗力 | 本の底 (机と接する面) から 上向き |
2 つの力が 同じ大きさで反対向き にはたらくので、 本は動かない。 これが 「力のつり合い」 です。
物に 2 つの力がはたらいていても、 物が動かないことがあります。 この状態を 力がつり合っている と言います。
| ① | 2 つの力が 同じ大きさ |
|---|---|
| ② | 2 つの力が 反対の向き |
| ③ | 2 つの力が 同一直線上 にはたらく |
| 例 | はたらく 2 力 |
|---|---|
| 机の上の本 | 重力 (下) と垂直抗力 (上) |
| つり下げられたおもり | 重力 (下) とひもの 張力 (上) |
| 床に立つ自分 | 重力 (下) と床からの垂直抗力 (上) |
| 水の中で浮いているボール | 重力 (下) と 浮力 (上) (第 4 章後半や中 2 で詳しく) |
ポイント: 「動かない = 力がはたらいていない」 ではありません。 「動かない = 力が つり合っている」。 動いていなくても、 重力と垂直抗力が必ずはたらいています。
| 場面 | はたらく力 |
|---|---|
| 自転車をこぐ | 足がペダルを押す力、 タイヤと道の摩擦力 |
| ブレーキ | 摩擦力で止める |
| トランポリン | 弾性力ではね上がる |
| 屋根のつらら | 重力で落ちる (大けがの危険) |
| 磁石で鉄がくっつく | 磁力 |
| 静電気で髪がさからう | 電気の力 |
| ぱちんこ・パチンコで玉をとばす | 弾性力 |
| 自分が立つ・歩く | 重力・垂直抗力・摩擦力が同時に |
この章で学んだことをふりかえりましょう。
次の章: 第 5 章では 「物質の状態」 を学びます。 物を細かく見ていくと、 すべてが 小さなつぶ でできている。 固体・液体・気体の違い、 状態変化、 そして 密度 を学びます。