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公共

公共こうきょうとは — 現代げんだい社会しゃかいと主権しゅけん者しゃ

最終確認日:

この章しょうで学まなぶこと

2022 年度ねんどから高校こうこうで始はじまった必ひっ修しゅう科目かもく 「公共こうきょう」 は、 これまでの 「現代げんだい社会しゃかい」 を大おおきく作つくり直なおした新あたらしい科目かもくです。

「公共こうきょう」 は単たんに政治せいじや経済けいざいの仕組しくみを覚おぼえる科目かもくではありません。 「主権者しゅけんしゃとして、 多様たような他者たしゃと共ともに社会しゃかいをつくる力ちから」 を養やしなうことを目的もくてきとしています。

  • 「公共こうきょう」 とは何なにか、 「現代社会げんだいしゃかい」 とどう違ちがうかを知しる
  • 3 つの大おおきな変化へんか (グローバル化ぐろーばるか・情報化じょうほうか・少子高齢化しょうしこうれいか) をつかむ
  • 18 歳選挙権18 さいせんきょけんと18 歳成人18 としせいじんが持もつ意味いみを考かんがえる
  • SDGsと持続可能性じぞくかのうせいとは何なにかを学まなぶ
  • 1 年ねん間かんの公共こうきょう学習がくしゅうの流ながれをイメージする

ポイント: 中学ちゅうがく公民こうみんが 「社会しゃかいの仕組しくみを知しる」 段階だんかいだったとすれば、 高校こうこう公共こうきょうは 「主権しゅけん者しゃとして、 自分じぶんがどう行動こうどうするかを考かんがえる」 段階だんかいです。 答えこたえは一ひとつではない問いといに、 自分じぶんの頭あたまで向むき合あう練習れんしゅうをします。

1. 「公共こうきょう」 とは何なにか

「公共こうきょう」 とは、 文字もじ通とおり 「みんなに関かかわること」 を意味いみします。 道路どうろ・公園こうえん・学校がっこう・防災ぼうさいといった 「公共こうきょうのもの」 だけでなく、 選挙せんきょ・憲法けんぽう・裁判さいばん・国際こくさい協力きょうりょくといった社会しゃかいの仕組しくみ全体ぜんたいが公共こうきょうの領域りょういきに含ふくまれます。

高校こうこう公共こうきょうが目指めざす 3 つの力

文部もんぶ科学かがく省しょうの学習がくしゅう指導しどう要領ようりょうは、 公共こうきょうの目もく標ひょうを大おおきく 3 つにまとめています。

力ちから内容ないよう例れい
① 知識ちしき・技能ぎのう政治せいじ・経済けいざい・倫りん理り・国際こくさい社会しゃかいの基礎きそを理解りかいする三さん権けん分ぶん立りつ・需要じゅよう供きょう給きゅう・国連こくれん
② 思考しこう・判断はんだん・表現ひょうげん多様たような立場たちばの意見いけんを踏ふまえて自分じぶんの考えかんがえをつくる9 条きゅうじょう解かい釈しゃく・原げん発ぱつの是ぜ非ひ
③ 学まなびに向むかう力ちから社会しゃかいの一いち員いんとして主体しゅたい的てきに行動こうどうする選挙せんきょ投とう票ひょう・ボランティア・請願せいがん

旧きゅう 「現代げんだい社会しゃかい」 との違ちがい

観点かんてん旧きゅう 「現代げんだい社会しゃかい」 (-2021)新しん 「公共こうきょう」 (2022-)
位置付いちづけ選択せんたく必ひっ修しゅう必ひっ修しゅう (全ぜん高校生こうこうせいが学まなぶ)
中心ちゅうしん軸じく知識ちしきの体系たいけい的てきな学習がくしゅう主体しゅたい的てきな問とい・話し合いはなしあい
対象たいしょう学年がくねん1-3 年ねんで選択せんたく主おもに 1-2 年ねんで必ひっ修しゅう
18 歳としとの関係かんけいあまり強調きょうちょうされず18 歳とし主権者しゅけんしゃ教育きょういく が大黒柱だいこくばしら

大事だいじ: 公共こうきょうは 「答えこたえを暗あん記きする科目かもく」 ではありません。 「意見いけんが分わかれる問といに、 根こん拠きょを示しめして議ぎ論ろんする練習れんしゅう」 をする科目かもくです。 立場たちばの違ちがう人ひとを否ひ定ていせず、 対話たいわする姿し勢せいが求もとめられます。

2. 現代げんだい社会しゃかいの特色とくしょく ① グローバル化か

「グローバル化ぐろーばるか」 とは、 国こっ境きょうを越こえて人ひと・モノ・お金かね・情報じょうほうが行いき来きし、 世界せかいが一いっ体たいにつながる動うごき です。

グローバル化かの具体ぐたい例れい

分ぶん野や例れい
モノスマホの部品ぶひんは中国ちゅうごく・韓国かんこく・台たい湾わん・米国べいこくで分業ぶんぎょう
人じん海外かいがい旅行りょこう・留学りゅうがく、 在日ざいにち外国がいこく人じん約やく 359 万まん人にん (2024 年ねん 6 月末げつまつ)
お金かね円えんとドルの為替かわせ、 多国たこく籍せき企業きぎょうの海外かいがい投とう資し
情報じょうほうインターネットで世界中せかいじゅうのニュースが瞬時しゅんじに届とどく
食しょく日本にほんの食しょく料りょう自じ給きゅう率りつ (カロリー基き) は約やく 38% (2023)

グローバル化かの利点りてんと課題かだい

利点りてん課題かだい
安やすく多様たような商品しょうひんが入手にゅうしゅ可能かのう国内こくない産業さんぎょうが海外かいがいとの競争きょうそうで苦戦くせん
世界せかいの文化ぶんかに触ふれられる文化ぶんか摩擦まさつ・偏見へんけん・差別さべつ
地ち球きゅう規模きぼの課題かだいに協力きょうりょくできる感染かんせん症しょう・経済けいざい危機きも瞬時しゅんじに拡散かくさん

ポイント: グローバル化かは 「良よい・悪わるい」 で一ひとつに括くくれません。 立場たちばによって受うけ止とめ方かたは違ちがいます。 例たとえば安やすい輸入ゆにゅう商品しょうひんは消費しょうひ者しゃに利益りえきをもたらしますが、 国内こくない生産者せいさんしゃには打撃だげきです。 「誰だれにとっての利益りえきか」 を考かんがえる視点してんが大切たいせつです。

3. 現代げんだい社会しゃかいの特色とくしょく ② 情報じょうほう化か

「情報化じょうほうか」 とは、 コンピューターとインターネットが社会しゃかいの中心ちゅうしんとなり、 大量たいりょうの情報じょうほうが瞬時しゅんじにやり取とりされる状態じょうたい になることです。

情報じょうほう化かの主おもな動うごき

  • インターネット: 1990 年代ねんだい後半こうはんに一いっ般ぱん普及ふきゅう
  • スマートフォン: 2010 年代ねんだいに急速きゅうそく普及ふきゅう (世帯せたい保有ほゆう率りつ 90% 超ちょう)
  • SNS (X・Instagram・LINE・TikTok): 個人こじんが世界せかいへ発信はっしん可能かのう
  • AI (人工じんこう知ち能のう): 画像がぞう・文ぶん章しょう生成せい、 自動じどう翻ほん訳やく、 自動じどう運うん転てん
  • キャッシュレス決済けっさい: スマホ決けっ済さいが急速きゅうそくに普及ふきゅう

情報じょうほう化かの利点りてんと課題かだい

利点りてん課題かだい
知ち識しきと情報じょうほうへのアクセスが容よう易いフェイクニュースふぇいくにゅーす・偽にせ情報じょうほうの拡散かくさん
地理ちり的てき距離きょりを越こえてつながれるデジタルデバイドでじたるでばいど (情報じょうほう格かく差さ)
個人こじんが発信はっしんでき、 多様たような声こえが届とどくプライバシーぷらいばしー侵しん害がい・誹ひ謗ぼう中ちゅう傷しょう
AI が単純たんじゅん作業さぎょうを補助ほじょAI 時代じだいの雇こ用ようと著作ちょさく権けん問題もんだい

「メディアリテラシー」 が不可欠ふかけつ

情報じょうほう化か社会しゃかいで主体しゅたい的てきに生いきるには、 「メディアリテラシーめでぃありてらしー」 が不可欠ふかけつです。 これは メディアが流ながす情報じょうほうを批判ひはん的てきに読よみ解とき、 自みずから賢かしこく使つかう力ちから を指さします。

  • 発信はっしん元もとを確認かくにん: 公的こうてき機関きかん / 大手おおてメディア / 個人こじんブログで信しん頼らい度は違ちがう
  • 複数ふくすうの情報じょうほう源げん を比較ひかくする
  • タイトルだけで判断はんだんしない (本文ほんぶんと違ちがう場合ばあい多おおし)
  • 発信はっしんする前まえに立たち止どまる (拡散かくさんする責任せきにん)

4. 現代げんだい社会しゃかいの特色とくしょく ③ 少子しょうし高齢化こうれいか

「少子高齢化しょうしこうれいか」 とは、 生うまれる子こどもが減へり (少子化しょうしか)、 65 歳とし以上いじょうの高齢こうれい者しゃの割合わりあいが増ふえる (高齢化こうれいか) 現象げんしょう です。 日本にほんは世界せかいで最もっともこの傾向けいこうが進すすんだ国くにです。

数字すうじで見みる日本にほんの少子しょうし高齢化こうれいか

指標しひょう1970 年ねん2000 年ねん2024 年ねん
合計ごうけい特殊とくしゅ出生しゅっしょう率りつ2.131.36約やく 1.20
65 歳とし以上いじょうの割合わりあい7.1%17.4%約やく 29.3%
平均へいきん寿命じゅみょう (男おとこ)69.31 歳とし77.72 歳とし81.09 歳とし
平均へいきん寿命じゅみょう (女おんな)74.66 歳とし84.60 歳とし87.14 歳とし

65 歳とし以上いじょうの割合わりあいが 21% を超こえると 「超ちょう高齢こうれい社会しゃかい」 と呼よばれます。 日本にほんは 2007 年ねんに到とう達たつし、 現在げんざいは約やく 30% に迫せまります。

少子しょうし高齢化こうれいかがもたらす影響えいきょう

分野ぶんや影響えいきょう
社会しゃかい保障ほしょう年金ねんきん・医い療りょう・介かい護ごの負担ふたんが現げん役えき世代せだいに集中しゅうちゅう
労働ろうどう力りょく生産せいさん年齢ねんれい人口じんこう (15-64 歳とし) の減少げんしょう、 人手ひとで不足ふそく
地域ちいき社会しゃかい過疎かそ化か、 限界げんかい集落しゅうらく、 学校がっこう統廃合とうはいごう
財政ざいせい税収ぜいしゅう減げん + 社会しゃかい保障ほしょう支出ししゅつ増ぞうで赤字あかじ拡大かくだい

対応たいおう策さくと議論ぎろん

少子しょうし高齢化こうれいかへの対応たいおうとして、 以下いかのような政策せいさくが議ぎ論ろんされています。

  • 子育こそだて支援しえん (保育ほいく所拡充じゅう、 児童じどう手当てあて)
  • 女性じょせいと高齢こうれい者しゃの就労しゅうろう促進そくしん
  • 外国がいこく人ひと労働ろうどう者しゃの受うけ入いれ
  • 社会しゃかい保障ほしょう制度せいどの改革かいかく (年金ねんきん受給じゅきゅう開始かいし年齢ねんれい、 窓口まどぐち負担ふたん割合わりあい)
  • AI・ロボットによる省力しょうりょく化か

議論ぎろんのポイント: 「子育こそだて支援しえんを増ふやす」 「消費しょうひ税ぜいを上あげる」 「移民いみんを受うけ入いれる」 など、 どの案あんにも賛成さんせいと反対はんたいがあります。 公共こうきょうでは一方いっぽうの立場たちばを押おしつけず、 さまざまな意見いけんを比較ひかくして自分じぶんの考えかんがえをつくります。

5. 18 歳とし主権しゅけん者しゃの時代じだい

2016 年ねんに選挙せんきょ権けんが 18 歳としに引ひき下さげられ、 2022 年ねんには民法みんぽう改正かいせいで成人せいじん年齢ねんれいも 18 歳としとなりました。 高校こうこう在学ざいがく中ちゅうに選挙せんきょが行おこなわれる時代じだいが来きています。

投票箱に投票用紙を入れる手元
選挙せんきょの投票とうひょう。2016 年ねんに選挙せんきょ権けんが 18 歳としに引ひき下さげられ、高校こうこう在学ざいがく中ちゅうから主権しゅけん者しゃとして政治せいじに参加さんかできるようになった。一いち票ひょうが社会しゃかいをつくる。

18 歳としでできること・できないこと

18 歳としでできること20 歳としまでできないこと
選挙せんきょで投とう票ひょうするお酒さけを飲のむ
国民こくみん投票とうひょう (憲法けんぽう改正かいせい)タバコを吸すう
クレジットカードをつくる競馬けいば・競輪けいりん等とうの公営こうえい競技きょうぎ
ローンを組くむ養子ようしを迎むかえる (養親ようしんとなる)
一いち人にんで契約けいやくを結むすぶ大型おおがた・中型ちゅうがた自じ動どう車くるま免許めんきょ
親権しんけん (父母ちちははの同意どうい不要ふよう)裁判さいばん員いん (5 年ねん後ごから年齢ねんれい引ひき下さげ議論ぎろん中ちゅう)

「主権者しゅけんしゃ教育きょういく」 の必要ひつよう性せい

「主権者教育しゅけんしゃきょういく」 とは、 国こく民主みんしゅ権けんの担にない手てとして、 政治せいじに主体しゅたい的てきに関かかわる力ちからを育そだてる教育きょういく です。 国会こっかい選挙せんきょの投とう票ひょう率りつを見みると、 若わかい世代せだいほど低ひくくなる傾向けいこうがあります (10-20 代だいは 30-40% 台たい、 60 代だいは 70% 前後ぜんご)。

なぜ投とう票ひょうが大切たいせつかを整理せいりしてみましょう。

観点かんてん説明せつめい
代表だいひょうの選出せんしゅつ自分じぶんの代かわりに国会こっかいで議論ぎろんする人ひとを選えらぶ
政策せいさくの選択せんたく増ぞう税ぜいか減税げんぜいか、 原げん発ぱつか脱原発だつげんぱつかなど
若者わかものの声こえを反映はんえい投とう票ひょう率りつが低ひくいと、 政治せいじ家かは高齢こうれい者しゃ向むけ政策せいさくに偏かたよりやすい

大事だいじ: 選挙せんきょで投とう票ひょうするだけが政治せいじ参加さんかではありません。 請願せいがん・パブリックコメント・SNS での発言はつげん・ボランティア・NPO 参加さんかなど、 多様たような形かたちがあります。 自分じぶんに合あう関かかわり方かたを見みつけることが出発しゅっぱつ点てんです。

6. 持続じぞく可能かのうな社会しゃかいと SDGs

地ち球きゅう温暖おんだん化か、 貧困ひんこん、 格差かくさ、 紛争ふんそうなど、 現代げんだい社会しゃかいは国こっ境きょうを越こえる課題かだいに直面ちょくめんしています。 これらに国際こくさい社会しゃかいが力ちからを合あわせて取とり組くむ目標もくひょうが 「SDGs」 (持続じぞく可能かのうな開発かいはつ目標もくひょう) です。

SDGs とは

  • 2015 年ねん の国連こくれん総会そうかいで採さい択たくされた
  • 2030 年ねん までに達成たっせいを目指めざす国際こくさい目標もくひょう
  • 17 の目標もくひょうと 169 のターゲット で構成こうせい
  • 「誰だれ一いち人にん取とり残のこさない」 がキーワード

17 の目標もくひょう (一部いちぶ)

番号ばんごう目標もくひょう
1貧困ひんこんをなくそう
4質しつの高たかい教育きょういくをみんなに
5ジェンダー平等びょうどうを実現じつげんしよう
7エネルギーをみんなにそしてクリーンに
13気候きこう変へん動どうに具体ぐたい的てきな対策たいさくを
16平和へいわと公正こうせいをすべての人ひとに

持続じぞく可能かのう性せいとは

「持続可能性じぞくかのうせい」 (サステナビリティ) とは、 将来しょうらいの世代せだいが必要ひつようを満みたす能力のうりょくを損そこなわず、 現在げんざいの必要ひつようを満みたすこと を指さします (1987 年ねん国連こくれん報告ほうこく 「我われら共通きょうつうの未来みらい」 の定義ていぎ)。

  • 環境かんきょう・社会しゃかい・経済けいざい の 3 つのバランスが必要ひつよう
  • 世代せだい間かん公正こうせい (今いまと未来みらいの世代せだいの公平こうへい)
  • 世代せだい内うち公正こうせい (先進せんしん国こくと途上とじょう国こく・男女だんじょ間かんの公平こうへい)

ポイント: 「経済けいざいを優先ゆうせんするか、 環境かんきょうを優先ゆうせんするか」 という二択たくではなく、 「両方りょうほうを高たかいレベルで両立りょうりつさせる道みちを探さがす」 のが SDGs の考かんがえ方かたです。 例れい: 再生さいせい可能かのうエネルギー産さん業ぎょうは環境かんきょうと雇用こよう両方りょうほうに貢献こうけんします。

7. 公共こうきょうで大切たいせつにする 「思考しこうの道具どうぐ」

公共こうきょうでは答えこたえが一ひとつでない問といに取とり組くみます。 そのとき役立やくだつ 「思考しこうの道具どうぐ」 を紹介しょうかいします。

① 事実じじつと意見いけんを分わける

事実じじつ意見いけん
「2024 年ねんの出生しゅっしょう数すうは約やく 72 万まん人にん」「子育こそだて支し援えんをもっと増ふやすべき」
数字すうじ・記録きろく・実験じっけんで確認かくにん可か立場たちばや価値かち観かんで異ことなる

② 複数ふくすうの立場たちばを想像そうぞうする

例れい: 「コンビニ 24 時間じかん営業えいぎょうをどう考かんがえるか」

  • 消費しょうひ者しゃ → 便べん利りさを求もとめる
  • 店員てんいん・店長てんちょう → 人手ひとで不足ふそくで負担ふたんが大おおきい
  • フランチャイズ本部ほんぶ → 売上うりあげを維持いじしたい
  • 環境かんきょう団体だんたい → エネルギー消費しょうひを減へらしたい
  • 高齢こうれい者しゃ → 夜中よなかに体調たいちょうが悪わるいとき助たすかる

→ 同おなじ出来でき事ごとでも立場たちばによって見みえ方かたが違ちがう ことを理解りかいする。

③ 「功利主義こうりしゅぎ」 と 「義務論ぎむろん」

倫りん理り学がくで古ふるくから議論ぎろんされてきた二に大だいアプローチです。

アプローチ特徴とくちょう弱点じゃくてん
功利主義こうりしゅぎ「最大さいだい多数たすうの最大さいだい幸こう福ふく」 を目指めざす。 結果けっかを重視じゅうし少数しょうすう派はの権けん利りが軽視けいしされがち
義務論ぎむろん「人ひとを手段しゅだんとして扱あつかわず目的もくてきとして扱あつかう」 (カント)。 行為こういそのものの正義せいぎを重視じゅうし現実げんじつとの折おり合あいが難むずかしい場合ばあいあり

→ どちらか一方いっぽうが正解せいかいではない。 状じょう況きょうによって使つかい分わけ、 あるいは両立りょうりつさせる道みちを探さがす。

④ 「ロールズろーるずの無む知ちのベール」

20 世紀せいきの哲学てつがく者しゃロールズは 「自分じぶんがどんな立場たちば (性せい別べつ・人種じんしゅ・財ざい産さん・才能さいのう) に生うまれるか分わからない状態じょうたいで、 どんな社会しゃかいを望のぞむか」 を考かんがえる思考しこう実じっ験けんを提てい唱しょうしました。

→ この視点してんを持もつことで、 自分じぶんの都合つごうだけでなく、 弱よわい立場たちばの人ひとにも配はい慮りょした社会しゃかいを考えかんがえやすくなります。

8. これから 1 年ねんの学まなび

最後さいごに、 公共こうきょう全ぜん 10 章しょうの全体ぜんたい像ぞうを確認かくにんしておきましょう。

章しょうテーマキーワード
Ch1公共こうきょうとは (現代げんだい社会しゃかい)グローバル化か・情報じょうほう化か・少子しょうし高齢化こうれいか
Ch2青年せいねん期きと古今ここんの思想しそうアイデンティティ・諸子百家しょしひゃっか・宗教しゅうきょう
Ch3民主みんしゅ主義しゅぎと人じん権けんの歴史れきしマグナ・カルタ・社会しゃかい契約けいやく説せつ
Ch4日本にほん国憲法けんぽうと基本きほん的てき人じん権けん三さん大原おおはら則そく・新あたらしい人じん権けん
Ch5民主みんしゅ政治せいじのしくみ三さん権けん分ぶん立りつ・裁判さいばん員いん制度せいど
Ch6選挙せんきょと政治せいじ参加さんか比例ひれい代表だいひょう・18 歳とし選挙せんきょ権けん
Ch7経済けいざいのしくみと市場しじょう需要じゅよう供給きょうきゅう・株式会社かぶしきがいしゃ
Ch8政府せいふの役割やくわりと財政ざいせい・金融きんゆう税金ぜいきん・日本銀行にっぽんぎんこう・社会しゃかい保障ほしょう
Ch9国際こくさい社会しゃかいと日本にほん国連こくれん・WTO・自由じゆう貿易ぼうえき
Ch10持続じぞく可能かのうな社会しゃかいと主体しゅたい的てき市民しみんSDGs・気候きこう変へん動どう

学まなび方かたのコツ

  1. ニュースと結むすびつける: 教科書きょうかしょの言葉ことばを現実げんじつの出来でき事ごととつなぐ
  2. 複数ふくすうの立場たちばから考かんがえる: 自分じぶんと違ちがう意見いけんにも耳みみを傾かたむける
  3. 数字すうじと出しゅっ典てんを確認かくにん: 「なんとなく」 でなく根こん拠きょを大切たいせつに
  4. 議論ぎろんを恐おそれない: 意見いけんが違ちがうことは自然しぜん、 対話たいわで深ふかめる

まとめチェック

  • 「公共こうきょう」 と旧きゅう 「現代げんだい社会しゃかい」 の違ちがいを説明せつめいできる
  • [ ]現代げんだい社会しゃかいの 3 つの特色とくしょく (グローバル化か・情報じょうほう化か・少子しょうし高齢化こうれいか) を例れいと共ともに言いえる
  • 18 歳とし選挙せんきょ権けんと 18 歳とし成人せいじんで何なにが変かわったかを整理せいりできる
  • SDGs と持続じぞく可能かのう性せいの意味いみを自分じぶんの言葉ことばで言いえる
  • [ ]事実じじつと意見いけんを区別くべつすることの大切たいせつさを説明せつめいできる

安全あんぜん配慮はいりょ: 多様たような意見いけんの尊重そんちょう

公共こうきょうの学まなびで最もっとも大切たいせつなのは 「自分じぶんと違ちがう意見いけんを否ひ定ていせず、 まず聴きく」 姿し勢せいです。

  • 政治せいじや社会しゃかい問題もんだいでは、 家庭かていや友ともだちの間かんで意見いけんが違ちがうことがあります。 「どちらが正ただしいか」 を競きそう場じょうではなく、 「なぜその人ひとはそう考かんがえるのか」 を理解りかいしようとする場ばとして教室きょうしつを使つかいましょう
  • SNS での発信はっしんは慎しん重ちょうに。 一度いちど出だした言葉ことばは完全かんぜんに消けせないことがあり、 誰だれかを傷きずつける可能かのう性せいもあります
  • 自分じぶんの 「当あたり前まえ」 が、 他たの人ひとにはそうでない場合ばあいがあることを意識いしきしよう。 文化ぶんか・宗教しゅうきょう・性別せいべつ・障しょう害がいの有無うむ・経済けいざい状況じょうきょうなど、 さまざまな違ちがいがあります
  • 困こまったことや不安ふあんがあれば、 一いち人にんで抱かかえ込こまず先生せんせい・相談そうだん窓口まどぐち・家族かぞくに話はなそう。 「話はなしていいこと」 です

まとめ — 公共こうきょうとはを 3 行くだりで

  • 公共こうきょうは 18 歳とし成人せいじんと18 歳選挙権18 さいせんきょけんを前まえに主権しゅけん者しゃとしての力ちからを育そだてる高校こうこう必修ひっしゅう科目かもく
  • 現代社会げんだいしゃかいはグローバル化ぐろーばるか・情報化じょうほうか・少子高齢化しょうしこうれいかという 3 つの変化へんかの中なかにあり、 フェイクニュースふぇいくにゅーすやデジタルデバイドでじたるでばいどなどの課題かだいと向むき合あう
  • SDGsと持続可能性じぞくかのうせいを軸じくに、 功利主義こうりしゅぎやロールズろーるずの思想しそうを学まなびメディアリテラシーめでぃありてらしーで事実じじつと意見いけんを区別くべつする
この教材きょうざいは役やくに立たちましたか?