この章で学ぶこと
自分 の住む県 (都道府県) には、 古くから伝わる 伝統行事 や、 郷土 のためにはたらいた 先人 (偉 人) がいます。
- 全国 に伝わる主な 伝統行事 (祭) を知る
- 伝統工芸 (織り物・焼き物・漆器) を知る
- 県の 先人 (郷土 の偉人) のはたらきを知る
- 用水 を 引いた 先人 の苦労を学ぶ
- 学校や病院 を作った 先人 のはたらきを知る
- 郷土 を大切 に思う心を 育 てる
ポイント: 「伝統」 とは 「古くから大切 に受け 継がれてきたこと」 です。 祭 や 伝統工芸 は、 何百年も前から人から人へと伝えられてきました。
1. 全国の伝統行事 (祭り)
日本全国 には、 何 百年も前から 続く 伝統行事 が数多くあります。 多くは 「祭」 と呼ばれ、 神 社 やお寺とつながりがあります。
ねぶた祭 は青森県で 8 月に行われる夏祭り。 武者などをかたどった大きな灯ろう (ねぶた) を引いてまちをねり歩く。 県を代表する伝統行事。
全国 で有名な 祭 (一例)
| 祭 の名前 | 行 われる県 | 時期 | 特色 |
|---|
| ねぶた祭 | 青森 県 | 8 月 | 大きな 「ねぶた」 (人形 灯籠) を引く |
| 竿燈祭 | 秋 田 県 | 8 月 | 長い竿に 提灯 をつけて 掲 げる |
| 七夕祭 | 宮 城 県 | 8 月 | 街中を 飾り物で美しく |
| 祇園祭 | 京都 府 | 7 月 | 山 鉾 (大きな 山車) が 街 を 巡 る |
| 阿波踊り | 徳 島 県 | 8 月 | 群 集 が 踊りながら 街 を 進 む |
| よさこい祭 | 高 知 県 | 8 月 | 鳴り子を持って 踊 る |
| 博多どんたく | 福 岡 県 | 5 月 | 市民がちりれんげで音を 鳴らす |
| だんじり祭 | 大 阪 府 | 9 月 | 大きな 山車を 曲がり 角 で走らせる |
祭 のもともとの意味
| 意味 | くわしく |
|---|
| 豊作 を 願 う | 春 — お 米 がよくとれるように |
| 豊作 に 感謝 する | 秋 — お 米 がとれたことへのお 礼 |
| 厄 を 払 う | 病気 や災害 から守られるように |
| 亡くなった人を 偲 ぶ | お 盆 (8 月)、 ご 先祖 さまをむかえる |
大事: 祭 はただの 「楽しい 行事」 ではなく、 昔からの人の 願いと感謝 がこめられた大切 なものです。 自分 の県にも古い 祭 があるはずなので、 家族 と話してみましょう。
2. 伝統工芸
伝統工芸 とは、 古 くからの技で手作りされる美しい 品物のことです。 何百年も前から 職人 と呼ばれる人が技を伝えてきました。
九谷焼 は石川県で作られる色あざやかな焼き物 (磁器)。 赤・緑・黄などの絵の具で細かい絵をえがくのが特ちょう。 県の伝統的工芸品。
全国 の主な 伝統工芸 (一例)
| 工芸品 | 県 | 種類 |
|---|
| 西陣織 | 京都 府 | 絹 の 織り物 |
| 加賀友禅 | 石川県 | 絹 の 染 め物 |
| 南部鉄器 | 岩 手 県 | 鉄 の 鍋・急須 |
| 輪島塗 | 石川県 | 漆 の 食 器 |
| 備前焼 | 岡 山 県 | 土からつくる 焼き物 |
| 九谷焼 | 石川県 | 色 あざやかな 焼き物 |
| 江戸切子 | 東京都 | ガラスを 削る工芸 |
| 博多人形 | 福 岡 県 | 素焼きの 人形 |
伝統工芸 の特色
| 特色 | くわしく |
|---|
| ① 手作り | 機械 ではなく 職人 の手で 1 つずつ |
| ② 時間 がかかる | 1 つ作るのに数週 〜 数か月 |
| ③ 代々継がれる | 親 から子・子から 孫 へ技を伝える |
| ④ その土地 の 素 材 | 土 地 でとれる土・木・繊 維 を使う |
| ⑤ 生活 の道具 | おわん・着物・家 具 など毎日使う物 |
職人 の苦労と 工 夫
| 苦労 | 工 夫 |
|---|
| 数年 〜 数 十年の 修 行 | 若い 人 を 弟子として 育 てる |
| 後 継ぎが少ない | 学校で 体 験教室 を 開 く |
| 安い 外国 製 との 競 争 | 美しさ・長持ちで 価 値 を高める |
| 素 材 の 入 手 が 困 難 | 国 が 伝統工芸品 として守る |
3. 用水を引いた先人
古 い時代、 多くの地域 で 「水が足りない」 という 困 り事がありました。 田んぼに水を 引 けないとお 米 がとれません。 そこで 用水 (遠 くの川から水を 引 く工事) を 計画 した 先人 がいました。
全国 の有名な 用水 (一例)
| 用水 の名前 | 場所 | できた時代 | はたらいた 先人 |
|---|
| 箱根用水 (深良用水) | 静 岡 県・神 奈川県 | 江戸時代 | 友野与 右 衛 門 など |
| 見沼代用水 | 埼 玉 県 | 江戸時代 | 井 沢 弥惣兵 衛 |
| 玉川上水 | 東京都 | 江戸時代 | 玉川兄弟 |
| 安積疏水 | 福 島 県 | 明 治時代 | 中 條 政 恒 など |
| 那須疏水 | 栃 木 県 | 明 治時代 | 印 南 丈 作 |
用水 建 設 の苦労
| 苦労 | くわしく |
|---|
| ① 山 を 掘 る | 機械 がない時代、 鍬 と 鎌 で 掘 った |
| ② 何年もかかる | 10 年 〜 数 十年の大工事 |
| ③ 多くの人が 働く | 村中の人が 協力 |
| ④ お金を 集 める | 自分 の 財 産 を 売って 費 用 に |
| ⑤ 反 対 する人との話し合い | 川上の 村 の 水 量 が 減 ると 反 対 |
大事: 用水 を 引 いた 先人 のおかげで、 今 でも多くの田んぼでお 米 がとれています。 数百年前 の人の 努力 が、 今のわたしたちのくらしを支えてくれているのです。
4. 学校や病院を作った先人
明 治時代 になって、 「学問 が大切 だ」 「医 療 が大切 だ」 と考えて、 自分 の私財 を 使 って学校や病院 を作った 先人 が多くいました。
全国 で有名な 先人 (一例)
| 先人 の名前 | はたらき | 時代 |
|---|
| 二宮尊徳 (二宮金 次 郎) | 神奈川県 出身、 農民 を 救 う仕事 を全国 で | 江戸時代 |
| 北里柴三郎 | 熊本県 出身、 病気 の研究・北里研 究 所 を 創 立 | 明 治時代 |
| 野口英世 | 福 島 県 出身、 黄熱病 の研究 | 明 治・大正 |
| 新島襄 | 京都 で同志 社大学を 創 立 | 明 治時代 |
| 福沢諭吉 | 東京で 慶 應義塾 を 創 立 | 江戸・明 治 |
学校を 作 る苦労
| 苦労 | くわしく |
|---|
| お金がない | 自分 の家を 売って 費 用 に |
| 教える 人 がいない | 自分 が先生 として教える |
| 「学校なんて 必要 ない」 と言う人 | 家 庭 を一軒 ずつ訪ねて 説く |
| 校舎 がない | お寺や 民 家 を 借りて 使 う |
病院 を 作 る苦労
| 苦労 | くわしく |
|---|
| 医 者 が少ない | 医学 を 外国 で学ぶ |
| 高い 薬 や 道具 | お 金 持ちの人から 寄付 を集める |
| お 金 が 払 えない 患者 | 無 料 で 診 る |
ポイント: 今のわたしたちは 無料で学校 に行け、 国民健康保険 で 病院 にかかれます。 これは数百年 〜 100 年前 の 先人 の 努力 と、 国 のしくみづくりのおかげです。
5. 郷土を大切にすること
自分 の住む県 (郷土) を大切 に思う心を 「郷土愛」 と言います。
郷土 を大切 にする行動
| 行動 | 意味 |
|---|
| ① 伝統行事 に参加 する | 祭 を 次 の世代 へ伝える |
| ② 伝統工芸品 を大切 にする | 職人 のはたらきを支える |
| ③ 先人 の 生 き方を学ぶ | 偉 人 の 伝記 を読む、 記念 館 へ行く |
| ④ 郷土 史 を 学 ぶ | 県の歴史・特 産 品 を知る |
| ⑤ 自然 を大切 にする | 山・川・海を 汚 さない |
郷土 史 を 学 ぶ場所
| 場所 | 学べること |
|---|
| 県の 博物 館 | 古い道具・写真・資料 |
| 郷土 資料 館 | 地元 の暮らしの歴史 |
| 歴 史 民 俗 資料 館 | 古い 家 屋 や 民 具 |
| 先人 の 記念 館 | 偉 人 の一生 と業績 |
| 県の 図書 館 | 郷土 史 の本棚 |
大事: 郷土 を知ることは、 自分 が何者 かを知る ことでもあります。 自分 の住む場所に 愛着 を持ち、 将来大人 になっても 郷土 を守り続ける心が大切 です。
6. ふりかえり
この章で学んだことをふりかえりましょう。
この章の安全とマナー
- 伝統行事 (祭) に参加 するときは 大人 と一緒 に行動する (人 混みで 迷子にならない)
- 神 社・お寺では 帽子 をとる、 大きな声を出さない 等のマナーを守る
- 伝統工芸品 や古い道具 には 勝手 に 触 らない (美 術 館・資料 館 のきまりを守る)
- お 神 輿 や 山 車 の 近 くでは 危険 なので 安全 な 距離 を 取 る
- 先人 の 記念 館 に 展示 された古い 資料 は 写真 撮影禁止 のこともある (きまりに従う)
- 郷土 の 伝統 や 先人 の 話 を 家族 やおじいさん・おばあさんから聞いてみよう
次の章: 第 9 章では、 県の中にある 特色ある地域 (農業がさかんな所・工業がさかんな所・観光 がさかんな所) を学びます。
まとめ — 県の 伝統行事 と 先人 を 3 行で
- 祇園祭 や 阿波踊り など、各地の 伝統行事 には願いや祈りがこめられている。
- 西陣織 や 南部鉄器 などの 伝統工芸 は、職人の技が親から子へ受け継がれてきた。
- 田畑に水を引いた 用水 や学校・病院をつくった 先人 の苦労を知ると、 郷土愛 が育つ。