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この章では、整数の性質について学びます。これまでは整数を「いくつあるか」「大きさはどれくらいか」という視点で見てきましたが、5年生では整数そのものを かけ算やわり算の視点 から見直していきます。
この章が終わるころには、つぎのことができるようになっています。
ポイント: この章のキーワードは「整数をなかま分けする」。2 でわったときの余りで分けたり、かけ算・わり算の関係で分けたりします。算数の土台となる考え方なので、じっくり身につけましょう。
まずは一番シンプルななかま分けから始めましょう。
整数を 2 でわったとき、わり切れる数を 偶数、1 余る数を 奇数 といいます。
| 整数 | 2 でわると | なかま |
|---|---|---|
| 0 | 0 あまり 0 | 偶数 |
| 1 | 0 あまり 1 | 奇数 |
| 2 | 1 あまり 0 | 偶数 |
| 3 | 1 あまり 1 | 奇数 |
| 4 | 2 あまり 0 | 偶数 |
| 5 | 2 あまり 1 | 奇数 |
このように、整数を順にならべると 偶数と奇数はこうごに出てくる ことがわかります。
ポイント:0 も偶数 にふくめます。0 は 2 でわるとわり切れるからです。
大きな数でも、偶数か奇数かは 一の位の数字 だけ見れば決まります。
たとえば 1284 は一の位が 4 なので偶数、3579 は一の位が 9 なので奇数です。
注意: 「一の位で見分けられる」のは、10・100・1000 などが全部 2 でわり切れる数(偶数)だからです。つまり百の位や千の位の数字がいくつであっても、2 でわったときの余りには関係しません。
偶数と奇数を、たし算・ひき算・かけ算で組み合わせるとおもしろい決まりが見えてきます。
| 組み合わせ | 結果 |
|---|---|
| 偶数 + 偶数 | 偶数 |
| 偶数 + 奇数 | 奇数 |
| 奇数 + 奇数 | 偶数 |
| 偶数 × 偶数 | 偶数 |
| 偶数 × 奇数 | 偶数 |
| 奇数 × 奇数 | 奇数 |
たとえば 3(奇数)+ 5(奇数)= 8(偶数)、3 × 5 = 15(奇数)というふうに、実さいの数で確かめてみましょう。
つぎは かけ算 の視点から整数を見ていきます。
ある整数に、1・2・3・4・… と整数をかけてできる数を、その数の 倍数 といいます。
たとえば 3 の倍数は、
となります。3 の倍数は 3、6、9、12、15、18、21、24、27、30、… と、どこまでも無限に続いていきます。
ポイント:倍数に 0 はふくめません。いちばん小さい倍数は、その数自身(3 の倍数なら 3)です。
4 の倍数を、小さいほうから 8 こ書き出してみましょう。
答えは 4、8、12、16、20、24、28、32 です。
2 つ以上の整数を考えて、どちらの倍数にもなっている数 を 公倍数 といいます。その中でいちばん小さい公倍数を 最小公倍数 といいます。
例として 4 と 6 で考えてみましょう。
両方に出てくる数を探すと、12、24、36、48、… が見つかります。これが 4 と 6 の公倍数。そしていちばん小さい 12 が 最小公倍数 です。
ポイント:公倍数も無限にあります。そして 公倍数は、最小公倍数の倍数になっている という決まりがあります。 4 と 6 の公倍数「12、24、36、48」は、最小公倍数 12 の倍数です。
小さい方の数に注目して倍数を順に書き出し、大きい方の数でわり切れるか を確かめる方法がいちばんシンプルです。
例:6 と 8 の最小公倍数を求める。
大きい方の数8 の倍数 を書き出して、小さい方の 6 でわり切れるか順に見ます。
| 8 の倍数 | 6 でわれる? |
|---|---|
| 8 | × |
| 16 | × |
| 24 | ○ |
24 が最初に見つかったので、6 と 8 の最小公倍数は 24 です。
やってみよう:9 と 12 の最小公倍数 を求めてみましょう。12 の倍数を書き出して、9 でわれるか確かめます。12、24、36(9 でわれる!)→ 答えは 36。
最小公倍数は日常のさまざまな場面で使えます。
やってみよう: バス A は 6 分おき、バス B は 8 分おきにやってきます。今、2 本同時にバス停を出発しました。つぎに 2 本が同時に発車するのは何分後でしょう?
答え:6 と 8 の最小公倍数は 24。つまり 24 分後 に、また 2 本同時に出発します。
今度は わり算 の視点から整数を見ていきます。
ある整数を わり切ることのできる整数 を、その数の 約数 といいます。
たとえば 12 の約数を探すには、12 ÷ 1、12 ÷ 2、12 ÷ 3、… と順にわってみます。
わり切れたときのわる数を集めると、12 の約数は 1、2、3、4、6、12 の 6 こです。
ポイント:約数はどんな整数でも 有限こ しかありません(倍数とちがって無限には続きません)。1 とその数自身は必ず約数です。
わり算の結果を見ると、(1, 12)、(2, 6)、(3, 4) のように必ずペアで出てきます。そこで、小さい方から順にわって いき、ペアになる相手を同時に書きます。
例:24 の約数 を探す。
| わる数 | わった答え |
|---|---|
| 1 | 24 |
| 2 | 12 |
| 3 | 8 |
| 4 | 6 |
4 × 6 まできたら、次の 5 は 24 をわり切れません。6 × 4 は 4 × 6 と同じでもう書いたので、ここで終わりです。
集めると、24 の約数は 1、2、3、4、6、8、12、24 の 8 こ。
ポイント: ペアのもう片方(わった答え)が わる数より小さくなったら、もう新しい約数は出てきません。そこでストップです。
2 つ以上の整数を考えて、どちらの約数にもなっている数 を 公約数 といいます。その中でいちばん大きい公約数を 最大公約数 といいます。
例:18 と 24 の公約数を探してみましょう。
両方に出てくる数を探すと、1、2、3、6。これが 18 と 24 の公約数。そしていちばん大きい 6 が 最大公約数 です。
ポイント:1 はどんな整数でも必ず約数 なので、どんな 2 つの数にも 1 は公約数 としてふくまれます。公約数が「1 だけ」になる数どうしもあります。
小さい方の数に注目します。小さい方の数の約数を書き出し、大きい方の数をわり切れるか大きい方から順に確かめる方法がおすすめです。
例:18 と 30 の最大公約数を求める。
小さい方の 18 の約数は 1、2、3、6、9、18。大きい方から順に 30 をわれるか確かめます。
| 18 の約数(大きい順) | 30 をわり切れる? |
|---|---|
| 18 | 30 ÷ 18 = 1 あまり 12 × |
| 9 | 30 ÷ 9 = 3 あまり 3 × |
| 6 | 30 ÷ 6 = 5 ○ |
6 が最初に見つかったので、18 と 30 の最大公約数は 6 です。
やってみよう:12 と 20 の最大公約数 を求めてみましょう。小さい方 12 の約数は 1、2、3、4、6、12。大きい方から:12(×)、6(×)、4(20 ÷ 4 = 5 ○)。答えは 4。
最大公約数も日常で役立つ場面があります。
やってみよう: りんごが 18 こ、みかんが 24 こあります。あまりが出ないように、できるだけ多くの人にどちらも同じ数ずつ配るには何人まで配れるでしょう?
答え:18 と 24 の最大公約数は 6。つまり 6 人 までなら、りんごを 3 こずつ、みかんを 4 こずつ配れます。
ここまでは 書き出して探す方法を学びました。数が大きくなってくると書き出しが大変になるので、連除法 というべん利な求め方を紹介します。
2 つの数を横にならべて、両方をわり切れる数(共通の約数)で同時にわっていきます。もう共通にわれる数がなくなるまで続けます。
例:24 と 36 で連除法をやってみます。
2 ) 24 36
2 ) 12 18
3 ) 6 9
2 3 ← これ以上共通でわれる数がない
手順:
左にならべた数をすべてかける と、最大公約数になります。
確かめ:24 の約数 {1, 2, 3, 4, 6, 8, 12, 24}、36 の約数 {1, 2, 3, 4, 6, 9, 12, 18, 36}。共通は {1, 2, 3, 4, 6, 12}、いちばん大きいのは 12。○
左にならべた数 × 下の段に残った数 をすべてかける と、最小公倍数になります。
確かめ:24 の倍数 24, 48, 72, 96, …、36 の倍数 36, 72, 108, …。最初に共通するのは 72。○
ポイント:連除法は 「もうこれ以上共通でわれない」 までわり続けるのがコツ。途中でやめると最大公約数が小さく出てしまいます。6 年生・中学校でも使う大事な道具なので、書き方だけでも覚えておきましょう。
2 ) 18 30
3 ) 9 15
3 5
いくつか注意点をまとめます。