はじめに
この章では、 物語とはちがう文章 — 説明文 を読む方法を学びます。 段落 の役割、 考え と 理由・事例 の関係、 そして 要約 のしかたを身につけましょう。
この章でできるようになること:
- 形式段落 と 意味段落 のちがいがわかる
- 考え・理由・事例 を文章から見つけられる
- 中心となる語と文を見つけて 要約 できる
- 引用して自分の意見を言える(次章への橋渡し)
1. 説明文のとくちょう
説明文は、 あることについて 事実と考え を順序だててつたえる文章です。 物語の 「だれが・どうした・どう思った」 とはちがって、 「何か」「なぜか」「どんなれいがあるか」 でできています。
段落の 2 種類
- 形式段落 = 一字下げて始まるひとまとまり。 見た目で数えられる
- 意味段落 = 同じ話題の形式段落をまとめた大きなまとまり
たとえば 5 つの形式段落があって、 1〜2 が 「問い」、 3〜4 が 「事例」、 5 が 「まとめ」 なら、 意味段落は 3 つに分けられます。
2. 自作説明文 1 — 「みつばちのふしぎな言葉」(Studia オリジナル)
① みつばちはどうやって仲間にみつのありかを教えているのだろうか。 みつばちには人間のような言葉がない。 でも、 仲間に場所をしっかりと伝えることができる。
② わたしは、 みつばちは 体でつくるおどり を言葉の代わりに使っていると考える。
③ その理由は、 学者が何度も観察した結果、 巣に戻ったみつばちが同じおどりをしたあと、 仲間がその場所に飛んでいくことがわかったからである。
④ 例をあげると、 近い花を見つけたときは 「円形ダンス」、 遠い花を見つけたときは 「8 の字ダンス」 をおどる。 8 の字の向きで太陽からの方向を、 おどる速さで距離を伝える。
⑤ このように、 みつばちは体を使って言葉のように仲間に情報を伝えている。 とてもふしぎな、 人間とは違うコミュニケーションの形である。
段落ごとの役割
| 段落 | 役割 |
|---|
| ① | 問題提起(問い) |
| ② | 考え(中心となる文) |
| ③ | 理由(観察結果) |
| ④ | 事例(円形 / 8 の字ダンス) |
| ⑤ | まとめ |
中心となる文は ②。 これが筆者の一番言いたいことです。
3. 自作説明文 2 — 「昔の道具と今の道具」(Studia オリジナル)
① 私たちのくらしに欠かせない道具は、 時代と共に大きく変わってきた。
② たとえば、 服をあらう道具。 昔は 「洗たく板」 でごしごしこすって洗っていた。 今は 「洗たく機」 がボタン一つできれいにしてくれる。
③ 食事をつくる道具も変わった。 昔は 「かまど」 でたきぎをもやして火をおこした。 今は 「ガスコンロ」 や 「電子レンジ」 ですぐに加熱できる。
④ このように、 道具は人の力と時間を大きく助ける形で進化してきた。 でも、 古い道具を知ることは、 今の便利さのありがたさに気付くことにもつながる。
構成: 時間順 + 並列事例
- ① 全体の話 — 道具が変わってきた
- ②③ 並列事例 — 洗たく / 食事
- ④ まとめ — 進化と学び
4. 中心となる語・文を見つけて 要約 する
要約 とは、 文章の 大事なところだけ を短くまとめることです。 元の文章の 半分以下 の長さが目安。
3 ステップで要約する
- 中心となる語 を ○ で囲む(説明文 1 なら 「みつばち」「おどり」「言葉」)
- 中心となる文 を探す(多くは第 2 段落か最終段落にある)
- 自分の言葉でつなぐ(接続語を使う)
要約例(説明文 1 を 50 字で)
みつばちは 「円形」 や 「8 の字」 のおどりで、 仲間にみつのありかを伝えている。
5. 引用して自分の意見を書く
説明文を読んだあと、 「私はこう思う」 と自分の意見を書く練習をしましょう。 そのとき、 元の文章の大事なところをかぎ「」 で囲んで 引用 すると、 説得力が出ます(くわしくは次章で)。
例: 文章には 「みつばちは体でつくるおどりを言葉の代わりに使っている」 とある。 私は、 動物たちにもいろいろなコミュニケーションの方法があることにおどろいた。
6. まとめ
- 説明文は 形式段落 と 意味段落 で構成される
- 考え → 理由 → 事例 の関係を見つける
- 要約 は中心の語・文を見つけてつなぐ
- 引用 を使って自分の意見を書けると力がつく
次の章では、 自分で文章を書く方法を学びます。