補助動詞は、本来の具体的な意味を失い、上の語に付いて文法的・補助的な働きをする動詞です。古文の敬語では、この補助動詞の用法がきわめて重要です。
| 用法 | 本動詞(もとの意味) | 補助動詞(敬意のみ) |
|---|---|---|
| 給ふ | 与ふ(お与えになる) | …なさる(尊敬) |
| 奉る | 差し上げる | お…申し上げる(謙譲) |
| 聞こゆ | 申し上げる | お…申し上げる(謙譲) |
| 侍り・候ふ | お仕えする | …です・…ます(丁寧) |
「歌を詠み給ふ」の「給ふ」は、与えるという本来の意味ではなく、「お詠みになる」という尊敬の意味だけを添える補助動詞です。
ポイント 同じ「給ふ」でも、単独で「お与えになる」なら本動詞、ほかの動詞の連用形に付いて「…なさる」なら補助動詞です。本動詞か補助動詞かで訳が変わるため、直前に動詞があるかどうかを必ず確認しましょう。