ますらをぶりは、素朴で男性的・力強い歌風を指す語で、おもに『万葉集』の歌風を評するのに用いられます。江戸期の国学者賀茂真淵が、万葉集を理想として説いた概念です。
| 観点 | ますらをぶり | たをやめぶり |
|---|---|---|
| 歌風 | 素朴・男性的・力強い | 優美・女性的・繊細 |
| 代表歌集 | 『万葉集』 | 『古今和歌集』 |
「ますらを(益荒男)」は強くたくましい男子の意で、飾らずに感情を直接うたう万葉歌の力強さを表します。
たとえば柿本人麻呂の「東の野にかぎろひの立つ見えてかへり見すれば月かたぶきぬ」は、夜明けの野の情景を飾らずに大きくとらえた歌で、ますらをぶりと呼ばれる雄大さをよく示しています。
ポイント 『万葉集』のますらをぶりと、『古今和歌集』のたをやめぶりの対比が文学史で頻出です。万葉=素朴で力強い、古今=優美で繊細、という歌風の違いを歌集名とセットで覚えましょう。