慣性力とは、加速度 で運動する観測者(非慣性系)から見たときに、物体にはたらくと見える見かけの力です。大きさは で、向きは加速度と反対向き()です。
| 場面 | 観測者の加速度 | 感じる慣性力 |
|---|---|---|
| バスが急発進 | 前向き | 後ろ向き(体が倒れる) |
| バスが急ブレーキ | 後ろ向き | 前向き(つんのめる) |
| エレベーター上昇開始 | 上向き | 下向き(重く感じる) |
回転する観測者から見た遠心力も慣性力の一種です。慣性力は本当の力ではなく、加速する観測者の立場でつじつまを合わせるために導入する力です。
たとえば、体重 60 kg の人を乗せたバスが 2 m/s² で急発進すると、車内の人には後ろ向きに ma = 120 N の力がはたらいたように見えます。ところが地面に立つ観測者から見れば、座席が人を前へ押しているだけで、このような後ろ向きの力はどこにも存在しません。
注意 慣性力は慣性系(地面に立つ観測者)から見ると存在しない。慣性系で解くか、非慣性系で慣性力を加えて解くか、立場を統一すること。