メインコンテンツへスキップ
‹ 教材一覧に戻る
化学

化学かがく反応はんのうと熱ねつ

最終確認日:

この章しょうで学まなぶこと

第だい 5 章しょうでは、 中学ちゅうがくで学まなんだ 化学反応式かがくはんのうしき を高校こうこうで 「何なに g・何なに mol 反応はんのうして、 何なに kJ の熱ねつが出入でいりするか」 まで計算けいさんできるようになる章しょうです。

  • 化学反応式かがくはんのうしき の書かき方かた (未定係数法みていけいすうほうを含ふくむ)
  • 量的関係りょうてきかんけい (mol 比ひで計算けいさん)
  • 熱化学方程式ねつかがくほうていしき と 反応エンタルピーはんのうエンタルピー (ΔH) の表あらわし方かた
  • 燃焼熱ねんしょうねつ・中和熱ちゅうわねつ・生成熱せいせいねつ・溶解熱ようかいねつ の区別くべつ
  • ヘスの法則ヘスのほうそく で反応はんのうエネルギーを計算けいさん
  • 発熱反応はつねつはんのう・吸熱反応きゅうねつはんのう の区別くべつ

ポイント: 第だい 4 章しょうで学まなんだ mol がここで大だい活躍かつやくします。 反応はんのう式しきの係数けいすうが mol 比ひ であり、 mol 数かずとモル質量しつりょうをかけると質量しつりょうが出でて、 mol 数かずと反応エンタルピーはんのうエンタルピーをかけると 熱量ねつりょう が出でます。

1. 化学かがく反応はんのう式しきを書かく

化学かがく反応はんのう式しきのしくみ

化学かがく反応はんのうでは、 「反応はんのう物ぶつ」 が 「生成せいせい物ぶつ」 に変かわります。 化学かがく反応はんのう式しきでは 左ひだりに反応はんのう物ぶつ、 右みぎに生成せいせい物ぶつ を書かき、 「→」 でつなぎます。

反応はんのう反応はんのう式しき
水素すいそが燃もえて水みずができる2H₂ + O₂ → 2H₂O
メタンが完全かんぜん燃焼ねんしょうCH₄ + 2O₂ → CO₂ + 2H₂O
鉄てつがさびる4Fe + 3O₂ → 2Fe₂O₃
中和ちゅうわ反応はんのうHCl + NaOH → NaCl + H₂O
炭酸たんさん水素すいそナトリウムの加熱かねつ2NaHCO₃ → Na₂CO₃ + H₂O + CO₂

質量しつりょう保存ほぞんの法則ほうそくと係数けいすう

中学ちゅうがくでも学まなんだ 質量保存の法則しつりょうほぞんのほうそく: 反応はんのうの前後ぜんごで 原子げんしの種類しゅるいと数かずは変かわらない = 質量しつりょうも変かわらない。 これを守まもるために係数けいすうをつけます (係数けいすうを変かえるだけで、 化学かがく式しきそのものは変かえない)。

例れい: H₂ + O₂ → H₂O だけでは O が合あわない (左ひだり 2、 右みぎ 1)。 各かく元素げんそを合あわせるために係数けいすうを調整ちょうせい:

2H₂ + O₂ → 2H₂O で H 4 個こ・O 2 個こが左右さゆうとも一致いっち (バランス OK)。

未定みてい係数けいすう法ほう

複雑ふくざつな反応はんのうで係数けいすうを求もとめるときは 未定係数法みていけいすうほう を使つかいます。

例れい: a Cu + b HNO₃ → c Cu(NO₃)₂ + d NO + e H₂O

元素げんそ左辺さへん右辺うへん式しき
Cuaca = c
Hb2eb = 2e
Nb2c + db = 2c + d
O3b6c + d + e3b = 6c + d + e

a = 1 とおき、 順じゅんに解とくと c = 1、 b = 8/3、 d = 2/3、 e = 4/3。 全体ぜんたいを 3 倍ばいして整数せいすう化か:

3Cu + 8HNO₃ → 3Cu(NO₃)₂ + 2NO + 4H₂O

大事だいじ: 化学かがく反応はんのう式しきを書かいたら 必かならず元素げんそごとに数かずを数かぞえてバランスを確認かくにん。 1 個こでも合あわないと計算けいさんが全部ぜんぶずれます。

イオン反応はんのう式しき

水溶液すいようえきの反応はんのうでは、 イオンだけで反応はんのうを表あらわす 場合ばあいがあります。

通常つうじょうの反応はんのう式しきイオン反応はんのう式しき (傍観ぼうかんイオンを除のぞく)
HCl + NaOH → NaCl + H₂OH⁺ + OH⁻ → H₂O
AgNO₃ + NaCl → AgCl↓ + NaNO₃Ag⁺ + Cl⁻ → AgCl↓
BaCl₂ + Na₂SO₄ → BaSO₄↓ + 2NaClBa²⁺ + SO₄²⁻ → BaSO₄↓

「↓」 は 沈殿ちんでん を、 「↑」 は 気体きたい発生はっせい を表あらわします (省略しょうりゃく可か)。

2. 量的りょうてき関係かんけいの計算けいさん

反応はんのう式しきの係数けいすう = mol 比ひ

第だい 4 章しょうの復習ふくしゅう: 化学かがく反応はんのう式しきの係数けいすうは mol 比ひ を表あらわします。 質量しつりょう比ひ・体積たいせき比ひではありません (体積たいせき比ひは気体きたいでのみ)。

例れい: 2H₂ + O₂ → 2H₂O

観点かんてんH₂O₂H₂O
mol 比ひ212
質量しつりょう (g、 1 mol あたり)43236
体積たいせき (L、 標準ひょうじゅん状態じょうたい、 気体きたいのみ)44.822.4(液体えきたいのため)

計算けいさん例れい 1: グルコース C₆H₁₂O₆ 18 g の完全かんぜん燃焼ねんしょう

反応はんのう式しき: C₆H₁₂O₆ + 6O₂ → 6CO₂ + 6H₂O

段階だんかい計算けいさん
C₆H₁₂O₆ 質量しつりょう → mol (分子ぶんし量りょう 180)18 ÷ 180 = 0.1 mol
必要ひつような O₂ (係数けいすう比ひ 1 : 6)0.1 × 6 = 0.6 mol
O₂ mol → 質量しつりょう0.6 × 32 = 19.2 g
O₂ mol → 体積たいせき (標準ひょうじゅん状態じょうたい)0.6 × 22.4 = 13.44 L
発生はっせいする CO₂ (係数けいすう比ひ 1 : 6)0.1 × 6 = 0.6 mol → 0.6 × 44 = 26.4 g

計算けいさん例れい 2: 鉄てつと塩酸えんさんの反応はんのうで発生はっせいする水素すいそ

反応はんのう式しき: Fe + 2HCl → FeCl₂ + H₂↑

例れい: 鉄てつ 5.6 g を十分じゅうぶんな量りょうの塩酸えんさんと反応はんのうさせたとき、 発生はっせいする H₂ の体積たいせき (標準ひょうじゅん状態じょうたい) は ?

段階だんかい計算けいさん
Fe 質量しつりょう → mol (原子げんし量りょう 56)5.6 ÷ 56 = 0.1 mol
H₂ の mol (係数けいすう比ひ 1 : 1)0.1 mol
H₂ mol → 体積たいせき (標準ひょうじゅん状態じょうたい)0.1 × 22.4 = 2.24 L

過不足かふそくのある反応はんのう

反応はんのう物ぶつの一方いっぽうが 少すくなくて先さきになくなる 場合ばあい、 そちらが 限かぎりの反応はんのう物ぶつ になり、 残のこった方ほうは余あまります。

例れい: H₂ 2.0 g と O₂ 16 g を反応はんのうさせた。 どちらが余あまるか。 何なに g 反応はんのうして何なに g の水みずができるか。

段階だんかい計算けいさん
H₂ mol2.0 ÷ 2.0 = 1.0 mol
O₂ mol16 ÷ 32 = 0.5 mol
比ひ (H₂ : O₂ = 2 : 1) で必要ひつような O₂1.0 × (1/2) = 0.5 mol → ぴったり
発生はっせいする H₂O1.0 × (2/2) = 1.0 mol → 1.0 × 18 = 18 g

3. 化学かがく反応はんのうとエネルギー

発熱はつねつ反応はんのうと吸熱ねつ反応はんのう

化学かがく反応はんのうでは エネルギーの出入でいり が起おこります。

種類しゅるい内容ないよう例れい
発熱反応はつねつはんのう周囲しゅういに熱ねつを放出ほうしゅつ (周囲しゅういがあたたかくなる)燃焼ねんしょう (CH₄ + 2O₂ → CO₂ + 2H₂O)、 中和ちゅうわ、 鉄てつのさび
吸熱反応きゅうねつはんのう周囲しゅういから熱ねつを吸収きゅうしゅう (周囲しゅういが冷つめたくなる)炭酸たんさん水素すいそナトリウムの熱ねつ分解ぶんかい、 水みずへの硝酸しょうさんアンモニウムの溶解ようかい
酸化鉄とアルミニウム粉末が激しく発熱し白い火花を散らすテルミット反応の写真
テルミット反応はんのう (発熱反応はつねつはんのうの代表だいひょう) — 2Al + Fe₂O₃ → 2Fe + Al₂O₃。 強烈きょうれつな発熱はつねつで 2000 °C を超こえ、 生成せいせいした鉄てつが融とけて流ながれ出だす。 古ふるくは鉄道てつどうレールの溶接ようせつに使つかわれた。 ΔH ≈ −852 kJ/mol。

反応はんのうエンタルピー (ΔH)

「反応はんのうで出入でいりする熱量ねつりょう」 を表あらわす物理ぶつり量りょうを 反応エンタルピーはんのうエンタルピー と呼よび、 ΔH で表あらわします (単位たんいは kJ/mol)。

ΔH意味いみ
ΔH < 0 (負ふ)発熱はつねつ反応はんのう (系けいから熱ねつが出でて、 内部ないぶエネルギーが減へる)
ΔH > 0 (正せい)吸熱ねつ反応はんのう

ポイント: ΔH は 「生成せいせい物ぶつのエネルギー − 反応はんのう物ぶつのエネルギー」 です。 発熱はつねつ反応はんのうでは生成せいせい物ぶつの方ほうがエネルギーが低ひくいので 負ふ になります。

熱ねつ化学かがく方程式ほうていしきの書かき方かた

反応エンタルピーはんのうエンタルピーを反応はんのう式しきに添そえたものを 熱化学方程式ねつかがくほうていしき と呼よびます。 高校こうこう化学かがくでは次つぎのような形かたちで書かきます (新しん課程かていでは ΔH を末尾まつびに添そえる形かたちを推奨すいしょう)。

反応はんのう熱ねつ化学かがく方程式ほうていしき
水素すいその燃焼ねんしょう (1 mol あたり 286 kJ 発熱はつねつ)H₂ (気き) + (1/2) O₂ (気き) → H₂O (液えき) ΔH = −286 kJ
メタンの燃焼ねんしょう (1 mol あたり 891 kJ 発熱はつねつ)CH₄ (気き) + 2O₂ (気き) → CO₂ (気き) + 2H₂O (液えき) ΔH = −891 kJ
炭素たんその燃焼ねんしょうC (黒鉛こくえん) + O₂ (気き) → CO₂ (気き) ΔH = −394 kJ
中和ちゅうわHCl 水溶液すいようえき + NaOH 水溶液すいようえき → NaCl 水溶液すいようえき + H₂O (液えき) ΔH = −56 kJ
水みずの蒸発じょうはつ (吸熱ねつ)H₂O (液えき) → H₂O (気き) ΔH = +44 kJ

書かくときのルール:

  • 反応はんのう物ぶつ・生成せいせい物ぶつの 状態じょうたい ((気き)・(液えき)・(固かた)・水溶液すいようえき等とう) を必かならず書かく
  • 係数けいすうは 整数せいすうでなくてもよい (1 mol あたりにそろえるため)
  • ΔH は 整数せいすう mol を主体しゅたいとした値あたい

4. 反応はんのう熱ねつの種類しゅるい

反応エンタルピーはんのうエンタルピーは反応はんのうの種類しゅるいで細こまかく分わけられます。 高校こうこう化学かがくで出でる主おもなもの:

燃焼ねんしょう熱ねつ

燃焼熱ねんしょうねつ: 物質ぶっしつ 1 mol が 完全かんぜん燃焼ねんしょう したときに発生はっせいする熱量ねつりょう (発熱はつねつなので ΔH < 0)。

物質ぶっしつ燃焼ねんしょう熱ねつ
H₂ (気き)286 kJ/mol
C (黒鉛こくえん)394 kJ/mol
CH₄ (気き、 メタン)891 kJ/mol
C₂H₅OH (液えき、 エタノール)1368 kJ/mol
C (黒鉛こくえん) → CO₂ で不完全ふかんぜん (CO になった場合ばあい)不完全ふかんぜん燃焼ねんしょうと呼よぶ

中和ちゅうわ熱ねつ

中和熱ちゅうわねつ: 1 mol の水みず H₂O が生成せいせいする中和ちゅうわ反応はんのうで発生はっせいする熱量ねつりょう。 強酸きょうさん・強塩基きょうえんきの場合ばあいはどんな組み合わせくみあわせでも 約やく 56 kJ/mol (ΔH ≒ −56 kJ)。

反応はんのう中和ちゅうわ熱ねつ
HCl + NaOH約やく 56 kJ/mol
HNO₃ + KOH約やく 56 kJ/mol
HCl + NH₃ (弱じゃく塩基えんき)約やく 50 kJ/mol (やや小ちいさい)

ポイント: 強酸きょうさん・強塩基きょうえんきの中和ちゅうわが同おなじ値あたいになるのは、 「H⁺ + OH⁻ → H₂O」 という同おなじイオン反応はんのうだからです。

生成せいせい熱ねつ

生成熱せいせいねつ: 化合かごう物ぶつ 1 mol が その成分せいぶん元素げんその単体たんたいから 生成せいせいするときの熱量ねつりょう。

化合かごう物ぶつ生成せいせい熱ねつ
H₂O (液えき)286 kJ/mol (これは H₂ の燃焼ねんしょう熱ねつと同おなじ)
CO₂ (気き)394 kJ/mol (C の燃焼ねんしょう熱ねつと同おなじ)
NH₃ (気き)46 kJ/mol
NO (気き)−90 kJ/mol (吸熱ねつ: 標準ひょうじゅん状態じょうたいで N₂ + O₂ から NO はできにくい)

溶解ようかい熱ねつ

溶解熱ようかいねつ: 物質ぶっしつ 1 mol を多量たりょうの水みずに溶とかしたときの熱量ねつりょう。

物質ぶっしつ溶解ようかい熱ねつ
NaOH (固かた) → 水溶液すいようえき44 kJ/mol (発熱はつねつ)
H₂SO₄ (液えき) → 水溶液すいようえき95 kJ/mol (大おおきく発熱はつねつ、 「水みず → 酸さん」 の順じゅん厳守げんしゅ)
NH₄NO₃ (固かた) → 水溶液すいようえき−26 kJ/mol (吸熱ねつ: 冷却れいきゃくパックに利用りよう)

5. ヘスの法則ほうそく

法則ほうそくの内容ないよう

ヘスの法則ヘスのほうそく (総そう熱量ねつりょう保存ほぞんの法則ほうそく): 「反応はんのうの経路けいろがちがっても、 出入でいりする 熱量ねつりょうの総和そうわ は同おなじ」。

つまり、 直接ちょくせつ測定そくていできない反応はんのうの反応エンタルピーはんのうエンタルピーも、 既知きちの反応はんのうの組み合わせくみあわせで 計算けいさんで求もとめられる。

計算けいさん例れい: C → CO の生成せいせい熱ねつ

C → CO は直接ちょくせつ測はかれない (実際じっさいは CO₂ まで燃もえやすい) が、 次つぎの 2 つの反応はんのうから求もとめられる:

既知きちの反応はんのうΔH
① C (黒鉛こくえん) + O₂ → CO₂−394 kJ
② CO + (1/2) O₂ → CO₂−283 kJ

求もとめる: ③ C (黒鉛こくえん) + (1/2) O₂ → CO

① − ② = ③ なので、 ΔH₃ = ΔH₁ − ΔH₂ = −394 − (−283) = −111 kJ

結合けつごうエネルギーで求もとめる

化学かがく反応はんのうの反応エンタルピーはんのうエンタルピーは 結合けつごうエネルギー (結合けつごうを切きるのに必要ひつようなエネルギー) を使つかっても求もとめられます。

ΔH (反応はんのうの熱ねつ) = (切きれる結合けつごうのエネルギーの和わ) − (できる結合けつごうのエネルギーの和わ)

結合けつごうエネルギー (kJ/mol)
H−H436
O=O498
O−H463
C−H416
C−C348
C=O803

例れい: H₂ + (1/2) O₂ → H₂O の反応はんのう熱ねつ (発熱はつねつ)

段階だんかい計算けいさん
切きる結合けつごう1 × (H−H) + 0.5 × (O=O) = 436 + 249 = 685 kJ
できる結合けつごう2 × (O−H) = 2 × 463 = 926 kJ
ΔH685 − 926 = −241 kJ (発熱はつねつ)

(精密せいみつ値ちは H₂O が気体きたいか液体えきたいかで変かわるため、 実測じっそく値ち −286 kJ/mol と多少たしょうずれる)

6. 反応はんのう速度そくどと平衡へいこう (発展はってん)

中学ちゅうがく化学かがくで学まなばない、 高校こうこう化学かがくで入いり口くちだけ学まなぶこと:

反応はんのう速度そくど

反応速度はんのうそくど = 単位たんい時間じかんあたりの 反応はんのう物ぶつの減少げんしょう量りょう または 生成せいせい物ぶつの増加ぞうか量りょう。 反応はんのう速度そくどは次つぎの 4 つで大おおきく変かわる。

要因よういん速度そくどへの影響えいきょう
濃度のうど濃こいほど速はやい
温度おんど高たかいほど速はやい (10 °C 上あがると約やく 2 〜 3 倍ばい)
触媒しょくばい反応はんのう経路けいろを変かえて速はやくする (自身じしんは変化へんかしない)
表面積ひょうめんせき固体こたいが細こまかいほど速はやい

化学かがく平衡へいこう

正せい反応はんのうと逆ぎゃく反応はんのうが 同おなじ速度そくど で進すすむ状態じょうたいを 化学平衡かがくへいこう と呼よびます。 高校こうこう化学かがくではさらに ルシャトリエの原理ルシャトリエのげんり (平衡へいこうをずらす方法ほうほう) を学まなびます。

7. 安全あんぜん配慮はいりょ

一般いっぱん的てきな実験じっけん室しつ安全あんぜん

化学かがく反応はんのうと熱ねつの実験じっけんでは、 発熱はつねつ・燃焼ねんしょう・引火いんか が大おおきな危険きけんです。

  • 保護メガネほごめがね 必須ひっす
  • 白衣はくい + 長ながい髪かみを結むすぶ
  • 食事しょくじ厳禁げんきん
  • 消火しょうか器き と 濡ぬれタオル の位置いちを確認かくにん

化学かがく薬品やくひんの取扱とりあつかい

薬品やくひん危険きけん性せい対策たいさく
エタノール、 ジエチルエーテル、 アセトン引火いんか性せい火気かき厳禁げんきん、 ドラフトどらふと、 換気かんき
濃硫酸りゅうさん H₂SO₄強つよい脱水だっすい、 水みずと大量たいりょう発熱はつねつ「水すい → 酸さん」 の順じゅん 厳守げんしゅ、 急いそがない
濃硝酸しょうさん HNO₃強酸きょうさん、 金属きんぞくと反応はんのうして有毒ゆうどくガス (NO₂)ドラフトどらふと
Na、 K水みずと反応はんのうし H₂ 発生はっせい → 発火はっか教師きょうしデモ、 灯油とうゆ中ちゅう保存ほぞん
過酸化水素かさんかすいそ H₂O₂ (高だか濃度のうど)触媒しょくばいとの反応はんのうで急激きゅうげきな発生はっせい保護メガネほごめがね
マグネシウムリボン Mg燃焼ねんしょうで強つよい紫外線しがいせんと高温こうおん直視ちょくししない、 火ひばなみに注意ちゅうい

強酸きょうさん・強塩基きょうえんき

  • 中和ちゅうわ反応はんのうは 発熱はつねつ するので、 ガラス容器ようきが割われる可能かのう性せい
  • HCl・H₂SO₄・HNO₃ + NaOH・KOH の組み合わせくみあわせでは約やく 56 kJ/mol の熱ねつが発生はっせい
  • 大量たいりょうを一気いっきに混まぜない、 撹拌こうはんしながら少すこしずつ
  • こぼしたらすぐに中和ちゅうわ (酸さんは重曹じゅうそう、 塩基えんきは酢す) して拭ふく

加熱かねつ・燃焼ねんしょう

場面ばめん注意ちゅうい
ガスバーナー元栓もとせん → 空気くうき → 燃料ねんりょうの順じゅんで開あけ、 消けすときは逆ぎゃく
燃焼ねんしょう実験じっけん (Mg、 S、 P)保護メガネほごめがねとドラフトどらふと
酸素さんそ充満じゅうまん容器ようきでの燃焼ねんしょう急激きゅうげきな燃焼ねんしょう、 退避たいひ距離きょりを取とる
加熱かねつした試験管しけんかん口くちを自分じぶんや他人たにんに向むけない、 沸騰石ふっとうせきを入いれる
引火いんか性せい溶媒ようばい周囲しゅういに火気かきなし、 換気かんき

ガラス器具きぐ

  • 加熱かねつで割われたガラスは 冷ひえるまで放置ほうち、 軍手ぐんてで拾ひろう
  • 廃液はいえきは 流ながしに捨すてず、 廃液はいえき容器ようきへ
  • ピペットは 口ぐちで吸すわない (中毒ちゅうどく防止ぼうし)

8. ふりかえり

  • [ ]化学反応式かがくはんのうしきをバランスさせて書かける (未定係数法みていけいすうほうを含ふくむ)
  • イオン反応はんのう式しき を書かけ、 「↓」 「↑」 を区別くべつできる
  • [ ]反応はんのう式しきの係数けいすうから mol 比ひ を読よみ取とれる
  • [ ]質量しつりょう・体積たいせき (気体きたい)・mol を自在じざいに換算かんさんできる
  • [ ]発熱反応はつねつはんのうと吸熱反応きゅうねつはんのうを区別くべつできる
  • [ ]反応エンタルピーはんのうエンタルピー (ΔH) の符号ふごう (発熱はつねつ = 負ふ、 吸熱ねつ = 正せい) を言いえる
  • [ ]熱化学方程式ねつかがくほうていしきを状態じょうたい ((気き)(液えき)(固かた)) をつけて書かける
  • [ ]燃焼熱ねんしょうねつ・中和熱ちゅうわねつ・生成熱せいせいねつ・溶解熱ようかいねつを区別くべつできる
  • [ ]ヘスの法則ヘスのほうそくで既知きちの反応はんのうから ΔH を計算けいさんできる
  • [ ]結合けつごうエネルギーから ΔH を概算がいさんできる
  • [ ]燃焼ねんしょう・引火いんか性せい薬品やくひんの安全あんぜんルールを守まもれる

この章しょうの安全あんぜん配慮はいりょ

  • 保護メガネほごめがね必須ひっす (燃焼ねんしょう火ひばな、 飛沫しぶきが目めに入はいらないよう)
  • 引火いんか性せい溶媒ようばい (エタノール、 アセトン、 エーテル) は火気かき厳禁げんきん
  • 濃硫酸りゅうさんと水みずは 「水みず → 酸さん」 の順じゅん 厳守げんしゅ (大だい発熱はつねつで突沸にえ ・ 飛散ひさんの危険きけん)
  • マグネシウムや硫黄いおうの燃焼ねんしょう は直視ちょくししない (紫外線しがいせん・有害ゆうがいガス)
  • 酸素さんそ中での燃焼ねんしょう は急激きゅうげきで危険きけん、 退避たいひ距離きょりを確保かくほ
  • 加熱かねつで割われたガラスは 冷ひえるまで放置ほうち し、 軍手ぐんてで拾ひろう
  • 廃液はいえきは 必かならず廃液はいえき容器ようき へ (流ながしに捨すてない)

次じの章しょうへ: ここまでで高校こうこう化学かがく (化学かがく基礎きそ部分ぶぶん) の 基本きほん道具どうぐ = 物質ぶっしつ・原子げんし・周期しゅうき表ひょう・結合けつごう・mol・熱ねつ がそろいました。 この後のちはこの 5 章しょうを土台どだいに、 第だい 6 章しょうで 酸さんと塩基えんき、 第だい 7 章しょうで 酸化さんか還元かんげん を詳くわしく学まなびます。 中和ちゅうわ滴定てきていや電池でんち・電気分解でんきぶんかいの計算けいさんに、 mol と熱ねつの知識ちしきが全すべて生いきてきます。

酸素量の違いで色が黄→青に変わる炎の比較写真
ガスバーナーの炎ほのお — 空気弁くうきべんを開ひらくほど酸素さんそが多おおく入はいり、 黄色きいろい還元炎かんげんえんから高温こうおんの青あおい酸化炎さんかえんへ変かわる。 完全かんぜん燃焼ねんしょうの青あお炎えんは 1500℃ 以上いじょうになる。
この教材きょうざいは役やくに立たちましたか?