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これまで みなさんは、「1 つの 量」を くらべる 学習を して きました。長さ どうし、面積 どうし、重さ どうし を くらべて、「こちらの ほうが 大きい・小さい」と 言って きました。
ところが 世の 中には、「2 つの ちがう 種類の 量」を 1 組に して、はじめて 比べられる ものが たくさん あります。
この 章では、このような「2 つの 量を 組み合わせた 見方」を 身に つけます。
この 章が おわる ころには、つぎの ことが できるように なって います。
ポイント: この 章の 主役は、「1 あたりに そろえて 比べる」という 考え方 です。こみぐあいも、速さも、安さも、「1 つあたり いくつ?」の 形に そろえると、だれでも すっきり 比べられます。
つぎの 2 つの 部屋、どちらが こんで いると 言えるでしょう?
| 部屋 | 広さ | 人の 数 |
|---|---|---|
| 部屋 A | 6 m² | 9 人 |
| 部屋 B | 8 m² | 10 人 |
広さ だけ 見れば B の ほう が 広い。人の 数 だけ 見れば B の ほう が 多い。でも、こみぐあいは 広さ だけ・人の 数 だけ では 分かりません。2 つを 組み合わせて考える 必要が あります。
こういう とき は、「1 m² に 何人 いるか」を 計算 して、そろえて 比べます。
1 m² あたりの 人数 が 多い ほう が こんで います。答えは 部屋 A の ほう が こんで いる。
この「1 つ(1 m² や 1 人 など)あたり いくつ」に そろえた 数を、単位量あたりの大きさと 言います。
2 つの 量 の どちらを「1」に そろえても 比べられます。さっきの 例 では、「1 人 あたり 何 m²」で 考える 方法も あります。
1 人 あたりの 広さが せまい ほうが こんで います。答えは やっぱり 部屋 A の ほう が こんで いる。
どちらで 考えても 答えは 同じ。ただし、大小の 意味が 反対に なるので 注意 しましょう。
ポイント: 「1 m² あたり 何人」なら 多い ほう が こんで いる。「1 人 あたり 何 m²」なら せまい ほう が こんで いる。どちらを「1」に するかで、大小の むきが 入れかわります。
農業では、「1 a(アール)あたり 何 kg とれたか」で 作物の とれぐあい を 比べます。1 a = 100 m² です。
例題:田んぼ A(3 a)で 1,500 kg、田んぼ B(5 a)で 2,400 kg の お米が とれました。どちら が よく とれた と 言えますか?
1 a あたりで 比べる と、田んぼ A の ほう が よく とれたと 分かります。
都道府県や 市町村の「こみぐあい」は、ふつう 1 km² あたり 何人住んで いるかで 表します。これを 人口密度と 言います。
例題:面積 200 km²、人口 80,000 人 の 市の 人口密度 は?
人口密度400 人 / km²。1 km² に 400 人 が 住んで いる、という 意味 です。
東京都の 人口密度は およそ 6,400 人 / km²、北海道は およそ 66 人 / km²。100 倍近く も ちがうこと が 分かります。
自動車 A は 2 時間で 120 km、自動車 B は 3 時間で 150 km 進みました。どちら が 速い と 言えるでしょう?
進んだ 道のり だけ 見れば B の ほう が 長い。かかった 時間 も B の ほう が 長い。道のり と 時間 を 組み合わせた「速さ」で 比べる 必要が あります。
こみぐあい の ときと 同じ ように、「1 時間 あたり 何 km 進むか」で そろえて 比べましょう。
1 時間 あたりの 道のり が 長い ほう が 速い。答えは 自動車 A の ほう が 速い。
この「1 時間 あたり 何 km」が、速さの 正体 です。
速さ の 公式を 変形 する と、道のり・時間 も 求められます。
覚え方 として、下のような 図が よく 使われます。
┌─────────────┐
│ 道のり │ ← 上が 「道のり」
├──────┬──────┤
│ 速さ │ 時間 │ ← 下が 「速さ」と「時間」
└──────┴──────┘
・道のり を かくすと → 速さ × 時間
・速さ を かくすと → 道のり ÷ 時間
・時間 を かくすと → 道のり ÷ 速さ
「み・は・じ」(道のり・速さ・時間)や、「き・は・じ」(距離・速さ・時間)と 呼ぶ ことも あります。3 つの うち、どの 2 つが 分かれば、のこりの 1 つ は 計算 で 出せる、と 覚えましょう。
例題 1:時速 60 km の 自動車 が、3 時間走り ました。進んだ 道のり は?
例題 2:家 から 学校 まで 2 km。時速 4 km で 歩くと 何時間 かかる?
速さ には、「1 時間 あたり・1 分間 あたり・1 秒間 あたり」の 3 つの 表し方 が あります。
| 名前 | 単位時間 | 例 |
|---|---|---|
| [[時速 | じそく]] | 1 時間 あたり |
| [[分速 | ふんそく]] | 1 分間 あたり |
| [[秒速 | びょうそく]] | 1 秒間 あたり |
1 時間 = 60 分、1 分 = 60 秒 ですから、換算 は 60 倍・60 で わるで 行きます。
×60 ×60
時速 ─────→ 分速 ─────→ 秒速
←───── ←─────
÷60 ÷60
例題 3:時速 72 km は 分速何 m? さらに 秒速何 m?
時速 72 km = 時速 72,000 m(km を m に 直す)。1 時間 = 60 分 なので、
分速 1,200 m。さらに 1 分 = 60 秒 なので、
秒速 20 m。つまり 時速 72 km = 分速 1,200 m = 秒速 20 m。
注意:時速 ←→ 分速・秒速 の 換算 で、km を m に 直し忘れるミス が 多い です。時速 は ふつう km、分速・秒速 は ふつう m で 表す ので、単位 も いっしょに 合わせる こと を わすれず に。
| のりもの | およその 速さ |
|---|---|
| 歩く 人 | 時速 4 km(分速 67 m) |
| 自転車 | 時速 15 km |
| 自動車(一ぱん道) | 時速 40〜60 km |
| 新幹線 | 時速 250〜300 km |
| 音 | 秒速 340 m = 時速 1,224 km |
| 光 | 秒速約 30 万 km |
ふだん 耳に する 数字 も、単位時間 あたり に 何進むかの 形で 表されて いた と 分かります。
ここから は、話 を 少し 変えて、「2 つの 量 を くらべた とき、片ほう が もう 片ほう の 何倍 に あたるか」を 考える 学習に 入ります。
例: クラス 全員 30 人 の うち、男子 が 12 人 います。男子 は クラス 全員 の どれくらい の 数に あたる でしょうか?
「12 ÷ 30 = 0.4」の 意味 を かんがえると、クラス 全員(30 人)を 「1」と 見たとき、男子(12 人)は その 0.4 にあたる、という こと です。
この「0.4」の ように、ある 量 を もと(1)に して、もう 1 つの 量 が その 何倍 に あたるかを 表す 数を 割合と 言います。
割合 の 話 では、3 つの ことば が 登場 します。
さっきの 例 では、
速さ と 同じ ように、割合 にも 3 つの 公式 が あります。
┌────────────────┐
│ 比べる量 │
├──────────┬─────┤
│ もとにする量 │ 割合 │
└──────────┴─────┘
「く・も・わ」(比べる量・もとにする量・割合)と 呼ぶ ことも あります。速さ の「み・は・じ」と まったく 同じ しくみ です。
割合 の 問題 で いちばん 多い ミスは、「もと」と「比べる」の 取り違えです。日本語の 問題文 を 見て、
と 見分けます。
例題 4:定員 40 人 の バス に、32 人乗って います。乗客 は 定員 の どれだけ の 割合か?
「定員の …」なので、定員 が もとにする量。乗客 が 比べる量。
答え:0.8(8 割)。
例題 5: ある 本 は、全体 の 0.3 に あたる 60 ページ を 読み終わり ました。本 は 全部 で 何ページ?
割合 0.3 = 読み終わった ぶん が 全体 に 対する 割合。もとにする量 は 全体(= 求めたい 量)。比べる量 は 60 ページ。もとにする量 = 比べる量 ÷ 割合 を 使って、
割合 を 小数 で 表す と 0.3 や 0.125 の ような 数 に なって、ぱっと 見に くい こと が あります。そこで、もとにする量 を「100」として、その 何こ分 かで 表す やり方 を 使います。これが 百分率で、記号 は %(パーセント)です。
| 小数 | 百分率 |
|---|---|
| 0.01 | 1% |
| 0.1 | 10% |
| 0.25 | 25% |
| 0.5 | 50% |
| 0.8 | 80% |
| 1 | 100% |
| 1.5 | 150% |
小数 ←→ 百分率 の 直し方 は かんたん です。
例:
ポイント:百分率 は 「もとにする量 を 100 こ に 分けた うち の 何こ 分」。全体 そのものは ちょうど 100%です。
百分率 でも、割合 の 3 公式 は そのまま 使えます。計算 する ときは、いったん 小数 に 直してからかけ算・わり算 するのが 安全 です。
例題 6:定価 800 円 の 品物 が 25% 引きで 売られて います。売りねは?
25% = 0.25。25% 引き は、定価 の (100 − 25) = 75% で 売るということ。
引かれる 分 を 先に 計算 して、
と しても 同じ 答え に なります。
例題 7:食塩水 200 g の 中 に、食塩 が 5%ふくまれて います。食塩 は 何 g?
5% = 0.05。食塩 = 200 × 0.05 = 10 g。
例題 8:満点 50 点 の テスト で 40 点取れました。これは 全体 の 何 % ですか? 40 ÷ 50 = 0.8 = 80%。もとにする量 = 満点(50 点)、比べる量 = とった 点(40 点)、という しくみ です。
もと を 1として、そこに 足し引きする 感じで 考えると すっきり します。
野球 の 打率 や、むかし の 商売で 使われた 表し方 に 歩合(ぶあい)が あります。
| 呼び方 | 小数 | 百分率 |
|---|---|---|
| 1 割 | 0.1 | 10% |
| 1 分 | 0.01 | 1% |
| 1 厘 | 0.001 | 0.1% |
「割(わり)」は 10 分 の 1、「分(ぶ)」は 100 分 の 1、「厘(りん)」は 1000 分 の 1。
例:
注意: 「分」に は 2 つ の 意味が あります。百分率 の「%(パーセント)」の 別の 言い方 として の「分」(1% = 1 分)と、むかし から の 時間 の 単位(1 時間 = 60 分)は、同じ 字 でも 別物 です。文しょう の 中で 区別 しましょう。
小数・百分率・歩合 は、同じ 割合 の 別の 書き方に すぎません。
| 小数 | 百分率 | 歩合 |
|---|---|---|
| 0.1 | 10% | 1 割 |
| 0.25 | 25% | 2 割 5 分 |
| 0.4 | 40% | 4 割 |
| 0.85 | 85% | 8 割 5 分 |
| 1 | 100% | 10 割 |
どの 表し方 を 見ても、すぐに 小数 に 直せるように しましょう。計算 する ときは 小数が いちばん 便利 です。
「A は B の 0.8」と 「B は A の 0.8」は、まったく ちがう 意味です。日本語 を よく 読んで、「〜の」「〜に 対して」の 前 に ある ほう が もとにする量 だと 見つけましょう。
「25% の 割合」を 25 の まま かけ算 する の は まちがい。0.25 に 直して からかけ算 します。
時速 と 分 を そのまま かけ算 する と まちがえます。時速 = 時間 と セット、分速 = 分 と セット。速さ と 時間 の 単位 を そろえ て から 計算 しましょう。
例:分速 60 m で 10 秒進むと…? → 10 秒 = 1/6 分。60 × 1/6 = 10 m。 (もしくは 分速 60 m = 秒速 1 m に 直して、1 × 10 = 10 m)
「1 m² あたりの 人数」で 比べるのか、「1 人 あたりの 広さ」で 比べるのか で、大小 の むきが 入れかわります。どちら を「1」に そろえた かを、はっきり させて から 比べましょう。
次の 章: いよいよ 最後の 章、比例・円グラフ や 帯グラフ・平均です。伴って 変わる 2 つの 量 の 関係 を 表や 式 で とらえる こと、割合 を 図 で 見える ように する こと、たくさん の 数 を 1 つ に まとめる こと … 5 年生算数 の しめくくり に ふさわしい、活やく どころ の 多い 章 です。