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中 2 物理の中心は 電気 です。 中 1 では 「光・音・力」 を学びましたが、 中 2 では 目に見えない電流 を、 数式 とグラフで扱えるようになります。
ポイント: 電流 は目に見えないので、 「水の流れ」 に例えると分かりやすい。 電流 = 水の流れる量、 電圧 = 水を押し流す力 (高さ)、 抵抗 = パイプの細さ。 このアナロジー を使って全体をつかみましょう。
電気 (電流) は、 「− の電気 を持つ電子 が動くこと」 です。 中 2 では 「電流」 として扱います。
電流 が流れる 「道筋」 を 回路 と呼びます。 回路が 1 つの輪 (ループ) になっていないと、 電流 は流れません。
| 部品 | 役割 | 記号 (回路図) |
|---|---|---|
| 電源 (電池・電源装置) | 電圧 を与える | 長い線 が +、 短い線 が − |
| 豆電球・抵抗器 | 電気 を消費 する | × 印や長方形 |
| スイッチ | 流れを切り替える | 開・閉 |
| 電流計 | 電流 (A) をはかる | 円 + A |
| 電圧計 | 電圧 (V) をはかる | 円 + V |
| 導線 | 流れの道筋 | 直線 |
| ルール | 説明 |
|---|---|
| 部品を 記号 で書く | 写真ではなく統一された記号 で |
| 直線 でつなぐ | 曲げたり斜めにしたりしない |
| 正方形 か長方形 の枠 で囲む | 全体を整理 |
| 電源 を左上か下 に置く | 慣例 |
| タイプ | 説明 | 例 |
|---|---|---|
| 直流 (DC) | 電流 が一方向 | 乾電池・スマホのバッテリー |
| 交流 (AC) | 電流 が周期的 に向きを変える | 家庭 のコンセント (50/60 Hz) |
中 2 で学ぶのはほぼ 直流 です。
大事: 回路は 必ず 1 つの輪 になっていないと電流 が流れない。 どこか 1 つでも切れると電流 = 0。 スイッチを開ければ、 それだけで電球 が消えるのはこのため。
1 秒間 に流れる電気 の量。 単位 は アンペア (A)。 1 A = 1000 mA (ミリアンペア)。
| 例 | 流れる電流 |
|---|---|
| LED ライト | 約 0.02 A (= 20 mA) |
| スマホ充電 | 約 1 〜 2 A |
| ドライヤー | 約 10 A |
電流 を流そうとする力。 単位 は ボルト (V)。 「水の高さ」 に相当 します。
| 例 | 電圧 |
|---|---|
| 乾電池 (1 本) | 1.5 V |
| 角型電池 | 9 V |
| 家庭 のコンセント | 100 V (日本) |
| 高圧送電線 | 何万 V 以上 |
電流 を妨げる性質。 単位 は オーム (Ω)。 「パイプの細さ」 に相当 します。
| 物質 | 抵抗 |
|---|---|
| 銅・アルミ | とても小さい (= 良い導体) |
| 鉄 | 中くらい |
| ニクロム線 | 大きい (発熱を利用) |
| ガラス・ゴム | とても大きい (= 絶縁体) |
| 電気 | 水 |
|---|---|
| 電圧 (V) | 水の高さ・水圧 |
| 電流 (A) | 流れる水の量 (秒間) |
| 抵抗 (Ω) | パイプの細さ |
| 電源 | ポンプ |
| 抵抗器 | 細いパイプや砂利 |
ポイント: 電圧 が大きいほど電流 が流れる。 抵抗が大きいほど電流 は流れにくい。 この関係 が オームの法則 です。
ドイツの オーム が 1827 年に発見 した法則。
電圧 (V) = 電流 (I) × 抵抗 (R)
| 求めるもの | 公式 |
|---|---|
| 電圧 V | V = I × R |
| 電流 I | I = V ÷ R |
| 抵抗 R | R = V ÷ I |
| 問題 | 解き方 |
|---|---|
| 電圧 6 V、 抵抗 3 Ω → 電流? | I = 6 ÷ 3 = 2 A |
| 電流 0.5 A、 抵抗 20 Ω → 電圧? | V = 0.5 × 20 = 10 V |
| 電圧 12 V、 電流 0.4 A → 抵抗? | R = 12 ÷ 0.4 = 30 Ω |
電圧 V を横軸、 電流 I を縦軸 に取ると、 抵抗が一定の物質 (オームの法則 に従う物質) では 直線 になります。
| 抵抗 R | グラフの傾き |
|---|---|
| 小さい (R = 5 Ω) | 急 (V を少し上げるだけで I が大きく増える) |
| 大きい (R = 50 Ω) | ゆるやか (V を大きく上げても I はあまり増えない) |
大事: オームの法則 は 「直線関係」。 電球のフィラメントのように高温 で抵抗が変わる物体では、 グラフが曲線 になります (発展内容)。
部品を 1 列につなぐ 回路。
| 量 | ルール |
|---|---|
| 電流 | どこでも 同じ (I = I₁ = I₂) |
| 電圧 | 足し算 (V = V₁ + V₂) |
| 抵抗 | 足し算 (R = R₁ + R₂) |
部品を 枝分かれさせてつなぐ 回路。
| 量 | ルール |
|---|---|
| 電流 | 足し算 (I = I₁ + I₂) |
| 電圧 | どこでも 同じ (V = V₁ = V₂) |
| 抵抗 | 「逆数の和」 (1/R = 1/R₁ + 1/R₂)、 全体では 1 つの抵抗より 小さく なる |
| 観点 | 直列 | 並列 |
|---|---|---|
| つなぎ方 | 1 列 | 枝分かれ |
| 電流 | 同じ | 足し算 |
| 電圧 | 足し算 | 同じ |
| 抵抗 | 足し算 | 1 つより小さい |
| 1 つこわれたら | 全部消える | 他は動く |
| 例 | 古い豆電球 の飾り、 ヒューズ | 家庭 のコンセント |
「3 Ω と 6 Ω を直列、 全体に 9 V」
| ステップ | 計算 |
|---|---|
| 全体の抵抗 | R = 3 + 6 = 9 Ω |
| 流れる電流 | I = 9 ÷ 9 = 1 A |
| 各抵抗の電圧 | V₁ = 1 × 3 = 3 V、 V₂ = 1 × 6 = 6 V |
| 確認 | V₁ + V₂ = 9 V ✓ |
「3 Ω と 6 Ω を並列、 全体に 6 V」
| ステップ | 計算 |
|---|---|
| 各抵抗を流れる電流 | I₁ = 6 ÷ 3 = 2 A、 I₂ = 6 ÷ 6 = 1 A |
| 全体の電流 | I = I₁ + I₂ = 3 A |
| 全体の抵抗 | R = 6 ÷ 3 = 2 Ω (3 と 6 より小さい) |
ポイント: 直列 = 「電流 が同じ」、 並列 = 「電圧 が同じ」 を出発点に考えると迷わない。 抵抗の計算はそこから導きます。
1 秒間 に消費 する電気 の量。 単位 は ワット (W)。
電力 (W) = 電圧 (V) × 電流 (A)
| 求めるもの | 公式 |
|---|---|
| 電力 P | P = V × I |
| 電力 P (オームの法則 と組み合わせ) | P = V² ÷ R = P = I² × R |
| 機器 | 電圧 | 電流 | 電力 |
|---|---|---|---|
| LED 電球 | 100 V | 0.05 A | 5 W |
| スマホ充電 | 5 V | 2 A | 10 W |
| ドライヤー | 100 V | 12 A | 1200 W |
| 電気 ポット | 100 V | 12 A | 1200 W |
| エアコン | 100 V | 10 A | 1000 W |
全体で使った電気 の量 = 電力 × 時間。
| 単位 | 説明 |
|---|---|
| ワット秒 (J、 ジュール) | W × 秒、 1 秒間 に 1 W で 1 J |
| ワット時 (Wh) | W × 時間、 1 時間 に 1 W で 1 Wh = 3600 J |
| キロワット時 (kWh) | 1000 Wh、 電気代 の単位 |
「1200 W のドライヤーを 5 分 (= 1/12 時間) 使うと」
| ステップ | 計算 |
|---|---|
| 電力量 (Wh) | 1200 × (1/12) = 100 Wh |
| 電力量 (kWh) | 0.1 kWh |
| 電気代 (約 30 円/kWh) | 0.1 × 30 = 約 3 円 |
電力 (W) で動く抵抗器が出す 熱 はジュール数で表せます。
熱量 Q (J) = 電力 P (W) × 時間 t (秒)
| 例 | 計算 |
|---|---|
| 100 W の電気 ストーブを 1 分 (60 秒) | 100 × 60 = 6000 J |
| 1000 W の電気 ポットを 5 分 (300 秒) | 1000 × 300 = 300,000 J |
大事: 「電力 (W) は力の強さ、 電力量 (Wh) は全部で使った量」。 ドライヤー (1200 W) は一瞬で大きな電気 を消費 するが、 短時間 で終わるので 1 か月の電気代 はそれほど大きくない。 24 時間 つけっぱなしのエアコンや冷蔵庫の方が高くなる。
| 計器 | つなぎ方 | 理由 |
|---|---|---|
| 電流計 | 直列 につなぐ | 流れる量をそのままはかる |
| 電圧計 | 並列 につなぐ | 部品の両端 の差 をはかる |
電流計と電圧計には 複数の端子 があります (5 A・500 mA・50 mA など)。
| 手順 | やること |
|---|---|
| ① | 最大の端子 からつなぐ (5 A なら 5 A 端子) |
| ② | 針が振れた量を見て、 必要 なら小さい端子 に切り替える |
| ③ | 針の位置 と端子 に合った目盛りを読む |
| ルール | やってはいけないこと |
|---|---|
| 電流計を並列につながない | 大電流 が一気に流れてこわれる |
| 電源 に直接つながない | 必ず部品を挟んでから電源 へ |
| + と − をまちがえない | 針が逆に振れる、 こわれる原因 |
| 小さい端子 から始めない | 大電流 が来ると振り切れてこわれる |
| 端子 | 目盛りの最大値 |
|---|---|
| 5 A | 5 |
| 500 mA | 500 (mA で読む) |
| 50 mA | 50 (mA で読む) |
ポイント: 端子 の数字 と目盛りの数字 が一致 するとは限らない (15・150 という目盛を、 5 A 端子 なら 5 と読む等)。 必ず 「どの端子 を使っているか」 を確かめてから読みます。
電気 の実験 では、 感電・ショート (短絡)・発火 の 3 つに注意 が必要 です。
| ルール | 理由 |
|---|---|
| 電源 を切ってから配線 する | 通電中に触ると感電 |
| ぬれた手 で触らない | 水は電気 を通す → 感電 |
| コンセントの 100 V を直接使わない | 学校の実験 は必ず電源装置 (低電圧) で |
| 金属製のアクセサリー を外す | 不意に回路に触れてショート |
ショート とは、 電源 の + と − を 抵抗を通さずに直接つなぐ こと。 大電流 が一気に流れ、 導線 が焼け切れたり火災の原因になったりします。
| 防止方法 | 説明 |
|---|---|
| 必ず 抵抗 (豆電球・抵抗器等) を入れる | 電流 を制限 |
| 配線 をよく確認 してから電源 を入れる | 金属 が別の場所に触れていないか |
| 裸線をつながない | 必ずビニル被覆 の導線 |
| 電源装置 の電圧 を 0 から上げる | 急に高電圧 にしない |
| 場面 | 注意 |
|---|---|
| 抵抗器が熱くなる | 触らない、 長時間通電しない |
| ニクロム線 (発熱用) | 紙や布 に近づけない、 周りを片付ける |
| 電源装置 の過電流 | ヒューズが飛ぶ → 必ず先生 に報告 |
| 場面 | やること |
|---|---|
| 感電した | すぐに電源 を切る → その後で救助、 先生 に報告 |
| 焼け切れた線 | 触らない (高温)、 電源 を切ってから先生 に報告 |
| 火が出た | 水はかけない (感電の危険)、 電源 を切り、 乾燥砂や消火器で消す |
大事: 電気 の事故 は 音や匂い で気づくことが多い (パチッという音、 焦げた匂い)。 異常 を感じたら すぐに電源 を切り、 触らずに先生 に報告 します。 ぬれた手 で触らないことも必ず守る。
次の章では、 この電流 が 磁界 とどうかかわるか (電磁誘導・モーター) を学びます。