この 章で 学ぶこと
この 章では、むかしから 日本で つかわれてきた 計算の 道具そろばんを まなびます。鉛筆も 消しゴムも いらず、珠を はじくだけで 大きな 数の たし算・ひき算が できる、ふしぎな 道具です。
おわるころには、つぎのことが できるように なっています。
- そろばんの しくみ(5玉・1玉・定位点)が わかる
- そろばんで 整数(一の位 から 万の位 まで)を あらわせる
- そろばんで 小数(1/10 の位 まで)を あらわせる
- 5 の合成・分解を つかった かんたんな たし算が できる
- 5 の合成・分解を つかった かんたんな ひき算が できる
- そろばんを つかう よさ(はやさ・暗算の 力)が わかる
ポイント: そろばんは 「玉の 入れ方・はらい方」さえ おぼえれば、紙の ひっさんよりも はやく 答えが 出せる ことが あります。むずかしく かんがえず、まずは 玉に さわって みましょう。
1. そろばん って なに?
そろばんは、たくさんの 珠(玉)が ならんだ 計算の 道具です。日本では むかしから お店で つかわれて きました。今は 電卓や パソコンが ありますが、そろばんを ならうと 頭の中で 計算する 力(暗算力)が つよく なるので、今でも たくさんの 子どもが 学んで います。
そろばんは、よこに 長い わくの 中に、たてに ならんだ けたが いくつも あります。1つの けたは、上下に 分かれて います。
そろばん。 はりに たまを 動かして 計算する。 上の 1 つの たまは 5 を、 下の 4 つは それぞれ 1 を あらわす。
そろばんの きほんの しくみ(1 けた分)
はり(けたの 仕切り)
下だん
○○○○
1 玉(下に 4 こ)= 1 × 4
- まんなかの 太い 横ぼうを はり(または 梁)と いいます
- はりの 上に ある 玉を 5玉(ご玉)と いい、1けたに 1こ あります
- はりの 下に ある 玉を 1玉(いち玉)と いい、1けたに 4こ あります
大事な ルール: そろばんでは、はりに くっついて いる 玉だけが 「数として 入っている」と かぞえます。はりから はなれて いる 玉は 0 です。
2. 5玉と 1玉── 玉の 数え方
1けた で あらわせる 数は、0 から 9 までです。
- 1玉 を はりに あげると 1 ふえる
- 5玉 を はりに さげると 5 ふえる
| あらわす 数 | 5玉 | 1玉 |
|---|
| 0 | 上に ある(0) | 下に ある(0) |
| 1 | 上に ある(0) | 上に 1こ(1) |
| 2 | 上に ある(0) | 上に 2こ(2) |
| 3 | 上に ある(0) | 上に 3こ(3) |
| 4 | 上に ある(0) | 上に 4こ(4) |
| 5 | 下に 1こ(5) | 下に ある(0) |
| 6 | 下に 1こ(5) | 上に 1こ(1) |
| 7 | 下に 1こ(5) | 上に 2こ(2) |
| 8 | 下に 1こ(5) | 上に 3こ(3) |
| 9 | 下に 1こ(5) | 上に 4こ(4) |
たとえば 7 を あらわす ときは、5玉を 1こ さげて(5)、1玉を 2こ あげて(2)、合わせて 5 + 2 = 7 です。
ポイント: 1けた で 5 以上の 数を あらわす ときは、かならず 5玉を 1こ つかいます。「5 と あといくつ」で 数を 組み立てる かんがえ方を 5 の合成と いいます。
3. 定位点── どこが 一の位?
そろばんの はりの 上には、ぽつぽつ と 黒い 点が ついて います。これを 定位点と いいます。
- 自分が 「ここを 一の位 と する」と 決めた 定位点を 1つ えらびます
- その 左 へ 1けた ずれると 十の位、また 左に 百の位・千の位・万の位と つづきます
- その 右 へ 1けた ずれると 1/10 の位(小数第 1 位)に なります
たとえば 3,250 を 入れる ときは、
- 万の位 → 0(玉は 全部 はりから はなす)
- 千の位 → 3(1玉を 3こ あげる)
- 百の位 → 2(1玉を 2こ あげる)
- 十の位 → 5(5玉を 1こ さげる)
- 一の位 → 0
と、左から じゅんに入れて いきます。
大事な ルール: そろばんで 数を 入れる ときも 読む ときも、左の けた(大きい位)から あつかいます。紙の ひっさんと は ぎゃく なので 気を つけましょう。
4. かんたんな たし算 ── 玉を 入れて いく
そろばんの たし算は、「答えの 玉を どんどん 入れて いく」と 考えます。
れい 1:3 + 2
- 一の位に 3 を 入れる(1玉を 3こ あげる)
- + 2:1玉を もう 2こ あげる
- 答え:1玉が 5こ あつまる …… ところで!
ここで 大事な ことが あります。1玉は 4こ しか ありません。1玉 5こ ぶんを そのまま 置く ことは できません。そこで 「5 の 合成」を つかいます。
5 の 合成(たし算): 「あといくつで 5 に なるか」を かんがえる。
たとえば 「3 + 2」 では、2 を 入れたい けど 1玉 が たりない → 5玉 を さげて、3 を 上げる(はらう)。
なぜなら +2 = +5 − 3 だから。
ということで 3 + 2 は、
- 1玉 3こ あげて 3
- 5玉 を 1こ さげて +5、同時に 1玉 を 3こ はらって −3
- 答え:5玉 が 1こ、1玉 が 0こ → 5
ポイント: 「玉が たりない」と なったら、5玉 を 動かす。これが そろばん たし算の 第一の コツです。
れい 2:6 + 3
- 一の位に 6(5玉 1こ + 1玉 1こ)
- + 3:1玉 を 3こ あげる
- 答え:5玉 1こ + 1玉 4こ = 9
この 場合は 1玉が ちゃんと 4こ まで あがる ので、5 の 合成は つかわなくて だいじょうぶ です。
5. かんたんな ひき算 ── 玉を はらって いく
ひき算は 「玉を はりから はなす(はらう)」と 考えます。
れい 1:8 − 3
- 一の位に 8(5玉 1こ + 1玉 3こ)
- − 3:1玉 を 3こ はらう
- 答え:5玉 1こ + 1玉 0こ = 5
れい 2:7 − 4
- 一の位に 7(5玉 1こ + 1玉 2こ)
- − 4:1玉 が 2こ しか ないので、4 を そのまま はらえない!
ここで 「5 の 分解」を つかいます。
5 の 分解(ひき算): 「5 から いくつ ひけば のこるか」を かんがえる。
「− 4」 を 「− 5 + 1」と 入れかえる。
なぜなら − 4 = − 5 + 1 だから。
ということで 7 − 4 は、
- 5玉 1こ + 1玉 2こ で 7
- 5玉 を 1こ あげる(− 5)、同時に 1玉 を 1こ あげる(+ 1)
- 答え:5玉 0こ + 1玉 3こ = 3
ポイント: ひき算で 1玉が たりない ときは 5玉 を かえす(あげる) こと。たし算と ぎゃくの 動きです。
6. そろばんを つかう よさ
そろばんは ただの 古い 道具では ありません。学んで 身に つく 3 つの よい ことが あります。
- 計算が はやく なる ── 玉を はじく 動きが 体で おぼえられると、ひっさんより はやく 答えが 出ます
- 暗算の 力が 育つ ── そろばんに なれた 人は、頭の中に そろばんを 思いうかべて計算できる ように なります(これを 「暗算」と いいます)
- 位 の 感覚が しっかり する ── どこが 一の位、どこが 千の位、と 体で おぼえる ので、大きな 数の 計算で まちがえにくく なります
大事な こと: そろばんは いきなり 上手 に なる 道具では ありません。まずは 0〜9 を 入れて はらう ことを 何回も れんしゅうし、つぎに 5 の合成・分解を ゆっくり 確かめながら すすみましょう。学校に そろばんが ない ときは、紙に そろばんの 絵を かいて玉を ○・● で あらわすだけ でも 練習に なります。
まとめ
- そろばんは 5玉 1こ + 1玉 4こ で 1けたの 0〜9 を あらわす
- 数を 入れる・読む ときは 左の けた(大きい位)から
- 定位点を 1つ えらんで 「ここが 一の位」と 決める。左に 十・百・千・万、右に 1/10 の位
- たし算で 1玉が たりない とき は +5 + (引きすぎ分の はらい) = 5 の 合成
- ひき算で 1玉が たりない とき は −5 + (たりない分の あげ) = 5 の 分解
- そろばんを 学ぶと はやさ・暗算力・位の 感覚が 育つ
3年生算数 を ぜんぶ 終えた みんなへ: Ch1〜Ch8 で 数・計算・図形・単位・データを まなび、この Ch9 で 道具を つかった 計算まで 体験 しました。4年生 では そろばんも さらに 発展(億・兆 の 数、もっと 大きな たし算ひき算)します。今日 おぼえた 玉の 動きを わすれずに!