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生成せいせいAIのしくみ

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この章しょうで学まなぶこと

第だい1章しょうでAIの土台どだいを押おさえたら、いよいよ本丸ほんまるの「生成せいせいAI」です。生成AIせいせいえーあい(ジェネレーティブAI)とは、学習がくしゅうしたデータをもとに、文章ぶんしょう・画像がぞう・音声おんせい・動画どうがなどの新あたらしいコンテンツを「生成せいせい」するAIのことです。この第だい2章しょうでは、その生成せいせいAIがどんな技術ぎじゅつの積つみ重かさねで生うまれ、なぜ今いまこれほど自然しぜんな文章ぶんしょうを作つくれるようになったのか、そのしくみを歴史れきしの流ながれに沿そって理解りかいします。

キーワードは「Transformer」と「ChatGPT」。現在げんざいの生成せいせいAIの中核ちゅうかくにあるのはTransformerというモデルであり、それを対話たいわに応用おうようして世界せかい的てきブームを起おこしたのがChatGPTです。この章しょうでは、Transformer以前いぜんのモデル(GAN・VAE・RNNなど)から始はじまり、Transformerの登場とうじょう、ChatGPTの進化しんか、そしてGemini・Claude・Copilotといった主要しゅようサービスまでを一いち本ほんの線せんでつなぎます。

学習がくしゅうゴール

  • 生成AIせいせいえーあいの意味いみと、生成せいせいモデルの初期しょきの系譜けいふ(ボルツマンマシンぼるつまんましん・自己回帰モデルじこかいきもでる)を説明せつめいできる
  • CNNしーえぬえぬ・VAEぶいえーいー・GANがん・RNNあーるえぬえぬ・LSTMえるえすてぃーえむが「何なにを扱あつかうためのモデルか」を判別はんべつできる
  • Transformerとらんすふぉーまーの中核ちゅうかくであるAttentionあてんしょん(自己じこ注意ちゅうい)と位置エンコーディングいちえんこーでぃんぐの役割やくわりを説明せつめいできる
  • GPTじーぴーてぃー・BERTばーとなど派生はせいモデルの系譜けいふと違ちがいを判別はんべつできる
  • ChatGPTちゃっとじーぴーてぃーの歴史れきし、RLHFあーるえるえいちえふ・アライメントあらいめんと・ファインチューニングふぁいんちゅーにんぐ・ハルシネーションはるしねーしょん・マルチモーダルまるちもーだるを説明せつめいできる
  • Geminiじぇみに・Claudeくろーど・Copilotこぱいろっとの提供ていきょう元もとと特徴とくちょうを判別はんべつできる

試験しけんでは: 第だい2章しょうは用語ようごの意味いみに加くわえ、「どのモデルが何なにを生成せいせい/処理しょりするか」の対応たいおう関係かんけいがよく問とわれます。特とくにTransformer・Attention・RLHF・ハルシネーションは頻出ひんしゅつ。似にたモデル(VAEとGAN、GPTとBERT)は対比たいひで覚おぼえるのが得点とくてんのコツです。

1. 生成せいせいモデルの誕生たんじょうまで

1.1 生成せいせいAIとは

生成AIせいせいえーあい(ジェネレーティブAI)とは、大量たいりょうのデータからパターンを学まなび、それをもとに新あたらしいデータ(文章ぶんしょう・画像がぞう・音声おんせい・動画どうがなど)を作つくり出だすAIです。従来じゅうらいのAIの多おおくは「これは猫ねこか犬いぬか」を判別はんべつする識別しきべつ(分類ぶんるい)が中心ちゅうしんでしたが、生成せいせいAIは「猫ねこの画像がぞうそのものを描えがく」ように、コンテンツを生成せいせいする点てんが決定的けっていてきに異ことなります。

生成せいせいAIは突然とつぜん生うまれたわけではなく、ディープラーニングの発展はってんのなかで生うまれたいくつもの生成モデルせいせいもでるの積つみ重かさねの上うえに成なり立たっています。まずはその系譜けいふをたどります。

1.2 初期しょきの生成せいせいモデル

  • ボルツマンマシンぼるつまんましん: データの背後はいごにある確率かくりつ的てきな分布ぶんぷを学まなぶ、初期しょきのニューラルネットワークの一種いっしゅ。学習がくしゅうの計算けいさん量りょうが大おおきいという課題かだいがありました。これを一部いちぶのつながりに限定げんていして学習がくしゅうしやすくしたのが制約付きボルツマンマシンせいやくつきぼるつまんましん(RBM)です。生成せいせいモデルの原型げんけいのひとつとされます。
  • 自己回帰モデルじこかいきもでる(オートリグレッシブモデル): 直前ちょくぜんまでの出力しゅつりょくを手てがかりに、次つぎの要素ようそを1つずつ予測よそくして並ならべていく方式ほうしき。文章ぶんしょうなら「次つぎに来くる単語たんご」を順じゅんに予測よそくしていきます。後述こうじゅつするGPTもこの自己じこ回帰かいきの考かんがえ方かたを受うけ継ついでいます。

1.3 画像がぞうを扱あつかうモデル — CNN

CNNしーえぬえぬ(Convolutional Neural Network、畳み込みニューラルネットワークたたみこみにゅーらるねっとわーく)は、画像がぞう認識にんしきで大おおきな成果せいかを上あげたモデルです。畳み込みたたみこみという処理しょりで、画像がぞうの一部分いちぶぶんずつから「輪郭りんかく」「模様もよう」といった特徴とくちょうを段階だんかい的てきに抽出ちゅうしゅつします。生成せいせいAIそのものというより、画像がぞうを「理解りかいする」土台どだい技術ぎじゅつとして、画像がぞう生成せいせいモデルの内部ないぶでも広ひろく使つかわれます。

1.4 VAEとGAN — 画像がぞうを「生うみ出だす」二に大だいモデル

画像がぞうなどを生成せいせいするモデルとして、試験しけんで対比たいひされるのがVAEぶいえーいーとGANがんです。

  • VAEぶいえーいー(Variational Autoencoder、変分自己符号化器へんぶんじこふごうかき): データをエンコーダえんこーだで潜在ベクトルせんざいべくとる(データの特徴とくちょうを圧縮あっしゅくした内部ないぶ表現ひょうげん)に変換へんかんし、デコーダでこーだで元もとに戻もどすしくみ。この潜在せんざい空間くうかんから確率かくりつ的てきにサンプリング(ノイズのいず=ゆらぎを含ふくむ)することで、学習がくしゅうデータに似にた新あたらしいデータを生成せいせいできます。
  • GANがん(Generative Adversarial Network、敵対的生成ネットワークてきたいてきせいせいねっとわーく): 生成器せいせいき(Generator)と識別器しきべつき(Discriminator)を競きそわせるしくみ。生成せいせい器きは本物ほんものそっくりの偽にせデータを作つくろうとし、識別しきべつ器きはそれが本物ほんものか偽物にせものかを見破みやぶろうとします。両者りょうしゃが敵対てきたい的てきに学習がくしゅうを繰くり返かえすことで、生成せいせい器きはどんどんリアルなデータを作つくれるようになります。

絶対ぜったい暗記あんき: VAE=エンコーダ/デコーダと潜在せんざいベクトルで生成せいせい。GAN=生成せいせい器きと識別しきべつ器きを「競きそわせて」生成せいせい。「敵対てきたい的てき(Adversarial)」がGANの目印めじるしです。

1.5 時とき系列けいれつ・文章ぶんしょうを扱あつかうモデル — RNNとLSTM

文章ぶんしょうや音声おんせいのように「順番じゅんばん」が意味いみを持もつシーケンスデータしーけんすでーた(時じ系列けいれつデータ)を扱あつかうのが次つぎのモデルです。

  • RNNあーるえぬえぬ(Recurrent Neural Network、回帰型ニューラルネットワークかいきがたにゅーらるねっとわーく): 隠れ層かくれそうの出力しゅつりょくを次つぎの時点じてんの入力にゅうりょくへ戻もどすリカレント層りかれんとそうを持もち、前まえの情報じょうほうを記憶きおくしながら順じゅんに処理しょりします。ただし系列けいれつが長ながくなると、前半ぜんはんの情報じょうほうが薄うすれて伝つたわりにくくなる弱点じゃくてんがありました。
  • LSTMえるえすてぃーえむ(Long Short-Term Memory、長短期記憶ちょうたんききおく): RNNの弱点じゃくてんを改良かいりょうし、「覚おぼえておく情報じょうほう」と「忘わすれる情報じょうほう」を制御せいぎょするしくみを加くわえたモデル。長ながい系列けいれつでも重要じゅうような情報じょうほうを保持ほじできるようになり、翻訳ほんやくや文章ぶんしょう生成せいせいで使つかわれました。

ここまでのモデルを整理せいりすると次つぎのようになります。

モデルおもに扱あつかう対象たいしょう特徴とくちょう
ボルツマンマシン確率かくりつ分布ぶんぷ初期しょきの生成せいせいモデルの原型げんけい
自己じこ回帰かいきモデル系列けいれつ(文章ぶんしょうなど)次つぎの要素ようそを1つずつ予測よそく
CNN画像がぞう畳み込みたたみこみで特徴とくちょう抽出ちゅうしゅつ
VAE画像がぞうなどエンコーダ/デコーダ+潜在せんざいベクトル
GAN画像がぞうなど生成せいせい器きと識別しきべつ器きを競きそわせる
RNN系列けいれつ(文章ぶんしょう・音声おんせい)前まえの情報じょうほうを記憶きおくしながら処理しょり
LSTM長ながい系列けいれつ長期ちょうき記憶きおくを保持ほじできるRNNの改良かいりょう版ばん

引ひっかけ: RNN・LSTMは「順番じゅんばんのあるデータ(文章ぶんしょう・音声おんせい)」、CNNは「画像がぞう」が得意とくい、と対応たいおうづけて覚おぼえます。次つぎに登場とうじょうするTransformerは、このRNN/LSTMの弱点じゃくてんを根本こんぽんから解決かいけつしました。

2. Transformerと派生はせいモデルの系譜けいふ

2.1 Transformerモデル

Transformerとらんすふぉーまー(トランスフォーマー)は、2017年ねんにGoogleの研究けんきゅう者しゃらが発表はっぴょうした「Attention Is All You Need」という論文ろんぶんで提案ていあんされたモデルで、現在げんざいの生成せいせいAIのほぼすべての中核ちゅうかくになっています。GPTもBERTも、Geminiも、Transformerを基礎きそにしています。

RNNやLSTMは単語たんごを「順番じゅんばんに1つずつ」処理しょりするため、長ながい文章ぶんしょうでは計算けいさんに時間じかんがかかり、離はなれた単語たんごどうしの関係かんけいもとらえにくいという弱点じゃくてんがありました。Transformerはこの処理しょりの仕方しかたを根本こんぽんから変かえ、文ぶん全体ぜんたいの単語たんごをまとめて並列へいれつに処理しょりできるようにしました。これにより学習がくしゅうの高速こうそく化かと、長ながい文脈ぶんみゃくの理解りかいの両立りょうりつを実現じつげんしました。

2.2 Attention(注意ちゅうい機構きこう)

Transformerの心臓しんぞう部ぶがAttentionあてんしょん(Attention Mechanismあてんしょんめかにずむ、注意ちゅうい機構きこう)です。これは、ある単語たんごを処理しょりするとき、文中ぶんちゅうのどの単語たんごに「注目ちゅうもく」すべきかを重みおもみづけするしくみです。

たとえば「その犬いぬは疲つかれていたので、それは座すわった」という文ぶんで「それ」が何なにを指さすかを判断はんだんするには、「犬いぬ」に強つよく注目ちゅうもくする必要ひつようがあります。Attentionは、こうした単語たんごどうしの関連かんれんの強つよさを計算けいさんします。特とくに、同おなじ文ぶんの中なかの単語たんごどうしの関係かんけいを計算けいさんするものを自己注意じこちゅうい(Self-Attentionせるふあてんしょん、セルフアテンション)と呼よびます。この自己じこ注意ちゅういこそがTransformerの理解りかい力りょくの源みなもとです。

絶対ぜったい暗記あんき: 論文ろんぶんタイトルどおり「Attention(注意ちゅうい機構きこう)」がTransformerの核心かくしん。文中ぶんちゅうの単語たんごどうしの関係かんけいを見みるのがSelf-Attention(自己じこ注意ちゅうい)です。

2.3 位置いちエンコーディング

単語たんごをまとめて並列へいれつ処理しょりすると、そのままでは「単語たんごの順番じゅんばん」の情報じょうほうが失うしなわれてしまいます。「犬いぬが人ひとをかむ」と「人ひとが犬いぬをかむ」は語順ごじゅんで意味いみが変かわるため、順番じゅんばんは重要じゅうようです。そこでTransformerは位置エンコーディングいちえんこーでぃんぐ(Positional Encoding)というしくみで、各かく単語たんごに「文中ぶんちゅうでの位置いち」の情報じょうほうを付つけ加くわえます。これにより、並列へいれつ処理しょりをしながらも語順ごじゅんを正ただしく扱あつかえます。

Transformer全体ぜんたいのアーキテクチャあーきてくちゃ(構造こうぞう)は、入力にゅうりょくを理解りかいする部分ぶぶん(エンコーダ)と出力しゅつりょくを生成せいせいする部分ぶぶん(デコーダ)から成なりますが、後述こうじゅつのGPTはこのうちデコーダ側がわを、BERTはエンコーダ側がわを主おもに活用かつようしています。

2.4 Transformer以後いごの派生はせいモデルの系譜けいふ

Transformerの登場とうじょう後ご、それを土台どだいにした多おおくのモデルが生うまれました。代表だいひょう的てきなのがGPT系けいとBERT系けいです。

  • GPTじーぴーてぃー(Generative Pre-trained Transformer、OpenAI): Transformerのデコーダを活用かつようし、次じの単語たんごを予測よそくして文章ぶんしょうを生成せいせいすることに特とく化か。自己じこ回帰かいき的てきに文章ぶんしょうを作つくるのが得意とくいで、ChatGPTの基盤きばんです。
  • BERTばーと(Bidirectional Encoder Representations from Transformers、Google): Transformerのエンコーダを活用かつようし、文ぶんの意味いみ理解りかいに強つよいモデル。文章ぶんしょう生成せいせいより、検索けんさく・分類ぶんるい・質問しつもん応答おうとうなどの理解りかいタスクで力ちからを発揮はっきします。2つの方法ほうほうで事前じぜん学習がくしゅうします。
    • MLMえむえるえむ(Masked Language Modelますくとらんげーじもでる、マスク言語げんごモデル): 文中ぶんちゅうの一部いちぶの単語たんごを隠かくし、それを前後ぜんご両方りょうほうの文脈ぶんみゃくから当あてさせる
    • NSPえぬえすぴー(Next Sentence Predictionねくすとせんてんすぷれでぃくしょん、次じ文ぶん予測よそく): 2つの文ぶんが連続れんぞくしているかどうかを予測よそくさせる

BERTから派生はせいした改良かいりょうモデルもシラバスに挙あげられています。

  • RoBERTaろばーた: BERTの学習がくしゅう方法ほうほうを見直みなおし、NSPをやめて大量たいりょうデータで学習がくしゅうし直なおすなどして精度せいどを高たかめたモデル。
  • ALBERTあるばーと: パラメータを共有きょうゆうするなどしてモデルを軽量けいりょう化か・効率こうりつ化かしたBERTの派生はせいモデル。

引ひっかけ: GPTは「生成せいせい(Generative)」が得意とくいでデコーダ系けい、BERTは「理解りかい」が得意とくいでエンコーダ系けい。方向ほうこう性せいが逆ぎゃくであることを押おさえます。BERTの事前じぜん学習がくしゅう=MLMとNSP、はセットで頻出ひんしゅつです。

3. ChatGPT

3.1 ChatGPTとは

ChatGPTちゃっとじーぴーてぃーは、OpenAIが2022年ねん11月つきに公開こうかいした対話たいわ型がたの生成せいせいAIサービスです。GPTモデルを対話たいわ向むけに調整ちょうせいしたもので、人間にんげんと自然しぜんに会話かいわするように質問しつもんに答えこたえたり、文章ぶんしょうを作成さくせいしたりできます。公開こうかい後ごわずか2か月げつで利用りよう者しゃ数すうが1億おく人にんを超こえたとされ、生成せいせいAIブームの火付ひつけ役やくとなりました。

ChatGPTのようなモデルは、大量たいりょうの文章ぶんしょうを学習がくしゅうして言葉ことばの使つかい方かたを身みにつけたLLMえるえるえむ(大だい規模きぼ言語げんごモデル)であり、その中核ちゅうかく技術ぎじゅつは自然言語処理しぜんげんごしょり(NLPえぬえるぴー、Natural Language Processing)です。

3.2 対話たいわ型がたAIの変遷へんせんとGPTの歴史れきし

GPTは版ばんを重かさねるごとに、学習がくしゅうデータとパラメータぱらめーた(モデル内部ないぶの調整ちょうせい可能かのうな値あたい。多おおいほど表現ひょうげん力りょくが高たかまる傾向けいこう)を拡大かくだいしてきました。細こまかな数値すうちの暗記あんきより、流ながれと各かく版ばんの位置いちづけを押おさえます。

モデル位置いちづけ
GPT-1Transformerを使つかった初代しょだい。事前じぜん学習がくしゅう+ファインチューニングの有効ゆうこう性せいを示しめした
GPT-2規模きぼを拡大かくだいし、より自然しぜんな文章ぶんしょう生成せいせいが可能かのうに
GPT-3パラメータを大幅おおはば拡大かくだいした大だい規模きぼ言語げんごモデル。多様たようなタスクに対応たいおう
GPT-3.5GPT-3を対話たいわ向むけに改良かいりょう。ChatGPT初期しょきの基盤きばんとなった
GPT-4精度せいどが向上こうじょうし、画像がぞうも扱あつかえるマルチモーダルまるちもーだるに対応たいおう

GPT-3.5への流ながれで重要じゅうようなのがInstructGPTいんすとらくとじーぴーてぃーです。これは人間にんげんの指示しじ(インストラクション)に沿そって答こたえるよう調整ちょうせいしたモデルで、次つぎに述のべるRLHFによって「人ひとが求もとめる答えこたえ」を返かえせるようにした点てんが、ChatGPTの使つかいやすさにつながりました。学習がくしゅうに使つかう大量たいりょうの文章ぶんしょうのまとまりをデータセットでーたせっとと呼よびます。

3.3 RLHF — 人間にんげんのフィードバックによる強化きょうか学習がくしゅう

RLHFあーるえるえいちえふ(Reinforcement Learning from Human Feedback、人間にんげんのフィードバックによる強化きょうか学習がくしゅう)は、AIの回答かいとうに人間にんげんが「良よい/悪わるい」の評価ひょうかを与あたえ、その評価ひょうかを報酬ほうしゅうとして強化きょうか学習がくしゅうさせる手法しゅほうです。これにより、単たんに文法ぶんぽう的てきに正ただしいだけでなく、人間にんげんにとって役立やくだち・自然しぜんで・安全あんぜんな回答かいとうを返かえせるようになります。ChatGPTが「使つかえる」AIになった最大さいだいの要因よういんのひとつです。

3.4 アライメントとファインチューニング

  • アライメントあらいめんと(Alignment): AIの振ふる舞まいを人間にんげんの意図いと・価値かち観かん・倫理りんりに合あわせること。有害ゆうがい・不適切ふてきせつな出力しゅつりょくを避さけ、人ひとが望のぞむ方向ほうこうに調整ちょうせいする取とり組くみ全般ぜんぱんを指さします。RLHFはアライメントを実現じつげんする代表だいひょう的てきな手段しゅだんです。
  • ファインチューニングふぁいんちゅーにんぐ(Fine-tuning): すでに事前じぜん学習がくしゅうしたモデルを、特定とくていの目的もくてきや分野ぶんやのデータで追加ついか学習がくしゅうし、専門せんもん的てきに調整ちょうせいすること。ゼロから学まなばせるより少すくないデータで用途ようとに合あったモデルを作つくれます。

3.5 ハルシネーション

ハルシネーションはるしねーしょん(Hallucination、幻覚げんかく)とは、生成せいせいAIが事実じじつと異ことなる内容ないようを、もっともらしく自信じしんありげに出力しゅつりょくしてしまう現象げんしょうです。AIは「正ただしい知識ちしき」ではなく「それらしく続つづく言葉ことば」を確率かくりつ的てきに生成せいせいするために起おこります。存在そんざいしない論文ろんぶんや誤あやまった数値すうちを作つくり出だすこともあり、生成せいせいAIを使つかううえで最もっとも注意ちゅういすべき弱点じゃくてんです。出力しゅつりょくを鵜呑うのみにせず、人間にんげんが事実じじつ確認かくにん(ファクトチェック)することが欠かかせません。

絶対ぜったい暗記あんき: ハルシネーション=もっともらしいウソを出力しゅつりょくする現象げんしょう。RLHF=人間にんげんの評価ひょうかを報酬ほうしゅうに学習がくしゅう。アライメント=人間にんげんの価値かち観かんに合あわせること。この3つは第だい2章しょうの最さい頻出ひんしゅつです。

3.6 マルチモーダルと拡張かくちょう機能きのう

マルチモーダルまるちもーだる(Multimodal)とは、テキストだけでなく画像がぞう・音声おんせい・動画どうがなど複数ふくすうの種類しゅるい(モダリティ)の情報じょうほうを扱あつかえることです。GPT-4以降いこう、画像がぞうを読よみ取とって説明せつめいしたり、音声おんせいで対話たいわしたりできるようになりました。

ChatGPTには、対話たいわ以外いがいの作業さぎょうを担になう機能きのう・派生はせいモデルも加くわわっています。細こまかな仕様しようは変化へんかするため、名称めいしょうと大おおまかな役割やくわりを押おさえます。

名称めいしょう大おおまかな位置いちづけ
Code Interpreterこーどいんたーぷりたコードを実行じっこうしてデータ分析ぶんせき・グラフ作成さくせいなどを行おこなう機能きのう
GPTsじーぴーてぃーず目的もくてきに合あわせてカスタマイズした独自どくじChatGPTを作つくれる機能きのう
GPT-4oじーぴーてぃーふぉーおーテキスト・音声おんせい・画像がぞうをまとめて扱あつかうマルチモーダルモデル(oはomni)
o1(GPT-o1)答こたえる前まえに「考かんがえる」推論すいろんに強つよいとされるモデル
o3(GPT-o3)o1の系譜けいふを進すすめた推論すいろん重視じゅうしのモデル
o4系けい(o4-mini など)推論すいろん系けいモデルのさらなる発展はってん系けい(2026年ねん時点じてんでは o4-mini が公開こうかい)
GPT-4.1じーぴーてぃーよんてんいちGPT-4系けいを改良かいりょうした位置いちづけのモデル
GPT-5じーぴーてぃーふぁいぶGPT系けいの新あたらしい世代せだいとして位置いちづけられるモデル
Soraそらテキストから動画どうがを生成せいせいするモデル
OperatorおぺれーたWebブラウザなどを操作そうさして作業さぎょうを代行だいこうするエージェント的てき機能きのう
Codexこーでっくすプログラムコードの生成せいせい・補助ほじょに特とく化かしたモデル
Image Generationいめーじじぇねれーしょんテキストから画像がぞうを生成せいせいする機能きのう

補足ほそく: 最新さいしんモデルは名称めいしょうと「テキスト/画像がぞう/動画どうが/コード/推論すいろんのどれに強つよいか」の対応たいおうだけ押おさえれば十分じゅうぶんです。細こまかな性能せいのう数値すうちは問とわれにくく、また頻繁ひんぱんに更新こうしんされます。o系けいは「推論すいろん」、Soraは「動画どうが」、Codexは「コード」と結むすびつけましょう。

4. その他たの主要しゅよう生成せいせいAI

ChatGPT(OpenAI)以外いがいにも、大手おおてIT企業きぎょうが対話たいわ型がたの生成せいせいAIを提供ていきょうしています。提供ていきょう元もととセットで覚おぼえます。

サービス提供ていきょう元もと特徴とくちょう
GeminiじぇみにGoogleGoogleが開発かいはつしたマルチモーダル対応たいおうの生成せいせいAI。検索けんさくやGoogleの各種かくしゅサービスとの連携れんけいが特徴とくちょう
ClaudeくろーどAnthropicAnthropicが開発かいはつ。安全あんぜん性せいやアライメントを重視じゅうしし、長ながい文章ぶんしょうの扱あつかいや自然しぜんな文章ぶんしょう生成せいせいに強つよいとされる
CopilotこぱいろっとMicrosoftMicrosoftが提供ていきょう。WindowsやOffice(Word・Excel等とう)に組くみ込こまれ、業務ぎょうむのなかで使つかえる点てんが特徴とくちょう

絶対ぜったい暗記あんき: Gemini=Google、Claude=Anthropic、Copilot=Microsoft。提供ていきょう元もととの組み合わせくみあわせを問とう出題しゅつだいが定番ていばんです。

まとめ

  • 生成せいせいAIは学習がくしゅうデータをもとに新あたらしいコンテンツ(文章ぶんしょう・画像がぞう・音声おんせい・動画どうが)を生うみ出だすAI。従来じゅうらいの「識別しきべつ」に対たいし「生成せいせい」が特徴とくちょう
  • 初期しょきの生成せいせいモデルにボルツマンマシンや自己じこ回帰かいきモデル。画像がぞうはCNN、生成せいせいはVAE(エンコーダ/デコーダ+潜在せんざいベクトル)とGAN(生成せいせい器きと識別しきべつ器きを競きそわせる)
  • 系列けいれつ(文章ぶんしょう・音声おんせい)はRNN、その長期ちょうき記憶きおくを改良かいりょうしたのがLSTM
  • Transformerが現在げんざいの生成せいせいAIの中核ちゅうかく。核心かくしんはAttention(自己じこ注意ちゅうい=Self-Attention)、語順ごじゅんは位置いちエンコーディングで扱あつかう
  • 派生はせいモデルはGPT(生成せいせい・デコーダ系けい)とBERT(理解りかい・エンコーダ系けい、MLM+NSPで事前じぜん学習がくしゅう)。改良かいりょう版ばんにRoBERTa・ALBERT
  • ChatGPTはGPTを対話たいわ向むけに調整ちょうせいしたサービス。GPT-1→2→3→3.5→4と規模きぼを拡大かくだいし、マルチモーダルへ
  • RLHFは人間にんげんの評価ひょうかを報酬ほうしゅうに学習がくしゅうする手法しゅほう。アライメントは人間にんげんの価値かち観かんに合あわせること。ハルシネーションはもっともらしい誤あやまりを出力しゅつりょくする現象げんしょうで最さい重要じゅうようの弱点じゃくてん
  • 最新さいしんモデルはGPT-4o・o1/o3/o4系けい(推論すいろん)・GPT-4.1・GPT-5・Sora(動画どうが)・Codex(コード)・Operator・Image Generationなど
  • その他たの主要しゅよう生成せいせいAIはGemini(Google)・Claude(Anthropic)・Copilot(Microsoft)
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