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Ch2 で 物質 = 原子 の組み合わせ という見方を学びました。 この章では、 その原子 の組み合わせが 入れ替わる現象 = 化学変化 を、 化学反応式 という形で表す方法を学びます。
ポイント: 化学反応式のルールは 「左辺 (反応前) と右辺 (反応後) で、 各元素の原子の数をそろえる」。 これが 「質量保存の法則」 を式で表した姿 です。
化学変化は、 「原子 の組み合わさり方がどう変わるか」 で 4 種類 に分類 できます。
| パターン | 内容 | れい |
|---|---|---|
| 分解 | 1 種類 の物質が 2 つ以上の物質に分かれる | 水 → 水素 + 酸素、 炭酸水素ナトリウム → 炭酸 ナトリウム + 二酸化炭素 + 水 |
| 化合 | 2 つ以上の物質が 結びついて 1 つの物質になる | 鉄 + 硫黄 → 硫化鉄、 水素 + 酸素 → 水 |
| 酸化 | 物質が 酸素と結びつく | 鉄 + 酸素 → 酸化鉄、 ろうそくが燃える |
| 還元 | 物質から 酸素が取り去られる | 酸化銅 + 炭素 → 銅 + 二酸化炭素 |
| 観点 | 関係 |
|---|---|
| 化合の特別ケース | 酸素と化合する = 酸化 |
| 分解の特別ケース | 酸素を取り去る = 還元 |
| 同時に起こる | 酸化と還元は同時 に起こる (例: 銅が酸化されて鉄が還元される) |
「燃焼」 は 激しい酸化 のこと。 熱 と光 を出します。
| ゆっくり進む酸化 | 激しく進む酸化 (燃焼) |
|---|---|
| 鉄がさびる | 木・紙が燃える |
| ヒトの呼吸 (体内で糖が酸化) | ガスバーナーの火 |
| カイロ (鉄粉の酸化) | ろうそく・線香 |
大事: 「燃えているかどうか」 は現象 の見え方の違い。 化学的には 両方とも酸化。 さびは「ゆっくりした燃焼」 と言えます。
化学反応式 は、 化学変化を 化学式と矢印 (→) で表したもの です。
| ステップ | やること | れい (鉄 + 硫黄) |
|---|---|---|
| ① | 言葉の式 を書く | 鉄 + 硫黄 → 硫化鉄 |
| ② | 化学式に置き換える | Fe + S → FeS |
| ③ | 左辺 と右辺 の原子の数を数える | 左: Fe 1, S 1 / 右: Fe 1, S 1 |
| ④ | 数が合わないときは係数で調整 | この例では既に合う |
| ⑤ | 完成 | Fe + S → FeS |
| ステップ | 内容 |
|---|---|
| ① 言葉の式 | 水素 + 酸素 → 水 |
| ② 化学式に | H₂ + O₂ → H₂O |
| ③ 数を数える | 左: H 2, O 2 / 右: H 2, O 1 ← 酸素が合わない |
| ④ 係数で調整 | 右辺の H₂O を 2 倍に → 2H₂O。 と同時に左辺の H も 2 倍必要 → 2H₂ |
| ④' 確認 | 2H₂ + O₂ → 2H₂O / 左: H 4, O 2 / 右: H 4, O 2 ✓ |
| ⑤ 完成 | 2H₂ + O₂ → 2H₂O |
| ルール | 説明 |
|---|---|
| 化学式そのものは変えない | H₂O を H₃O や HO₂ に変えて数合わせしてはいけない。 必ず 係数 (前の数字) で調整 |
| 係数 1 は書かない | 「1H₂O」 ではなく 「H₂O」 |
| 整数比 で最小 | 4H₂ + 2O₂ → 4H₂O は全体を 2 で割って 2H₂ + O₂ → 2H₂O |
ポイント: 数を合わせるときは 「化学式を何個用意するか」 を調整している。 H₂O を 「2 個」 用意すれば、 全体 で水素 4 個・酸素 2 個が必要になります。
水に少し電解質 (水酸化 ナトリウムなど) を入れて電気 を流すと、 水が水素と酸素に分かれます。
| 項目 | 内容 |
|---|---|
| 反応式 | 2H₂O → 2H₂ + O₂ |
| 陰極 (− 側) | 水素 が発生 (体積 が多い) |
| 陽極 (+ 側) | 酸素 が発生 |
| 体積 の比 | 水素 : 酸素 = 2 : 1 |
| 確認方法 | 水素 = マッチの火で「ポン」、 酸素 = 線香 が激しく燃える |
炭酸水素ナトリウム (NaHCO₃、 ベーキングパウダーの主成分) を加熱 すると、 3 つの物質に分かれます。
| 項目 | 内容 |
|---|---|
| 反応式 | 2NaHCO₃ → Na₂CO₃ + H₂O + CO₂ |
| 反応後 | 試験管内 = 炭酸 ナトリウム (Na₂CO₃)、 水滴 (H₂O)、 二酸化炭素 (CO₂) |
| 確認: 水 | 試験管の口が下を向くように → 出てきた水が加熱部分へ戻ると試験管が割れる |
| 確認: CO₂ | 石灰水を白濁 させる |
| 確認: Na₂CO₃ | フェノールフタレインで強い赤 (元の NaHCO₃ は弱い赤) |
| 項目 | 内容 |
|---|---|
| 反応式 | 2Ag₂O → 4Ag + O₂ |
| 反応後 | 黒い酸化銀が 白い銀 に変わる + 酸素が出る |
| 用途 | 銀の精製 |
大事: 試験管で加熱 するときは、 必ず 試験管の口を少し下げる。 これは発生 した水が試験管の加熱部分 に戻ると、 急に蒸発 して 試験管が割れる からです。
| 項目 | 内容 |
|---|---|
| 反応式 | Fe + S → FeS |
| 反応前 | 鉄粉 と硫黄 の粉 をまぜた混合物 |
| 反応後 | 黒い 硫化鉄 (FeS) |
| 反応前の性質 | 磁石 につく (鉄)、 塩酸 で水素が出る |
| 反応後の性質 | 磁石 につかない、 塩酸 で 硫化水素 (くさいガス) が出る |
| 項目 | 内容 |
|---|---|
| 反応式 | 2Cu + O₂ → 2CuO |
| 反応前 | 赤銅色 の銅 (Cu) |
| 反応後 | 黒い酸化銅 (CuO) |
| 項目 | 内容 |
|---|---|
| 反応式 | 2Mg + O₂ → 2MgO |
| 反応前 | 銀色 のマグネシウムリボン |
| 反応後 | 白い酸化マグネシウム (MgO)、 強い光を出して燃える |
ポイント: 化合の結果、 物質 の色 や性質 が 大きく変わる ことが多い。 「赤 → 黒」 「銀 → 白」 のような色の変化 が化学変化の目印 になります。
酸化 と 還元 は 必ず同時 に 起こります。 「酸素をもらう物質」 と 「酸素を出す物質」 がペアになります。
| 項目 | 内容 |
|---|---|
| 反応式 | 2CuO + C → 2Cu + CO₂ |
| 役割 | CuO は酸素を失う = 還元された、 C は酸素を受け取る = 酸化された |
| 反応前 | 黒い酸化銅 (CuO) + 黒い炭素 (C) の粉 |
| 反応後 | 赤銅色 の銅 + 二酸化炭素 |
| 確認 | 出てきた気体 を石灰水に → 白濁 (CO₂ 確認) |
| 項目 | 内容 |
|---|---|
| 反応式 | CuO + H₂ → Cu + H₂O |
| 役割 | CuO 還元、 H₂ 酸化 |
| 反応後 | 銅が再生 + 水ができる |
製鉄工場では、 鉄鉱石 (酸化鉄、 Fe₂O₃ など) をコークス (主に炭素) で 還元 して鉄を取り出しています。
| 項目 | 内容 |
|---|---|
| 反応式 (要約) | Fe₂O₃ + 3C → 2Fe + 3CO |
| 役割 | 酸化鉄 → 還元されて鉄に、 炭素 → 酸化されて一酸化炭素に |
大事: 酸化と還元は コインの表と裏。 一方が酸素を失えば、 必ずもう一方が酸素を受け取る。 「どちらが酸化されて、 どちらが還元されたか」 を言えるようになることが大切。
化学変化の前後で 全体 の質量 は変わらない。 これが 質量保存の法則 です。 1774 年、 フランスの ラボアジエ が発見 しました。
| 実験 | 反応前の質量 | 反応後の質量 |
|---|---|---|
| 鉄 + 硫黄 (密閉試験管) | Fe (3.5 g) + S (2.0 g) = 5.5 g | FeS = 5.5 g |
| 銅 + 酸素 | Cu (4.0 g) + O₂ (1.0 g) = 5.0 g | CuO = 5.0 g |
| 炭酸水素ナトリウムの分解 (密閉) | NaHCO₃ = 5.0 g | Na₂CO₃ + H₂O + CO₂ = 5.0 g |
| 場合 | 結果 | 理由 |
|---|---|---|
| 木を燃やす | 質量 が 減る ように見える | CO₂・水蒸気 が空中へ逃げる |
| 鉄を燃やす | 質量 が 増える ように見える | 空中の酸素が結びつく |
開放系 でも、 逃げた気体 や入ってきた気体 を含めれば質量 は保存 されています。
「化合する物質の質量比 は常に一定」 という法則。 1799 年、 フランスのプルーストが発見。
| 反応 | 質量比 |
|---|---|
| 銅 + 酸素 → 酸化銅 | Cu : O = 4 : 1 |
| マグネシウム + 酸素 → 酸化マグネシウム | Mg : O = 3 : 2 |
| 鉄 + 硫黄 → 硫化鉄 | Fe : S = 7 : 4 |
「銅 0.8 g を完全に酸化すると酸化銅は何 g か」 → 銅 : 酸素 = 4 : 1 なので酸素は 0.2 g、 合計で 1.0 g の酸化銅。
| ステップ | 計算 |
|---|---|
| ① 比を確認 | Cu : O = 4 : 1 |
| ② 銅 0.8 g に対する酸素 | 0.8 × (1/4) = 0.2 g |
| ③ 酸化銅の質量 | 0.8 + 0.2 = 1.0 g |
ポイント: 「質量保存 = 反応の前後で全体が同じ」 「定比例 = 結びつく比が一定」。 この 2 つを使うと、 反応の結果 が 計算で予測 できるようになります。
化学変化の実験 では、 薬品 の取り扱いと反応 で出る気体 に注意 が必要 です。
| ルール | 理由 |
|---|---|
| 混ぜる順序 を守る | 例: 濃塩酸 と水 → 必ず 水に酸を入れる。 逆だと急に沸騰 して飛び散る |
| 少量を使う | 反応が激しいときほど少量で試す |
| 直接触らない | 必ずピンセットやスプーンで。 素手 ではさわらない |
| 口で吸わない | 駒込ピペットやピペッターを使う |
| 使い終わった薬品 | 元の容器に戻さない (汚染防止)、 先生 の指示 に従う |
| 気体 | 性質 | 出る反応 | 注意 |
|---|---|---|---|
| 水素 (H₂) | 燃えやすい | 金属 + 酸 | 火気厳禁、 換気 |
| 酸素 (O₂) | 燃焼 を助ける | 酸化銀の分解など | 火気注意 |
| 二酸化炭素 (CO₂) | 窒息性 | 多くの燃焼・分解 | 換気 |
| 硫化水素 (H₂S) | 有毒・腐卵臭 | 硫化鉄 + 塩酸 | 換気、 匂いを直接かがない |
| アンモニア (NH₃) | 強い刺激臭 | 塩化アンモニウム + 水酸化カルシウム | 換気、 目を守る |
| ステップ | やること |
|---|---|
| ① | 試薬びんを体から 約 10 cm 離す |
| ② | 試薬びんの口を顔の方へ向けない |
| ③ | 手で軽く 扇ぐように して匂いを鼻へ送る |
大事: 化学変化で出る気体 は、 窒息性や引火性を持つものが多い。 必ず 換気 をし、 気分 が悪くなったらすぐに屋外 へ出て、 先生 に報告 します。
次の章では、 化学変化で 出入りする熱 を観察 する 「発熱反応と吸熱反応」 を学びます。