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数学A

条件じょうけん付つき確率かくりつと独立どくりつ試行しこう

最終確認日:

この章しょうで学まなぶこと

確率かくりつの学がく習しゅうをさらに深ふかめ、 「条件じょうけんが与あたえられた場合ばあいの確率かくりつ」 と 「試行しこうが独立どくりつである ときの確率かくりつ」 を学まなびます。

  • 条件付き確率じょうけんつきかくりつ P(B∣A)P(B \mid A) の定義ていぎを理り解かいする
  • 確率の乗法定理かくりつのじょうほうていり で同時どうじ確率かくりつを求もとめる
  • 試行しこうが 独立どくりつ であるとはどういうことかを把は握あくする
  • 反復試行はんぷくしこう の確率かくりつ (ベルヌーイ試行ベルヌーイしこう) を計算けいさんする

ポイント: 「条件じょうけんをつけたら全体ぜんたいが何なん通とおりに変かわるか」 を数かぞえ直なおすことが、 条件付き確率じょうけんつきかくりつのコツです。

1. 条件じょうけん付つき確率かくりつ

定義ていぎ

事象じしょう AA が起おこったことが分わかった上うえで事象じしょうBB が起おこる確率かくりつを条件付き確率じょうけんつきかくりつと呼よび、

P(B∣A)=P(A∩B)P(A)(P(A)>0)P(B \mid A) = \frac{P(A \cap B)}{P(A)} \quad (P(A) > 0)

と定義ていぎします。 「AA を新あたらしい全事象ぜんじしょうとみなしたときの BB の起おこりやすさ」 と解かい釈しゃくできます。

イメージ

赤玉あかだま 3 個こ・白玉しらたま 2 個この袋ふくろから 1 個こ取とり、 戻もどさずにもう 1 個こ取とるとします。 1 個こ目めが 赤あか だったとき、 残のこりは赤あか 2・白しろ 2 の 4 個こなので 2 個こ目めが赤あかである条件じょうけん付つき確率かくりつは 24=12\dfrac{2}{4} = \dfrac{1}{2} です。

例題れいだい 1: トランプ

トランプ 52 枚まいから 1 枚まい引ひいて戻もどさず、 もう 1 枚まい引ひきます。 1 枚まい目めがハートであることが分わかったとき、 2 枚まい目めもハートである確率かくりつは ?

1 枚まい目めがハート → 残のこりのハートは 12 枚まい、 全体ぜんたいは 51 枚まい。 したがって 1251=417\dfrac{12}{51} = \dfrac{4}{17}。

2. 確率かくりつの乗法じょうほう定理ていり

定理ていり

条件じょうけん付つき確率かくりつの定義ていぎを変形へんけいすると

P(A∩B)=P(A)⋅P(B∣A)P(A \cap B) = P(A) \cdot P(B \mid A)

が得えられます。 これを確率の乗法定理かくりつのじょうほうていりと呼よびます。

3 個こ以上いじょうに拡張かくちょう

P(A∩B∩C)=P(A)⋅P(B∣A)⋅P(C∣A∩B)P(A \cap B \cap C) = P(A) \cdot P(B \mid A) \cdot P(C \mid A \cap B)

例題れいだい 2: 連続れんぞく取とり出だし

赤玉あかだま 4 個こ・白玉しらたま 6 個こから戻もどさずに 3 個こ取とり出だすとき、 3 個ことも赤あか である確率かくりつは ?

410×39×28=24720=130\frac{4}{10} \times \frac{3}{9} \times \frac{2}{8} = \frac{24}{720} = \frac{1}{30}

例題れいだい 3: くじ引びき

5 本中ほんなか当あたり 2 本ほんのくじを A、 B がこの順じゅんで引ひくとき、

  • A が当あたる: 最初さいしょに引ひくのでそのまま 25\dfrac{2}{5}
  • B が当あたる: 「A 当とう・B 当とう」 と 「A 外そと・B 当とう」 の和わ = 25×14+35×24=220+620=820=25\dfrac{2}{5}\times\dfrac{1}{4} + \dfrac{3}{5}\times\dfrac{2}{4} = \dfrac{2}{20}+\dfrac{6}{20} = \dfrac{8}{20} = \dfrac{2}{5}

つまり A と B の当あたる確率かくりつは 同おなじ (= 25\dfrac{2}{5})。 引ひく順番じゅんばんは当あたる確率かくりつに影えい響きょうしません。

大事だいじ: 「くじ引びきの公こう平へい性」 として有名ゆうめいな結果けっか。 直ちょっ感かんと違ちがう人ひとも多おおいので、 計算けいさんで確かく認にんすることが大切たいせつ。

3. 独立どくりつな試行しこう

独立どくりつの定義ていぎ

2 つの事象じしょうAA、 BB が 「AA が起おころうが起おこるまいが BB の確率かくりつが変かわらない」 とき、 AA と BB は独立どくりつであると言いいます。

P(B∣A)=P(B)⟺P(A∩B)=P(A)⋅P(B)P(B \mid A) = P(B) \Longleftrightarrow P(A \cap B) = P(A) \cdot P(B)

戻もどして取とる vs 戻もどさず取とる

試行しこう独立どくりつか理由りゆう
サイコロを 2 回かい振ふる○互たがいに影えい響きょうしない
コインを何なん回かいか投なげる○各かく投なげは独立どくりつ
玉たまを戻もどして取とる○中身なかみが元もとに戻もどる
玉たまを戻もどさずに取とる×残のこりが変かわる

例題れいだい 4: 2 個このサイコロ

赤あかと青あおのサイコロを振ふって、 「赤あかが偶数ぐうすうかつ青あおが 5 以上いじょう」 となる確率かくりつは ?

2 つは独立どくりつなので 36×26=16\dfrac{3}{6} \times \dfrac{2}{6} = \dfrac{1}{6}。

4. 反復はんぷく試行しこうの確率かくりつ

定理ていり

1 回かいの試行しこうで事象じしょうAA が起おこる確率かくりつを pp とします。 この試行しこうを 独立どくりつに nn回 繰くり返かえすとき、 AA が ちょうど kk回 起おこる確率かくりつは

Pk=nCk pk (1−p)n−k(k=0,1,2,…,n)P_k = {}_n C_k \, p^k \, (1-p)^{n-k} \quad (k = 0, 1, 2, \ldots, n)

で与あたえられます。 これを反復試行はんぷくしこうの確率かくりつ (= ベルヌーイ試行しこう) と呼よびます。

公式こうしきのしくみ

nn回のうちどの kk回で起おこるかの並ならび方かたが nCk{}_n C_k通とおり、 起おこる kk回の確率かくりつが pkp^k、 起おこらない n−kn-k回の確率かくりつが (1−p)n−k(1-p)^{n-k}。 これらの積せきで表あらわされます。

例題れいだい 5: サイコロで 1 が出でる回数かいすう

サイコロを 5 回かい振ふるとき、 1 の目めがちょうど 2 回かい出でる確率かくりつは ?

p=16p = \dfrac{1}{6}、 n=5n = 5、 k=2k = 2 として

5C2(16)2(56)3=10×136×125216=12507776=6253888{}_5 C_2 \left(\frac{1}{6}\right)^2 \left(\frac{5}{6}\right)^3 = 10 \times \frac{1}{36} \times \frac{125}{216} = \frac{1250}{7776} = \frac{625}{3888}

例題れいだい 6: 不ふ良品りょうひんの確率かくりつ

不ふ良りょう品しな率りつが 5% の部品ぶひんを 10 個こ取とり出だしたとき、 不ふ良りょう品ひんがちょうど 1 個こ含ふくまれる確率かくりつは ?

p=0.05p = 0.05、 n=10n = 10、 k=1k = 1 で

10C1×0.051×0.959≈10×0.05×0.6302≈0.315{}_{10} C_1 \times 0.05^1 \times 0.95^9 \approx 10 \times 0.05 \times 0.6302 \approx 0.315

つまり約やく 31.5%。

5. 章しょう末まつまとめ

概がい念ねん公こう式しき注ちゅう意い
条件じょうけん付つき確率かくりつP(B∣A)=P(A∩B)P(A)P(B\mid A) = \dfrac{P(A\cap B)}{P(A)}AA を新しん全体ぜんたいとみなす
乗法じょうほう定理ていりP(A∩B)=P(A)P(B∣A)P(A\cap B) = P(A) P(B\mid A)連続れんぞく試行しこうで使つかう
独立どくりつP(A∩B)=P(A)P(B)P(A\cap B) = P(A) P(B)戻もどすか戻もどさないかを確かく認にん
反復はんぷく試行しこうnCkpk(1−p)n−k{}_n C_k p^k (1-p)^{n-k}「ちょうど kk回」

次じの章しょうでは: 確率かくりつをもとに 「平均へいきん的に何なにが起おこるか」 を表あらわす 期待値きたいち を学まなびます。 ギャンブルや保ほ険けんの数学すうがく的てき基き礎そとなる重じゅう要ような概がい念ねんです。

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