››
高校数学 A の 出発点 と なる 章 です。 中学 で 「起 こ り う る 場合 を 全部書き出す」 程度 だった 場合の数 を、 高校 で は 樹形図 → 和の法則・積の法則 → 順列公式 と 段階的 に 道具 を そろえ ま す。
ポイント: 公式 を 暗記 す る より、 「何 を 区別 し て、 何 を 区別 し な い か」 を 判断 で き る よう に な る こ と が 大切 です。
たとえ ば 「A、 B、 C の 3 文字 か ら 2 文字 を 並 べ る」 場合 を 数 え ま す。 1 文字目 に A を 取 る と 2 文字目 は B か C の 2 通 り。 1 文字目 が B な ら 2 文字目 は A か C で 2 通 り。 同様 に C か ら も 2 通 り。 合計 (3 \times 2 = 6) 通 り です。
| 1 文字目 | 2 文字目 | 並 び |
|---|---|---|
| A | B | AB |
| A | C | AC |
| B | A | BA |
| B | C | BC |
| C | A | CA |
| C | B | CB |
辞書式 と は アルファベット 順 や 数 の 小 さ い 順 に 並 べ る 整理法 で す。 「漏 れ・重複 が な い か」 の 確認 が し や す く な り ま す。
大事: 数 え 上 げ る と き は 必 ず 順序 を 決 め て 書 き 出 す こ と。 ラ ン ダ ム に 書 く と 必 ず 漏 れ が 出 ま す。
事象 A と B が 同時 に は 起こ ら な い と き、 A ま た は B が 起 こ る 場合 の 数 は
[ (\text{A の 場合 の 数}) + (\text{B の 場合 の 数}) ]
で 求 ま り ま す。 これ を 和の法則 と い い ま す。
例題 1: サ イ コ ロ を 1 個投 げ て 「3 の 倍数」 ま た は 「5」 が 出 る 場合 の 数 は ?
3 の 倍数 は ({3, 6}) の 2 通 り、 5 は 1 通 り。 共通 な し な の で (2 + 1 = 3) 通 り。
事象 A の 後 に 続 け て 事象 B が 起 こ る と き、
[ (\text{A の 場合 の 数}) \times (\text{B の 場合 の 数}) ]
で 全体 の 場合 の 数 が 求 ま り ま す。 これ を 積の法則 と い い ま す。
例題 2: 大中小 3 個 の サ イ コ ロ を 投 げ る と き、 目 の 出方 は 何通 り か。
各 サ イ コ ロ が 6 通 り ず つ 独立 に 起 こ る の で (6 \times 6 \times 6 = 216) 通 り。
| 状況 | 法則 |
|---|---|
| 「A ま た は B」 で 同時 に 起 こ ら な い | 和 の 法則 (足 す) |
| 「A も B も 続 け て」 起 こ る | 積 の 法則 (か け る) |
(1) か ら (n) ま で の 自然数 を す べ て か け 合 わ せ た 数 を (n) の 階乗 と 呼 び、 (n!) と 書 き ま す。
[ n! = n \times (n-1) \times (n-2) \times \cdots \times 2 \times 1 ]
例: (3! = 6)、 (4! = 24)、 (5! = 120)、 (6! = 720)。 約束 と し て (0! = 1) と 定 め ま す。
異なる (n) 個 の も の か ら (r) 個 を 取 り 出 し て 順番 に 並 べ る 並 べ 方 の 総数 を、 (n) 個 か ら (r) 個取 る 順列 と い い、
[ {}_n P_r = \frac{n!}{(n-r)!} = n (n-1) (n-2) \cdots (n-r+1) ]
と 表 し ま す ((r) 個 の 因数 の 積)。
例: ({}_5 P_3 = 5 \times 4 \times 3 = 60)、 ({}_7 P_2 = 7 \times 6 = 42)。
1〜5 の 5 枚 の カ ー ド か ら 3 枚 を 取 り 出 し て 並 べ る 並 べ 方 は ?
({}_5 P_3 = 60) 通 り。
(n) 個 す べ て を 並 べ る と き は ({}_n P_n = n!) 通 り。 例 え ば 5 人 が 1 列 に 並 ぶ 並 び 方 は (5! = 120) 通 り です。
(n) 人 を 円形 に 並 べ る 並 び 方 は ((n-1)!) 通 り。 1 人 を 基準 に 固定 す れ ば、 残 り (n-1) 人 の 並 び 方 は ((n-1)!) だ か ら です。
例: 4 人 が 円形 テ ー ブ ル に 座 る 座 り 方 は ((4-1)! = 6) 通 り。
じゅず順列 は 円順列 を 裏返 し て 同 じ と み な す 並 び 方 で、 (\frac{(n-1)!}{2}) 通 り に な り ま す。 ネックレス の よう に 表裏 が な い も の が こ れ に 当 た り ま す。
(n) 個 の 中 に (p) 個・(q) 個・(r) 個 (\cdots) の 同 じ も の が 含 ま れ る と き、 並 べ 方 の 総数 は
[ \frac{n!}{p! , q! , r! \cdots} \quad (p + q + r + \cdots = n) ]
と な り ま す。
「TOKYO」 の 5 文字 を 並 べ る 並 べ 方 は 何通 り か。
T が 1 個、 O が 2 個、 K が 1 個、 Y が 1 個 で 計 5 文字。 並 べ 方 は (\dfrac{5!}{2!} = \dfrac{120}{2} = 60) 通 り です。
3 区画右、 2 区画上 へ 進 む 最短経路 は (\dfrac{5!}{3! , 2!} = 10) 通 り。 「右 R を 3 個・上 U を 2 個並 べ る 順列」 と 同 じ こ と です。
| 道具 | 公式 | 使 う 場面 |
|---|---|---|
| 樹形図 | — | 小 さ い ケ ー ス で 漏 れ 確認 |
| 和 の 法則 | A + B | 「A ま た は B」 排反 |
| 積 の 法則 | A × B | 「A も B も」 連続 |
| 階乗 | (n!) | 全部並 べ る |
| 順列 | ({}_n P_r = \dfrac{n!}{(n-r)!}) | 順番 を 区別 し 一部 を 並 べ る |
| 円順列 | ((n-1)!) | 円形配置 |
| 同 じ もの 含 む 順列 | (\dfrac{n!}{p! q! \cdots}) | 重複 あ り |
次 の 章 で は: 「順番 を 区別 し な い」 取 り 出 し 方 = 組合せ ({}_n C_r) を 学 び ま す。 順列 と 組合 せ の 違 い を しっかり 押 さ え ま し ょ う。