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倫理

日本にほんの思想しそう

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この章しょうで学まなぶこと

日本にほんの思想しそうは、 古代こだいの神道しんとうを土台どだいに、 仏教ぶっきょう・儒教じゅきょう・西洋せいよう思想しそうを取とり入いれながら独自どくじの発展はってんを遂とげました。 鎌倉かまくら仏教ぶっきょう・江戸えど思想しそうを中心ちゅうしんに学まなびます。

  • 古代こだい神道しんとうと聖徳太子しょうとくたいしの 「和わ」
  • 平安へいあん仏教ぶっきょう: 最澄さいちょう・空海くうかい
  • 鎌倉かまくら仏教ぶっきょう: 法然ほうねん・親鸞しんらん・道元どうげん・日蓮にちれん
  • 江戸えど思想しそう: 朱子学しゅしがく・古学こがく派は・国学こくがく・心学しんがく
  • 武士道ぶしどう

1. 古代こだい神道しんとうと聖徳太子しょうとくたいし

神道しんとう

日本にほん古来こらいのアニミズムあにみずむ的てき信仰しんこう。 山やま・川かわ・木き等とうに神かみが宿やどる (八百万の神やおよろずのかみ)。 祓はらい・禊みそぎで罪つみや穢けがれを清きよめます。

  • 清明心せいめいしん: 偽いつわりのない純粋じゅんすいな心こころ
  • 正直しょうじき: 中世ちゅうせい以降いこう重視じゅうしされた神道しんとうの徳とく

聖徳太子しょうとくたいし (574-622)

十七条憲法じゅうしちじょうけんぽうで 「和をもって貴しとなすわをもってとうとしとなす」 を説ときました。 仏教ぶっきょうを政治せいじ思想しそうと結むすび 「凡夫ぼんぷ」 の自覚じかくを強調きょうちょうしたと伝つたえられます。

聖徳太子の伝統的肖像 (唐本御影)
聖徳太子しょうとくたいし (574-622) の伝統でんとう的てき肖像しょうぞう。 「和を以て貴しと為すわをもってとうとしとなす」 の十七条憲法じゅうしちじょうけんぽうで知しられる。 (Wikimedia Commons, Public domain)

2. 平安へいあん仏教ぶっきょう — 最澄さいちょうと空海くうかい

開祖かいそ宗派しゅうは中心ちゅうしん
最澄さいちょう (767-822)天台宗てんだいしゅう比叡山ひえいざん延暦寺えんりゃくじ。 「一切衆生悉有仏性いっさいしゅじょうしつうぶっしょう」
空海くうかい (774-835)真言宗しんごんしゅう高野山こうやさん金剛峯寺こんごうぶじ。 即身成仏そくしんじょうぶつ (現世げんせいの身みのまま仏ふつとなる)

3. 鎌倉かまくら仏教ぶっきょう — 万まん人にんの救済きゅうさい

平安へいあん末期まっきから鎌倉かまくら期きに、 末法まっぽう思想しそうを背景はいけいに鎌倉新仏教かまくらしんぶっきょうが興おこりました。 万まん人にんの救済きゅうさいを目指めざし、 易えき行あるき (簡単かんたんな実践じっせん) を重視じゅうしします。

浄土じょうど系けい

開祖かいそ宗派しゅうは中心ちゅうしん概念がいねん
法然ほうねん (1133-1212)浄土宗じょうどしゅう専修念仏せんしゅうねんぶつ (ひたすら念仏ねんぶつ)
親鸞しんらん (1173-1262)浄土真宗じょうどしんしゅう悪人正機あくにんしょうき (悪人あくにんこそ阿弥陀あみだ仏ぼとけの救すくいの対象たいしょう)、 絶対他力ぜったいたりき、 自然法爾じねんほうに
一遍いっぺん (1239-1289)時宗じしゅう踊念仏おどりねんぶつ

大事だいじ: 親鸞しんらん 『歎異抄たんにしょう』 に伝つたえられる 「善人なほもて往生をとぐ、いはんや悪人をやぜんにんなほもておうじょうをとぐ、いはんやあくにんをや」 は、 自力じりきで善ぜんを積つめない自覚じかくある 「悪人あくにん」 こそ阿弥陀あみだの本願ほんがんに救すくわれる中心ちゅうしんという教おしえです。

浄土真宗の開祖親鸞の銅像
親鸞しんらん (1173-1262) の銅像どうぞう (広島ひろしま)。 浄土真宗じょうどしんしゅうの開祖かいそで、 悪人正機あくにんしょうきと絶対他力ぜったいたりきを説といた。 (写真しゃしん: Mse511 / Wikimedia Commons, CC0)

禅ぜん系けい

開祖かいそ宗派しゅうは中心ちゅうしん概念がいねん
栄西えいさい (1141-1215)臨済宗りんざいしゅう公案こうあん禅ぜん
道元どうげん (1200-1253)曹洞宗そうとうしゅう只管打坐しかんたざ (ただ坐すわる)、 身心脱落しんしんだつらく、 修証一等しゅしょういっとう (修行しゅぎょうと悟さとりは一ひとつ)
曹洞宗の開祖道元の伝統的肖像
道元どうげん (1200-1253) の伝統でんとう的てき肖像しょうぞう。 曹洞宗そうとうしゅうの開祖かいそで 『正法眼蔵しょうぼうげんぞう』 を著あらわす。 (Wikimedia Commons, Public domain)

日蓮にちれん系けい

日蓮にちれん (1222-1282)。 法華経ほけきょうを唯一ゆいいつの経典きょうてんとし、 「南無妙法蓮華経なむみょうほうれんげきょう」 の唱題だいを説ときました。

4. 江戸えど思想しそう

朱子学しゅしがく

林はやし羅山らざんらが幕府ばくふの官学かんがくとし、 上下じょうげの 「存心持敬そんしんじけい」 を説ときました。

古こ学派がくは

朱子しゅしを介かいさず直接ちょくせつ古典こてんに戻もどろうとする動うごき。

  • 山鹿素行やまがそこう (1622-1685): 士道しどう、 「聖人せいじんの道みち」
  • 伊藤仁斎いとうじんさい (1627-1705): 『論語ろんご』 の 「仁ひとし = 愛あい」 を重視じゅうし
  • 荻生徂徠おぎゅうそらい (1666-1728): 「先王せんおうの道みち」 (古代こだい中国ちゅうごくの制度せいど) を研究けんきゅう、 「経世済民けいせいさいみん」

国学こくがく

仏教ぶっきょう・儒教じゅきょう渡来とらい以前いぜんの日本にほん古来こらいの心こころを探さぐる学問がくもん。

学者がくしゃ主張しゅちょう
賀茂真淵かものまぶち「ますらをぶりますらおぶり」 (万葉集まんようしゅうの雄々おおしさ)
本居宣長もとおりのりなが (1730-1801)『古事記伝こじきでん』 を著あらわす。 「もののあはれもののあわれ」、 「漢意からごころ」 を排はいし 「真心まごころ」 を説とく
平田ひらた篤胤あつたね復古ふっこ神道しんとう
国学者本居宣長の自画像
本居宣長もとおりのりなが (1730-1801) の自画じが像ぞう。 国学こくがくを大成たいせいし 『古事記伝こじきでん』 を著あらわし、 「もののあはれもののあわれ」 を論ろんじた。 (Wikimedia Commons, Public domain)

心学しんがく・庶民しょみん思想しそう

石田梅岩いしだばいがん (1685-1744) は石門心学せきもんしんがくを開ひらき、 「商人の買利は士の禄に同じしょうにんのばいりはしのろくにおなじ」 と商業しょうぎょうの道徳どうとくを説ときました。 また安藤昌益あんどうしょうえきは 『自然真営道しぜんしんえいどう』 で 「万人直耕まんにんちょくこう」 (全すべての人ひとが直接ちょくせつ耕たがやす平等びょうどう社会しゃかい) を唱となえました。

5. 武士ぶし道どうと近代きんだいへの橋渡はしわたし

新渡戸稲造にとべいなぞうの 『武士道ぶしどう』 (1899) は武士ぶしの倫理りんりを西洋せいようへ紹介しょうかい。 義よし・勇いさむ・仁ひとし・礼れい・誠まこと・名誉めいよ・忠義ちゅうぎを中心ちゅうしんとします。

幕末ばくまつ・明治めいじの思想家しそうか: 佐久間象山さくましょうざん 「東洋とうよう道徳どうとく西洋せいよう芸術げいじゅつ (技術ぎじゅつ)」、 福沢諭吉ふくざわゆきち 『学問のすすめがくもんのすすめ』 「天は人の上に人を造らずてんはひとのうえにひとをつくらず」、 中江兆民なかえちょうみん (東洋とうようのルソー)、 内村鑑三うちむらかんぞう (二ふたつの J: Jesus と Japan)、 西田幾多郎にしだきたろう 『善の研究ぜんのけんきゅう』 (純粋経験じゅんすいけいけん)。

章しょう末まつまとめ

  • 神道しんとう・聖徳太子しょうとくたいし (和わ)
  • 平安へいあん: 最澄さいちょう (天台てんだい)・空海くうかい (真言しんごん・即身成仏そくしんじょうぶつ)
  • 鎌倉かまくら: 法然ほうねん (専修せんしゅう念仏ねんぶつ)・親鸞しんらん (悪人正機あくにんしょうき・他力たりき)・道元どうげん (只管打坐しかんたざ)・日蓮にちれん (唱題だい)
  • 江戸えど: 伊藤いとう仁斎じんさい・荻生おぎゅう徂徠そらい (古学こがく)、 本居宣長もとおりのりなが (もののあはれ・真心まごころ)、 石田いしだ梅岩ばいがん (心学しんがく)
  • 近代きんだい: 福沢諭吉ふくざわゆきち・内村うちむら鑑三かんぞう・西田にしだ幾多郎きたろう (純粋じゅんすい経験けいけん)
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