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5 年生算数の最後の章です。ここでは、2 つの数量が同時に変わるときの関係を、表・式・グラフで表す学習をします。また、たくさんのデータを 1 つの数にまとめる 平均の使い方も学びます。
この章がおわるころには、つぎのことができるようになっています。
ポイント: 5 年生の算数で学んだ「割合」や「比べる」の考え方が、グラフや表や式とつながっていきます。ここで身につけた力は、6 年生の比例・反比例、中学校の関数、さらに理科や社会のグラフ読みとりにも生きてきます。
ノートを 1 さつ 80 円で買うとき、買うさっ数と代金はどう変わるでしょう?
| さっ数(さつ) | 1 | 2 | 3 | 4 | 5 | 6 |
|---|---|---|---|---|---|---|
| 代金(円) | 80 | 160 | 240 | 320 | 400 | 480 |
さっ数が 1 さつふえると、代金は 80 円ずつふえています。また、さっ数が 2 倍、3 倍、4 倍… になると、代金も 2 倍、3 倍、4 倍…
このように、一方が変わるともう一方も変わる 2 つの量を、伴って変わる 2 つの数量と言います。
伴って変わるからといって、いつも「2 倍 → 2 倍」とは限りません。
例 1:長さ 20 cm のろうそくを火をつけて燃やす。1 分ごとに 2 cm ずつ短くなる。
| 時間(分) | 0 | 1 | 2 | 3 | 4 | 5 |
|---|---|---|---|---|---|---|
| 長さ(cm) | 20 | 18 | 16 | 14 | 12 | 10 |
時間がふえると長さは 減っていきます。2 倍 → 2 倍ではありません。
例 2: 1 辺が x cm の正方形の面積 y cm²。
| x(cm) | 1 | 2 | 3 | 4 | 5 |
|---|---|---|---|---|---|
| y(cm²) | 1 | 4 | 9 | 16 | 25 |
x が 2 倍になると、y は 4 倍。x が 3 倍なら y は 9 倍。これも伴って変わりますが、単純な 2 倍 → 2 倍ではありません。
5 年生では、この中の いちばんかんたんな変わり方を取り出して学びます。それがつぎの 比例です。
さきほどのノートの例をもう一度見ましょう。
| さっ数 x(さつ) | 1 | 2 | 3 | 4 | 5 | 6 |
|---|---|---|---|---|---|---|
| 代金 y(円) | 80 | 160 | 240 | 320 | 400 | 480 |
このように、x が 2 倍・3 倍・4 倍… になるにつれ、y も 2 倍・3 倍・4 倍… になるとき、「y は x に 比例する」と言います。
比例の表をよく見ると、どの列でも y ÷ x が同じ数になっています。
さっ数 x: 1 2 3 4 5 6
代金 y:80 160 240 320 400 480
y ÷ x : 80 80 80 80 80 80 ← ぜんぶ 80!
この「いつも同じ数 80」が、ノート 1 さつのねだんです。比例の関係では、この y ÷ x の 値 が 一定にきまっているのが特ちょう。
この一定の数を 決まった数と呼び、比例の式はつぎのように書けます。
ノートの例では、決まった数 = 80 なので、
x = 10 を入れれば y = 800。x = 7 を入れれば y = 560。表に書いていない 値 も、式からすぐに求められます。
つぎの表は、どれが比例でどれが比例でないか、考えてみましょう。
表 A:
| x | 1 | 2 | 3 | 4 |
|---|---|---|---|---|
| y | 5 | 10 | 15 | 20 |
y ÷ x = 5・5・5・5(ぜんぶ 5)。比例する。式は y = 5 × x。
表 B:
| x | 1 | 2 | 3 | 4 |
|---|---|---|---|---|
| y | 3 | 6 | 9 | 12 |
y ÷ x = 3・3・3・3。比例する。式は y = 3 × x。
表 C:
| x | 1 | 2 | 3 | 4 |
|---|---|---|---|---|
| y | 2 | 5 | 8 | 11 |
y ÷ x = 2・2.5・2.67…・2.75…(バラバラ)。比例しない。
(これは「3 ずつふえる」変わり方ですが、比例ではありません。y = 3 × x − 1 という別の関係です。6 年生以降で学びます。)
表 D(例 1 のろうそく):
| 時間 x | 0 | 1 | 2 | 3 | 4 |
|---|---|---|---|---|---|
| 長さ y | 20 | 18 | 16 | 14 | 12 |
x = 0 のとき y = 20。x がふえても y は減っていく。比例しない。
ポイント:比例かどうかは、y ÷ x がいつも同じ数になるかで見分けます。ちがうならば「比例しない」。なお、比例のときは x = 0 なら y = 0 になる、というのも大切な特ちょう。
生活の中には比例の関係がたくさんあります。
どれも、「1 あたりの量がきまっているときに出てくる関係です。さっき学んだ 単位量あたりの大きさ や 速さ の背景には、じつは比例がかくれていたのです。
比例の関係を グラフにかくと、見た目でもその特ちょうがはっきりします。
ノートの例(y = 80 × x)をグラフにしてみましょう。
代金 y (円)
↑
480│ ●
400│ ●
320│ ●
240│ ●
160│ ●
80│ ●
│ → さっ数 x (さつ)
└────────────────────────
0 1 2 3 4 5 6
点が まっすぐな線の上にならびます。そして、その線は 左下の角(原点)、つまり x = 0、y = 0 の点を通ります。
この 2 つは、比例のグラフのとても大切な特ちょうです。
ポイント: 比例のグラフは原点を通る直線。これが比例のいちばんの見た目の特ちょうです。原点を通らない直線や、曲がった線は比例ではありません。
前の章で学んだ 割合 や 百分率 を、図で表すと、一目で大小のくらべができるようになります。代表的なのが 円グラフと 帯グラフです。
円グラフは、円の全体(360°)をもと(100%)とし、それぞれの割合を扇形(おうぎ形)の大きさで表したグラフです。
例: ある 5 年生 100 人の好きな食べ物を調べた。
| 食べ物 | 人数 | 割合 |
|---|---|---|
| カレー | 40 人 | 40% |
| ラーメン | 25 人 | 25% |
| すし | 20 人 | 20% |
| ハンバーグ | 10 人 | 10% |
| その他 | 5 人 | 5% |
| 合計 | 100 人 | 100% |
円グラフ(イメージ):
・・・・・・
・・ラーメン・・
・・ 25% ・・
・ ・・・ ・
・ カレー ・・す ・
・ 40% ・し20% ・
・ ・・・ ・
・ハンバーグ ・・・・
・・10% その他 ・・
・・・ 5% ・・・
・・・・・
読みとりのコツ:
40% を角度に直すと 360 × 0.4 = 144°。25% なら 360 × 0.25 = 90°(ちょうど 4 分の 1)。
帯グラフは、長い長方形(帯)全体を 100% とし、それぞれの割合を区切って表したグラフです。
帯グラフ(イメージ):
┌─────────┬──────┬─────┬──┬┐
│ カレー │ラーメン│ すし │ ハ │その他│
│ 40% │ 25% │ 20% │ン10│5%│
│ │ │ │バ │ │
│ │ │ │ーグ│ │
└─────────┴──────┴─────┴──┴┘
0% 50% 100%
帯グラフは、時間の変化を並べて比べるのにとくに便利です。たとえば 10 年ごとに同じ帯グラフを並べると、割合がどう移り変わったかが一目で分かります。
10 年前 ┌────────┬─────┬──┬─┐
│ カレー │ラーメン│すし│他│
└────────┴─────┴──┴─┘
5 年前 ┌──────────┬────┬──┬─┐
│ カレー │ラーメン│すし│他│
└──────────┴────┴──┴─┘
今年 ┌───────┬──────┬────┬─┐
│カレー │ラーメン │ すし │他│
└───────┴──────┴────┴─┘
「カレーがだんだん減って、ラーメンがふえている」など、変化のようすがはっきり見えます。
| グラフ | 得意な場面 |
|---|---|
| 円グラフ | 1 つの全体の中の割合を見せる(1 年生の好きな食べ物) |
| 帯グラフ | 複数の全体の割合をならべて比べる(10 年ごとの変化) |
どちらも、表すのは「全体の中の割合」。合計はいつでも 100%になります。
4 年生までに、つぎのグラフを学んできました。それぞれ得意な使い方がちがいます。
| グラフ | 特ちょう・得意な場面 |
|---|---|
| 棒グラフ | それぞれの量を棒の長さでくらべる(クラス別の人数) |
| 折れ線グラフ | 時間につれた量の変化(1 年の気温) |
| 円グラフ | 全体に対する割合を扇形で見せる(好きな食べ物) |
| 帯グラフ | 割合を並べて比べる(10 年ごとのアンケート) |
「量そのものを見せたい」なら棒グラフ・折れ線グラフ。「全体の中の割合を見せたい」なら円グラフ・帯グラフ。使い分けを意識しましょう。
5 人の身長をはかったら、
でした。「5 人全体の身長は?」と 1 つの数で言いたいとき、どうすればよいでしょう?
このとき使うのが 平均です。平均は 合計を人数でわった数で、「でこぼこをならして、みんなを同じ 値 にそろえたときの数」と考えられます。
計算してみましょう。
5 人の身長を ならしてみんな 140 cm にそろえたと考えてよい、というわけです。
もとの身長(でこぼこ):
144│ ███
142│ ███ ███
140│ ███ ███ ███
138│ ███ ███ ███ ███
136│███ ███ ███ ███ ███
A B C D E
平均(140 cm でそろえる):
140│███ ███ ███ ███ ███ ← みんな同じ 140
A B C D E
高い子の分を、低い子に分けてあげると、ちょうど全員が 140 cmになる、というイメージです。
例題 1: テストの点数が 72・85・68・90・80 点。平均は?
平均79 点。
例題 2: ある週に読んだ本のページ数。月 10、火 0、水 8、木 12、金 0、土 15、日 5。1 日平均は?
約7.1 ページ。0 の日も 個数に入れるのをわすれずに。合計 ÷ 個数です。
平均の公式を変形すると、
例題 3: 6 人のクラスのテストの平均点は 75 点。6 人の合計点は?
平均から合計を出せると、1 人抜けたときの点数や、新しい人を入れたときの平均など、いろいろな問題が解けるようになります。
例題 4: 5 人のテストの平均が 78 点。1 人が追加で 90 点を取った。6 人の平均は?
平均は わり算だから、小数になることがあります。
例: 3 人の兄弟の年れい 12・10・7 才。平均は?
「平均 9.6 才」「約 9.7 才」と書きます。人の年れいなのに小数が出るのは変な気がしますが、ならしたときの数なので、これで正しいのです。
「x がふえると y もふえる」= 比例、ではありません。2 倍 ・3 倍に同じようにふえるのが比例。たとえば「3 ずつふえる(2→5→8→11)」は比例ではありません。
比例のグラフは 必ず原点(0, 0)を通る直線。もしグラフが原点以外から出発しているなら、それは比例ではありません。
割合を計算するとき、四捨五入で 99% や 101% になることがあります。「その他」で調整するか、表に 「合計 100%」と書いておきましょう。
「0 のデータを数に入れわすれる」「休んだ日をのぞいてしまう」などのミスが多いです。合計 ÷ 個数の個数は、全部のデータの数(0 もふくめる)です。
「平均 70 点のクラス」= 合計 70 点ではありません。平均は 1 人あたりの点数で、合計は 平均 × 人数。
5 年生算数のしめくくり:整数の性質から始まり、小数や分数のかけ算・わり算、図形と面積・体積、割合と速さ、そして比例と平均まで。5 年生の 1 年で、算数の世界はぐっと広がりました。6 年生では、この章で学んだ 比例の考え方をさらにおし広げて、反比例・比・拡大としゅく小・角柱や 円柱の体積など、より本格的な算数に進みます。この章で学んだ「表・式・グラフを行き来する力」が、これからの大きな武器になります。