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私たちが食べる野菜・果物・米はすべて植物から得られます。植物は人間や動物が呼吸する**酸素**を作り出してもくれます。地球上のあらゆる生き物は、植物がいなければ生きていけません。
ポイント: 植物は動かないので「ぼーっと立っているだけ」に見えますが、実は**昼は光合成・夜も呼吸を続け、根から水を吸い・葉から水を出し**、春には花を咲かせ・秋には種を残す、とても忙しい生き物です。
植物は、**太陽光・水・二酸化炭素から、でんぷん (栄養) と酸素 を作り出します。これが光合成**です。
| 材料 | → | 生成物 |
|---|---|---|
| 水 + 二酸化炭素 + (光のエネルギー) | → | でんぷん + 酸素 |
光合成は植物の**葉で行われます。葉の中の葉緑体** (緑色の小さな粒) で起こる反応です。葉が緑色に見えるのは、葉緑体に含まれる**葉緑素 (クロロフィル)** という色素のためです。
①でんぷんができることを確かめる: 葉を**ヨウ素液に浸すと、でんぷんがあれば青紫色**に変わります。日光を当てた葉と当てなかった葉を比べると、当てた葉だけが青紫色になります。
②酸素ができることを確かめる: 水草 (オオカナダモなど) に光を当てると、気泡が出ます。この気泡を試験管に集めて火のついた線香を入れると、激しく燃えます (= 酸素)。
| 項目 | 内容 |
|---|---|
| 行われる場所 | 葉の**[[葉緑体 |
| 必要なもの | 光・水・二酸化炭素 |
| できるもの | でんぷん・酸素 |
| 行われる時間 | 昼間 (光のあるとき) のみ |
| 主な意味 | 自分で**栄養を作る** |
大事: 動物は他の生き物を食べて栄養を得ますが、植物は**自分で栄養を作れます**。これを「独立栄養」といいます。地球上の食べ物の元をたどると、必ず植物の光合成にたどり着きます。
植物も動物と同じように**呼吸をしています。酸素を取り込んで、二酸化炭素を出す** はたらきです。
| 材料 | → | 生成物 |
|---|---|---|
| でんぷん + 酸素 | → | 水 + 二酸化炭素 + (生命活動のエネルギー) |
呼吸は植物の**全身で1 日中**行われます。
| 項目 | 光合成 | 呼吸 |
|---|---|---|
| 取り入れる気体 | 二酸化炭素 | 酸素 |
| 出す気体 | 酸素 | 二酸化炭素 |
| 行われる場所 | 葉緑体 | 全身の細胞 |
| 行われる時間 | 昼間のみ | 1 日中 |
| エネルギー | 取り込む (光エネルギー) | 放出する (生命活動に使う) |
| 時間 | 光合成 | 呼吸 | 全体として出す気体 |
|---|---|---|---|
| 昼 (光あり) | 大 | 小 | 酸素 (光合成 > 呼吸) |
| 夜 (光なし) | なし | 小 | 二酸化炭素 (呼吸のみ) |
大事: 「植物は酸素を出す」と聞くと**夜も酸素を出していると勘違いしがちですが、夜は光合成が止まり、呼吸だけが続くので、夜は二酸化炭素を出して**います。寝室にたくさんの植物を置きすぎると酸欠になる…というのは少し心配しすぎですが、生物学的には正しいことです。
植物の**葉から、水が水蒸気となって出ていくはたらきを蒸散**といいます。
葉の表面 (特に裏側) には、気孔 (きこう) という小さな穴がたくさん開いています。この気孔から水蒸気が出ていきます。気孔は**孔辺細胞** (こうへんさいぼう) という三日月形の細胞で囲まれていて、開閉できます。
| 役割 | 説明 |
|---|---|
| ① 水を吸い上げる | 蒸散が起こると根から水が吸い上げられる (毛管現象とポンプの原理) |
| ② 体温調節 | 水が蒸発すると葉の温度が下がる (打ち水と同じ) |
| ③ ミネラルを運ぶ | 水とともに根から葉まで栄養素を届ける |
①蒸散の場所を調べる: 同じ大きさの葉を 4 枚用意し、ワセリンで気孔をふさぎ、水の減り方を比べます。
| 処理 | 蒸散の量 |
|---|---|
| ワセリンを塗らない | 多い (表 + 裏 + 茎) |
| 葉の表だけにワセリン | 中 (裏 + 茎) |
| 葉の裏だけにワセリン | 少ない (表 + 茎) |
| 葉の両面にワセリン | 最少 (茎のみ) |
ポイント: 葉の**裏側にワセリンを塗ったときに最も水が減らないことから、気孔は葉の裏側に多い** (蒸散も裏が多い) と分かります。これは、強い日光から気孔を守る工夫だと考えられています。
植物の体は、**葉・茎・根**の 3 つの部分からできています。それぞれに役割があります。
| 部分 | 役割 |
|---|---|
| 葉緑体 | 光合成 |
| 気孔 | ガス交換 (蒸散・酸素・二酸化炭素) |
| **[[葉脈 | ようみゃく]]** (ようみゃく) |
茎の中には、水や栄養を運ぶ管が通っています。
| 管 | 運ぶもの | 流れる向き |
|---|---|---|
| **[[道管 | どうかん]]** (どうかん) | 水・無機養分 |
| **[[師管 | しかん]]** (しかん) | 葉でできた栄養 (糖など) |
道管と師管が束になったものを**維管束** (いかんそく) といいます。
| 分類 | 維管束の並び方 | 例 |
|---|---|---|
| 双子葉類 | 輪のように整列 | アサガオ・ヒマワリ・タンポポ |
| 単子葉類 | バラバラに散在 | イネ・ユリ・トウモロコシ |
| 部分 | 役割 |
|---|---|
| 主根・側根 | 水・無機養分の吸収 (双子葉類) |
| ひげ根 | 水・無機養分の吸収 (単子葉類) |
| 根毛 | 表面積を増やす (どの植物にもある) |
| 分類 | 根の形 | 例 |
|---|---|---|
| 双子葉類 | 主根 + 側根 (太い根 + 細い根) | アサガオ・タンポポ |
| 単子葉類 | ひげ根 (たくさんの細い根) | イネ・トウモロコシ |
大事: 双子葉類と単子葉類は、子葉の枚数 (2 枚 / 1 枚)・葉脈 (網状脈 / 平行脈)・茎の維管束 (輪 / 散在)・根 (主根 + 側根 / ひげ根) の 4 つの特徴がきれいに対応します。1 つでも分かれば、ほかの 3 つも判別できます。
種子植物のうち、被子植物は**双子葉類と単子葉類**の 2 つに分かれます。
| 特徴 | 双子葉類 | 単子葉類 |
|---|---|---|
| 子葉の枚数 | 2 枚 | 1 枚 |
| 葉脈 | 網状脈 (網目状) | 平行脈 (平行) |
| 茎の維管束 | 輪のように整列 | バラバラに散在 |
| 根 | 主根 + 側根 | ひげ根 |
| 例 | アサガオ・ヒマワリ・タンポポ・サクラ | イネ・トウモロコシ・ユリ・ツユクサ |
ポイント: スーパーで野菜を観察すると、双子葉類と単子葉類の違いがよく分かります。ピーマン・トマト は双子葉類、ネギ・タマネギ は単子葉類です。葉脈が網目状か平行かを見るのが一番簡単です。
地球上には数十万種の植物がいます。これらを大きく4 つのグループに分けて整理します。
| グループ | 種子をつくる? | 代表例 |
|---|---|---|
| **[[被子植物 | ひししょくぶつ]]** | ◯ (子房に包まれた種子) |
| **[[裸子植物 | らししょくぶつ]]** | ◯ (むき出しの種子) |
| **[[シダ植物 | シダしょくぶつ]]** | × ([[胞子 |
| **[[コケ植物 | コケしょくぶつ]]** | × (胞子でふえる) |
種子植物は、花を咲かせて**種子**を作る植物です。
| 分類 | 種子のでき方 | 例 |
|---|---|---|
| 被子植物 | 種子が**子房**に包まれている (果実になる) | アサガオ・サクラ・トマト |
| 裸子植物 | 種子がむき出し (子房がない) | マツ・スギ・イチョウ・ソテツ |
マツの花は花びらがありません。雌花 (めばな) と 雄花 (おばな) が枝に分かれてついています。雄花は黄色い花粉を大量に出し、風で運ばれて雌花に届きます (風媒花)。
| 部分 | 説明 |
|---|---|
| 葉 | 大きく、根・茎・葉の区別がある |
| 茎 | 地下にある (地下茎) |
| 根 | 普通の根がある |
| ふえ方 | 胞子 (葉の裏の**胞子のう**で作る) |
| 例 | ワラビ・ゼンマイ・スギナ・トクサ |
| 部分 | 説明 |
|---|---|
| 葉・茎・根 | 区別がない (見た目では葉のように見えるが本当の葉ではない) |
| 仮根 | 普通の根ではなく、体を地面に固定する役 |
| ふえ方 | 胞子 |
| 水の吸収 | 体全体から (根がないため) |
| 生える場所 | 湿った日陰 (水がないと生きられない) |
| 例 | ゼニゴケ・スギゴケ |
大事: コケ植物は**根がなく**、体全体で水を吸います。だからコケは**湿った場所**にしか生えません。一方シダは普通の根があるので、もう少し乾いた場所でも生きられます。
| 分類の質問 | YES | NO |
|---|---|---|
| 種子をつくる? | 種子植物へ | 胞子植物へ |
| (種子植物) 種子は子房に包まれている? | 被子植物 | 裸子植物 |
| (被子植物) 子葉は 2 枚? | 双子葉類 | 単子葉類 |
| (胞子植物) 葉・茎・根の区別がある? | シダ植物 | コケ植物 |
このフローチャートを使えば、植物を 1 つ手にしたとき、それがどのグループに属するか順序立てて判別できます。
| ルール | 理由 |
|---|---|
| 植物を勝手に採らない | 個体数が減ると生態系に影響 |
| 私有地に勝手に入らない | 法律違反 |
| 指定された場所だけ採取 | 教師・自治体の許可がある場所のみ |
| 必要な分だけ | 観察に必要な最小限の量だけ採る |
| 生命を大切にする | 植物も生きていることを意識 |
| 採取後は手を洗う | かぶれる植物 (ウルシ・イラクサ) もある |
大事: 植物は動かないからといって、勝手に折ったり抜いたりして良いわけではありません。植物 1 本 1 本にも生命があり、生態系の中で役割を持っています。観察は**目で見る・写真を撮る**を基本とし、採取は最小限にしましょう。
| 植物 | 危険性 |
|---|---|
| ウルシ・ハゼ | 樹液でかぶれる |
| イラクサ | 葉のとげに毒 (痛み・かゆみ) |
| キョウチクトウ | 全体に毒 (誤食すると危険) |
| スズラン | 全体に毒 |
| トリカブト | 強い毒 (触れただけで影響) |
これらの植物は、知らずに触ると皮ふがかぶれたり、誤って食べると中毒を起こしたりします。野外ではむやみに触らない・口に入れないを徹底しましょう。
| 道具 | 用途 |
|---|---|
| ルーペ | 葉脈・気孔を拡大 |
| 顕微鏡 | 葉緑体・細胞を観察 |
| ピンセット | 直接触らずに扱う |
| デジタルカメラ | 採取せず記録 |
| 観察ノート | スケッチ・気づきを記録 |
この章で学んだことを確かめましょう。
次の章: 第 9 章では、地球の話題に戻って 火山と地震 を学びます。日本は世界有数の火山・地震の国。災害から身を守る知識も身につけます。