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故事成語 とは、 中国古典 の 故事 (古い 出来事 や 言い伝え) に 由来 する 短い 句 で、 現代 の 日本語 で も 慣用句 と し て 用い られ ます。 この 章 で は 高校漢文 で 頻出 の 故事成語 を 出典 と 共 に 学び ます。
この 章 で でき る よう に なる こと:
| 段 | 内容 |
|---|---|
| 白文 | 以五十歩笑百歩、則何如。 |
| 訓読文 | 五十歩 ヲ 以テ 百歩 ヲ 笑ハバ、 則チ 何如。 |
| 書き下し文 | 五十歩を以て百歩を笑はば、則ち何如。 |
| 現代語訳 | 五十歩逃げ た 者 が 百歩逃げ た 者 を 笑っ たら、 どう だろう か (どちら も 逃げ た こと に 変わり は ない)。 |
出典: 孟子梁恵王上篇。 本質的 に 大差 ない こと を、 一方 が 他方 を 笑う こと の 愚 か さ を 言う。
| 段 | 内容 |
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| 白文 | 楚人有鬻盾与矛者。誉之曰、吾盾之堅、莫能陥也。又誉其矛曰、吾矛之利、於物無不陥也。或曰、以子之矛、陥子之盾、何如。其人弗能応也。 |
| 書き下し文(抜粋) | 楚人に盾と矛とを鬻ぐ者有り。…或るひと曰く、子の矛を以て、子の盾を陥さば、何如、と。其の人応ふること能はざるなり。 |
| 現代語訳 | 楚 の 国 の 人 で、 盾 と 矛 を 売る 者 が いた。 「私 の 盾 は 堅 く て 何 で も 突き 通せ ない」 と 言い、 また 「私 の 矛 は 鋭 く て 何 で も 突き 通す」 と 言っ た。 ある 人 が 「あなた の 矛 で あなた の 盾 を 突い たら どう なる か」 と 問う と、 その 人 は 答え られ なかっ た。 |
出典: 韓非子難一篇。 つじつま の 合わ ない こと を 「矛盾」 と 呼ぶ 由来。
| 段 | 内容 |
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| 白文 | 蛇固無足、子安能為之足。 |
| 訓読文 | 蛇 ハ 固ヨリ 足無シ、 子安ンゾ 能ク 之 ノ 足 ヲ 為サン。 |
| 書き下し文 | 蛇はもとより足無し、子いづくんぞ能く之の足を為さん。 |
| 現代語訳 | 蛇 に は もと もと 足 が ない の に、 君 は どう し て 足 を 描け よう か。 |
出典: 戦国策斉策。 余計 な 付け 足し を 「蛇足」 と 言う 由来。 蛇 の 絵 を 一番早く 描い た 者 が 酒 を 飲 め る 競技 で、 一人 が 余裕 を 見せ て 足 まで 描き 加え た 結果、 「蛇 に 足 は ない」 と 二番目 の 者 に 酒 を 奪わ れ た 故事。
| 段 | 内容 |
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| 白文(要旨) | 鳥宿池辺樹、僧推月下門。 |
| 書き下し文 | 鳥は宿る池辺の樹、僧は推す月下の門。 |
| 現代語訳 | 鳥 は 池 の ほとり の 木 に 宿り、 僧 は 月 の 下 で 門 を 押す。 |
唐 の 詩人賈島 が 自分 の 詩 に 「推」 と 「敲」 の どちら の 字 が よい か 悩み、 馬上 で 思案 し て いる と 韓愈 と 出会い、 助言 を 得 た 故事。 文章 を 何度 も 練り 直す こと を 「推敲」 と 言う。
出典: 唐詩紀事巻四十。
| 段 | 内容 |
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| 書き下し文(要旨) | 塞翁の馬、人間万事塞翁が馬。 |
| 現代語訳 | 国境 の 砦 に 住む 老人 の 馬 を めぐる 故事 から、 人生 の 幸不幸 は 予測 し が たい と いう こと。 |
出典: 淮南子人間訓。 老人 の 馬 が 逃げる → 不幸、 良馬 を 連れ て 帰る → 幸、 息子 が 落馬 し 怪我 → 不幸、 怪我 の ため 戦争 に 行か ず 命 を 全う → 幸 と 転変 する 故事 から、 幸不幸 は 予測 でき ない こと を 表す。
| 段 | 内容 |
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| 白文 | 夜聞漢軍四面皆楚歌。 |
| 訓読文 | 夜漢軍 ノ 四面皆楚歌スル ヲ 聞ク。 |
| 書き下し文 | 夜漢軍の四面皆楚歌するを聞く。 |
| 現代語訳 | 夜、 漢 の 軍 が 四方 から 楚 の 歌 を 歌っ て いる の を 聞い た。 |
出典: 史記項羽本紀。 項羽 が 漢軍 に 包囲 さ れ、 周囲 から 故郷 の 楚 の 歌 が 聞こえ て き て、 楚 の 人々 が 既に 漢 に 降っ た こと を 悟っ た 故事。 周囲 が すべて 敵 で 助け が ない 状態。
| 段 | 内容 |
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| 書き下し文(要旨) | 蚌と鷸と相争ひ、漁父之を得たり。 |
| 現代語訳 | ハマグリ と シギ が 争っ て いる うち に、 漁師 が 両方 を 捕らえ た。 |
出典: 戦国策燕策。 二者 が 争っ て いる 間 に、 第三者 が 利益 を 得る こと。
| 段 | 内容 |
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| 書き下し文(要旨) | 杞国に人有り、天地崩墜せんことを憂ふ。 |
| 現代語訳 | 杞 の 国 に、 天 が 落ち 地 が 崩れる の で は と 心配 し て 食事 も 喉 を 通ら ぬ 人 が いた。 |
出典: 列子天瑞篇。 取り越し 苦労 を 「杞憂」 と 言う 由来。
| 段 | 内容 |
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| 書き下し文(要旨) | 朝に三、暮に四と言へば衆狙皆怒り、朝に四、暮に三と言へば衆狙皆悦ぶ。 |
| 現代語訳 | 飼い 主 が 猿 たち に 「朝 に 三 つ、 暮 に 四 つ の トチ の 実 を やる」 と 言う と 猿 たち は 怒り、 「朝 に 四 つ、 暮 に 三 つ」 と 言い 直す と 喜ん だ。 |
出典: 荘子斉物論、 列子黄帝篇。 目先 の 違い に とらわれ て 本質 を 見失う こと、 また は 言い 換え て 人 を ごまかす こと。
| 段 | 内容 |
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| 書き下し文(要旨) | 兎を待ちて株を守る、復た兎を得ず、身宋国の笑ひと為る。 |
| 現代語訳 | 切り 株 に ぶつかっ て 死ん だ 兎 を 偶然拾っ た 農夫 が、 また 兎 を 得 よう と 切り 株 を 見張り 続け、 二度 と 兎 は 得 られ ず、 国中 の 笑い者 に なっ た。 |
出典: 韓非子五蠹篇。 古い やり方 に 固執 し て 進歩 し ない こと。
| 故事成語 | 出典 | 意味 |
|---|---|---|
| 五十歩百歩 | 孟子 | 本質的 に 大差 ない |
| 矛盾 | 韓非子 | つじつま が 合わ ない |
| 蛇足 | 戦国策 | 余計 な 付け 足し |
| 推敲 | 唐詩紀事 | 文章 を 練り 直す |
| 塞翁が馬 | 淮南子 | 幸不幸 は 予測不能 |
| 四面楚歌 | 史記 | 周囲 すべて 敵 |
| 漁夫の利 | 戦国策 | 第三者 が 利益 |
| 杞憂 | 列子 | 取り越し 苦労 |
| 朝三暮四 | 荘子・列子 | 目先 に とらわれる |
| 守株 | 韓非子 | 古い やり方 に 固執 |
次章 で は 諸子百家 の 思想 (論語・孟子・荘子・老子) を 学び ます。