はじめに
中学 3 年では、 これまでに学んだ文法を 体系として整理 し、 文章を正確に読み書きする土台を完成させます。 この章では、 品詞・活用・敬語・係り受けの四つを一気に総復習します。
この章でできるようになること:
- 10 品詞を見分けられる
- 動詞・形容詞・形容動詞の活用を判定できる
- 助動詞の意味を文脈から見抜ける
- 敬語の 3 分類(尊敬・謙譲・丁寧)を使い分けられる
- 係り受けを取り違えずに長文を読める
1. 10 品詞の見分け
日本語の品詞は次の 10 種類です。 まず自立語と付属語に分けて整理します。
自立語(単独で文節を作れる)
| 活用 | 用言/体言 | 品詞 | 例 |
|---|
| 活用あり | 用言 | 動詞 | 走る・読む・考える |
| 活用あり | 用言 | 形容詞 | 高い・楽しい・美しい |
| 活用あり | 用言 | 形容動詞 | 静かだ・元気だ・きれいだ |
| 活用なし | 体言 | 名詞 | 学校・友人・希望 |
| 活用なし | 修飾 | 副詞 | ゆっくり・とても・しばらく |
| 活用なし | 修飾 | 連体詞 | この・ある・大きな |
| 活用なし | 接続 | 接続詞 | しかし・また・だから |
| 活用なし | 独立 | 感動詞 | ああ・はい・もしもし |
付属語(単独では文節を作れない)
| 活用 | 品詞 | 例 |
|---|
| 活用あり | 助動詞 | れる・られる・せる・たい・ない・う・よう |
| 活用なし | 助詞 | は・が・を・に・と・も・から・ので |
2. 動詞の活用
動詞には五種類の活用形があります。
| 活用形 | あとに続く語 | 例 (走る) |
|---|
| 未然形 | ない・う・よう | 走ら(ない)/走ろ(う) |
| 連用形 | ます・た・て | 走り(ます)/走っ(た) |
| 終止形 | 言い切り | 走る。 |
| 連体形 | 体言に続く | 走る(人) |
| 仮定形 | ば | 走れ(ば) |
| 命令形 | 言い切り (命令) | 走れ。 |
活用の種類
| 種類 | 見分け方 | 例 |
|---|
| 五段活用 | 未然形が「ア段」 | 書く・読む・歩く |
| 上一段活用 | 未然形が「イ段」 | 起きる・見る・着る |
| 下一段活用 | 未然形が「エ段」 | 食べる・教える・寝る |
| カ行変格活用 | 「来る」 のみ | 来る |
| サ行変格活用 | 「する」 とその複合 | する・勉強する |
判別のコツ: 動詞に「ない」 を付けて、 直前の音が ア段なら五段、 イ段なら上一段、 エ段なら下一段。 「来る/する」 は別枠で覚える。
3. 助動詞の意味
助動詞は文の意味を大きく変える付属語です。 代表的なものを整理します。
| 助動詞 | 主な意味 | 例 |
|---|
| れる・られる | 受け身・可能・自発・尊敬 | 雨に降られる/食べられる |
| せる・させる | 使役 | 子に読ませる |
| たい・たがる | 希望 | 行きたい/行きたがる |
| ない・ぬ・ず | 打消 | 行かない/行かず |
| う・よう | 推量・意志・勧誘 | 行こう/読もう |
| そうだ | 様態・伝聞 | 雨が降りそうだ/降るそうだ |
| ようだ | 比況・推定 | 雪のようだ |
| らしい | 推定 | 来るらしい |
| だ・です | 断定 | 学生だ/学生です |
やってみよう: 「先生が話される」 の「れる」 は 尊敬、 「友に話される」 なら 受け身、 「故郷が思い出される」 なら 自発。 文脈で意味が決まります。
4. 敬語の 3 分類
| 種類 | 役割 | 例 |
|---|
| 尊敬語 | 相手の動作を高める | おっしゃる/召し上がる/ご覧になる |
| 謙譲語 | 自分の動作を下げて相手を高める | 申す/いただく/拝見する |
| 丁寧語 | 聞き手に対する丁寧さ | です・ます・ございます |
よくある間違い
✕「先生が申しました」 → ◯「先生がおっしゃいました」
✕「私がおっしゃった通り」 → ◯「私が申し上げた通り」
自分の動作には謙譲語、 相手の動作には尊敬語 が原則です。
5. 係り受け — 長文を正確に読む
係り受けとは、 ある語句がどの語句に掛かるかの関係です。 長い文では特に注意が必要です。
例 (自作)
「私は昨日図書館で 借りた 本を 弟に 渡した。」
- 「昨日」 → 「借りた」 (連用修飾)
- 「図書館で」 → 「借りた」
- 「借りた」 → 「本」 (連体修飾)
- 「本を」 → 「渡した」
- 「弟に」 → 「渡した」
- 「私は」 → 「渡した」 (主語)
誤読を防ぐコツ
長い修飾語は、 どこまでが一つのかたまりか を意識します。 読点(、)の位置や、 助詞の働きを手がかりにすると、 係り受けの誤読を防げます。
まとめ
- 品詞は自立語 8 + 付属語 2 の合計 10 種
- 動詞は活用形 6 種 × 活用の種類 5 種で位置づけ
- 助動詞は意味の見分けが重要
- 敬語は「自分は謙譲、 相手は尊敬」 が原則
- 係り受けは助詞と読点を手がかりに読む
文法は単独で覚えるより、 文章を読み書きする中で使いながら定着 させていきましょう。