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3 年生では「場面 の移り変わりと気持ちの変化」 を読みました。 4 年生ではさらに進んで、
の 3 つを学びます。
物語にはしばしば複数の人が出てきます。 だれとだれが 仲がよいか・対立しているか・協力しているか をつかみましょう。 図にかいて整理するとわかりやすいです。
山場 とは物語で 気持ちがいちばん大きく動くところ です。「対立が解ける」「決心する」「秘密が明かされる」 など。 山場の前と後で登場人物の気持ちは大きく変わります。
情景描写 とは 天気・自然・色・音 をことばでえがくこと。 作者は場面の情景をつかって登場人物の心の動きを表すことが多いです。
| 情景 | 心情の例 |
|---|---|
| 朝のさわやかな風 | すがすがしい・新しい始まり |
| ぐもり空 | 気持ちがしずんでいる |
| 夕暮れの赤い空 | さびしさ・終わり・思い出 |
| あらしの夜 | 不安・心の乱れ |
Studia オリジナル物語
その日、 父がしまいこんでいた古い木箱を屋根うらからおろしてきた。 中には色あせた写真と、 表紙がぼろぼろの手帳があった。
「これ、 おじいちゃんのものだったのよ」 と母が言った。
わたしはおじいちゃんに会ったことがない。 わたしが生まれるずっと前に亡くなったと聞いている。 おばあちゃんの家には写真がかざってあって、 やさしい顔が笑っている。 でも、 写真だけではどんな人だったのかわからない。
手帳を開くと、 細かい文字がぎっしりと書きこまれていた。 日付を見ると 70 年前。 おじいちゃんがまだ中学生だったころのものだ。
「五月五日。 弟が走って川に落ちた。 ぼくは飛びこんで助けた。 弟の手がふるえていた。 ぼくの手もふるえていた。」
弟とは、 父の父、 つまりわたしの大おじさんのことだ。 大おじさんは今も元気で京都に住んでいる。
「九月三日。 きょう妹が生まれた。 きみどり色のおくるみにつつまれて、 はとのように小さな声でないていた。 父さんは泣き笑いしていた。」
妹というのは、 わたしのおばあちゃんの妹、 つまり大おばさんのことだろうか。 写真アルバムでたしかめてみようと思った。
ページをめくると、 やがておじいちゃんが大人になる時期の 記録 があった。
「四月十日。 戦争が終わったばかり。 ぼくは学校の先生になることを決めた。 子どもたちには二度と同じ思いをさせない。 そう心にちかった。」
そのページの紙は、 ほかのページよりもしわが寄っていた。 何度も読み返したあとのようだった。
わたしは写真をまじまじと見つめた。 笑っている目のおくに、 何か強い光があるように思えた。 はじめて、 おじいちゃんが 「やさしいだけの人」 ではなく、 固い決意をもった人 だったことを知った。
夕暮れの光が障子にさして、 木箱の上をオレンジ色にそめた。 わたしは手帳をそっととじた。 知らなかったおじいちゃんが、 今は少しだけ、 となりに立っているような気がした。
— Studia オリジナル
Studia オリジナル物語
学校の帰り、 ぼくは図書館に立ち寄った。 ふだんは入らないおくの部屋に、 古い木のいすが一つぽつんと置かれていた。
「すわってもいい?」 と司書さんに聞くと、 司書さんは静かにうなずいた。 すわったしゅんかん、 体がふわっとかるくなった。
気がつくと、 ぼくは雲の上にいた。 いすごとそらをとんでいる。 風がほおをなで、 雲がピンクにそまっていた。
しばらく飛ぶと、 雲のはてに小さな島が見えた。 木でできた橋のうえで、 銀色の服を着た子がしゃがんで泣いていた。
「どうしたの?」 と声をかけると、 その子はこう言った。
「はしの木がうごかなくなっちゃった。 直す道具がない。 みんなの通りみちなのに。」
ぼくはランドセルの中をまさぐった。 図工のじゅぎょうで使ったかなづちとくぎが、 まだ入っていた。 「これ、 つかって!」
ぼくらは二人で木をトントンとたたき、 はずれた板をつなぎ直した。 30 分ほどで橋はまたまっすぐになった。
「ありがとう。 きみはぼくの友達だ。」
その子は銀色の紙でつくった鳥をぼくにわたし、 ふっと雲のむこうに消えた。
ふと気がつくと、 ぼくはまた図書館の部屋でいすにすわっていた。 司書さんがにこにこして、 「おかえり」 と言った。
ランドセルを開けると、 銀色の紙の鳥が入っていた。
— Studia オリジナル
物語を読み終わったら、 つぎの表を書いて整理しましょう。
| 場面 | 場所・時間 | 出来事 | 主人公の気持ち |
|---|---|---|---|
| はじめ | 図書館の古い部屋 | いすを見つけてすわる | 興味・少しどきどき |
| なか | そらの上 → 島 | 銀色の子と出会い、 橋を直す | 不思議・助けたい |
| 山場 | 橋がなおるしゅんかん | 「友達だ」 と言われる | あたたかい・うれしい |
| おわり | 図書館に戻る | 銀色の鳥がランドセルに | 不思議・大切にしたい |
物語を読んだら、 「自分の体験とどこが似ているか」 を考えてみましょう。 一人ひとり感じ方がちがうことに気づくのが大切です。
例: 「わたしもおばあちゃんの古いアルバムを見たことがある。 知らなかったことを知るうれしさが似ていた。」
例: 「ぼくも図書館でだれも見つけられない本を見つけてうれしかった。 その不思議さと似ている。」
次の章では、 説明文を 段落構成・事実 と 意見・目的に応じた要約 で読む力を身につけます。