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4年生では、角の大きさや 垂直・平行、そして 台形・平行四辺形・ひし形など、いろいろな図形の仕組みを学びました。
5年生では、図形のせかいをもう一歩ふかく調べます。
この章が終わるころには、つぎのことができるようになっています。
ポイント: この章のキーワードは 「ぴったり重なる」「角を集める」「直径の何倍」の 3 つです。どれも、形のしくみを数で表すことがねらいです。
ふたつの図形が ぴったり重ねられるとき、その 2 つの図形は 合同であるといいます。「形も大きさも同じ」ということです。
図形 ア 図形 イ
┌──┐ ┌──┐
│ │ │ │
│ │ │ │
└──┘ └──┘
回したり、うら返したりして重なれば、それも合同です。
ア(もとの向き) イ(回転) ウ(うら返し)
┌─┐ ┌─┐ ┌─┐
│ │ → 90°回転 ├─┘ │ │
├─┘ │ └─┤
└ └
ずらしても、回しても、うら返しても、ぴったり重なるなら合同です。
合同な図形では、重ねたときに同じ場所に来る辺どうし・角どうしを 対応する辺、対応する角といいます。
A A'
/\ /\
/ \ / \
/ \ / \
B──────C B'─────C'
三角形 ABC と 三角形 A'B'C' が合同なら、
合同な図形では、対応する辺の長さも、対応する角の大きさも、ぜんぶ等しいのがきまりです。
ポイント:合同かどうかを調べるには、対応する辺と角を見くらべるのが基本。ただし、三角形なら全部を調べなくても、あるポイントさえそろえば合同と分かります(次の節)。
三角形は、3 つの辺と 3 つの角、合わせて 6 つの要素があります。でも、そのうちの 3 つが決まれば、三角形の形と大きさが 1 つに決まることが分かっています。
つぎの 3 つのどれかが同じなら、2 つの三角形は 合同です。
① 3 つの辺の長さがそれぞれ等しい
5 cm 5 cm
/\ /\
4 / \ 6 4 / \ 6
/ \ / \
/______\ /______\
7 cm 7 cm
辺の長さがすべて等しい三角形は、必ずぴったり重なります。
② 2 つの辺とその間の角が等しい
/ /
5 / 60° 5 / 60°
/ /
/────── /──────
6 6
2 本の辺と、その 2 辺ではさんだ角が同じなら合同。
③ 1 つの辺と、その両はしの角が等しい
40° 70° 40° 70°
/\ /\
/ \ / \
/ \ / \
/______\ /______\
8 cm 8 cm
1 つの辺の長さと、その辺の 両はしの角(両はじ)の大きさが同じなら合同。
ポイント:合同な三角形は、この 3 つの条件のどれか 1 つをチェックすれば見分けられます。全部の辺・角を調べなくてよいのがコツです。
「3 つの辺の長さが 4 cm、5 cm、6 cm の三角形をかきなさい」と言われたら、コンパスと ものさしで 1 通りの形にしかかけません。
① 6 cm の 直線を ひく
●───────────────────●
② 左はしから半径 4 cm の円、右はしから半径 5 cm の円をかく
③ 2 つの円が交わった点が、3 つめの<ruby>頂<rt>ちょう</rt></ruby><ruby>点<rt>てん</rt></ruby>
どこかで必ずぴったり決まる——これが「三角形が 1 つに決まる」ということです。
多角形の 内がわにある角を 内角といいます。
A
/\
/ \
/ \
/ \
B────────C
三角形 ABC なら、角 A、角 B、角 C の 3 つが内角です。
どんな三角形でも、3 つの内角の大きさを足すと 180°になります。これを三角形の 内角の和といいます。
たしかめる方法はいくつかあります。
方法 1:分度器ではかる
紙に三角形をかき、それぞれの角を分度器で はかって足してみると、およそ 180°になります。
方法 2:3 つの角を切り取って集める
もとの三角形 角を切り取る 集める
/\ ● ● ● ●──●──●
/ \ (ちょうど半回転 = 180°)
/ \
────────
3 つの角を切り取って 1 つの点に集めると、ちょうど 半回転(180°)に ならびます。
三角形の 2 つの角が 60° と 70° のとき、のこる角は?
答え:50°。
どんな四角形でも、4 つの内角の和は 360°になります。
四角形を、1 本の 対角線で 2 つの三角形に分けてみます。
A────────B A────────B
│ │ │ /│
│ │ → │ / │
│ │ │ / │
D────────C D────────C
2 つの三角形の内角の和は、180° × 2 = 360°。分けたときに出てきた角を全部足すと、もとの四角形の 4 つの内角を足したのと同じことになります。
だから、四角形の内角の和 = 180° × 2 = 360°。
四角形の 3 つの角が 90°、100°、80° のとき、のこる角は?
答え:90°。
五角形や六角形も、対角線で三角形に分けて、180° を何倍するかで求められます。
五角形
A
/ \
/ \
E B
│ │
│ │
D─────C
頂点 A から対角線を引くと、五角形は 3 つの三角形に分けられます。
五角形の内角の和 = 540°。
六角形
頂点から対角線を引くと、4 つの三角形に分けられます。
六角形の内角の和 = 720°。
n 角形を 1 つの頂点から対角線で分けると、(n − 2) 個の三角形にできます。
| 多角形 | n | (n − 2) | 内角の和 |
|---|---|---|---|
| 三角形 | 3 | 1 | 180° |
| 四角形 | 4 | 2 | 360° |
| 五角形 | 5 | 3 | 540° |
| 六角形 | 6 | 4 | 720° |
| 七角形 | 7 | 5 | 900° |
| 八角形 | 8 | 6 | 1080° |
ポイント: 「頂点の数から 2 を引いた数 × 180°」でいつでも計算できます。三角形に分けると考えるのがコツです。
すべての辺の長さが等しく、すべての内角の大きさも等しい多角形を 正多角形といいます。
正三角形
●
/ \
/ \
●─────●
正方形
●─────●
│ │
│ │
●─────●
正五角形
●
/ \
● ●
│ │
●───●
正六角形
●───●
/ \
● ●
\ /
●───●
正多角形の 1 つの内角は、内角の和 ÷ 頂点の数で求められます。
| 正多角形 | 内角の和 | 頂点数 | 1 つの内角 |
|---|---|---|---|
| 正三角形 | 180° | 3 | 60° |
| 正方形 | 360° | 4 | 90° |
| 正五角形 | 540° | 5 | 108° |
| 正六角形 | 720° | 6 | 120° |
| 正八角形 | 1080° | 8 | 135° |
正多角形の頂点をすべて 1 つの 円のまわりに置くと、ぴったり入ります。
正六角形と円
●───●
/ \
● ●─● ●
\ /
●───●
正六角形は、中心から 6 つの頂点までの長さがすべて同じなので、円の中にきれいに入る形です。また、中心と頂点を線で結ぶと、6 つの正三角形ができます。
ポイント:正多角形は、頂点の数を増やしていくと、だんだん 円に近づいていきます。正 12 角形、正 24 角形、正 100 角形……と増やせば、まるで円のようになります。
円について 3年生で学んだ用語をおさらいします。
中心
●
/│\
/ │ \ 半径
/ │ \
●───●───● 直径 = 半径 × 2
直径
「円のまわりの長さ」と「直径の長さ」には、いつも同じ関係があるのでしょうか?
じっけん:いろいろな大きさの円で、円周と直径をはかってみる
| 物体 | 直径 | 円周(ひもではかる) | 円周 ÷ 直径 |
|---|---|---|---|
| 小さな コイン | 2 cm | 6.28 cm | 3.14 |
| 時計の ふち | 10 cm | 31.4 cm | 3.14 |
| 自転車の タイヤ | 60 cm | 188.4 cm | 3.14 |
どんな大きさの円でも、円周 ÷ 直径 ≒ 3.14になります。この値を 円周率といいます。
円周率とは、円周の長さが 直径の長さの 何倍になっているかを表す数です。
円周率の正しい値は 3.14159265358979...とどこまでも続く数ですが、小学校では 3.14を使います。
ポイント:円周率は、円の大きさに関係なく いつも同じ。どんなに大きな円でも、小さな円でも、円周は直径の約 3.14 倍になります。
円周率の式をひっくり返すと、円周の長さが求められます。
答え:31.4 cm。
半径 5 cm なら直径は 10 cm。
答え:31.4 cm。
答え:12.56 cm。
ぎゃくに、円周が分かれば 直径も求められます。
例:円周が 18.84 cm の円の直径
答え:6 cm。
| 直径 | 円周 = 直径 × 3.14 |
|---|---|
| 1 cm | 3.14 cm |
| 2 cm | 6.28 cm |
| 5 cm | 15.7 cm |
| 8 cm | 25.12 cm |
| 10 cm | 31.4 cm |
| 100 cm | 314 cm |
やってみよう:半径 3 cm の円の円周は何 cm でしょう?
答え:直径は 3 × 2 = 6 cm。円周 = 6 × 3.14 = 18.84 cm。
次の章:図形を「見る」段階から「大きさを計算する」段階へ進みます。つぎは 三角形・平行四辺形・ひし形・台形の面積を求める方法を学びましょう。