物語を よむ — 登場人物の関係、物語の山場、情景描写から心情を 読む
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はじめに
3 年生 では「場面 の 移り変わり と 気持ち の 変化」 を 読みました。 4 年生 では さらに 進んで、
- 複数 の 登場人物 の 関係(家族・友達・対立・協力)
- 物語 の 山場(クライマックス)
- 情景描写(天気・自然・色・音) から 心情 を 読む
の 3 つ を 学び ます。
1. 物語 の 読み方 の 発展
登場人物 の 関係
物語 に は しばしば 複数 の 人 が 出 て きます。 だれ と だれ が 仲が よい か・対立 して いる か・協力 して いる か を つかみ ま しょう。 図 に かいて 整理 する と わかり やすい です。
物語 の 山場
山場 と は 物語 で 気持ち が いちばん 大きく 動く ところ です。「対立 が 解ける」「決心 する」「秘密 が 明かされる」 など。 山場 の 前 と 後 で 登場人物 の 気持ち は 大きく 変わり ます。
情景描写 から 心情 を 読む
情景描写 と は 天気・自然・色・音 を ことば で えがく こと。 作者 は 場面 の 情景 を つかって 登場人物 の 心 の 動き を 表す こと が 多い です。
| 情景 | 心情 の 例 |
|---|---|
| 朝 の さわやかな 風 | すがすがしい・新しい 始まり |
| ぐもり 空 | 気持ち が しずんで いる |
| 夕暮れ の 赤い 空 | さびしさ・終わり・思い 出 |
| あら しの 夜 | 不安・心 の 乱れ |
2. 自作物語 1 — 「わたしの 知ら ない おじいちゃん」
Studia オリジナル 物語
その 日、 父 が しまいこんで いた 古い 木箱 を 屋根うら から おろして きた。 中 に は 色 あ せ た 写真 と、 表紙 が ぼろぼろ の 手帳 が あった。
「これ、 おじいちゃん の もの だった のよ」 と 母 が 言った。
わたし は おじいちゃん に 会った こと が ない。 わたし が 生まれる ずっと 前 に 亡くなった と 聞いて いる。 おばあちゃん の 家 に は 写真 が かざって あって、 やさしい 顔 が 笑って いる。 でも、 写真 だけ で は どんな 人 だった の か わから ない。
手帳 を 開く と、 細かい 文字 が ぎっしり と 書きこまれて いた。 日付 を 見る と 70 年前。 おじいちゃん が まだ 中学生 だった ころ の もの だ。
「五月五日。 弟 が 走って 川 に 落ち た。 ぼく は 飛び こんで 助け た。 弟 の 手 が ふるえて いた。 ぼく の 手 も ふるえて いた。」
弟 と は、 父 の 父、 つまり わたし の 大おじ さん の こと だ。 大おじ さん は 今 も 元気 で 京都 に 住んで いる。
「九月三日。 きょう 妹 が 生まれた。 きみどり 色 の おくる み に つつまれて、 はと の よう に 小さな 声 で ないて いた。 父 さん は 泣き 笑い して いた。」
妹 と いう の は、 わたし の おばあちゃん の 妹、 つまり 大おば さん の こと だ ろう か。 写真 アルバム で たしか めて み よう と 思った。
ページ を めくる と、 やがて おじいちゃん が 大人 に なる 時期 の 記録 が あった。
「四月十日。 戦争 が 終わった ばかり。 ぼく は 学校 の 先生 に なる こと を 決め た。 子ども たち に は 二度 と 同じ 思い を させ ない。 そう 心 に ちかった。」
その ページ の 紙 は、 ほか の ページ より も しわ が 寄って いた。 何度 も 読み返した あと の よう だった。
わたし は 写真 を ま じ まじ と 見つめた。 笑って いる 目 の おく に、 何 か 強い 光 が ある よう に 思え た。 はじめて、 おじいちゃん が 「やさしい だけ の 人」 で は なく、 固い 決意 を もった 人 だった こと を 知った。
夕暮れ の 光 が 障子 に さして、 木箱 の 上 を オレンジ 色 に そめた。 わたし は 手帳 を そっと とじ た。 知ら なかった おじいちゃん が、 今 は 少し だけ、 となり に 立って いる ような 気 が した。
— Studia オリジナル
読みとり ポイント
- 登場人物 の 関係: わたし — 父 — 母 — 亡くなった おじいちゃん — 大おじ・大おば(手帳 の 中 で つながる)
- 山場: 戦争 が 終わって 「先生 に なる」 と 決意 した 記録 を 読む 場面(しわ の よった 紙 が ヒント)
- 情景描写: 夕暮れ の オレンジ 色 → 「過去 と 今 が つながる」 静かな 感動
3. 自作物語 2 — 「そら を とぶ いす」
Studia オリジナル 物語
学校 の 帰り、 ぼく は 図書館 に 立ち寄った。 ふだん は 入ら ない おく の 部屋 に、 古い 木 の いす が 一 つ ぽ つ ん と 置かれて いた。
「すわって も いい?」 と 司書 さん に 聞く と、 司書 さん は 静かに う なずいた。 すわった しゅんかん、 体 が ふわっ と かるく なった。
気 が つく と、 ぼく は 雲 の 上 に いた。 いす ご と そら を とんで いる。 風 が ほお を なで、 雲 が ピンク に そま って いた。
しばらく 飛ぶ と、 雲 の はて に 小さな 島 が 見えた。 木 で でき た 橋 の うえ で、 銀色 の 服 を 着 た 子 が しゃがんで 泣いて いた。
「どう した の?」 と 声 を かける と、 その 子 は こう 言った。
「はし の 木 が うご か な く なっちゃっ た。 直 す 道具 が ない。 みんな の 通り みち な のに。」
ぼく は ランドセル の 中 を まさぐった。 図工 の じゅぎょう で 使った かなづち と くぎ が、 まだ 入って いた。 「これ、 つかって!」
ぼく ら は 二人 で 木 を トン トン と たたき、 はずれ た 板 を つなぎ 直した。 30 分 ほど で 橋 は ま た まっすぐ に なった。
「あり が と う。 きみ は ぼく の 友達 だ。」
その 子 は 銀色 の 紙 で つくった 鳥 を ぼく に わたし、 ふっ と 雲 の むこう に 消えた。
ふと 気 が つく と、 ぼく は ま た 図書館 の 部屋 で いす に すわって いた。 司書 さん が にこにこ して、 「お か えり」 と 言った。
ランドセル を 開ける と、 銀色 の 紙 の 鳥 が 入って いた。
— Studia オリジナル
読み とり ポイント
- 登場人物 の 関係: ぼく — 図書館 の 司書 — そら の 世界 の 子(協力 の 関係)
- 山場: 二人 で 橋 を 直す 場面 → 別れぎわ に 「友達 だ」 と 言われる
- 情景描写: 雲 が ピンク に そま る、 風 が ほお を なでる → 不思議 で あた た かい 気持ち
4. 山場 と 気持ち の 変化 を 整理 する
物語 を 読み 終 わったら、 つぎ の 表 を 書いて 整理 し ま しょう。
| 場面 | 場所・時間 | 出来事 | 主人公 の 気持ち |
|---|---|---|---|
| はじめ | 図書館 の 古い 部屋 | いす を 見つけて すわる | 興味・少し どき どき |
| なか | そら の 上 → 島 | 銀色 の 子 と 出会い、 橋 を 直す | 不思議・助けたい |
| 山場 | 橋 が なお る しゅんかん | 「友達 だ」 と 言われる | あたたかい・うれしい |
| おわり | 図書館 に 戻る | 銀色 の 鳥 が ランドセル に | 不思議・大切 に したい |
5. 自分 の 経験 と 結びつけて 感想 を もつ
物語 を 読んだ ら、 「自分 の 体験 と どこ が 似て いる か」 を 考えて み ま しょう。 一人ひとり 感じ方 が ちがう こと に 気づく の が 大切 です。
例: 「わたし も おばあちゃん の 古い アルバム を 見た こと が ある。 知ら なかった こと を 知る うれしさ が 似て いた。」
例: 「ぼく も 図書館 で だれ も 見つけ られ ない 本 を 見つけて うれしかった。 その 不思議 さ と 似て いる。」
6. まとめ
- 物語 を 読む と き は 登場人物 の 関係 を 図 で 整理 する
- 山場 は 気持ち が 大きく 動く ところ。 前後 の 変化 を つかむ
- 情景描写(天気・色・音) は 心情 の ヒント
- 読んだ あと は 自分 の 経験 と 結びつけて 感想 を もつ
次 の 章 では、 説明文 を 段落構成・事実 と 意見・目的 に 応じた 要約 で 読む 力 を 身 に つけ ます。
学習ロードマップ(10件)
- 14 年生で ならう 漢字(まえ)101 字 と 部首から 意味を 考える + 国語辞典
- 24 年生で ならう 漢字(あと)101 字 と 都道府県の 漢字 20 字 + 百科事典・図鑑
- 3ことばの ひろがり — 類義語・対義語、和語・漢語・外来語、修飾語の 働き
- 4送り仮名・かなづかい・ローマ字の 復習 — 表記全般の 安定化
- 5詩・短歌・俳句・百人一首入門 — 季語と 自作俳句、文語調の 音読
- 6ことわざ・慣用句・故事成語の つかいかた + 表現技法(比喩・反復・倒置)
- 7物語を よむ — 登場人物の関係、物語の山場、情景描写から心情を 読む
- 8説明文を よむ — 段落構成、事実と 意見の 区別、目的に 応じた 要約
- 9書く — 調査レポート・新聞・手紙・物語 と アンケート・引用・推敲
- 10話す・聞く — インタビュー、発表、司会・記録・参加者の 話し合い