二方向敬語は、一つの文の中で動作の主体(する人)と受け手(される人)の両方に敬意を払う表現です。謙譲語+尊敬語を重ねて用い、登場人物の身分関係を読み解く重要な手がかりになります。
| 形 | 構成 | 高める対象 |
|---|---|---|
| 奉り給ふ | 謙譲「奉り」+尊敬「給ふ」 | 受け手+動作主の両方 |
| 聞こえ給ふ | 謙譲「聞こゆ」+尊敬「給ふ」 | 受け手+動作主の両方 |
「源氏、桐壺の更衣に奉り給ふ」なら、「源氏が桐壺の更衣に差し上げなさる」で、動作主の源氏には尊敬(給ふ)、受け手の更衣には謙譲(奉り)が払われ、両者とも高貴と分かります。
試験では 「謙譲+尊敬」の語順から、動作主と受け手の二人がともに高貴な人物だと読み取れるかが問われます。最高敬語(尊敬+尊敬)と混同しないこと。二方向敬語は方向が二つ(受け手と動作主)、最高敬語は一人の最高位への敬意、と区別します。