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化学

化学かがくを学まなぶ

最終確認日:

この章しょうで学まなぶこと

高校こうこう化学基礎かがくきその第だい 1 章しょうは、 「化学かがくとは何なにをする学問がくもんか」 を理解りかいし、 中学ちゅうがくで学まなんだ内容ないようを高校こうこう流りゅうに整理せいりし直なおす章しょうです。 中学ちゅうがく理科りかの 「原子げんし」 「分子ぶんし」 「化学反応式かがくはんのうしき」 を土台どだいに、 高校こうこうで 1 年ねん半はん 〜 2 年ねん半はん学まなぶ化学かがくの全体ぜんたい像ぞうをつかみます。

  • 物質ぶっしつ を 「純物質じゅんぶっしつ」 と 「混合物こんごうぶつ」 に分類ぶんるいできる
  • 純物質じゅんぶっしつを 単体たんたい と 化合物かごうぶつ に分類ぶんるいできる
  • 元素げんそ と 単体たんたい のちがいを説明せつめいできる
  • 物理変化ぶつりへんか と 化学変化かがくへんか を区別くべつできる
  • 同素体どうそたい の例れい (酸素さんそ O₂ とオゾン O₃ など) をあげられる
  • 化学かがく実験じっけんの基本きほん安全あんぜんルールを守まもれる

ポイント: 中学ちゅうがくで 「物質ぶっしつ」 「原子げんし」 「分子ぶんし」 を学まなびました。 高校こうこう化学かがくではさらに細こまかく、 「目めで見みえる物質ぶっしつの性質せいしつ」 と 「目めで見みえない原子げんし・分子ぶんしのふるまい」 をつなげて考えかんがえます。 この章しょうはその 「橋渡はしわたし」 の章しょうです。

1. 化学かがくとは何なにか

化学かがくの定義ていぎ

化学かがく (Chemistry) とは、 「物質ぶっしつの構造こうぞう・性質せいしつ・変化へんか を研究けんきゅうする学問がくもん」 です。 たとえば次つぎのような問いといを化学かがくは扱あつかいます。

問いといの例れいどんな化学かがくの知識ちしきを使つかうか
水みず H₂O はなぜ 100 °C で沸騰ふっとうするか分子ぶんし間の引力いんりょく (水素すいそ結合けつごう)、 状態じょうたい変化へんか
食塩しょくえん NaCl はなぜ水みずによく溶とけるかイオン結合イオンけつごう、 水和すいわ
鉄てつ Fe はなぜさびるか酸化還元さんかかんげん反応はんのう、 電子でんしのやり取とり
プラスチックはなぜ燃もえるか有機ゆうき化合かごう物ぶつ、 C と H の結合けつごう
電池でんちはなぜ電気でんきを流ながすか酸化還元さんかかんげん反応はんのうと電子でんしの流ながれ

化学かがくが扱あつかう範囲はんい

化学かがくは次つぎのような大おおきな領域りょういきに分わかれます。 高校こうこうではその入いり口くちを学まなびます。

分野ぶんや扱あつかう内容ないよう高校こうこうでの位置いち
無機むき化学かがくH, C, N, O, Na, Cl, Fe など元素げんそとその化合かごう物ぶつ (有機ゆうきを除のぞく)化学かがく (発展はってん)
有機ゆうき化学かがく炭素たんそ C を中心ちゅうしんとした化合かごう物ぶつ (CH₄, C₂H₅OH, C₆H₆ など)化学かがく (発展はってん)
物理ぶつり化学かがく化学かがく反応はんのうのエネルギー・速度そくど・平衡へいこうを数式すうしきで表あらわす化学かがく基礎きそ・化学かがく
分析ぶんせき化学かがく物質ぶっしつを同定どうていし、 量りょうをはかる (滴定てきてい・クロマトグラフィー)化学かがく基礎きそ・化学かがく
生化学せいかがく生命せいめい現象げんしょうを化学かがくで説明せつめい (タンパク質たんぱくしつ・DNA)高校こうこうではふれる程度ていど

中学ちゅうがく理科りかから高校こうこう化学かがくへ

中学ちゅうがくで学まなんだこと高校こうこう化学かがくでの発展はってん
原子げんしはそれ以上いじょう分わけられない原子げんしは 陽子ようし + 中性子ちゅうせいし + 電子でんし ででき、 電子配置でんしはいちが性質せいしつを決きめる
分子ぶんしは原子げんしが結むすびついたもの共有結合きょうゆうけつごう・イオン結合イオンけつごう・金属結合きんぞくけつごうと種類しゅるいを区別くべつ
化学反応式かがくはんのうしきで変化へんかを表あらわすmol で 量的りょうてき関係かんけい を計算けいさん
酸さん・アルカリあるかり・中和ちゅうわpHを対数たいすうで表あらわす、 電離度でんりど、 緩衝液かんしょうえき
酸化還元さんかかんげんと電池でんち酸化数さんかすう、 電気分解でんきぶんかい、 電池でんちの起電きでん力りょく

大事だいじ: 中学ちゅうがく化学かがくでは 「だいたいこうなる」 で OK でしたが、 高校こうこう化学かがくでは 「何なに g・何なに mol で、 何なに g・何なに mol ができるか」 と 数値すうち で表あらわします。 mol (モル、 第だい 4 章しょう) がその鍵かぎになります。

2. 物質ぶっしつの分類ぶんるい

純じゅん物質ぶっしつと混合こんごう物ぶつ

身みのまわりの 「もの」 はすべて 物質ぶっしつ です。 物質ぶっしつはまず 「純物質じゅんぶっしつ」 と 「混合物こんごうぶつ」 に分類ぶんるいされます。

区分くぶん定義ていぎ例れい
純物質じゅんぶっしつ1 種類しゅるいだけの物質ぶっしつでできている水みず H₂O、 食塩しょくえん NaCl、 酸素さんそ O₂、 鉄てつ Fe、 銅どう Cu
混合物こんごうぶつ2 種類しゅるい以上いじょうの物質ぶっしつが混まじっている海水かいすい (水すい + 食塩しょくえん + …)、 空気くうき (N₂ + O₂ + …)、 牛乳ぎゅうにゅう、 石油せきゆ

純じゅん物質ぶっしつの区別くべつのしかた

純じゅん物質ぶっしつは 融点ゆうてん や 沸点ふってん が一定いっていの値あたいを示しめします。 混合こんごう物ぶつは融点ゆうてん・沸点ふってんが一定いっていでなく、 沸騰ふっとうの間まに温度おんどが変化へんかします。

性質せいしつ純物質じゅんぶっしつ混合物こんごうぶつ
融点ゆうてん・沸点ふってんが一定いってい○✕
化学かがく式しきで表あらわせる○✕
ろ過ろか・蒸留じょうりゅうで分わけられる✕ (分わけても同おなじ物質ぶっしつ)○

混合こんごう物ぶつの分離ぶんりの方法ほうほう

混合こんごう物ぶつはさまざまな 分離ぶんり 操作そうさで純じゅん物質ぶっしつに分わけられます。 高校こうこう化学かがくでよく出でる主おもな方法ほうほうは次つぎのとおりです。

方法ほうほう原理げんり例れい
ろ過ろか液体えきたいと固体こたいのちがい泥水どろみずから砂すなを除のぞく
蒸留じょうりゅう沸点ふってんのちがい海水かいすいから真水まみずを取とり出だす
分留ぶんりゅう沸点ふってんのちがい (連続れんぞく的てきに)石油せきゆをガソリン・灯油とうゆなどに分わける
再結晶さいけっしょう温度おんどによる溶解度ようかいどのちがい不純物ふじゅんぶつを含ふくむ硝酸カリウムしょうさんかりうむを純粋じゅんすいに
抽出ちゅうしゅつ溶媒ようばいへの溶とけやすさのちがいコーヒー豆まめからカフェインを取とり出だす
昇華法しょうかほう昇華しょうか (固体こたい → 気体きたい) のちがいヨウ素もと I₂ を砂すなから取とり出だす
クロマトグラフィー吸着きゅうちゃくのしやすさのちがい葉はの色素しきそを分わける

ポイント: 蒸留じょうりゅうと分留ぶんりゅうはどちらも 「沸点ふってんのちがい」 が原理げんりですが、 1 回かいの加熱かねつで終おわるのが蒸留じょうりゅう、 連続れんぞく的てきに何なん段だんもくりかえして細こまかく分わけるのが分留ぶんりゅうです。

単体たんたいと化合かごう物ぶつ

純物質じゅんぶっしつはさらに 「単体たんたい」 と 「化合物かごうぶつ」 に分わけられます。

区分くぶん定義ていぎ例れい
単体たんたい1 種類しゅるいの元素げんそだけでできている水素すいそ H₂、 酸素さんそ O₂、 鉄てつ Fe、 銅どう Cu、 ダイヤモンド C
化合物かごうぶつ2 種類しゅるい以上いじょうの元素げんそでできている水みず H₂O、 食塩しょくえん NaCl、 二酸化炭素にさんかたんそ CO₂、 メタン CH₄

物質ぶっしつの分類ぶんるいまとめ

大分おおいた類るい小しょう分類ぶんるい具体ぐたい例れい
物質ぶっしつ → 純物質じゅんぶっしつ → 単体たんたい—H₂、 O₂、 N₂、 Fe、 Cu、 Al、 C (ダイヤモンド)
物質ぶっしつ → 純物質じゅんぶっしつ → 化合物かごうぶつ—H₂O、 NaCl、 CO₂、 NH₃、 CH₄、 C₂H₅OH
物質ぶっしつ → 混合物こんごうぶつ—空気くうき、 海水かいすい、 牛乳ぎゅうにゅう、 ステンレス鋼こう、 石油せきゆ

3. 元素げんそと単体たんたい

元素げんその定義ていぎ

元素げんそ とは、 「物質ぶっしつを構成こうせいする基本きほん的てきな成分せいぶん」 を表あらわす概念がいねんです。 現在げんざい、 自然しぜんに存在そんざいする元素げんそは約やく 90 種類しゅるい、 人工じんこう的てきに作つくられたものを含ふくめると 118 種類しゅるいが知しられています。

代表だいひょう的てきな元素げんそと元素記号げんそきごう (一部いちぶ) を示しめします。

元素げんそ記号きごう由来ゆらい
水素すいそHHydrogen (水すいを作つくるもの)
ヘリウムHeHelium (太陽たいようを意味いみする Helios)
炭素たんそCCarbon
窒素ちっそNNitrogen
酸素さんそOOxygen
ナトリウムNaNatrium (ラテン語ご)
マグネシウムMgMagnesium
アルミニウムAlAluminium
硫黄いおうSSulfur
塩素えんそClChlorine
カリウムKKalium (ラテン語ご)
カルシウムCaCalcium
鉄てつFeFerrum (ラテン語ご)
銅どうCuCuprum (ラテン語ご)
銀ぎんAgArgentum (ラテン語ご)
金かねAuAurum (ラテン語ご)

元素げんそと単体たんたいのちがい

「元素げんそ」 と 「単体たんたい」 は中学ちゅうがくではあいまいに使つかわれがちでしたが、 高校こうこう化学かがくでは厳密げんみつに区別くべつします。

用語ようご意味いみ文ぶんの例れい
元素げんそ物質ぶっしつを構成こうせいする基本きほん成分せいぶん (概念的がいねんてき)「水みず H₂O は水素すいそと酸素さんその 元素げんそ からなる」
単体たんたいその元素げんそだけでできた実在じつざいの物質ぶっしつ「水素すいそガス H₂ は水素すいその 単体たんたい である」

文ぶんを見みて判断はんだんするコツ:

  • 「○○ の元素げんそ」 → 概念がいねん (中身なかみを指さしている)
  • 「○○ の単体たんたい」 → 実在じつざいする物質ぶっしつ (ガスや金属きんぞくなど)

大事だいじ: 「水みずは水素すいそと酸素さんそでできている」 と言いうときの 「水素すいそ」 「酸素さんそ」 は 元素げんそ を指さします。 「水素すいそガスを集あつめた」 と言いうときの 「水素すいそガス」 は 単体たんたい (H₂) です。 文脈ぶんみゃくで使つかい分わけましょう。

元素げんそを確認かくにんする方法ほうほう

ある物質ぶっしつにどんな元素げんそが含ふくまれているかを調しらべる方法ほうほうとして、 高校こうこう化学かがくでは次つぎの例れいが出でます。

方法ほうほう確認かくにんできる元素げんそしくみ
炎色反応えんしょくはんのうNa (黄き)、 K (赤あか紫むらさき)、 Li (赤あか)、 Ca (橙だいだい赤あか)、 Ba (黄き緑みどり)、 Cu (青あお緑みどり)元素げんそごとに炎ほのおの色いろがちがう
沈殿反応ちんでんはんのうCl⁻ (白しろ沈)、 SO₄²⁻ (白しろ沈)、 Ag⁺ (黒褐色こっかっしょく)試薬しやくを加くわえて沈殿ちんでんができるか
気体きたいの捕集としゅうCO₂ (石灰せっかい水すいを白濁はくだく)、 H₂ (爆鳴な気き)、 O₂ (火ひを強つよめる)中学ちゅうがくで学まなんだ確認かくにん法ほう

4. 同素体どうそたい

同素体どうそたいとは

同素体どうそたい とは、 「同おなじ元素げんそからなる単体たんたい でありながら、 性質せいしつがちがう ものどうし」 を指さします。 原子げんしのつながり方かたや結晶けっしょうの構造こうぞうがちがうために、 色いろ・融点ゆうてん・硬さかたさ・電気伝導性でんきでんどうせいなどが大おおきく異ことなります。

高校こうこうでよく出でる同素体どうそたい

元素げんそ同素体どうそたいの例れい性質せいしつのちがい
酸素さんそ O酸素さんそ O₂、 オゾン O₃O₂ は無色むしょく無臭むしゅう、 O₃ は淡あわ青色あおいろ・特有とくゆうのにおい・強つよい酸化作用さんかさよう
炭素たんそ Cダイヤモンド、 黒鉛こくえん (グラファイト)、 フラーレン (C₆₀)、 カーボンナノチューブダイヤモンドは無色むしょく透明とうめい・最高さいこうの硬さかたさ・電気でんきを通とおさない / 黒鉛こくえんは黒くろ・やわらかい・電気でんきを通とおす
硫黄いおう S斜はす方かた硫黄いおう S₈、 単たん斜はす硫黄いおう S₈、 ゴム状じょう硫黄いおう結晶けっしょうの形かたちや弾性だんせいがちがう
リン P黄きリン (白しろリン) P₄、 赤あかリン黄きリンは自然しぜん発火はっか性せい・有毒ゆうどく、 赤あかリンは比較的ひかくてき安定あんてい・マッチの側がわ薬やく

炭素たんその同素体どうそたいをくらべる

同素体どうそたい構造こうぞう色いろ硬さかたさ電気でんき用途ようと
ダイヤモンド正せい四よん面体めんていがくりかえす共有結合の結晶きょうゆうけつごうのけっしょう無色むしょく最高さいこう通とおさない宝石ほうせき、 切削せっさく工具こうぐ
黒鉛こくえん平面へいめん状じょうの層そうがファンデルワールス力りょくで重かさなる黒くろやわらかいよく通とおす鉛筆えんぴつのしん、 電極でんきょく
フラーレン C₆₀サッカーボール型がたの分子ぶんし黒くろ—半導体はんどうたい的てき研究けんきゅう、 材料ざいりょう開発かいはつ
カーボンナノチューブ黒鉛こくえんを筒つつ状じょうに巻まいた構造こうぞう黒くろ非常ひじょうに強つよい通とおす高こう強度きょうど材料ざいりょう、 半導体はんどうたい

ポイント: 「同素体どうそたい」 は 同おなじ元素げんその単体たんたいどうし です。 「水すい H₂O と過酸化水素かさんかすいそ H₂O₂」 や 「メタン CH₄ とエタン C₂H₆」 は化合かごう物ぶつどうしなので同素体どうそたいではありません。 必かならず 「単体たんたいどうし」 という条件じょうけんを思おもい出だしてください。

5. 物理ぶつり変化へんかと化学かがく変化へんか

物理ぶつり変化へんか

物理変化ぶつりへんか とは、 「物質ぶっしつそのものは変かわらず、 形かたちや状態じょうたい (固体こたい・液体えきたい・気体きたい) だけが変かわる変化へんか」 です。

例れい何なにが変かわるか物質ぶっしつは ?
氷こおりがとけて水みずになる状態じょうたい (固体こたい → 液体えきたい)H₂O のまま
水みずが蒸発じょうはつする状態じょうたい (液体えきたい → 気体きたい)H₂O のまま
砂糖さとうが水みずに溶とける形かたち (粒つぶ → 水溶液すいようえき)砂糖さとうと水みずのまま
鉄てつを細こまかく切きる形かたち (大おおきさ)Fe のまま

化学かがく変化へんか

化学変化かがくへんか (化学かがく反応はんのう) とは、 「もとの物質ぶっしつとは別べつの物質ぶっしつ が生しょうじる変化へんか」 です。 化学反応式かがくはんのうしきで表あらわせます。

例れい反応はんのう式しき何なにが起おこるか
水素すいそが酸素さんそと反応はんのうして水みずができる2H₂ + O₂ → 2H₂O別べつの物質ぶっしつ (水すい) ができる
鉄てつが燃もえて酸化さんか鉄てつになる4Fe + 3O₂ → 2Fe₂O₃別べつの物質ぶっしつ (酸化さんか鉄てつ) ができる
炭酸たんさん水素すいそナトリウムが加熱かねつで分解ぶんかい2NaHCO₃ → Na₂CO₃ + H₂O + CO₂3 種類しゅるいの別べつの物質ぶっしつができる
塩酸えんさんと水酸化すいさんかナトリウムが中和ちゅうわHCl + NaOH → NaCl + H₂ONaCl と H₂O ができる

物理ぶつり変化へんかと化学かがく変化へんかの見分みわけ方かた

観点かんてん物理変化ぶつりへんか化学変化かがくへんか
別べつの物質ぶっしつができるかできないできる
化学かがく式しきが変かわるか変かわらない変かわる
もとにもどせるか多おおくはもどせる (氷こおり ↔ 水みず)もどしにくい (一般いっぱんに)
例れい融解ゆうかい・蒸発じょうはつ・凝固ぎょうこ・溶解ようかい燃焼ねんしょう・中和ちゅうわ・酸化さんか・還元かんげん・分解ぶんかい・化合かごう

状態じょうたい変化へんか (物理ぶつり変化へんかの代表だいひょう)

名称めいしょう変化へんか
融解ゆうかい固体こたい → 液体えきたい (氷こおり → 水みず)
凝固ぎょうこ液体えきたい → 固体こたい (水すい → 氷こおり)
蒸発じょうはつ / 沸騰ふっとう液体えきたい → 気体きたい (水すい → 水蒸気すいじょうき)
凝縮ぎょうしゅく気体きたい → 液体えきたい (水蒸気すいじょうき → 水みず)
昇華しょうか固体こたい → 気体きたい (ドライアイス CO₂、 ヨウ素もと I₂)
凝華ぎょうか (析出せきしゅつ)気体きたい → 固体こたい

大事だいじ: 「燃もえる」 「さびる」 「腐くさる」 「爆発ばくはつする」 「色しょくが変かわる」 は化学かがく変化へんかのサインです。 一方いっぽう、 「形がたが変かわる」 「溶とける」 「蒸発じょうはつする」 「冷ひえる」 は物理ぶつり変化へんかのことが多おおいです。

6. 化学かがくを学まなぶための道具どうぐ

よく使つかう実験じっけん器具きぐ

高校こうこう化学かがくの実験じっけんでは、 中学ちゅうがくと同おなじ器具きぐに加くわえて、 高校こうこうで新あたらしく出でてくる器具きぐがあります。

器具きぐ使つかい方かた
ビーカー反応はんのうを起おこす、 物質ぶっしつを溶とかす (体積たいせきは正確せいかくでない)
メスシリンダーめすしりんだー液体えきたいの体積たいせきを 1 mL 単位たんいではかる
ホールピペット一定いってい体積たいせき (10 mL など) を正確せいかくにはかる
メスフラスコ一定いってい体積たいせき (100 mL など) の標準溶液ひょうじゅんようえきを作つくる
ビュレット滴定てきていで液えきを少すこしずつ加くわえる
こまごめピペット少量しょうりょうの液えきを移うつす (ゴム球だま付つき)
試験管しけんかん少量しょうりょうの反応はんのうを観察かんさつ
ガスバーナー加熱かねつ
電子天秤でんしてんびん質量しつりょうを 0.01 g 単位たんいではかる

単位たんいと接頭せっとう語ご

化学かがくでは SI 単位たんい を使つかいます。 数かずが大おおきいとき・小ちいさいときは 接頭せっとう語ご を使つかいます。

接頭せっとう語ご記号きごう倍率ばいりつ
キロk10³ (1 000)
ヘクトh10² (100)
(基本きほん)—1
ミリm10⁻³ (0.001)
マイクロμ10⁻⁶
ナノn10⁻⁹
ピコp10⁻¹²
物理ぶつり量りょう単位たんい例れい
質量しつりょうg (グラム)、 kg1 kg = 10³ g
体積たいせきL (リットル)、 mL1 L = 10³ mL = 10³ cm³
物質ぶっしつ量りょうmol (モル)第だい 4 章しょうで学まなぶ
温度おんどK (ケルビン)、 °CT [K] = t [°C] + 273
圧力あつりょくPa (パスカル)1 atm ≒ 1.013 × 10⁵ Pa
濃度のうどmol/Lモル濃度モルのうど

有効ゆうこう数字すうじ

実験じっけんで得えられた数値すうちは 有効数字ゆうこうすうじ を意識いしきして書かきます。 たとえば 「2.50 g」 と 「2.5 g」 は同おなじ値あたいでも 精度せいどがちがう ことを表あらわします。

  • 2.5 g → 有効ゆうこう数字すうじ 2 桁けた (2.45 〜 2.55 の間ま)
  • 2.50 g → 有効ゆうこう数字すうじ 3 桁けた (2.495 〜 2.505 の間ま)
  • 0.025 → 0 は桁けたを表あらわすだけなので有効ゆうこうでなく、 有効ゆうこう数字すうじは 2 桁けた

掛かけ算ざん・割わり算ざんの結果けっかは、 使つかった数値すうちの中なかでいちばん少すくない桁けた数すう にそろえます。

7. 化学かがく実験じっけんの安全あんぜん配慮はいりょ

一般いっぱん的てきな安全あんぜんルール

項目こうもく内容ないよう
服装ふくそう白衣はくいを着きる、 長ながい髪かみは結むすぶ、 サンダル不可ふか
目めの保護ほご保護メガネほごめがね は全員ぜんいん必須ひっす (薬品やくひん・破片はへんから目めを守まもる)
手ての保護ほご強つよい薬品やくひんを扱あつかうときは 手袋てぶくろ
換気かんきドラフトチャンバー (排気はいき装置そうち) で揮発きはつ性せいの薬品やくひんを扱あつかう
食事しょくじ実験じっけん室しつで飲食いんしょく禁止きんし、 ピペットを口くちで吸すわない
緊急きんきゅう時じシャワー・アイウォッシュ・消火器しょうかきの位置いちを把握はあく

化学かがく薬品やくひんの取扱とりあつかい

薬品やくひん危険きけん性せい対策たいさく
濃硫酸りゅうさん H₂SO₄強つよい脱水だっすい性せい、 高温こうおんを発はっする水みずに少すこしずつ加くわえる (逆ぎゃくは危険きけん)、 保護メガネほごめがね
濃塩酸えんさん HCl揮発きはつ性せい、 刺激しげき臭しゅう、 強酸きょうさんドラフトどらふとで扱あつかう、 換気かんき
濃硝酸しょうさん HNO₃強酸きょうさん + 酸化作用さんかさようドラフトどらふと、 金属きんぞくと反応はんのうして有毒ゆうどくガス
水酸化すいさんかナトリウム NaOH強塩基きょうえんき、 皮膚ひふを溶とかす固体こたいは直接ちょくせつさわらない、 保護メガネほごめがね
アンモニア NH₃ 水みず刺激しげき臭しゅう、 目めにしみる換気かんき、 こまごめピペット
有機ゆうき溶媒ようばい (アセトン・エーテル)引火いんか性せい火気かき厳禁げんきん、 換気かんき

強酸きょうさん・強塩基きょうえんきを扱あつかう注意ちゅうい

  • 薄うすめるときは必かならず 「水みず → 酸さん」 の順じゅん で加くわえる (硫酸りゅうさんは水みずに加くわえる、 逆ぎゃくは突沸にえで危険きけん)
  • 皮膚ひふ・目めに付ついたら すぐに大量たいりょうの流水りゅうすいで 15 分ぶん以上いじょう洗あらう + 保健ほけん室しつへ
  • 服ふくに付ついた場合ばあいはすぐに脱ぬぐ

加熱かねつ・ガラス器具きぐの注意ちゅうい

場面ばめん注意ちゅうい
加熱かねつガスバーナーの元栓もとせん → 空気くうき → 燃料ねんりょうの順じゅんで開あける、 消けすときは逆ぎゃく
試験管しけんかん加熱かねつ口くちを自分じぶんや他人たにんに向むけない、 沸騰石ふっとうせきを入いれる
ガラス破損はそん軍手ぐんてで拾ひろう、 直接ちょくせつさわらない
廃棄はいき流ながしに捨すてない、 廃液はいえき容器ようきに分別ふんべつ

8. ふりかえり

この章しょうで学まなんだことを確認かくにんしましょう。

  • [ ]化学かがくは 物質ぶっしつの構造こうぞう・性質せいしつ・変化へんか を研究けんきゅうする学問がくもんであると言いえる
  • [ ]純物質じゅんぶっしつと混合物こんごうぶつを区別くべつでき、 混合物こんごうぶつの分離ぶんり方法ほうほう (ろ過ろか・蒸留じょうりゅう・分留ぶんりゅう・再結晶さいけっしょうなど) をあげられる
  • [ ]純物質じゅんぶっしつを単体たんたいと化合物かごうぶつに分わけられる
  • [ ]元素げんそと単体たんたいのちがい (概念がいねん vs 実物じつぶつ) を文ぶんで説明せつめいできる
  • [ ]同素体どうそたいの例れい (酸素さんそ O₂ とオゾン O₃、 ダイヤモンドと黒鉛こくえんなど) をあげられる
  • [ ]物理変化ぶつりへんかと化学変化かがくへんかの見分みわけ方かたを言いえる
  • [ ]ホールピペット・メスフラスコ・ビュレットの用途ようとを説明せつめいできる
  • [ ]有効数字ゆうこうすうじを意識いしきして数値すうちを書かける
  • [ ]化学かがく実験じっけんの基本きほん安全あんぜんルール (保護メガネほごめがね・換気かんき・ドラフトどらふと・薬品やくひんの扱あつかい) を守まもれる

この章しょうの安全あんぜん配慮はいりょ

  • 保護メガネほごめがねは全実験じっけんで必須ひっす (薬品やくひん・破片はへんが目めに入はいると失明しつめいリスク)
  • 濃硫酸りゅうさんを薄うすめるときは 「水みずに酸さん」 を守まもる (逆ぎゃくは突沸にえし大だいやけど)
  • 強酸きょうさん・強塩基きょうえんきが皮膚ひふに付ついたら大量たいりょうの水みずで 15 分ぶん以上いじょう洗あらう
  • 加熱かねつした試験管しけんかんの口くちを自分じぶんや他人たにんに向むけない (突沸にえで中身なかみが飛とび出だす)
  • 廃液はいえきは流ながしに捨すてず、 廃液はいえき容器ようきに分別ふんべつ (環境かんきょう・配管はいかんを守まもる)

次じの章しょう: 第だい 2 章しょうでは、 原子げんしの内部ないぶ構造こうぞう (陽子ようし・中性子ちゅうせいし・電子でんし) と 周期表しゅうきひょう を学まなびます。 中学ちゅうがくでは 「原子げんしはそれ以上いじょう分わけられない」 と学まなびましたが、 高校こうこう化学かがくでは原子げんしの中なかをのぞき、 「電子配置でんしはいち が元素げんその性質せいしつを決きめる」 ことを知しります。 周期しゅうき表ひょうがなぜあの形かたちをしているのか、 その答えこたえも見みえてきます。

ビーカー・三角フラスコ・メスシリンダー等の実験器具
化学かがく実験じっけん用ようガラス器具きぐ — ビーカー・三角フラスコさんかくフラスコ・メスシリンダーめすしりんだー・試験管しけんかんなど。 高校こうこう化学かがくの実験じっけんで必かならず使つかう基本きほん道具どうぐ。
丸底フラスコ・リービッヒ冷却管・三角フラスコを並べた蒸留装置の写真
蒸留じょうりゅう装置そうち — 丸まる底そこフラスコで液体えきたいを加熱かねつして気化きかさせ、 リービッヒ冷却管リービッヒれいきゃくかんで冷ひやして凝縮ぎょうしゅく、 三角さんかくフラスコに集あつめる。 海水かいすい → 真水まみず、 ワイン → エタノールのように 沸点ふってん差さ を利用りようして混合物こんごうぶつを分離ぶんりする代表だいひょう的てきな操作そうさ。
この教材きょうざいは役やくに立たちましたか?