この章で学ぶこと
4年生では、真分数・仮分数・帯分数の書き方や、分母が同じ分数のたし算・ひき算を学びました。ピザを 1/5 ずつに分けたとき、「1/5 が何こ分か」という形でいろいろな大きさを表す方法です。
5年生では、いよいよ 分母がちがう分数のせかいへ進みます。1/2 と 1/3 のどちらが大きいか、2/3 + 1/4 はいくつになるか——こういう場面で活やくするのが 約分と 通分です。
また、わり算の答えを分数で表せること(3 ÷ 7 = 3/7)や、分数と小数、整数が同じ仲間の数であることにも気づきます。
この章が終わるころには、つぎのことができるようになっています。
- わり算の答えを分数で表せる(a ÷ b = a/b)
- 約分ができる(分子分母を 最大公約数でわる)
- 通分ができる(最小公倍数を分母にそろえる)
- 異分母の分数の大小を比べられる
- 異分母の分数のたし算・ひき算ができる
- 帯分数どうしの計算(くり上げ・くり下げあり)ができる
- 分数を小数に、小数を分数に直せる
- 整数を分数の形に書きなおせる(2 = 2/1 = 4/2 = 6/3 …)
ポイント:分母がちがう分数は、そのままでは くらべたり たしたり できません。分母をそろえる(通分する)というひと手間をかけると、4年生までと同じように計算できるようになります。
1. わり算の答えと分数
3 ÷ 7 はどう書く?
「3 m のテープを 7 等分すると、1 本は何 m?」という問題を考えます。
3÷7=?
整数のわり算ですが、3 は 7 でわり切れません。小数にしても 0.428571… と終わりません。こまったときに使えるのが 分数です。
3÷7=73
1 m を 7 等分した 1 つ分が 1/7 m。3 m ならその 3 つ分で 3/7 m。わり算の答えをいつでもひとつの数で表せるのが分数のすごいところです。
分数はわり算の答え
分数と整数のわり算には、つぎのような関係があります。
a÷b=ba
- わられる数(a)が 分子に
- わる数(b)が 分母に
| わり算 | 分数 | 意味 |
|---|
| 1 ÷ 2 | 1/2 | 1 m を 2 等分した 1 本 |
| 3 ÷ 4 | 3/4 | 3 m を 4 等分した 1 本 |
| 5 ÷ 3 | 5/3 | 5 m を 3 等分した 1 本(仮分数) |
| 6 ÷ 3 | 6/3 = 2 | わり切れるとき |
| 1 ÷ 4 | 1/4 = 0.25 | 小数でも書ける |
ポイント:整数どうしのわり算の答えは、つねに 1 つの分数で表せるということ。わり切れても、わり切れなくても、小数にならなくても、分数なら大じょうぶ。
2. 同じ大きさを表す分数
1/2 = 2/4 = 3/6 のふしぎ
ピザを半分にした 1/2 と、4 等分のうちの 2 こ分の 2/4 は、じつは同じ大きさです。
1/2 2/4 3/6
┌─┬─┐ ┌─┬─┬─┬─┐ ┌─┬─┬─┬─┬─┬─┐
│■│ │ │■│■│ │ │ │■│■│■│ │ │ │
└─┴─┘ └─┴─┴─┴─┘ └─┴─┴─┴─┴─┴─┘
どれも「全体の半分」。分数は、同じ大きさを表す書き方がいくつもあるのが特ちょうです。
21=42=63=84=105=⋯
分子と分母に同じ数をかけても、わっても、大きさは同じ
21=2×21×2=42
21=2×31×3=63
ぎゃくに、分子と分母を同じ数でわっても、大きさは変わりません。
86=8÷26÷2=43
これは、わり算で「6 ÷ 8」と「3 ÷ 4」が同じ答えになることと同じ仕組みです(a ÷ b の a と b に同じ数をかけたり わったりしても商は変わらない)。
ポイント:分数の分子と分母に、0 でない同じ数を かけても わっても、大きさは変わらない。これが 5年生の分数のいちばん大切なきまりです。
3. 約分
約分とは
分数を できるだけ小さい分母・分子の形に書きなおすことを 約分といいます。
分子と分母の 公約数(両方の約数になっている数)で同じようにわっていきます。
例 1:6/8 を約分する
6 と 8 の公約数を考えます。
- 6 の約数:1, 2, 3, 6
- 8 の約数:1, 2, 4, 8
- 公約数:1, 2
2 でわります。
86=8÷26÷2=43
3 と 4 の公約数は 1 だけ。もうこれ以上約分できません。これで完成です。
例 2:12/18 を約分する
12 と 18 の公約数は 1, 2, 3, 6。いちばん大きいのは 最大公約数の 6 です。
1812=18÷612÷6=32
一気に約分できました。
一度にわかりきらなくてもよい
最大公約数がすぐに思いつかないときは、小さい数から何度でもわっていけばよいです。
1812=96=32
(2 でわって、さらに 3 でわった)
どちらのやり方でも、最後に着くところは同じです。
| もとの分数 | 約分 | 答え |
|---|
| 4/6 | 2 でわる | 2/3 |
| 10/15 | 5 でわる | 2/3 |
| 8/12 | 4 でわる | 2/3 |
| 9/12 | 3 でわる | 3/4 |
| 15/20 | 5 でわる | 3/4 |
注意:分子と分母の 公約数が 1 だけになるまで約分します。たとえば 6/8 を 6/8 のまま答えにせず、3/4 まで進めましょう。
ポイント:約分の答えがまだ約分できるときは、約分しきっていないということ。分子と分母を見くらべて、共通の数でわれそうならもう一度わります。
4. 通分
1/2 と 1/3、どちらが大きい?
分母がちがう分数は、そのままでは大きさをくらべられません。
1/2 1/3
┌─┬─┐ ┌─┬─┬─┐
│■│ │ │■│ │ │
└─┴─┘ └─┴─┴─┘
見た目では 1/2 のほうが大きそうですが、正かくにくらべるには 同じ分母にそろえるひつようがあります。
通分とは
分母のちがう分数を、同じ分母に書きなおすことを 通分といいます。分母には、ふたつの分母の 最小公倍数を使うと いちばんきれいに通分できます。
例 1:1/2 と 1/3 を通分する
2 と 3 の最小公倍数は 6。分母を 6 にそろえます。
21=2×31×3=63
31=3×21×2=62
これでくらべられます。3/6 > 2/6 なので、1/2 > 1/3。
3/6(=1/2) 2/6(=1/3)
┌─┬─┬─┬─┬─┬─┐ ┌─┬─┬─┬─┬─┬─┐
│■│■│■│ │ │ │ │■│■│ │ │ │ │
└─┴─┴─┴─┴─┴─┘ └─┴─┴─┴─┴─┴─┘
同じ分母にすると、分子の大きさだけを見ればよいので、らくに くらべられます。
例 2:2/3 と 3/4 を通分する
3 と 4 の最小公倍数は 12。
32=3×42×4=128
43=4×33×3=129
8/12 と 9/12 なので、2/3 < 3/4。
例 3:3 つの分数を通分する
1/2、2/3、3/4 をまとめて通分してみます。2、3、4 の最小公倍数は 12。
21=126,32=128,43=129
小さい順にならべると 1/2 < 2/3 < 3/4。
ポイント:通分の分母は 最小公倍数にするのが基本ですが、もし見つけにくければ ふたつの分母をかけ合わせた数でもかまいません。ただし、その場合は答えを 約分しておわるようにしましょう。
5. 異分母の分数のたし算
基本の流れ:通分 → たし算 → 約分
異分母(分母がちがうこと)の分数のたし算は、つぎの 3 ステップで進めます。
- 通分して分母をそろえる
- 分子どうしをたす
- 約分できれば 約分する
例 1:1/2 + 1/3
ステップ 1:2 と 3 の最小公倍数 6 で通分。
21+31=63+62
ステップ 2:分子どうしをたす。分母はそのまま。
63+62=63+2=65
ステップ 3:5 と 6 の公約数は 1 だけ。約分できないので、答えは 5/6。
例 2:2/3 + 1/4
3 と 4 の最小公倍数は 12。
32+41=128+123=1211
答え:11/12。
例 3:約分ができる場合
61+31=61+62=63=21
最後に 3 でわって 1/2。答えはできるだけ約分した形にしましょう。
例 4:答えが仮分数になる場合
43+65=129+1210=1219=1127
仮分数 19/12 は帯分数 1と7/12 に直してもよいです。どちらも正解です。
注意:通分するときは 分子にも同じ数をかけるのを忘れずに。分母だけをそろえて分子をそのままにしてしまうのは、とてもよくあるまちがいです。
6. 異分母の分数のひき算
たし算と同じで、通分 → ひき算 → 約分の流れです。
例 1:3/4 − 1/3
4 と 3 の最小公倍数は 12。
43−31=129−124=125
例 2:5/6 − 1/4
6 と 4 の最小公倍数は 12。
65−41=1210−123=127
例 3:約分ができる場合
65−31=65−62=63=21
7. 帯分数の加減(くり上げ・くり下げ)
帯分数どうしの計算では、整数の部分と 分数の部分を分けて考えます。
帯分数のたし算
1と1/2 + 2と1/3 を計算します。
1と1/2 + 2と1/3
=(1 + 2)+(1/2 + 1/3)
= 3 +(3/6 + 2/6)
= 3 + 5/6
= 3と5/6
くり上げのある帯分数のたし算
2と2/3 + 1と3/4。
2と2/3 + 1と3/4
=(2 + 1)+(2/3 + 3/4)
= 3 +(8/12 + 9/12)
= 3 + 17/12 ← 17/12 は 1と5/12
= 3 + 1と5/12
= 4と5/12
分数の部分が 1 を こえたら、整数の部分へ 1 をくり上げます。
くり下げのある帯分数のひき算
3と1/4 − 1と2/3。
分数の部分 1/4 − 2/3 をそのままひくと、通分しても 3/12 − 8/12 で ひけません。整数から 1 を借りてきます。
3と1/4 = 3と3/12
= 2 + 1 + 3/12
= 2 + 12/12 + 3/12
= 2と15/12
2と15/12 − 1と8/12
=(2 − 1)+(15/12 − 8/12)
= 1 + 7/12
= 1と7/12
仮分数に直してから計算してもできます。
3と1/4 = 13/4 = 39/12
1と2/3 = 5/3 = 20/12
39/12 − 20/12 = 19/12 = 1と7/12
ポイント: くり下げのあるひき算は、仮分数に直してから計算するほうがミスが少ないことが多いです。自分のやりやすい方法を選びましょう。
8. 分数と小数の関係
分数を小数に直す
分数は わり算と同じです。分子 ÷ 分母を計算すれば小数に直せます。
例 1:3/4 を小数に
43=3÷4=0.75
例 2:3/5 を小数に
53=3÷5=0.6
例 3:1/3 を小数に
31=1÷3=0.333⋯
わり切れません。こういう小数もあります。
注意:分数の中には、1/3 や 2/7 のように小数ではぴったり表せないものもあります。そんなときは分数のままのほうが正かくな表し方になります。
小数を分数に直す
小数の位の意味を思い出しましょう。
- 0.1 = 1/10
- 0.01 = 1/100
- 0.001 = 1/1000
例 1:0.3 を分数に
0.3 は 0.1 の 3 つ分、つまり 1/10 の 3 つ分。
0.3=103
例 2:0.25 を分数に
0.25 は 0.01 の 25 こ分、つまり 1/100 の 25 こ分。
0.25=10025=41
25 と 100 の最大公約数 25 で約分すると 1/4。
例 3:0.7 を分数に
0.7=107
7 と 10 の公約数は 1 だけなので、約分できません。これで完成。
| 小数 | 分数 | 約分後 |
|---|
| 0.5 | 5/10 | 1/2 |
| 0.2 | 2/10 | 1/5 |
| 0.75 | 75/100 | 3/4 |
| 0.125 | 125/1000 | 1/8 |
| 0.6 | 6/10 | 3/5 |
9. 整数と分数の関係
整数も 分数の形で書くことができます。どんな整数 a でも a/1 と書けるのが基本です。
2=12
さらに、分子と分母に同じ数をかけても大きさは変わらないので、
2=12=24=36=48=⋯
分母をどんな数にするかで、分子が決まります。
例:2 を分母 5 の分数で表すと?
分母を 1 から 5 にするには、分母に 5 をかけます。分子にも同じ 5 をかけて、
2=1×52×5=510
これは「整数 − 分数」の計算でも使える考え方です。
例:2 − 1/3
2 を 3 を分母にした形に書きなおします。
2=36
2−31=36−31=35=132
| 整数 | 分母 | 分数の形 |
|---|
| 1 | 2 | 2/2 |
| 1 | 5 | 5/5 |
| 2 | 3 | 6/3 |
| 3 | 4 | 12/4 |
| 5 | 2 | 10/2 |
ポイント:整数・小数・分数は、見た目はちがっても同じ数の仲間です。場面に合わせてどの書き方を使うか選べるようになりましょう。
10. 分数 × 整数 と 分数 ÷ 整数
5 年生 で は、 分数 と 整数 の かけ算・わり算 を 学びます。
分数 × 整数
(分子) × (整数) ÷ (分母) の 順 に 計算します。 「分子 だけ に 整数 を かける」 の が 大切。
| 計算 | やり方 | 結果 |
|---|
| 1/3 × 4 | 1 × 4 ÷ 3 | 4/3 |
| 2/5 × 3 | 2 × 3 ÷ 5 | 6/5 |
| 3/8 × 2 | 3 × 2 ÷ 8 → 6/8 → 約分 | 3/4 |
「分子 × 整数」 の 形 で 計算 → 約分 で きれい に の 流れ が ポイント。
分数 ÷ 整数
(分子) ÷ (分母 × 整数) の 順 に 計算します。 「分母 に 整数 を かける」 の が 大切。
| 計算 | やり方 | 結果 |
|---|
| 2/3 ÷ 2 | 2 ÷ (3 × 2) | 2/6 → 1/3 |
| 4/5 ÷ 4 | 4 ÷ (5 × 4) | 4/20 → 1/5 |
| 3/8 ÷ 2 | 3 ÷ (8 × 2) | 3/16 |
「分母 × 整数」 の 形 で 計算 → 約分 で きれい に の 流れ。
なぜ こう なる?
たとえば 1/3 × 4 は 「1/3 が 4 つ ある」 と いう こと。 → 1/3 + 1/3 + 1/3 + 1/3 = 4/3。 同じ 分母 の 分数 を 4 回 たし たの と 同じ です。
2/3 ÷ 2 は 「2/3 を 2 等分 する」 と いう こと。 ピザ で 言う と、 2 切れ を 2 人 で 分け たら 1 人 あたり 1 切れ。 同じ 大きさ の もの を 2 つに 分け た ぶんだけ 小さく なる ので、 分母 が 2 倍 (= 1/2 倍 の 大きさ) に なります。
つまずき に 注意
- ❌ 分子 と 分母両方 に 整数 を かける → 答え が 変わら ない (1/3 × 4 = 4/12 = 1/3 で 元 と 同じ → 間違い)。
- ✅ 「かけ算 は 分子 だけ」 「わり算 は 分母 だけ」 と 覚える。
「逆数」 を 先取り
「2/3 ÷ 2」 は 「2/3 × 1/2」 と 同じ で す。 「÷ 整数」 を 「× 1/整数」 に 変える 考え方 (= 逆数) は 6 年生 で 本格的 に 学びます。
やってみよう: 5/6 × 3 と 3/4 ÷ 6 を 計算 して みよう。 答え は それぞれ 5/2 と 1/8 です。
つまずきやすいポイント
- 通分したあと、分子を変えずに分母だけそろえてしまう:分子にも同じ数をかけるのを忘れない。
- 約分を最後までやりきらない:3/6 のままにせず、1/2 まで進める。
- 最小公倍数・最大公約数を取りちがえる:通分では 最小公倍数、約分では 最大公約数。「通分 → 倍数、約分 → 約数」と言葉で覚えると区別しやすいです。
- くり下げのひき算:整数から 1 を借りてきて、借りた 1 を「分母/分母」の形にするのがコツ。
まとめ
- わり算の答えは つねに分数で表せる:a ÷ b = a/b
- 分子と分母に 同じ数をかけても・わっても分数の大きさは変わらない
- 約分:分子分母を 最大公約数でわって、できるだけ小さい数にする
- 通分:最小公倍数を分母にして、分母をそろえる
- 異分母のたし算・ひき算の流れ:通分 → 計算 → 約分
- 帯分数の計算は 整数部分 + 分数部分に分けると見通しがよい
- 分数の部分が 1 をこえたら くり上げ、ひけないときは くり下げ(仮分数に直してもよい)
- 分数を小数に:分子 ÷ 分母
- 小数を分数に:0.1 = 1/10、0.01 = 1/100を使って書きなおし、約分
- 整数はどの分母でも分数の形で書ける(2 = 2/1 = 4/2 = 6/3 …)
次の章:数の章はここでひと段落。つぎは図形のせかいへ進みます。「ぴったり重なる形」を表す 合同や、三角形・四角形・多角形の角、そして 円周率を学びましょう。