人倫 は、 ヘーゲル が 『法の哲学』 で説いた概念で、 主観的道徳 (カント的) と客観的法を統合した倫理共同体を指します。
人倫の 3 段階:
| 段階 | 内容 |
|---|---|
| 家族 | 愛による自然な共同性 |
| 市民社会 | 個人の利害がぶつかる (「欲望 の体系」) |
| 国家 | 両者を 止揚 した最高の共同性 |
人倫が答えているのは「良心だけで倫理は成り立つか」という問いです。心の中の善意にとどまる道徳は現実の制度を持たず、法だけでは人の心を動かせない。その両方を備えた共同のあり方として人倫が置かれています。たとえば、家族の間では愛情で助け合えても、見知らぬ人どうしが利害をぶつけ合う市民社会ではそれだけでは足りず、制度が必要になるという段階の違いです。
試験では 「家族 → 市民社会 → 国家」 の 3 段階と、 国家を人倫の完成とした点が問われます。